BPRとは?人事担当が理解するべき時代背景と企業のメリット

(画像=Mazirama/iStock)

BPRは「業務改革」という意味ですが、一般的な業務改善との違いをきちんと押さえておく必要があります。

また、BPRと並んで用いられるBPOやBPMといった概念との違いも押さえておく必要があるでしょう。

グローバル化やIT化が進む流れのなかにあって、企業は常に変革をしなければならないものです。

今回はBPRの基本的な意味を押さえるとともに、人事担当者が理解すべきポイントについて解説していきます。

BPRとは?意味と時代的背景などを解説

BPRについて理解するためには基本的な意味を押さえるだけでなく、時代的な背景なども理解しておく必要があります。

ベストセラーとなったマイケル・ハマー著『リエンジニアリング革命』について触れつつ、BPRが求められる理由について詳しく見ていきましょう。

BPRとは?

BPRとは、(Business Process Re-engineering:ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の略称のことを指します。

リエンジニアリングは組織や戦略、業務など企業経営において根本的な部分を再構築していくことを意味しています。

BPRは現在取り組んでいる社内業務の内容や組織構造、事業戦略などを見直して再度設計することです。

自社のビジネスを見直す際には「業務改善」といった言葉も用いられますが、改善とは基本的には現在の状況を肯定し、劣っている部分を改善していくといった意味合いが強いといえます。

その一方で、業務改革や業務プロセス改革を意味するBPRでは、現在の状況を否定して、これまで進めてきたやり方を改めることを意味しています。

例えば、人事における業務を見直す際には、従来から運用してきた人事評価制度を抜本的に改めるといったことがBPRとしての取り組みだといえるでしょう。

人事という概念を社内だけの評価に留めずに、顧客満足度なども絡めて反映させていく仕組みを構築するのも1つの方法です。

市場ニーズを意識して、求められる人材を適切なポジションに配置していくことも企業にとって重要なことだといえます。

リエンジニアリング革命

1993年に出版された『リエンジニアリング革命』(マイケル・ハマー著)において、BPRの基本的な概念について触れられています。

「コスト、品質、サービス、スピードのような重大で現代的なパフォーマンス基準を劇的に改善するために、ビジネスプロセスを根本的に考え直し、抜本的にそれを再設計すること」という考えが提唱されました。

BPRでは、社内における既存のルールや業務内容を根本から見直し、部分的な改革に留まらずに、全面的に仕組みを変えていくことが求められます。

BPRにおいては、「根本的」「抜本的」「劇的」「プロセス」といったキーワードが重要であり、これらを一体的に盛り込みながら構造改革を進めていく必要があるのです。

今取り組んでいる業務を根本的に見つめ直し、古くなった要素を抜本的に捨て去って、劇的に大きな改善を促します。

そして、複数の要素をプロセスに取り込むことによって、顧客に対して本当の意味での付加価値を与えていく行動に、変えていく取り組みがBPRでは不可欠となります。

BPRが普及した時代的背景

BPRの意味を深く理解するためには、普及することになった時代的な背景を押さえておくのが重要です。

BPRはそもそも、日本が高度経済成長を経験するなかで生まれた「カイゼン」「QCサークル」といった取り組みを参考として、アメリカで普及しました。

1980年代の日本の高度経済成長期にならって、アメリカで行われた経営革新こそがBPRなのです。

1990年代に入ると日本はバブル経済崩壊の影響によって、従来の経営手法が通じなくなってしまったため、BPRが広まっていきました。

民間企業だけでなく、国や地方公共団体においても導入され、組織や事業を再構築していく流れが生まれたのです。

ただ、導入当初は過剰なリストラを招くなど、社会的な混乱を引き起こす要因にもなったといえます。

IT革命や超高齢社会の到来によって、BPRの取り組みは日本においても定着してきました。

そして、働き方改革の推進などによって、長時間労働の是正やワークライフバランスの実現、多様な働き方ができる環境の整備といった課題を解決するためにBPRの手法は活用されているのです。

人口減少に伴う労働人口の減少は、企業活動にとって重要である人材確保を難しくしています。

このような時代の流れのなかで、従来の方法にとらわれずに、組織や業務を根底から変革していくBPRは注目され続けているのです。

BPRと業務改善の違い

BPRによる取り組みを推進していくためには、一般的な業務改善の取り組みとの違いを押さえておくことが重要です。

BPRと業務改善のそれぞれの特徴を把握すれば、自社が抱える経営課題を明らかにしていけるでしょう。

ここでは、BPRと業務改善の違いについて解説していきます。

BPRの特徴

BPRが業務改善と大きく異なるのは、抜本的な変革を促すといった点にあります。

人事業務についていえば、「360度評価(周囲評価)が難しいのでMBOへ変更する」といった例があげられます。

360度評価とは、多面評価とも呼ばれる評価制度で、上司からの評価だけではなく、部下や同僚、社外関係者などの多方面から人材を評価する制度です。

多角的な評価を通じて管理職も客観的に自己を振り返る機会を設けられるので、行動改善や育成の一助となります。

しかし、多面的に評価を行う為、評価業務の工数が増えてしまったり、 被評価者と業務上のつながりが希薄な人が評価を実施する場合においての評価が曖昧になってしまったりすることも。

また、 厳しい評価をすることで被評価者に嫌われたくないという思考が先行し、部下に迎合するような上司が増加した結果、組織の指揮命令系統が崩れるといったケースがあります。

その様な場合に、360度評価を撤廃してMBOを導入することで、個々人の目標達成に向けた取り組みがより効果を発揮する評価制度に再構築をすることが、BPRにおける取組だといえるでしょう。

MBOとは目標管理制度のことを指し、個人またはチームごとに目標を設定して達成度合いに応じて評価を決める手法です。

つまり、従来の制度の延長線上ではなく、まったく違う仕組みを導入するということです。

業務改善の特徴

業務改善における人事業務では、たとえば「MBOにて、第三者の承認による適切なKPIを設定するよう変更する」といった例があげられます。

この場合はあくまでも、MBOといった枠組みは崩さずに、KPI(重要業績評価指標)を取り入れることによって、目標達成に向けたパフォーマンスを高めていくことを目的としています。

仮に自社が人事評価について課題を抱えているときには、根本的な部分では問題が解決しません。

単にこれまでの手法を改善するだけでは対処できない場合には、BPRの発想を持つことが重要になる場面もあるのです。

BPRを実施する3つのメリット

BPRを実施するメリットとしては、「コスト削減」「業務の簡素化」「業務の効率化」の3つがあげられます。

それぞれが企業にとって、どのような影響を与えるのかを見ていきましょう。

コスト削減

BPRを推進することは、コスト削減につなげられます。

企業業績に直接つながっていない業務を減らしていくことで、企業全体として大きなコスト削減に結びつけていけるでしょう。

そうして生まれた経営資源をほかの事業に投資することで、企業業績の向上を図れます。

特に多くの従業員を抱えている企業においては、組織や事業のあり方を見直していくことで意識改革にもつながっていきます。

従業員自らがコストに対する意識を持ち始めれば、企業風土そのものを変えていくことにもなるはずです。

従来の方針にとらわれずに、大胆な取り組みを行うことでコスト削減を実現してみましょう。

業務の簡素化

BPRを実施することによって、組織改革や業務内容を抜本的に見直すことになるため、業務の簡素化が図れます。

シンプルな仕組みに再構築することで、組織管理の負担も軽減され、各プロジェクトの目標も達成しやすくなるでしょう。

目標や目的がはっきりとすれば、業務に携わる従業員のモチベーションも高まり、生産性の向上にもつなげられます。

細分化されていた業務を再構築することで、生産性を低下させていた要因などが明らかになり、どのように組織を変革すべきかが見えてくるのです。

業務の効率化

BPRにおいては、業務プロセスを可視化していきます。

社内の業務を「見える化」することによって、業務遂行に直接関係がないものを取り除くことができ、より効率的な経営が可能となります。

個別の業務を見るだけでなく、企業全体の動きを俯瞰的に捉えることで、これまで抱えていた問題点を明らかにできるのです。

業務の効率化は生産性を高めることにつながり、市場のニーズに基づいた行動を組織全体として促していきます。

結果的に顧客満足度を高め、競合他社に差をつけていく流れを生み出すでしょう。

1つの業務だけを見ていたときには気づかなかった問題も、BPRの実施によって改革すべきポイントが明らかになるのです。

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