会社としての“頑張っている”基準が明確化 従業員と良好な関係性を築くために人事評価制度は必要様

会社としての“頑張っている”基準が明確化 従業員と良好な関係性を築くために人事評価制度は必要

2020年10月ご導入

辻堂ステラ歯科

代表

松田 大輔

※インタビューの内容は取材時のものになります。

辻堂ステラ歯科

事業内容
歯科医院
従業員数
8名(評価対象 6名)
設立
2014年4月2日
所在地
神奈川県
課題
社員の頑張りが正当に評価できる仕組みを作りたい

    人事評価制度を導入された背景を教えてください。

    新型コロナウイルス感染拡大後、業績が悪化したことがきっかけでした。

    当院は、緊急事態宣言中の2か月間で4~500万円の減収となり、その期の賞与をカットせざるを得ない状況になりました。それを従業員に伝えたところ、「こんなに頑張っているのに、賞与出ないんですか?」と反発があったんです。
    そこで「はっ!」としました。経営者である私と従業員との間には、“頑張っている”という基準に対する大きな乖離があることに気付かされました。
    緊急事態宣言中は、歯をメンテナンスするために、患者様が定期的に来院する以外は、従業員には休んでもらっていました。それでも従業員は“頑張っている”と感じている。この乖離を埋めなければいけないと思いました。
    そこで、私の主観ではなく、従業員の頑張りを正当に評価するにはどうすればいいのか。当時の私には、そのノウハウがありませんでした。そこで、まずは独学で学んでみようと思い手に取ったのがあしたのチームさんの本でした。実際に本を読み、従業員を本当の意味で大切にしていくためには、人材育成ができる人事評価制度が必要だと思い、導入を決めました。

    人事評価制度を導入後、どのような効果を感じていますか?

    適切に組織を新陳代謝することができました。

    人事評価制度を導入する前は、一定の売上が上がった時に、全員一律の金額で昇給をさせていました。今思えば、頑張っても頑張らなくても同じように昇給させていたので、頑張っている人からすれば、“頑張り損”になってしまい、働き甲斐がない環境になってしまっていたと思います。そのような状況においては、実際に、やる気のある従業員から辞めてしまう状況でした。今思えば、当然だと思います。

    人事評価制度を導入したことで、会社としての“頑張っている”基準が明確になり、それに基づいて正当に評価できるようになったので、「頑張っている」と言うだけで成果が出ていなかった従業員は、自然と辞めていきました。

     

    採用の面でも、人事評価制度があることで、頑張った人が頑張った分だけ評価されるので、それが一定のハードルになり、やる気のある優秀な人材が集まりやすくなっているなと感じます。

     

    私個人としては、制度を導入したことで、従業員と初めて向き合うことができました。私は、経営をしながら実務も行っていますので、日々忙しく、従業員と向き合う時間を取れていなかったんです。全体的なミーティングで、売上などを一方的に伝える機会は作っていましたが、従業員一人ひとりと面談したり、話をしたりする機会は設けていませんでした。人事評価制度の導入をきっかけに、目標設定や評価を通じて社員一人ひとりと真剣に向き合えるようになり、従業員のキャリアアップや成長を支援したいと思うようになりました。
    また、昨年は、初めて総会(※1)を開きました。導入前は、売上などの数値の報告はしていたものの、今後の方針、ビジョンを伝えることはできていませんでした。担当コンサルタントに進行してもらいながら、私からは売上の報告や、これからの医院やサービス、経営方針、いわゆるビジョンを伝えました。医院で働くメンバーが一丸となって、先の1年、同じ方向を向いて取り組んでいく。総会はそれらを実現するためにも、非常に大切だと感じました。
    人事評価制度を導入しなければ、総会を開き、今後の方針について伝える機会もなかったと思います。
    今までにない発想で、組織として進化できるのも、導入して良かったことの一つです。

     

    (※1)総会は、全従業員が集まり、組織のビジョンや今後の方針を共有する場のこと

    人事評価制度を運用していく中で苦労したこと、また、その局面をどのように乗り越えたのかを教えてください。

    頭を悩ませることが多くて、今でも苦労しています。(笑)
    一番苦労しているのは、従業員の意識改革です。

     

    実は、数値目標に「専門知識の習得」という項目を設定し、セミナーの参加数や動画視聴数などで評価できるように設定したことがありました。
    働く社員の技術や知識アップは、患者さんの満足につながり、医院の発展のためには欠かせないものです。だからこそ、空き時間を使ってのセミナー参加や動画視聴を通じて、みんなのキャリアアップにつながればと思っての設定でした。ですが、実際に評価の場面になってみると従業員から「取り組めていませんでした」と報告が複数あったんです。よく話を聞いてみると“自分がキャリアアップして成長したい”という気持ちより、職場のコミュニティを大事にしたい、みんなで仲良く働きたいという気持ちが強い従業員が多いことが分かりました。
    自分だけが、セミナーに参加して勉強したりすることで、院内で浮いてしまうんではないかという心配や抜け駆けしているような気持ちを感じていたようです。
    このことで、目標に取り組んでもらうための時間や、環境は私が整えなければならないと気づくことができました。さらに、制度を運用してみて、「各人の成長を一人ひとりの自主性だけに任せていてはダメなんだ」「評価者である私が動機付けをしなければならないんだ」ということに気付くことができたので、普段から評価者である私が「目標やってる?」と声をかけ、日々目標を意識してもらい、意識改革→人材育成とつなげていきたいと思っています。
    まだ乗り越えられてはいないことは多くありますが、制度を通して経営者としての課題が見えてくるので、私自身も学びながら成長していきたいなと思っています。

    今後、人事評価制度を導入する企業に対してのアドバイスをお願いいたします。

    当院の評価対象者は6名と少なく、正直、クラウドという大それたものでなくても、人事評価制度の運用はできるのかもしれません。

    しかし、あしたのチームさんの担当コンサルタントがいてくれることで、どうやって目標を立てるのかなど、運用のノウハウを学ぶことができますし、私と違った視点や感性でアドバイスをくれるので、経営者として学ぶための授業料だと考えています。
    人事評価制度を運用し、従業員と向き合うことで、自分も“経営者として勉強していかなきゃいけない”と奮い立たせてくれます。
    導入するには、決して安い費用ではありませんが、高い費用だからこそ真剣にやらなくてはならないと思えるので、死に物狂いで取り組むことができているんだと思います。(笑)実は、会計士さんから、「この費用どうやって回収するつもりなんですか?」と指摘されたことがありました。私は、回収は既に始まっていると思っています。成果として、業績に表れているわけではありませんが、“医院内の連携がスムーズだな”“患者さんが今日も笑顔だな”など、医院が“良くなっている”と肌身で実感できているからです。これは、運用をしてみると体感できると思います。
    小規模な組織こそ、従業員との関係性を本当の意味で良くするためにも人事評価制度が必要だと思います。

     

    これは、余談で経営とは関係ないのですが、人事評価制度の考え方は、子育てにも役立つと感じています。この春、私の子どもが小学生になります。せっかくお小遣いを渡すなら、ただ渡すだけではなく、そこに価値を見出したい。そんな風に考え、お小遣いの仕組みに評価制度の考え方を適応することにしました。考えた仕組みは、子どもに任せるお手伝いの内容や頻度を決めて、それを“お小遣い契約書”として作成して予め掲示しておき、実施できたお手伝いに応じてお小遣いを増減するというやり方です。

    あくまで一例ですが、人事評価制度の考え方は、人の成長を促す上で有効であり、この考え方は子育てにも活用できるので、経営者だけでなく子育てされる方にもお勧めしたいなと思っています。

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      ※デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社
       HRTechクラウド市場の実態と展望2019年度版」より。

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