目標設定の「めんどくさい」を解消するには?目標設定が必要な理由と目標の立て方

年度が変わるタイミングで、従業員が年間の目標設定を立てる会社も多いでしょう。しかし「思いつかないから去年と同じにしよう」「こんなことして意味があるの?」など、目標設定を「めんどくさい」と感じる人も多くみられます。

本記事では、目標設定が「めんどくさい」理由や「めんどくさい」を解消する目標設定のコツなどについて解説します。

めんどくさい目標設定が必要な理由

ここでは、なぜめんどくさい目標設定が必要なのか、やるべき理由やメリットなどについて解説します。

目標が行動指針となる

目標を持つことで何をすべきかが明確になり、目標達成までのステップがわかりやすくなります。どこへ進めばよいかがわからなければ、ゴールにはたどり着けないでしょう。目標があることで方向性が決まり、正しい選択ができるようになります。

また、目標を立てることで余計なコストや時間を最小限に抑え、効率良くゴールまで到達しやすいのもメリットです。具体的な目標があれば必要なものと不要なものがわかり、人材管理にも役立ちます。もし途中で成果が得られないと感じた場合には一旦立ち止まり、別の目標を立て直すことも可能です。

仕事に対するモチベーションが向上する

目標を設定することで、仕事に対するモチベーションアップが期待できます。あまりにも先が見えないと成果や達成感が得られず、モチベーションを維持するのは難しいものです。壁にぶつかったときにも乗り越えられず、投げ出してしまう可能性もあります。

社員一人ひとりが自分のやるべきことを把握し、設定した目標に対する進捗を確かめながら業務を行うことが大切です。努力すれば達成できそうなちょうど良い加減の目標を持つことで、モチベーションを維持することができます。

自己評価と他者評価のギャップを埋める

目標設定により、自己評価と他者評価のギャップを埋めることができます。上司と部下が共通の目標を持っていれば、評価に妥当性を感じられます。たとえば、部下が一生懸命に業務に取り組んで成果を出したつもりでも、上司や会社が期待する成果でなければ評価は低くなります。部下は評価に納得できず、上司や会社への不満が募る可能性もあるでしょう。

自己評価と他者評価のギャップがあればあるほど、その傾向は強くなります。結果、生産性も下がってしまうなどの悪循環が起こりやすくなります。

人事評価の基準が明確になる

人事評価の基準が明確になることも、目標設定を行うメリットです。目標があると「できた」「できなかった」の基準となり、上司は評価がしやすくなります。基準を明確にするためにも、目標設定の際には具体的な数値を選ぶことが重要です。たとえば営業の場合、「リピーター客の獲得率を前年度比200%にする」など、具体的な数値を用いることでより結果にコミットしやすくなります。

また同時に、数値に根拠があることも必要です。ただやみくもに数値を示しても、明らかに達成不可能な数値であれば意味がありません。市場の動きや過去の成績などを分析し、根拠のある目標数値を設定しましょう。

従業員が目標設定を「めんどくさい」と思う理由

ここでは、従業員が目標設定を面倒だと嫌がる理由について解説します。

時間と労力がかかる

チームとしての目標や自身の役割、過去の実績などを考慮して目標を設定するのには時間や手間がかかります。日常の業務に追われていると「目標を立てずにすぐ行動を起こしたほうが早いのでは?」「目標設定に使う時間がもったいない」と思うこともあるでしょう。

また、設定した目標が実態とかけ離れているなど不適切な場合は、達成に向けた行動自体が無駄になるケースもあります。

目標達成へのプレッシャーがストレスになる

目標を設定すると達成しなければ評価されない状況になり、目標自体がストレスになることもあります。適度なプレッシャーはモチベーションの維持や成長に欠かせませんが、過度なプレッシャーがかかると精神的に追い込まれ、パフォーマンスが出せない可能性もあります。結果、業績不振を招いてしまうケースもあるので注意が必要です。

自分で設定した目標に修正が入る

自身で個人目標を設定しても、上司から指摘や修正が入り、より高い目標を設定されることも少なくありません。目標設定がうまくできていない部下は、ダメ出しを受ける可能性もあるでしょう。

人から指摘やダメ出しを受けるのはストレスになり、心理的負担から目標設定を面倒に感じてしまいます。特に、日頃から失敗を恐れている人にその傾向は強く出るようです。

目標を達成しても給与に反映されない

自身の頑張りに対する対価がなければ、目標達成へのモチベーションは低くなります。目標を達成しても評価に直接影響せず、給与に反映されないと従業員は目標設定に意味を見出せません。

頑張っても意味がないと社員が感じると、目標設定が「めんどくさい」と思われてしまうでしょう。

「めんどくさい」と思われる目標設定の特徴

ここでは、従業員に「めんどくさい」と思われ嫌がられる目標設定の特徴について見ていきましょう。

目標が高過ぎて達成が困難   

部下の能力に合っていない高すぎる目標を設定するのはNGです。もちろん、ある程度高い目標は成長のために必要ですが、現状のレベルから離れ過ぎていると達成感が得られず、モチベーションが下がってしまいます。

そのため、部下の能力やスキルに見合った、実現可能な目標設定を行うことが重要です。まずは面談などで部下のスキルを把握することから始めましょう。

目標が低過ぎて簡単に達成できる 

反対に、目標が低すぎて簡単に達成できることも問題です。目標を達成することばかりを重視してしまうと、意図的に低めの目標を設定する危険性があります。簡単に達成できる目標では個人の成長はもちろん、会社全体の業績アップも期待できません。

そこで、今の実力から多少背伸びをしないと届かない「ストレッチ目標」を設定するのがおすすめです。最大限の努力をすることによって、新たな能力が見つかる可能性があります。

目標の期限が決まっていない 

目標の期限が決まっていないと、モチベーションを維持するのは難しくなります。「いつまでに〇〇を達成する」という期限を設定することで、達成に向けて動きやすくなります。

長期の目標に加え、すぐに達成可能な短期目標を設定することもポイントです。実現しやすい目標を一つひとつクリアしていく成功体験を積み重ねることで達成感を得やすく、組織全体の成長にもつながります。

相談なく従業員だけで目標を決めてしまう 

仕事に関する目標を設定する際には、その内容を上司に相談することが必要です。従業員だけで組織の成長を視野に入れながら、自身の役割を最大限全うできる目標設定をすることは難しいでしょう。

そのため、目標設定は上司と相談してから決めるよう、目標設定のルールを定めましょう。

目標を会社が一方的に決めてしまう 

目標を作成する際には、社員個人の考えが反映されたものを用意する必要があります。会社や上司から一方的に押し付けられた目標では、達成に向けての意欲が低くなる可能性があるため注意が必要です。

日々の業務において主体性は欠かせません。社員が自発的に目標達成に向けて行動できる目標設定方法を考える必要があります。

定量・定性どちらかが欠けている 

目標には主に、「定量目標」と「定性目標」の2つがあります。定量目標とは、目標を数値で示したものです。誰から見ても明確なため評価や効果測定がしやすく、日々の行動計画やタスクの洗い出しなどにも役立ちます。

一方の定性目標とは、数値化するのが難しい目標のことです。定量目標と比べて抽象的な内容ですが、仕事に対する考え方や行動指針を明確にし、ゴールまで導くことができます。目標達成したかどうかは、評価者の感覚や裁量によって決まります。

短期的・長期的な目標にはどちらも必要なため、どちらかが欠けていないかチェックすることが必要です。

「めんどくさい」を解消する目標設定のコツ・方法は?

「めんどくさい」と思われる目標設定の特徴を見てきましたが、そうした思いを解消する方法があるのでしょうか。ここでは、会社ができる目標設定のコツや方法を紹介します。

コーチングを取り入れる

部下に適切な目標設定をさせるためには「コーチング」が有効です。部下の能力やスキルと会社全体の目標を想定し「あなたが力を出し切ったら、どれくらいの成果が出せると思いますか」などと問いかけ、部下自身が答えを出せるよう導いていきます。

あくまで目標設定を行うのは部下自身です。上司はまず部下の話をしっかりと聞き、部下が最大限の力を発揮できるようガイドしていく役割を担います。与えられた目標ではなく自身で設定した目標なので、部下が自発的に達成へ向けて努力することが期待できます。

SMARTの法則を活用する

目標設定を具体的に行いたいときに、ぜひとも活用したいのがSMARTの法則です。SMARTの法則とは以下の5つの言葉の頭文字をとったもので、誰が見ても理解しやすい、具体的な目標を設定するためのフレームワークです。

  • S(Specific):具体的か
  • M(Measurable):測定可能な数値が用いられているか
  • A(Achievable):実現可能か
  • R(Relevant):関連性があるか
  • T(Time-bound):具体的な期日が設けられているか

上記の5つが含まれていれば、適切な目標設定ができていると判断できます。

進捗状況を定期的に振り返る機会を作る

目標は立てたら終わりではなく、目標に対する進捗について、上司を交えて定期的に振り返る機会を作ることが重要です。仕事やライフステージ、考え方などの変化によっては、設定した目標を変えざるを得ない状況も出てきます。

適切でない目標を持ち続けても達成感は得られず、仕事の成果も出にくいでしょう。時には会社や個人の状況にあわせ、目標を見直し軌道修正を行うことも必要です。

適切な目標設定の方法を検討しよう

面倒に感じるかもしれませんが、仕事の効率化を図り、モチベーションを維持するために目標設定は有効です。目標があるとやるべきことが明確になり、正しい選択ができるようになります。目標が設定できたら行動し、定期的に振り返りを行うようにしましょう。

目標設定の方法は多岐にわたります。本記事で紹介したコーチングやSMARTの法則なども参考に、自身に合った方法を選んでみてください。

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