「定性評価とは具体的に何を評価するものなのか詳しく知りたい」
「人事評価に定性評価を導入したいけれど、運用のポイントがわからない」
経営者や人事担当者の中には、上記のお悩みを持っている方も多いでしょう。
定性評価は、数値では表しにくい従業員の行動やプロセス、意欲を評価する方法です。適切に運用できれば、従業員のモチベーション向上や成長促進につながります。
しかし、評価基準が曖昧になりやすく、不満の原因にもなりかねません。
本記事では、定性評価の基礎知識や定量評価との違いを解説します。評価項目や運用を成功させるためのポイントも紹介するので、最後までご覧ください。
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目次
定性評価とは
定性評価とは「数値では表せないものに対する評価」のことです。
業務に対する姿勢・意識・工夫などは、その行動や成果を数値化することが容易ではありません。また、部署や担当業務によっては、成果を数値で表せない場合もあります。そういった際に、用いられるのが定性評価です。
評価対象が数値では見えないという特性上、あらかじめ一定の基準を定める必要があり、人事担当者にも知識が求められます。
公正な評価制度は従業員たちの高いモチベーションを維持するだけでなく、社内活性化や離職率低下にもつながります。そのため、従来運用していた人事評価に加えて、定性評価を導入する企業は増加傾向にあります。
定性評価と定量評価の違い

前述のとおり定性評価とは「数値では表せないものに対する評価」のことです。それに対して定量評価とは「数値で表せるものに対する評価」のことを言います。
例えば、顧客獲得件数・目標達成率・コスト削減率などは、その成果を○件・○%などと表すことが可能です。このように数値で表せるものを評価する際に用いられるのが、定量評価です。
評価対象が数値で目に見えるため、人事担当者や評価者にとっては評価がしやすく、評価される従業員にとっても納得感が得られる特徴があります。
「営業社員が積極的にお客様との対話に努めた結果、目標達成率が120%だった」
この場合、積極的にお客様との対話に努めたことに対する評価は定性評価、目標達成率120%だったことに対する評価は定量評価となります。
定性評価に使われる7つの項目
ここでは、定性評価に使われる項目を紹介します。
- 業務のスピード感
- 業務に対する工夫
- 知識の習得
- 積極性
- 規律性
- 責任感
- 協調性
業務のスピード感
普段の業務を進めていくスピード感などを中心に評価します。
【業務のスピード感が評価される例】
- 期限より前に作業を完了する
- 緊急の依頼にも迅速に対応する
- 上司への報連相が早い
業務に対する工夫
既存の業務プロセスを改善し、より効率的な方法を見出す能力を評価します。
【業務に対する工夫が評価される例】
- 作業手順をマニュアル化
- 業務フローの改善案の提出
- 無駄な会議を整理して時間を確保
知識の習得
業務に必要な知識やスキルを積極的に学び、実践に活かす姿勢を評価します。
【知識の習得が評価される例】
- 関連資格の取得
- 社内研修への自主的な参加
- 自社サービスや業界などの知識を習得
積極性
自ら課題を見つけ、主体的に行動する態度を評価します。
【積極性が評価される例】
- 会議で積極的に発言する
- 新規プロジェクトに自ら手を挙げる
- 問題解決に向けて率先して動く
規律性
組織のルールや規則を理解し、それに従って行動する能力を評価します。
【規律性が評価される例】
- 時間や締切を厳守する
- 機密情報を適切に管理する
- 身だしなみを整える
責任感
自分の担当業務に対して最後まで責任を持って取り組む姿勢を評価します。
【責任感が評価される例】
- 目標達成のために最後まで行動する
- ミスを隠さず報告して対策を講じる
- 業務を期限内に遂行する
協調性
周囲と円滑なコミュニケーションを取り、チームワークを重視する態度を評価します。
【協調性が評価される例】
- 他者の意見を尊重しながら建設的な議論を行う
- 同僚の業務をサポートする
- 部署間の調整を円滑に行う
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定性評価の3つのメリット
定性評価を人事評価に取り入れることには、多くの利点があります。ここでは、企業と従業員の双方にとって有益な、主な3つのメリットを解説します。
- 数字に表れない会社貢献度を評価できる
- 従業員のモチベーション向上につながる
- 個人の成長過程を把握できる
メリットを知り、定性評価を導入する判断材料にしましょう。
数字に表れない会社貢献度を評価できる
従業員にとっては、定性評価によって数字に表れない自分の頑張りが認められるのがメリットです。
営業成績などの数値だけでなく、仕事への姿勢や同僚との協力関係なども評価の対象となるため、日々の業務プロセスや質の高い仕事ぶりが正当に評価されます。これにより、従業員の士気とモチベーションが高まり、長期的なキャリア形成やスキルアップに専念できるようになるでしょう。
一方、人事担当者にとっては、定性評価を取り入れることで従業員の多面的な能力や組織への貢献度を総合的に判断できるようになります。
業績数値だけに頼らず、各部署や職位で求められるコンピテンシーを評価基準に織り込むことで、会社の目指す方向性に沿った人材育成が可能になるでしょう。
従業員のモチベーション向上につながる
従業員にとって、定性評価は自分の仕事ぶりや会社への貢献が適切に評価される実感を与えてくれます。数字だけでは表せない努力や工夫が認められることで、仕事へのやりがいや満足度が高まります。
会社と従業員との信頼関係が強固になり、円滑なコミュニケーションと協力体制の構築が期待できるでしょう。
加えて、モチベーションの高い従業員は自律的に能力開発に取り組むため、人材育成の効果も高まります。結果として、組織の生産性向上と人材の定着率アップに寄与し、会社の発展に貢献可能です。
ただし、このようなメリットを実感するには、評価制度の適切な設計と運用が重要です。
- 評価基準の明確化
- 評価者の教育
- フィードバックの徹底
上記のように、従業員の納得感と信頼感を得られる仕組みづくりが求められます。
定性評価を効果的に活用することで、従業員一人ひとりのモチベーションを引き出し、組織全体の活性化を図れるでしょう。
個人の成長過程を把握できる
定性評価は、数値では表れない日々の取り組み姿勢や業務プロセスを継続的に観察できるため、従業員一人ひとりの成長を把握する際にも役立ちます。
成果だけでなく、目標に向かってどのような行動を起こし、能力がどの程度向上したかを段階的に把握できます。
例えば、「以前は苦手だった顧客対応がスムーズになった」「自ら進んで後輩の相談にのるようになった」などの行動の変化は、定性評価だからこそとらえられる項目です。
成長の軌跡を長期的な視点で記録すると、個々に合わせた育成計画の立案や、将来的なキャリア開発の支援にも活用できます。
定性評価の2つのデメリット
定性評価のデメリットは、以下のとおりです。
- 評価の判断基準が難しい
- 従業員から不満が生まれやすくなる
それでは、詳しく見ていきましょう。
評価の判断基準が難しい
定性評価は、数値化できない要素を評価するため、評価基準が明確化しにくく、評価者の主観に左右されやすいデメリットがあります。
例えば、「コミュニケーション能力が高い」「責任感が強い」の評価項目は、人によってとらえ方が異なり、具体的な行動に落とし込みにくい難点があります。
そのため、評価者によって評価基準がぶれやすく、公平性を保つことが難しい場合があるでしょう。
評価基準があいまいなため、評価者の経験や価値観、好き嫌いが評価に反映されやすくなります。
また評価基準が不明確だと、具体的な改善策を提示できず、従業員の成長を促す効果的なフィードバックが行えない場合があります。
従業員から不満が生まれやすくなる
評価基準があいまいで、評価者の主観に左右されやすい定性評価は、従業員にとって不透明で納得しにくいものになりがちです。
例えば以下のような不満を生み出しやすくなります。
- 不公平感: 評価基準が明確でないため、なぜその評価になったのか理解しにくい。他の従業員との評価の差を説明しづらいため、不公平感を抱きやすい
- モチベーションの低下: 評価基準があいまいだと、努力が正当に評価されているのか不安になり、モチベーションの低下につながる
不信感: 評価に対する不信感は、上司や会社に対する不信感につながる
上記のデメリットを軽減するためには、定性評価する際の評価基準をできる限り明確化し、具体的な行動レベルに落とし込むことが重要です。
また、評価者向けの研修などを実施し、評価基準の理解を深めるとともに、評価における主観の排除に努める必要があります。
関連記事:人事評価に対する従業員の不満についてまとめた記事はこちら
定性評価と定量評価を組み合わせることが大切
人事評価では定性評価と定量評価をうまく組み合わせることが大切です。なぜなら、それぞれ評価する対象がまったく異なるためです。
もし人事評価で「定性評価」だけを用いた場合、顧客獲得件数や目標達成率などは評価の対象外となってしまいます。
逆に「定量評価」だけを用いた場合は、業務に積極的に臨む姿勢はもちろん、営業活動を円滑に進めるためのフォロー業務なども、評価の対象から外れてしまいます。
このように、いずれか一方の評価だけを用いると、評価しきれない成果や要素が出てきてしまいます。そうすると、本来評価されるべき行いや成果を見逃すことになりかねません。
それは従業員のモチベーション低下や不信感につながるだけでなく、企業としても給与の割り振りや、昇給、賞与を考える際に影響がでてしまいます。
そのため、公正な人事評価をするためには、定性評価と定量評価の両方を取り入れることが好ましいでしょう。
定性評価における観点や具体例
定性評価を用いるにあたり、まず「どのような行いや成果を評価するのか」という評価対象を決めることがとても重要です。ここでは、どのような観点で決めることが望ましいのかと、評価対象の具体例をお伝えします。
- 評価対象を決めるための観点
- 評価対象の具体例5選
- 定性評価の導入事例
具体例を知ることで、定性評価をイメージしやすくなるはずです。
評価対象を決めるための観点
評価対象を定めるときには、下記のような観点を踏まえることが一般的です。
<スピード力>
- 任せた業務の対応は素早いか
- 報連相は適切な早さで行なわれているか
<規律性>
- 勤怠状況が良好であるか
- 身だしなみや振る舞いに問題はないか
<協調性>
- 従業員同士で協力しあっているか
- 必要に応じて社外の人間とも協力できているか
<積極性>
- 業務に主体性を持って取り組んでいるか
- 苦手な業務にも前向きに臨んでいるか
<責任感>
- 業務の期日を守れているか
- 任された業務は必ず遂行しているか
<創意工夫力>
- 業務を進める中で工夫をしているか
- 新しい改善案などの提案ができているか
<知性>
- 自社サービスの知識を持ち合わせているか
- 顧客や業種における知識を身に付けているか
評価対象の具体例5選
評価対象の具体的な例を5つ紹介します。
- 営業職の定性評価項目
- エンジニア職の定性評価項目
- 事務職の定性評価項目
- 管理職の定性評価項目
- コンピテンシー評価の具体例
定性評価で評価する対象は、職種や評価の手法によって異なります。各項目で、どのような行動や姿勢が評価されるのかを見ていきましょう。
営業職の定性評価項目
営業職では、売上や契約件数などの数値目標(定量評価)だけでなく、成果に至るまでのプロセスが重要視されます。
例えば、顧客と長期的な信頼関係を築く力や、相手のニーズを引き出す交渉力、説得力のある提案力などの行動が評価対象です。
また、目標達成に向けた行動計画の精度や、計画を実行に移す力も大切です。困難な状況に直面しても粘り強く取り組む姿勢や、課題を解決しようとする積極性も評価されます。
さらに、個人の成果だけではなく、チーム全体への貢献度も評価項目に含まれます。後輩への指導や育成への取り組み、社内や社外の関係者と円滑に連携する協調性など、将来のマネジメントにつながる素養も評価すべきです。
エンジニア職の定性評価項目
エンジニア職では、技術的なスキルや成果物の品質が評価の中心になります。技術力を高めるための学習意欲や、新しい技術トレンドを積極的に追いかける姿勢、資格取得への積極性などが評価されます。
また、作成したコードの品質や、将来の変更・修正のしやすさを考慮した保守性も重要な観点です。
さらに、システム開発はチームで行うため、協調性や円滑なコミュニケーション力も求められます。チーム内で発生した技術的な課題に対して、解決のためにどれだけ貢献したかどうかも評価されます。
事務職の定性評価項目
事務職では、日々の業務を正確かつ迅速に進める基本的な遂行能力が評価されます。任された業務の正確性や処理スピード、設定された期限を守る意識などが評価の土台となります。
同時に、受け身の姿勢ではなく、主体的に業務を改善しようとする姿勢も重要です。既存の業務フローの問題点を見つけて改善策を提案する力や、作業を効率化するための工夫、コスト削減への意識などの主体的な行動が評価されます。
加えて、組織全体への貢献度も評価項目です。社内の他部署や社外の取引先と円滑にやり取りするコミュニケーション力や協調性、他部署の業務を積極的にサポートする姿勢などが評価されます。
管理職の定性評価項目
管理職は個人の成果ではなく、チームや組織全体への貢献度が評価の中心です。担当するチームをまとめ上げるマネジメント力や、部下の能力を引き出し成長を促す育成への取り組みが評価されます。
部下のスキルや状況に応じて、適切な業務配分を行い、進捗を管理する能力も必要です。
また、経営層の視点をもつことも重要です。経営理念を深く理解し、自らの行動で示す姿勢や、経営的な視点に立った判断力、戦略的な思考力が評価されます。
さらに、組織全体を円滑に機能させるための調整力も欠かせません。部門間の利害を調整する力や、組織全体への貢献、潜在的なリスクを管理する能力、チームを導くリーダーシップが総合的に評価されます。
コンピテンシー評価の具体例
コンピテンシー評価は、定性評価の曖昧さを解消するための具体的な手法の一つです。コンピテンシーとは、高い業績を上げている従業員に共通してみられる行動特性を指します。
具体的には、以下の要素群で評価体系を構築します。
- 自己認知
- 対人関係
- 業務遂行
- リーダーシップ
- マネジメント
また、各項目を5段階のレベルに分け、「レベル3:指示された課題を解決できる」「レベル5:潜在的な課題を発見し、周囲を巻き込んで解決できる」など、具体的な行動例を定めます。
コンピテンシー評価は、項目ごとに具体的な行動の例を示すため、評価者による判断のばらつきを減らし、公平な評価をしやすいのが特徴です。
なお、コンピテンシー評価の導入手順や活用方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
コンピテンシー評価とは行動特性をもとにした評価制度!導入手順・活用シーンを解説
定性評価の導入事例
定性評価は、数値で表せない要素を評価する手法であり、従業員のモチベーションや協調性、創意工夫などを評価する際に用いられます。以下に、定性評価の導入事例を紹介します。
- 株式会社メルカリ
- 評価制度:OKR(Objectives and Key Results)、バリュー評価、ピアボーナスを導入
- 目的:従業員の成長志向を促進し、組織全体のパフォーマンスを向上させるため
- 結果:従業員のモチベーションが向上し、組織全体の目標達成率が上昇
- 株式会社ディー・エヌ・エー
- 評価制度:成長志向を重視した360度評価を導入
- 目的:多面的な視点から従業員の能力を評価し、公正な評価を実現するため
- 結果:従業員の自己認識が深まり、スキルアップにつながった
- 株式会社日比谷花壇
- 評価制度:タレントマネジメントシステム「HRBrain」を導入し、定性評価を実施
- 目的:従業員の潜在能力を引き出し、組織の活性化を図るため
- 結果:従業員のエンゲージメントが向上し、離職率が低下
定性評価は、数値では表せない従業員の貢献や能力を評価するための重要な手法です。導入事例からもわかるように、適切な運用で従業員のモチベーション向上や組織の活性化につながります。
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定性評価方法とは
定性評価は数値で見えないものを評価するため、評価対象である行いや成果を点数化する必要があります。それにあたり「どのような目標に対して」「どのような基準で評価するか」も、あらかじめ決めておかなくてはいけません。ここでは、その目標や基準、点数について一例を紹介します。
- 定性評価のための目標設定
- 定性評価の基準・点数
方法を知り、適切な評価方法を学びましょう。
定性評価のための目標設定
定性評価では、評価期間を定め、目標を設定する必要があります。どのような成果や行いを評価対象となるのか、明確にするためです。なお、目標を設定する流れは下記の2手順となります。
手順1:組織目標と職位目標の設定
手順2:必達レベルと努力レベルの設定
<手順1について>
最初に一定期間の組織目標と職位目標をそれぞれ設定しましょう。例えば下記のように「会社組織として今後達成したい目標」「それに関する役職に合わせた従業員個人の目標」を挙げてください。
(例)
組織目標:新入社員が安心して独り立ちできる体制を目指す
職位目標:部長として社内の教育研修制度を整える
<手順2について>
設定した目標に対して、必ず達成したいと思っている「必達レベル」と、ここまで達成できたらなおよいという「努力レベル」を設定します。あくまで一例ですが、下記のように設定できます。
(例)
必達レベル:教育に必要な研修項目を作り、マニュアルを用意する
努力レベル:教育を実際に担当する従業員にその内容を浸透させる
このような目標設定について、「あしたのクラウド®HR」を用いればクラウド上で柔軟にカスタマイズすることが可能です。
評価の分析や可視化もボタン一つで行うことができ、フィードバックすべき内容の把握もしやすくなっています。人事評価の業務を効率化・公正化するにあたり、大変便利なシステムなのでおすすめです。
関連記事:目標設定についてまとめた記事はこちら
定性評価の基準・点数
目標設定の次に、評価基準と点数を設定しましょう。これらを設定しないと、評価者の主観が評価結果に影響してしまいがちです。そのため、必ず基準と点数を決めておくことが必要です。例えば下記のように定めましょう。
(例)目標達成に対する評価基準
- 必達レベル未達⇒1点
- 必達レベル到達で努力レベル未達⇒2点
- 必達レベル到達かつ努力レベル到達⇒3点
※点数は高い評価になるにつれて高くなるように設定してください。
※必ずしも3段階の基準で評価である必要はありません。適宜5段階にするなど、適切な基準を設けることが重要となります。
定性評価ではこの点数を用いて評価を行ないます。定めていた期間が終了した時点で、必達レベルや努力レベルに達しているかを確認し、点数をチェックするようにしましょう。
また、評価基準は1つだけではなく、会社にとって必要なものを複数用意することが望ましいです。例えば、「積極性」「協調性」を評価対象に含みたい場合、それぞれ次のような評価基準を設けるとよいでしょう。
(例1)目標達成に向けた積極性における評価基準
- 進捗を指摘されてようやく取り組んだ⇒1点
- 指摘を受けずとも自ら取り組んでいた⇒2点
- 指摘を受けずとも取り組み、新しい提案や施策まで用意した⇒3点
(例2)目標達成に向けた協調性における評価基準
- 目標に対し1人だけの考えや判断で取り組んだ⇒1点
- 実際に教育を担当する従業員と相談しつつ取り組んだ⇒2点
- 教育担当者だけでなく新入社員など、他の従業員にも話を聞きながら取り組んだ⇒3点
「あしたのクラウド®HR」なら、評価点数の計算だけでなく、どの評価に重きを置くかウエイトの調整まで可能です。評価データと連動もできるため、ただ評価をするだけではなく、給与のシミュレーションや人件費予測にも役立つシステムです。
関連記事:協調性についてまとめた記事はこちら
定性評価を運用するときの5つのポイント

評価の公平性や納得感を高めるために押さえておきたい5つのポイントを解説します。
- 多面(360度)評価を導入して客観性を高める
- 評価者を研修し人事評価の精度を高める
- キャリブレーションで評価のすり合わせを行う
- 期中フィードバックで継続的にコミュニケーションをとる
- 評価結果を適切にフィードバックする
定性評価は、導入するだけでなく、正しく運用できなければ意味がありません。各ポイントをそれぞれ確認してみましょう。
多面(360度)評価を導入して客観性を高める
多面評価(360度評価)は、上司だけでなく、同僚や部下、さらには顧客からのフィードバックを評価に取り入れる手法です。多様な視点から従業員の行動や成果を評価することで、評価の客観性を高められます。
例えば、リーダーシップやコミュニケーション能力など、日常の仕事ぶりを観察している同僚や部下の意見は、上司の評価を補完する重要な情報源です。
また、顧客満足度や社外との協働における貢献度など、社外からの評価を取り入れることで、より広い視野で従業員の価値をとらえられるでしょう。
多面評価を導入する際は、評価項目の設定や評価者の選定に注意が必要です。評価の目的に沿った項目を選び、適切な評価者を任命することが重要です。
また、評価者に対する十分な説明と教育を行い、評価基準の理解と公正な評価の実践を徹底する必要があります。
関連記事:360度評価についてまとめた記事はこちら
評価者を研修し人事評価の精度を高める
定性評価の精度を高めるには、評価者の能力向上が欠かせません。評価者を対象とした研修を実施し、評価スキルの向上を図ることが重要です。
研修では、評価基準の理解や評価方法の習得に加えて、評価の公平性や客観性の重要性を浸透させることが求められます。
また、評価面談のロールプレイングなどを通じて、適切なフィードバックの方法や部下とのコミュニケーション技術を身につけさせることも効果的です。
さらに、評価者間の評価のバラつきを防ぐために、評価結果の分析やモニタリングを行うことも大切です。各評価者の評価傾向を把握し、必要に応じて追加の教育や指導を行うことで、評価の精度と公平性の維持ができます。
定性評価の課題を克服し、その効果を最大限に引き出すためには、多面的な評価の導入と評価者の能力開発が鍵となります。これらの取り組みを通じて、従業員の納得感と満足度の高い人事評価制度を構築していくことが求められています。
関連記事:人事評価制度についてまとめた記事はこちら
キャリブレーションで評価のすり合わせを行う
評価のばらつきを調整するために、キャリブレーションを実施します。キャリブレーションとは、複数の評価者(管理職)が集まり、各自がつけた評価結果を持ち寄って比較・議論する場です。
例えば、「A部署のS評価と、B部署のS評価の基準は揃っているか」「Cさんはなぜこの評価なのか」など、評価根拠を相互に確認し合います。
キャリブレーションは、部門間や評価者間での評価基準の解釈のずれを調整し、組織全体として評価の公平性を高めるために重要なプロセスです。
期中フィードバックで継続的にコミュニケーションをとる
評価は期末に一度だけ行うものではありません。評価期間の途中で、定期的に1on1面談を実施し、コミュニケーションをとるのが重要です。
面談では目標達成に向けた進捗の確認や、業務上の課題をて話し合います。すり合わせを日常的に行うと、従業員は期待されている行動をタイムリーに認識し、軌道修正できます。
期中フィードバックを行えば、期末の評価面談の際に、従業員が自己認識と評価の乖離に驚く事態を防げるでしょう。
また、タイムリーなフィードバックは、従業員の成長を支援し、モチベーションを維持するためにも欠かせません。
評価結果を適切にフィードバックする
評価期間が終わった後のフィードバック面談も重要です。評価結果を伝える際は、なぜその評価になったのか、根拠を具体的かつ論理的に説明し、従業員の納得感を得る必要があります。
フィードバックの手法として、「SBI型」や「サンドイッチ型」などのフレームワークを活用するのもよいでしょう。SBI型は、Situation(状況)、Behaviour(行動)、Impact(影響)の順で具体的に伝えます。
なお、フィードバックは評価を伝えるだけでなく、評価面談を通じて次期の目標や成長課題を共有し、従業員の継続的な成長とモチベーション向上を支援することが最終的な目的です。
定性評価を上手く取り入れるにはクラウドシステムがおすすめ
定性評価は数値で見えないものを評価するため、評価対象を決め、基準に沿って点数化する必要があります。
「あしたのクラウド®HR」を活用すれば、クラウド上のシステムで評価対象の設定や点数計算が可能です。また、評価の比較分析や可視化もできるため、従業員の頑張りを今以上に公正に評価したい企業におすすめです。
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定性評価に関するよくある3つの質問
定性評価に関するよくある質問をまとめました。
- 定量評価と定性評価の違いは何ですか?
- 定性評価がなぜ注目されているのですか?
- 定性評価の反対は何ですか?
それぞれ詳しく解説していきます。
定量評価と定性評価の違いは何ですか?
定量評価は売上高や契約件数など、数値で測定できる評価です。一方、定性評価は業務への取り組み方やリーダーシップ力など、数値では表しにくい評価をいいます。
定量評価は数値化できるため評価しやすいですが、定性評価は評価者の主観が入ってしまうため、注意が必要です。定量評価だけだと、成果までの課程が評価されにくいため、定量評価と定性評価をバランスよく組み合わせる企業が増えています。
定性評価がなぜ注目されているのですか?
たとえば、営業職やマーケティングだと、契約件数や成果物がはっきりしているため、数値を元に評価できます。しかし、一般事務や総務などの場合、成果を数値化しづらいため、社員のモチベーションの低下にも繋がりかねません。
数値だけでなく、業務に取り組む姿勢やチームの貢献度など、社員全員を公平に評価するために、定性評価が注目されています。
定性評価の反対は何ですか?
定性評価の反対は定量評価です。定性評価は業務への貢献度やチームワーク力など、数値では表せない成果を評価するのに対し、定量評価は売上やKPI達成率など、数値で図れる成果を評価します。
人事評価において評価が偏ると、社員のモチベーションの低下や離職にも繋がりかねないため、バランスよく評価することが大切です。
AIで不満の少ない定性評価を実現したいなら「あしたのチーム」にご相談ください!
定性評価は、数値化しにくい従業員の貢献や成長を評価し、モチベーション向上につなげる重要な仕組みです。しかし、運用方法は複雑で、評価基準の曖昧さが不満の原因にもなりかねません。
定性評価を適切に運用していくためには、キャリブレーションを実施して、管理者間で評価基準を一定に保つ必要があります。
また、フィードバックの中で、評価の根拠を具体的かつ論理的に説明し、従業員から納得を得るよう心がけましょう。
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