間接部門(バックオフィス)におけるKPIの設定例とは?間接部門の役割や目標管理をするメリットを解説

会社の業績に結びつく部門を陰で支える、「縁の下の力持ち」である間接部門。間接部門は数値化しやすい営業や販売などに直接は携わらないため、評価がしづらいという面があります。

そのため、間接部門に関して、目標の達成度合いを測って評価に反映するのが難しいと感じることもあるでしょう。そこで、この記事では間接部門における目標設定について、職種ごとの例や設定するメリットについて解説します。

間接部門の役割・直接部門の違い

「間接部門」とは、会社の利益に直接結びつく業務以外の仕事を行う部門です。例えば、人事や総務、経理・法務などがあります。「バックオフィス部門」や「コーポレート部門」、「管理部門」などと呼ばれることもあります。

間接部門とは対照的に、会社の利益に直接結びつく業務に携わるのが「直接部門」です。例えば、開発・製造、営業・販売などの部署があります。会社の業績に直接貢献する花形とも言われており、注目を浴びやすく存在感があります。

一方、間接部門の業務は、給与計算や決算書の作成、備品管理、コンプライアンス対応など、地味で目立たない仕事がほとんどです。

とはいえ、間接部門が行う業務は、直接部門の営業活動を効率化したり売り上げを後押ししたりする、とても重要なものです。会社の業績に直接結びつくわけではないにしても、直接部門が集中して仕事ができるように陰で強力にサポートしています。

KPIを設定するメリット

間接部門の生産性を向上させて会社の業績アップにつなげるためには、目標設定が重要です。目標を設定し、その達成に向けて社員のモチベーションをアップさせたいなら、目指す目標だけでなくKPIも設定しましょう。

KPIとは、「重要業績評価指標」または「重要達成度指標」などと訳されており、目標達成に向けて段階的に達成度合いを計測し、評価するものです。

この段落では、組織がKPIを設定するメリットを4つ取り上げ、一つずつ解説します。

目標やそのためにすべき行動が明確になる

1つ目のメリットは、目標やそのためにやるべきことがはっきりし、迷いなく行動できるという点です。

KPIを設定すれば、ゴールに向けて今何をどれほどすれば良いかが明確になります。目標達成のためのプロセスも「見える化」できるので、目標と現状の差も把握しやすくなるでしょう。

それにより、社員一人一人が「自分が今何をすべきなのか」「何が課題なのか」を理解しやすくなり、行動へと移すことができます。

組織力が向上する

2つ目のメリットは、企業全体として組織力を強化できるという点です。

KPIは、企業全体としてのゴールや経営理念、ビジョンに基づき、部門・チーム・個人レベルで目標を設定します。会社として目指すべき大きなゴールが背後にあるので、すべての社員が同じ方向を向き、一つの目標に向けた各自の役割をそれぞれが果たせます。

共通の認識を持って作業に当たることでチームワークが醸成され、組織力は強化するというわけです。

各自が目的意識を持って作業することで、仕事に対するモチベーションも高まります。社員一人一人が前向きに業務に向き合うことも、組織力に向上につながるでしょう。

評価基準を統一化できる

3つ目のメリットは、人事評価基準が明確になり、客観的かつ適正な評価ができるという点です。

KPIを設定していないと評価基準があいまいになり、会社に貢献した社員が正しく評価されないというケースも起こり得ます。そうなると社員のモチベーションは下がってしまい、企業全体として生産性が低下してしまうかもしれません。

一方、KPIを設定して人事評価を統一すれば、数値的な指標をもとに客観的な評価をすることが可能です。社員が公平な評価を受けられるようにすれば、チームとしての団結力や一人一人の勤労意欲の向上にもつながります。

このメリットは、特に間接部門にとって重要なものです。間接部門の業務はその特性上数値化しにくいものが多く、社員が正しい評価を受けにくいという問題点がありました。

しかし、間接部門にもKPIを導入すれば、日々の業務をさまざまな観点から確認し、より公平な評価をすることが可能になります。

個人や会社の成長につながる

4つ目のメリットは、個人が成長できる機会となり、それを受けて会社としても成長できるという点です。

個人レベルでKPIを設定すれば、惰性で仕事をするということが少なくなり、目標に向けて積極的に自分の役割を果たそうとする社員が増えます。

目標と現状の間に差がある時は、うまくいっていないのはなぜなのか、どうすれば改善できるかなどを考えるようになります。その結果、問題解決力や仕事の生産性は高まるでしょう。

KPIによるモニタリングは、会社の成長も促せます。個人の成長は、会社全体としての成長につながるからです。また、KPIの設定により定期的に経営状況を数値で確認できるため、課題や解決策も見つけやすくなります。

良い結果が出れば、見倣うべき事例としてそのナリッジを社内で共有できます。目標に届いていない場合は、原因を突き止めて対処することができるでしょう。

間接部門におけるKPIの設定例

生産性が見えにくい間接部門では、労働時間のみで評価が行われるケースも珍しくありません。しかし、KPIを設定することで、間接部門においても定量的な目標をもとに達成度合いを評価できます。

では、間接部門ではどのようにKPIを設定したら良いか、具体的な例を職種ごとに解説します。

人事部のKPI設定例

人事部は、採用や人材育成、人材配置などに関わる仕事を行います。

採用面では、採用人数や採用コスト、採用後の離職率などの数値目標を設定できます。人材育成面では、実施した研修の数や満足度、一人当たりの研修コスト、育成プランの達成度などの目標を定めます。

人材配置においては、各社員の目標達成度合いや配属後の満足度、部署別の有給取得率などを設定することが可能です。

経理部のKPI設定例

経理部は、日々の入出金管理などの経理業務・収支計算や決算報告などの会計業務が主な仕事です。経理部においては、清算完了までの平均日数や入力データの精度、各業務における手順の文書化の有無などに関して目標を設定できます。

財務部のKPI設定例

財務部では、資金調達や予算編成、金融情報の収集・分析などを行います。KPIは、固定資産回転率や棚卸資産回転率、自己資本利益率、総資産利益率などを数値化して設定できます。

間接部門の目標設定をする際のポイント

間接部門におけるKPI設定を成功させるために、以下の5つのポイントを押さえておきましょう。

現状の課題を洗い出す

まず、現在の状況に見合った目標を立てるために、現場が抱えている状況をしっかり把握します。各部署の責任者だけでなく社員にもヒアリングを実施し、現状をつかむとともに改善すべき問題点を洗い出しましょう。

目標のテーマを決める

社内の状況や課題が明らかになったら、まず大きなテーマを決めます。テーマは、会社や部署の目標と調和するものを選ぶことが大切です。

例えば、人事部であれば優秀な人材を定着させることや研修の内容を充実させること、財務部であれば財務コストを削減することなどを目標にできます。

目標を数値で設定する

次に、部署やチーム、社員単位で数値化した目標を設定します。ミスやクレームの件数、処理時間、経費の削減率など、数値化しやすいものから取りかかると良いでしょう。

資格の取得率や売上高人件率、採用計画の達成度なども設定できます。勤務態度やコミュニケーション能力など数値化しにくいものも、達成した際のイメージをできるだけ具体的に表現しておきます。

現実的な目標を設定する

KPIを設定する際には、現状とかけ離れたものは避け、現実的で達成可能な目標を設定するようにします。

現状維持ではなくステップアップできる目標を立てる必要はあるものの、難しすぎると社員のモチベーションは低下してしまいかねません。目標にすべきことが多すぎると一つの業務に集中できなくなるおそれがあるため、数を増やし過ぎないことも大切です。

定期的に目標を見直す

目標を設定したら終わりではなく、定期的に達成度合いを確認してフィードバックを行いましょう。達成したことに関して評価するとともに、必要に応じて原因を考察しながら改善点を指摘します。

目標が難しすぎると判断される場合やすでに達成した場合などは、目標の再設定を行います。

まとめ

間接部門のKPI設定は、組織力の強化や生産性の向上などのメリットがあります。KPIの設定も含めて社内の人事評価制度を見直したいなら、「あしたのチーム」による人事評価制度の構築・運用サポート「ゼッタイ!評価」がおすすめです。

社員を適正に評価できる人事評価制度を構築すれば、人材育成や離職率の低下、マネジメント強化などを実現できます。

豊富な運用経験によりスピーディーに評価制度を構築できる充実したサポートを利用して、人の成長を促進して会社の成長へとつなげましょう。

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