主観による評価からの脱却。現場育ちのマネージャーも意識が変わり“人を育てられる人を、育てる”土壌へ。様

主観による評価からの脱却。現場育ちのマネージャーも意識が変わり“人を育てられる人を、育てる”土壌へ。

2019年12月ご導入

株式会社サラダボウル

代表

田中 進

※インタビューの内容は取材時のものになります。

株式会社サラダボウル

事業内容
農産物の生産・販売・加工・小売・企画・開発/農作業の請負/農地の管理/農業経営コンサルティング
従業員数
77名(クラウド登録者)
設立
2004年
所在地
山梨県
課題
運営する農場の数が増え、農場間の人材交流が多くなったことをきっかけに、グループとしての経営理念・価値基準(Mission・Values)を整理するとともに、農場ごとに整備してきていた人事制度の共通化に取り組みたい。

    人事評価システムを導入した理由

    主観による評価からの脱却とマネジャー育成を命題に導入を決意

    私たちは国内各地で農場を経営しており、それまで人事評価は各農場長の主観で行っていました。社員は年次ごとに少しずつポジションが変わっていくような状態だったのですが、少なからず「良かれと思って取った行動が評価に結びついていない」「言われたこと、目の前にあることを一生懸命にやって何が悪い」といった雰囲気がありましたし、何よりマネジャー以下、成果を創出するためのアクションがどういうものなのか、分かっていなかったように思います。

    そのため、プロセスを適切に管理でき、業務そのものの見える化や、個々の役割期待を明確にできる、あしたのチームを活用して、グループ全体にとっての評価育成の基盤をつくることにしました。目標を自分たちらしく柔軟に設定できることもまた一つの決め手になりました。

    導入にあたっての課題

    段階を踏んだ導入によって社員の負担を小さく

    「評価」という言葉が先行してしまったことです。「評価はされたくない。だけども、給料は上げてほしい」というのは人間の真理ですが、「評価することを目的に導入するわけではない。やるべきことを確実に行えば、求める結果に確度高く到達できる。そのための成長のツールだよ」ということを、社員には時間をかけてていねいに伝えました。そういう意味では、マネジャー育成も導入の目的の一つでしたね。「野菜づくりこそ花形」という思考の強い現場育ちの管理職を人材育成や評価に関与してもらうことで、チームをつくっていくことへの意識を根付かせたいとも思っていました。これらを前提に始めていますので、運用当初は評価と給与を結びつけることはせず、まずは目標に対する評価に違和感がなくなるまで取り組みましょう、というスタンスで始め、タームごとに段階を踏みながら進めていきました。

    また、当社は、“人を育てられる人を、育てる”ことを標榜してきましたが、そのためにどのような教育、啓蒙をしていくのかは、非常に難しいと感じていました。その点、ミッションやバリューの実現を目標に落とし込み、実務に合わせて展開できた点は、大きかったと考えています。目標をしっかり定められたことで、先輩は後輩の育成に、マネジャーはチームの育成に関与するようになり、事業自体も各農場の個別最適から全体最適へと変わっていきました。現場に浸透した今は、目標が個々の目標達成のためではなく、業務そのものに自然と組み込まれており、チームを主語に現場がうまく回り始めたと感じています。

    導入後の効果・成果

    社員が夢や目標を語り始めた

    一人ひとりが安心し、落ち着いて働ける風土になりました。周囲と比較して過度に不安になることなく、自分の与えられている役割期待を冷静に捉え、自分の描くキャリアパスに向かって取り組める状態になったと感じています。これは被評価者よりもマネジャー(一次評価者)に顕著です。現場でトマトをつくっていればいいと思いがちな人たちが、経営者に近づいてきていますから。そういう意味では、マネジャーを育成するため、という導入目的は達成できていますし、さらには次の世代のマネジャーも育ち始めています。

    いままでは「社長がこう言っているから」と口にしていた管理職から「会社をこんなふうにしていきたい」と、夢や目標が語られるようになりましたし、「農場長になるのは順番待ち」と思っていたであろう若手社員からも「農場長を担っていきたい」「新しい農場をつくりたい」と、意欲あふれる言葉が聞こえてきます。こうした姿勢が現れるようになったのは、そのためのキャリアパスがあしたのチームの導入によって見えたからこそ。しっかり取り組み、目標を達成すれば、会社が適切に評価してくれるし、やりたいことへのチャンスが与えられる、と思ってもらえるようになったと感じています。

    導入にあたって一番の収穫

    メンバーの成長が「偶然」ではなく「必然」に

    メンバーの視野が広がりました。当社は業務内容の特性から、社員の考え方に偏りが生じる部分もあると感じていますが、その点、コンピテンシーはその人の人間性を高めていくことに、数値目標はビジネスパーソンとして果たすべき役割を定量的に見ることにつながっています。このようなバランスの取れた仕組みがあることによって、目指すべき姿を一人ひとりに伝えやすくなった結果、メンバーの成長が「偶然」ではなく「必然」になったことは大きいです。

    人材育成に絶対の方法はありませんが、「こう育ってほしい」と願う姿に確率高く近づくためのツールとして、あしたのチームは本当に有用だと思います。

    今後、実現したいこと

    農場の展開スピードに合わせ、グループの成長を加速させていきたい

    毎年、複数の農場が立ち上がっていますが、そのスピードに合わせてグループの成長を推進していきたいです。人事制度は、その成長を支える基盤ですが、この数年で一定の成果を収められたことで、次のステージに向かうための準備ができたと思っています。

    人事評価制度の導入考えている企業へのメッセージ

    目標を支える仕組みがあることは、働くうえで大きな価値がある

    私たちにとってもっとも良かったことは、フェーズが進むのに合わせて目標を継続的に描くことができたことです。「これに沿って成長を促していけば大丈夫」と思えることに大きな安心感があります。その目標を短い期間で定期的に確認し、マネジャーとメンバー間で現状とのギャップを捉えなおすコミュニケーションを繰り返すことが、社員の成長を確実にサポートできる方法だと思います。そのうえで、一人ひとりが「これは、いい」と思える運用を続けることが大事と考えます。どれだけ意義を説いても、現場の業務との乖離があると絶対に続きません。スタート時、「評価シートに書かれたこと以外の部分で、私たちは役に立っています」といった声が現場から聞こえてきましたが、そういった声も明文化してみると、「ここの評価項目に入るよね」のように納得してもらえることが多くありました。円滑な運用をするには、このように日常の業務を通し、担ってもらいたいこと、なってもらいたい姿を明確に描き、目標とリンクさせていくかに尽きます。

    目標があり、それを支える仕組みがあることは、働くうえで大きな価値があると思います。業種に限らず、高い業績を出し続けている人は、この仕組みをうまく活用していると感じます。その結果、普通の人が一流へ、一流の人が超一流へと成長していくのでしょうし、総じて底上げされることは、まず間違いがありません。

    デスクワーク主体の業種と比べると、私たちの営む一次産業は評価項目を設定しづらい部分があるかもしれませんが、一方で社員をより多面的に捉えられる良さがあります。運用にあたっては、どの項目を重視するのか優先順位をつけたり、評価軸を言語化したりすることが大事になると思います。

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      ※デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社
       HRTechクラウド市場の実態と展望2019年度版」より。

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