人事評価制度やクラウドは”夢のマシン”ではない 運用するには社員と本気で向き合う覚悟が必要様

人事評価制度やクラウドは”夢のマシン”ではない 運用するには社員と本気で向き合う覚悟が必要

2021年5月ご導入

株式会社アドトップ

代表

寺田 武弘

※インタビューの内容は取材時のものになります。

株式会社アドトップ

事業内容
催事事業(催事の企画営業)
従業員数
9名
設立
平成7年8月(1995年8月)
所在地
課題
企業理念の浸透、プロセス評価の実施、評価基準の明確化

    課題

    • 1 長時間労働を否定できない社内風土により残業時間の増加が課題に
    • 2 生産性やプロセスにはあまり目を向けておらず非効率的(長時間労働)であっても
      目標達成出来たら評価される文化だった
    • 3 リモートワークで対面機会の減少によるコミュニケーション不足が懸念

    解決

    • 1 共通の課題意識を持てたことで残業時間が45時間→10時間に削減
    • 2 KPIを追うようになりPDCAスピードが上がり社員が育つ環境へ。
      業績もコロナ渦でも前期対比126%増の過去最高に!
    • 3 評価のプロセスの中で、1on1で社員と向き合い深く話す機会が増えたことで
      質の高い対話ができるようになった

    人事評価制度を導入後、どのような効果を感じていますか?

    小人数の段階から評価と報酬の決定プロセスを仕組み化する必要性を感じていた。

    仕組みとして明確な人事評価制度はありませんでした。差し迫った課題を感じていたわけではありませんでしたが、従業員が10名未満のうちから評価と報酬をロジックで決める仕組みを持っているべきだと考え、導入に至りました。弊社は業績も良く、大きな課題はなく順調に社員の昇給もできていましたが、この先も従業員の個性を大切にして多様性を受け入れていく為にも、共通の価値観や評価基準を人事評価制度を通してしっかりと示していく必要を感じました

    導入にあたっては、展示会や他社の人事評価サービスを色々と比較検討をしました。その中で、働く人の評価と報酬を決めるという重要なことを簡単にシステム化するサービスではなく、コンサルタントが人として関与してくれるという点に魅力を感じ、あしたのチームにお願いすることにしました。

    導入後の苦労した点

    目標や評価の難易度調整に苦戦。会社としてあるべき姿をすり合わせて共通認識を醸成していった。

    目標設定に苦労しましたね。社員は、“評価”ときくと、どうやったら評価してもらえるのかという視点で目標を考えますから、目標を自己設定しようと思っても浮かばず、苦労していたようでした。そこで私は、人事評価制度や目標は、評価をすることが目的ではなく、自分自身の成長を促すためのものである。だから、成長のために何をしたいのか、何をするべきかという視点で目標を考えよう。と一人ひとりと向き合いながら伝えていきました。

    そうすることで、社員も自身の成長のために“何をするべきか”何をやりたのか“といった視点で目標を考えたり、決めたりすることができるようになりました。

    目標設定に関しては難易度のすり合わせにも苦労をしました。 最初の評価期間の半分が過ぎたころ、担当コンサルタントが「目標の難易度が易しい傾向にあるかもしれない」と示唆をくれ、提示された中間時点の評点分析の結果を見ると、社員の8割がほぼ満点をとるペースであることがわかりました。評価ランクや昇給見込額とも照らし合わせ、目標の難易度を適切に調整する動きを中間時点でとることができました。

    次に苦労したのは、評価をする際の評点のつけ方でした。弊社は、評価の結果と報酬を連動しているため、評点は社員の給与と未来にかかわる大事なものです。

    あしたのチームさんのアドバイスに沿って、評点は中央値をつくらない1点~4点にしているにもかかわらず、目標を自己設定しているがゆえに、評点をつけることが難しいと感じたんです。

    そこで、担当コンサルタントから、公正な評価になるようにと評価者を集めた会議の提案がありました。会議では目標内容と実際の行動を照らし合わせ、「これはアドトップとしてどういう評価になるのか?」という目線合わせを行いました。またその結果を社員にも伝え、目標設定をする際には、「この目標に対しての合格点の3点はどういう状態なのか」など評点のイメージを社員と決めてから期をスタートするようにしました。すると、納得感のある評価ができるようになっていきました。

    また、私自身で言えば、評価制度を通じて、評価者としてのマネジメントスキルがまだまだ未熟だと感じています。社長ではなく、評価者として自分も、もっと成長しなければと、自身の成長意欲も高まり、今年の2月からは、”あしたのコーチ”というコーチングを受講し自身のマネジメントスキルを高めていきました。人事評価制度を通し、私自身も成長していきたいですね。

    導入後の効果

    社員の意識が変わり残業時間が激減。人が成長し活躍する環境へ。

    会社の大事にしている企業理念を目標に落とし込み、評価と連動したことで、企業文化(法令やルールの徹底など)の醸成にもつながっています。

    実際に、導入後、企業理念を社員が意識して行動できているなと感じる場面が多々ありますし、社員も「企業理念の浸透を行動目標に入れたことで、意識できるようになった。」「目標を達成するために、周りに協力を呼び掛けたら、協力してくれるようになった。」と話しています。

    数値的なお話で言えば、1サイクルの運用で、すでに成果が出たものもあります。弊社では、企業理念の行動指針の中で、”長時間労働を否定し、決められた労働時間の中で、高い成果を出す”という理念を掲げています。理念を制定する前は、長時間労働を美徳とする考えも一部では残っているような状態でした。そこで、行動指針を達成するために、”残業時間”という項目をKPI(数値目標)に入れ、月の残業時間の目標を尺度で示し、残業時間が少ない人を評価するようにしました。

    すると、社員が残業時間を意識するようになり、お互いに気遣ったり、助け合ったりすることで全社的に残業時間を45時間から10時間ほどに減らすことができました。

    今では、”残業をしないこと”は企業文化として定着してきています。

    残業時間は減っても、成果は下がっておらず、むしろ上がって1年で売上高は1.26倍になりました。
    最終的な目標(KGI)だけでなくプロセスKPIまで落とし込んだことで、社員一人ひとりが目標を追いかける意識がさらに強くなりました。上司が毎月1on1でプロセスについてのチェックもできるようになり、1歩1歩確実に改善・成長していける環境をつくれたと感じています。

    イベント業界は、コロナ渦において大打撃を受けており、弊社も例外ではなく売上が3分の1まで落ち込む時期もありました。依然として同業他社は、コロナの影響でまだまだ苦戦を強いられている状況の中で、前期は過去最高の売上を得ることができ、10年連続増収を達成することができました。

    これも、公正で適切な評価制度をつくり、”人を大切にし、人を育て、人が活躍する場をつくる”ことが実現できたからだと思っています。

    また人事評価制度の導入をきっかけに、社員全員と月1回1on1ミーティングを実施するようになり、社員と向き合える時間が作れて、より深いコミュニケーションが取れるようになりました。

    私は、営業の最前線からは、離れているので、社員がどんな思いで仕事をしているのかが知りたいと常々思っていました。

    この仕組みがあることでそういった思いも社員一人ひとりと共有出来ていると感じています。社員にとっても「毎月経営者と直接話せる機会があることで、困りごとや要望をスピーディーに解決してもらえる」と感じてもらう機会に出来たらと思っています。
    弊社は、社員が若く、社会経験が少ないこともあり、不安を解消するべく社内の風通しを良くしてあげたいと思っています。面談では、課題や対処を話し合い、困りごとや要望を聞くようにし、話した内容は、あしたのクラウドの自由項目欄やメモ欄に記載して残しています。
    クラウドに残していれば、被評価者も評価者も、いつでも内容の確認ができますし、後から見返し、振り返りもできるので重宝しています。

    人事評価制度を導入、運用してみて感じていることを教えてください

    人事評価制度やクラウドは“夢のマシン”ではない。運用は脳に汗をかくほど会社や社員と向き合うことだった。

    正直、はじめは、”クラウド”や、”IT”というワードを聞いて、目標を入れると、AIが自動的に評価してくれる”夢のようなマシン”なのではないかと思っていました。確かに、人事評価制度をIT化することで、作業面の業務効率化を実現でき、クラウド上で評価管理の集計作業を自動化することにより、進捗管理や共有もスムーズになりました。ですが、運用自体は、脳みそに汗をかくほど考え、社員と向き合いながら、互いに真剣に取り組むものなのだとわかりました。

    自分たちだけでは運用の壁にぶつかった時に最適な改善策をすぐには出せないかもしれません。そんな時に他社の運用事例を踏まえた改善策の提案をしてもらえたり、そもそもぶつかりそうな壁を先回りして教えてくれたり。評価結果の細かな分析や第3者視点からの示唆を与えてくれるあしたのチームの存在は支えになりました。

    人事評価制度は、評価することが目的ではないので、社員に取り組んでもらうためには、評価をする先に何があるか、社員にとっての明るい未来を提示できるかが大事です。

    弊社の場合は、”自分と会社が共に成長し、人生が輝く会社を創る”ということを一番大きな企業理念に据えているので、評価の先に、自身と会社が成長することで、自身も経済的な豊かさを得ることができ、人生を輝かせることができると伝えています。

    評価制度を導入するには、社員と真剣に向き合う覚悟が必要ですが、社員と会社が成長し続けるために、必要なものだと思います。

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      ※デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社
       HRTechクラウド市場の実態と展望2019年度版」より。

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