人事評価制度は、自社に合うようにカスタマイズし、あしたのチームと一緒に築き上げていくもの様

人事評価制度は、自社に合うようにカスタマイズし、あしたのチームと一緒に築き上げていくもの

2019年7月ご導入

株式会社 三勝設備工業所

代表

勝見 剛

※インタビューの内容は取材時のものになります。

株式会社 三勝設備工業所

事業内容
施工(取付業務)、各種ダクト製作、各種チャンバー製作
従業員数
31名
設立
1983年4月13日
所在地
埼玉県
課題
頑張った人が評価される仕組みづくりの実現/社内のコミュニケーション力UP

    人事評価制度を導入してよかったと感じたことを教えてください。

    人事評価制度を入れて2年が経ちましたが、人事評価制度を導入してよかったと感じてることが2点あります。

    まず、人事評価制度を導入したことで、評価者・被評価者双方から見て、“何を頑張れば、給与があがるのか”評価する基準を明確にできたこと、給与と連動するための仕組みを明確にできたことです。

    評価制度導入前は、同期入社・同じ役職であれば、同じ給与であり、給与に差をつけることができていませんでした。それぞれの社員にいいところがあるからです。でも、それだと、社員は、何を頑張ればいいかわらかないですし、頑張っても頑張らなくても同じ給与となってしまうので、社員からしたら面白くないですよね。私自身も、意味ある頑張り(会社が求める目標に対する頑張りや会社の目指す方向性に即した頑張り)をした人が、頑頑張った分、評価をされて給与は上がるべきだと思っていたので、あしたのチームの人事評価制度を導入しました。

    これまでは、何を頑張ればいいのかといった明確な目標(項目)や基準も、給与をあげるための仕組みもなかったので、どのように差を付ければいいのか、分かりませんでした。人事評価制度ができたことで、評価項目の結果や給与テーブルなどで、頑張った人が頑張った分だけ報われる仕組みになり、給与の差をつける基準も誰が見ても明確になっていると思います。最初の1年は報酬連動せず運用していたので、社員も「この目標を達成したら、本当に給与が上がるのか?」と半信半疑の状態でした。ですが、報酬連動を始めて、殆どの社員の給与が上がったことで、”頑張れば給与が上がるんだ”と、認識されるようになりました。

    また、導入前も昇給・賞与のタイミングで面談を実施していましたが、記録はしていませんでした。導入後は、定期的に面談し、その記録を残すことができています。弊社は30名ほどの会社で、私は毎日出社しているので、社内のコミュニケーション不足というわけではありませんでしたが、私から直接指示をする人との会話に偏ってしまっていました。

    ですので、定期的な面談をするようになり、あまり普段の業務では話さなかった社員ともコミュニケーションが取れるようになっていることも、導入してよかったことの1つですね。

     

    評価制度という仕組みを導入して、社内に新しい風も吹き始めています。

    製造部では、多能工化をテーマに個々の技術習得や手順書の作成が進むようになりました。また総務部では社内報の発刊もスタートし社内のコミュニケーション向上に繋がっています。

    会社が目指すゴールに向かって、各現場で実施したいことを社員が考えて実現してくれていることがとても嬉しいです。

    人事評価制度を運用していく中で苦労したこと、また、その局面をどのように乗り越えたのかを教えてください。

    実は、導入して1年経つか経たないかの頃、もう人事評価制度を実施するのは無理かもしれない、辞めようかな・・・と諦めていた時期がありました。人事評価制度の導入は、私の判断で決めて、当時は私だけが評価者で運用をしていました。ですので、社員は”やらされている感”が抜けず、期日も守れない状態で、社内に人事評価制度を浸透させるのは無理かもしれないと思っていました。

    そんな時、あしたのチームのセミナーに参加し、別の導入企業の方とお話しする機会がありました。

    そこで、株式会社トップ工業の髙橋社長とお話しさせていただき、同じような業種で、”最初の1・2年は試行錯誤しながら進めていたこと”、”3・4年経過し、権限委譲が進み、社長の手から離れてきたこと”など、同じような状況であることを知ったとき、”諦めなくていいんだ”と希望がもてるようになりました。

    そこからは、あしたのチームの担当コンサルタントに相談し、”人事評価制度は、協力者を増やして、一緒に周りを巻き込んで実施することが大事であること”、”評価者を増やしてみよう”とアドバイスをもらい、評価者に妻や、工場長、部長を新たに加えることにしました。

    妻や、工場長、部長を評価者として加えたことで、一人ではなく、皆で評価制度運用についての会議をしたり、一緒に”あしたの履歴書”という講座に参加したりして、皆で一緒に人事評価制度を理解し、協力しながら進める仲間を作っていきました。

    仲間ができたことで、不思議と制度が回り出すようになりました。

     

    今では、工場長や部長も、何か困ったことがあると、担当コンサルタントに相談したり主体的に取り組み、人事評価制度が浸透してきていると感じています。
    もちろん、報酬連動を始めたことで”頑張れば給与が上がるんだな”と体感できたことも要因の一つかもしれないですね。

    今後、人事評価制度の運用により、実現したいことを教えてください。

    インドネシアの技能実習生から贈られた木彫りの似顔絵

    人事評価制度を通して、権限委譲、評価者(管理職)の育成を進めていきたいです。近い将来、1次評価者を私から班長に権限委譲したいと思っています。

    私たち製造業は、どうしても日々黙々と仕事をするような”職人集団”なので、周りの人との関わりが薄く、コミュニケーションを取らない人の方が多くなりがちです。
    導入前は、部下に対しても、「○○は仕事ができないから」と我関せずな状況で、育成や教育をしようとしていませんでした。
    本来であれば、部下を育てるのも上司である人の仕事のはずです。評価者になることで、被評価者である”部下の給与を上げてあげたい”というマインドになり、そのためには、評価者から被評価者にどうなって欲しいのかを目標設定の際に具体的に伝えてあげる必要がありますよね。

    ですので、被評価者へのアドバイスを通じて、双方が成長ができる、といった成長のサイクルを社内の文化にして行けたらいいなと期待しています。そのためにも、権限委譲や評価者の育成を進めていく必要があると思うんですよね。

    また、現在は、全社共通の行動目標に”思いやり”を入れて、周りへの思いやりを意識してもらうようにしています。

    いずれは、行動目標で示さなくても、社員同士の思いやりが当たり前の文化になり、この項目を卒業していってほしいですね。

    今後、人事評価制度を導入する企業に対してのアドバイスをお願いいたします。

    他社と違う、あしたのチームの人事評価制度の魅力は、企業によって仕組みや運用の仕方を担当コンサルタントに相談しながら、自由にカスタマイズができることだと思っています。

    弊社の場合、導入を決めた時には、最初から班長に評価者を任せるつもりで運用を始めましたが、実際は、すぐに任せることができませんでした。そこで、担当コンサルタントに相談し、まずは私が評価者となり、工場長、部長と段階を踏んでから、評価者の輪を広げていく形を取りました。

    企業によって、業種や、人数、社風などが違うので、導入している企業がすべて同じ制度ということもないでしょうし、同じ運用方法でうまくいくわけではないと思っています。
    だからこそ、担当コンサルタントに相談しながら、徐々に自社に合った制度や運用方法にカスタマイズをし、一緒に制度を築き上げていっています。わからないことや、不安なことを相談できる人がいるのは有難いですね。

    なので、これから導入される場合には、自社に合う制度になるように、担当コンサルタントに相談しながら、一緒に制度を築き上げていくことをお勧めします。

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      ※デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社
       HRTechクラウド市場の実態と展望2019年度版」より。

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