「バックオフィス業務をどう評価すればよいかわからない」
「間接部門の評価方法や、評価する時のポイントが知りたい」
上記のように感じている方も多いでしょう。
バックオフィスは、営業部門とは異なり成果が数値で見えにくいため、評価基準を設けるのが難しい業務です。しかし、評価が曖昧なままだと、社員のやる気が下がり最終的には組織全体の生産性にも影響を与えかねません。
本記事では、バックオフィス業務が抱える課題や具体的な職種内容、公正な評価を実現するための適切な評価方法、重要なポイントを解説します。
また、自社でのバックオフィス評価や人事評価制度の構築・運用にお悩みの場合は、ぜひ「あしたのチーム」にご相談ください。また、多くの企業の課題を解決してきたノウハウをまとめた資料もご用意しています。
目次
バックオフィスの業務とは?主な業務一覧

バックオフィスの業務とは、経理や財務、人事や総務など、企業の運営を円滑に進めるための管理業務を指します。
営業やマーケティングなど、フロントオフィスと呼ばれる業務と違い、後方から企業をサポートする重要な役割を担っています。
バックオフィスの主な業務は、以下のとおりです。
- 経理
- 財務
- 総務
- 法務
- 人事
- 労務
- 情報システム
- 一般事務
- 営業事務
オフィス環境の整備や、給与・経費などお金に関する管理、社内システムの運用・保守、コンプライアンスやセキュリティの管理など、さまざまな業務があります。
売上に直結する業務ではありませんが、企業全体の生産性に大きく貢献しています。
バックオフィス業務で抱えている3つの課題

バックオフィス業務で抱えている課題は、主に以下の3つです。
- 成果が見えにくく評価が難しい
- 属人化が起こりやすい
- 業務改善の優先度が低い
これらの課題をあらかじめ知っておくことで、評価制度を設計する際のヒントになります。
ここでは、それぞれの課題を解説します。
成果が見えにくく評価が難しい
バックオフィス業務は、売上や契約件数など、数値化が難しい仕事です。そのため、企業への貢献度が低く見られ、適切な評価が受けられないことがあります。
属人化が起こりやすい
バックオフィス業務は、専門性が高い業務や、特定の社員が長年業務を担うことで、属人化が起こりやすいのが特徴です。さらに、その人でないとわからない業務が多くなり、異動や退職などで業務の引き継ぎがスムーズにいかないこともあります。
業務改善の優先度が低い
バックオフィス業務は、営業やマーケティングなど、企業の売上に直結する業務に比べ、業務改善の優先度が低くなりやすいです。そのため、企業がバックオフィス業務の重要性を理解しないと、社員のモチベーションの低下や離職を招きます。
また、生産性向上のためにも、企業がバックオフィス業務の重要性を理解する必要があります。
バックオフィス(間接部門)とは?直接部門との違い

企業における間接部門とは、人事や総務、経理、情報システム部門など、コーポレイト機能を担う部署のことを指します。
製造や開発、営業・販売などを担当し、売り上げ、利益といった会社の業績に結び付く業務を担当する直接部門の支援を行っているのが特徴です。また、事業運営を円滑にする役割も果たしています。
顧客と直接顔を合わせることが少ないため、「バックオフィス」とも呼ばれます。
新製品の開発・製造や、商品・サービスの販売など、企業の売上に直結する業務を行う直接部門は、「花形部門」と言われることが多い一方、直接部門の業務支援や、職場環境の整備など、企業の売上には直結しない業務を行う間接部門は、「屋台骨の部門」などと言われます。
それぞれ果たす役割が大きく異なるため、互いの役割を尊重できないと、ときに間接部門と直接部門の間には、摩擦が生じるケースもあるようです。
しかしながら、利益を生み出さないとはいえ、間接部門のどの部署も会社にとっては非常に重要です。
なぜなら、間接部門は、商品の生産や販売業務をする代わりに、直接部門が最大限に力を発揮するための社内情報やサービス、インフラなどを提供しているからです。
間接部門は、販売数や顧客獲得数、売上金額など、直接部門のように数値化された目標を立てにくいため、管理者からすると、評価方法を定めるのが難しい部門とも言えるでしょう。
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バックオフィス(間接部門)の主な5つの職種

バックオフィス(間接部門)の主な職種は、主に以下5つです。
- 総務部
- 人事部
- 経理部
- 情報システム
- 経営企画部
それぞれの部署がどのような仕事をしているのか、具体的に見ていきましょう。
ここでは、それぞれの職種を解説します。
総務部
総務部は、社員が働きやすい環境を整えることをミッションとし、他部署が扱わない、企業において必要不可欠なすべての業務を担っています。
主な業務は、保安・防災、備品の管理や空調照明などのオフィス・建物の管理、安全衛生管理、社員の健康管理などです。まさに、縁の下の力持ち的な存在であると言えるでしょう。
規模の大きな企業であれば、部署間のコミュニケーションを活性化させるための取り組み、正社員以外の雇用体系のスタッフが多いのであれば、それぞれの立場や役割を認識させるための取り組みなど、円滑な業務運営、社内活性化、社員のモチベーションアップにつながる働きかけを行うのも、総務部の大きな役割の一つです。
人事部
人事部は、企業の経営資源とも言える「人材」を扱う部門です。新卒採用や中途採用などの採用活動はもちろん、社内の各部門の状況を把握して社員の異動や転勤などの人員配置を行ったり、研修制度を用いて人材育成を行ったりします。
また、社員の評価制度や、給与に関する制度を定めます。加えて、労働時間や休暇取得の管理など、社員一人一人の勤務状況にも対応しますから、その業務は多岐にわたります。
終身雇用制度の崩壊や、パートやアルバイト、請負契約、派遣など働き方が多様化していることもあり、人事部門には「戦略人事」とも呼ばれる、人材を通した経営戦略への貢献が強く求められるようになりました。
人事担当者としてのこれまでの経験のほかに、データやデジタル技術を活用して、人事業務を効率化・戦略化し、利益を生み出す仕組みづくりが期待されます。
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経理部

経理部は、会社のお金の流れを管理し、記録をするのが主な業務です。
売り上げの管理や、請求書や伝票の整理、会計ソフトへの入力、財務諸表・貸借対照表や試算表などの書類作成、給与計算、経費精算など、企業内のお金に関することを一手に引き受けています。
クラウド会計などのデジタル化によって、業務の自動化や効率化が進んでいる部門でもあります。
これらの業務内容だけを見ると、お金の管理だけが経理部の仕事と思われがちですが、そうではありません。経理部の本来の役割は、社内のお金の動きを正確に把握し、その情報をタイムリーに経営者へ提供することです。
経営者が資金調達や予算編成などの財務戦略をたてるために、欠かせない役割を果たしています。
情報システム部
情報システム部は、インターネットやデジタルツールを活用した人事や経理システム、顧客管理、販売管理、在庫管理システムの構築や運用、メンテナンスなどを主な業務としています。
さらには、事業のB to B、B to C展開に欠かせないIT戦略やシステム企画を担い、ITの活用が業務に不可欠になった現在、非常に重要性を増している部門です。
情報システム部の業務は、システムに関する知識と技術を持っていれば務まるわけではありません。他部署と共同でプロジェクトを進めることも多いため、プロジェクト管理能力のほかに、折衝・調整力、コミュニケーション力が必要です。
また、クライアントと直接かかわるケースもあり、「バックオフィス」を超えた存在であると言えるでしょう。
経営企画部
経営企画部は、経営を戦略的かつ円滑に進めるため、経営者の手足となって計画し、実行する役割を果たしています。経営陣の右腕とも言えるようなポジションです。
事業展開の方向性や、事業遂行のために必要な人員や資源の見通しを立てたり、事業運営に必要な予算管理をしたり、事業目標を立てたりと、経営計画の策定に大きく関わります。
また、コーポレートガバナンスや法令遵守などに関するスキームの組み立て、決算や財務状況などについて株主や投資家向けに発表するIR活動にも深く携わります。取締役会の運営も経営企画部の仕事の一つです。
会社の状況を見渡せる広い視野、ロジカルに考えられる能力や経営学や業界に関する深い知識が求められる、専門的な部門です。
バックオフィス(間接部門)の3つの適切な評価方法

バックオフィス(間接部門)の適切な評価方法は、主に以下の3つです。
- 可能な限り定量化した目標設定を行う
- ミスやクレームの件数などの数値目標を立てる
- 上司と数値目標について話し合う
これらの方法を取り入れることで、評価の「見える化」を進めましょう。
ここでは、それぞれの評価方法を解説します。
可能な限り定量化した目標設定を行う
バックオフィス業務は、売上や客数などの明確な数字で成果を測りにくいのが特徴です。しかし、できる限り業務を数値に置き換えて、定量化した目標を設定することが大切です。
なぜなら、目標が数値で示されると、誰の目から見ても達成できたかどうかがはっきりとわかるためです。
例えば、「社内研修の参加者数を前年比で10%増やす」や「採用計画の達成度を90%以上にする」などの目標が考えられます。
上記のように成果を数値で示すことで、達成状況の把握が簡単になります。さらに、社員自身のやる気の向上や、部署全体の生産性を高めることにもつながるでしょう。
ミスやクレームの件数などの数値目標を立てる
バックオフィス業務の中には、比較的数値化しやすい部分もあります。その代表例が、ミスやクレームの件数、または業務処理にかかる時間の短縮率です。
上記のわかりやすい数値を目標として設定することも、適切な評価方法の1つです。
例えば、「経理処理のミスを月間0件にする」や「問い合わせ対応の平均時間を5分短縮する」などの目標を立てます。
そして、この目標をどれだけ達成できたかで評価を行うことで、客観的で社員が納得を得やすい評価を行うことが可能です。また、組織内での貢献度やコミュニケーション能力、新しい資格の取得などの要素も評価対象に加えることで、より多角的な評価ができます。
上司と数値目標について話し合う
数値目標を立てることは重要ですが、その目標をどのように設定するのかを慎重に検討する必要があります。
目標を設定する際は、上司と部下が面談や会議の場でしっかりと話し合い、お互いが納得できる目標を決めることが大切です。
特に、簡単に達成できる低すぎる目標や、逆に達成が極めて困難な高すぎる目標では、社員のやる気が上がりにくくなるため、実現性が高い目標を設定することが求められます。
また、目標が適切かどうかは、上司と部下が日頃からコミュニケーションを密に行い、業務の状況を共有しながら調整していくことがおすすめです。
下記シートでは、優秀な社員を育てる間接部門特化のKPI設定方法を紹介しています。
優秀な社員を育てる必須項目
間接部門のKPI設定方法を基礎から解説
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バックオフィス(間接部門)を評価する際の5つのポイント

バックオフィス(間接部門)を評価する際のポイントは、主に以下の5つです。
- 試験的に評価制度を導入する
- 現状に合ったリアリティのある目標設定を行う
- 上司が定期的にフォローアップを行う
- 目標達成のための方法や姿勢をチェックする
- 評価の結果を待遇に反映させる
上記のポイントを意識して、より良い評価制度を目指しましょう。
ここでは、それぞれのポイントを解説します。
試験的に評価制度を導入する
新しい評価制度をいきなり会社全体で始めてしまうと、現場が混乱したり、対応しきれない社員から不満が出たりする可能性があります。そのため、まずは試験的に導入してみることがおすすめです。
例えば、特定の1つの部署または一部の業務のみを対象に新しい評価制度を試し、導入する前と後でどのような変化があったのか、問題点はなかったのかを検証します。
この時、最初から完璧を目指すのではなく、試験導入で見つかった改善点を直しながら、少しずつ精度を高めていくことが大切です。 そして、うまく機能することを確かめられたら、間接部門全体に広げていくのが着実な方法です。
現状に合ったリアリティのある目標設定を行う
目標に掲げる数値が現実的なものでなければ、達成の意欲もわきません。
さらに、評価が形骸化して業務改善につながらなくなる可能性があります。そのため、社員への聞き取りや過去の業務データの収集などを行った上で、達成可能性の高い目標を設定しましょう。
上司が定期的にフォローアップを行う

評価制度は、作成したら終わりではなく、制度が日常の業務の中で正しく機能し、社員の成長につながるように、上司が定期的にフォローアップを行うことが重要です。
評価制度を定着させるためには、日々の運用が鍵を握ります。
例えば、月に一度の面談を設け、目標の進み具合を確認したり、業務で困っていることはないかを聞き出したりします。
その際には、必要に応じて「この部分は良かった」「次はこうしてみよう」などのフィードバックを行い、改善を繰り返すことが大切です。
フィードバックを行い改善を繰り返すことで、より社内に役立つ評価制度に育てていくことができます。 万が一、目標の達成が難しい見通しが立った場合は、その都度、目標を再設定することも大切なポイントです。
目標達成のための方法や姿勢をチェックする
目標を達成するための過程についても、把握しておくことが必要です。
例えば、あまりにも無理をしていたり、他者を出し抜くようなことをしていたり、まわりに負担をかけていたりするようなことがあれば、目標を達成したとしても意味がありません。
そのため、目標にどれだけ達成できているかだけでなく、その過程もしっかりと確認しておきましょう。
評価の結果を待遇に反映させる
やみくもに目標数値を追わせて、達成したにも関わらず何の見返りもなければ、社員のモチベーションアップにはつながりません。そのため、成果を上げた社員には、しっかりと給与や賞与のアップ、役職を与えるなど、目に見える形で評価を反映することが大切です。
また、成果に応じて適切な評価や待遇を得られると実感した社員は、モチベーションや会社への信頼感が向上し、より高い成果を生むようになるでしょう。
バックオフィスの評価に関するお悩みなら「あしたのチーム」にご相談ください!

本記事では、バックオフィス業務が抱える課題から適切な評価方法、そして評価を運用する上でのポイントについて解説しました。
成果が見えにくいとされるバックオフィス業務でも、目標設定や運用方法を工夫することで、社員が納得できる評価は実現できます。そのため、バックオフィスの評価で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
もし、自社でのバックオフィス評価や人事評価制度の構築・運用にお悩みの場合は、ぜひ「あしたのチーム」にご相談ください。また、多くの企業の課題を解決してきたノウハウをまとめた資料もご用意しています。
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