ジョブ型と成果主義の違いとは?ジョブ型雇用の特徴やメリット・デメリットを解説

コロナ禍において、多くの企業が雇用・人事制度やマネジメント制度の見直しを図っています。従来の「メンバーシップ型雇用」ではなく、「ジョブ型雇用」や「成果主義」に目を向ける企業が増えているようです。

この記事では、ジョブ型雇用と成果主義の違いや、ジョブ型雇用の特徴、メリット・デメリットについて解説します。

ジョブ型雇用とは? 

「ジョブ型雇用」とは、特定の業務に対して人材を確保し、配置する雇用システムのこと。

よく比較されるのは、先に人材を採用して確保しておき、その人材に対して業務を割り当てていく「メンバーシップ型雇用」です。これと比較すると、特徴がわかりやすいでしょう。

ジョブ型雇用において、雇用主と従業員は事前に業務内容を明確に定め、雇用契約を結びます。従業員は、契約内の労働だけに責任を負うのが一般的です。

あくまでも特定の業務を単位として雇用契約が結ばれるため、その業務が終了したり、なくなったりした場合は契約が解除されることがほとんどです。そのため、「メンバーシップ型雇用」の特徴である終身雇用制度、年功序列とは結び付きづらいシステムです。

ジョブ型雇用のもとで働く人は、特定の業務にのみ就いて働き続けるため、就業期間が長くなるほど、その業務に熟練することができます。熟練したスキルを身につけ、より良い条件でほかの企業に転職することも可能です。

また、特定の業務に対してのスキルが評価されるため、年齢や男女の差なく雇用されるケースが多いようです。その点において、ジョブ型雇用は、メンバーシップ型雇用と比べ、平等性の高い雇用システムだと言えるでしょう。

成果主義とは? 

成果主義とは、その人が仕事において成し遂げた成果や成績、実力によって給与や待遇、役職などが決められる人事制度のこと。

日本の企業では、終身雇用制度、年功序列の考え方によって、勤続年数や年齢に応じて給与や待遇、役職などが割り当てられることが多いのが現状です。成果主義の人事制度が導入されれば、旧来の評価基準や働き方が大きく変わります。

1990年代のバブル崩壊後、業績が悪化した企業は、一定の成果を上げていない従業員に高い給与を支払うことや、勤続年数が長い従業員の人件費が膨れ上がることなど、それまでの年功序列のやり方に課題感を抱くようになります。

それが、多くの企業が成果主義に目を向けるきっかけになりました。

現在では、正社員だけでなく、派遣や請負、パートタイマーなど雇用の選択肢が増え、また、中途採用などの採用制度も当たり前になったことから、一層、勤続年数や年齢だけに目を向けて給与などを決めることが難しくなっています。

そのため、従業員一人一人の成果に応じて評価し、給与などを決定する成果主義を導入する企業が増えています。

ジョブ型雇用と成果主義の違い 

業務内容に給与や待遇、役職が紐づいているという点で、ジョブ型雇用と成果主義はよく似ていて、同一の制度と誤解されがちですが、この2つの制度は全く異なるものです。

ジョブ型雇用は、特定の業務があり、それを遂行できる人材を採用します。この場合、採用の時点で人材の評価は行われており、業務を遂行した際の報酬は決まっているのです。

そのため、採用後は担当の業務をきちんと遂行できているかだけがチェックされます。その人の業務のクオリティ、成果の良し悪しにかかわらず、報酬が一律であるという点がジョブ型雇用の特徴です。

また、先に述べたように、ジョブ型雇用は特定の業務を遂行するための採用であるため、その業務が終わったり、なくなったりした場合は人材を雇用しておく必要がなく、該当の従業員は、解雇の対象となりやすいと言えます。

一方、成果主義は、あくまでその人の行った業務のクオリティや成果の良し悪しに応じて給与などを決めていく評価制度ですから、特定の業務のために人材を採用した場合も、人材ありきで採用をして何かしらの業務を割り当てた場合も、どちらにも適応することができます。

そのため、成果主義の制度下では、特定の業務がなくなったからといって、従業員が解雇対象となるケースは少ないと言えるでしょう。

ジョブ型雇用のメリット 

今後、日本でも業務と人材を紐づけたジョブ型雇用が主流になっていくのではないかと言われています。では、ジョブ型雇用にはどのようなメリットがあるでしょうか。

求職者と業務内容のミスマッチが起こりにくい 

企業は、遂行すべき業務ありきでそれに適応できる人材を採用するため、求職者のスキルと実際に行う業務内容とのミスマッチが起きづらいと言えるでしょう。採用後、従業員は自身のスキルを最大限に活かして業務に取り組み、一定の成果が期待できます。

また、契約時にしっかりと業務内容が示されるので、従業員は希望しない業務を命じられることがありません。また、特定の業務に従事し続けることで、スキルを磨き、専門性を高めることができます。

リモートワーク・テレワークとの相性が良い 

与えられた業務をしっかり遂行できてさえいれば、企業は労働時間や休暇の取得についての裁量を従業員側に持たせることが多く、リモートワークやテレワークとの相性が良いと言えるでしょう。

従業員は、契約の範囲内で業務にあたるため、関係のない仕事を任されて長時間労働を課されることがないので残業が少なく、転勤や異動の義務もありません。従業員の通勤の負担が軽減されることも期待できます。

勤務体系次第では、雇用主側のマネジメント面の負担も軽減するでしょう。

スキルや能力のある若手が活躍できる

給与や待遇が、任せられる業務の難易度や成果に応じて決まるので、スキルや経験があり、成果を残せる人ほど高収入を得ることができます。そのため、業務を遂行できる能力さえあれば、若くても重要な仕事に就くことが可能です。

また、リモートワークやテレワークによる勤務が可能になれば、能力がありながらも子育てや介護など、労働時間や勤務場所といった障壁によって活躍できずにいる人材が、力を発揮する場を得ることもできるでしょう。

無駄がなくなり、業務の効率化につながる 

それぞれの従業員に任される業務内容や責任の範囲が明確になり、業務における無駄がなくなって、業務の効率化につながります。

また、特定の業務に対して専門のスキルや能力を持つ人材を獲得できれば、クオリティの高いアウトプットが期待でき、企業全体の生産性も向上するでしょう。

年齢や勤務年数に応じて給与が増えていく年功序列制度と違い、成果に基づいて給与が支払われるため、長い目で見ると人件費の削減も可能になります。

ジョブ型雇用のデメリット 

一方で、ジョブ型雇用にはいくつかのデメリットも存在します。どのような点がデメリットと言えるのか、解説します。

スキルアップはできるがキャリアアップが難しい 

従業員は、専門性を持って同一業務に就き続けるため、特定の分野のスキルや能力を磨くことが可能です。

しかしその一方で、その分野でしか能力を発揮できないため、ポストが空かなければ役職に就くことが難しいと言えます。キャリアアップを目指して転職を考える際も、専門分野が狭い世界であればあるほど、募集の数が少なく、チャンスに出合いにくいと考えられます。

また、任された業務が終われば、解雇される可能性も大いにあります。

高い専門性を持つ人材の採用が難しい 

遂行してほしい業務内容を明確にして求職者を募るため、それに見合うスキルや能力のある人材を見つけるのが難しいという点もデメリットの一つです。

また、契約上、社内で他の業務にあたってもらうことができないため、ある部署で急な欠員が出たときなどに、ジョブ型雇用で採用した人材を代替要員としてあてがうことはできません。

雇用主側は、人材が必要になったタイミングで適任の求職者がいるとは限らないことを留意しておく必要があります。

組織への帰属感やチームワークを育みにくい 

ジョブ型雇用の場合、従業員は組織ではなく与えられた業務にコミットしているため、組織への帰属感や忠誠心は低くなると言えるでしょう。また、高い専門性を持つ人材は、より良い条件を求めて転職をすることが考えられます。

そのため、人材が定着しにくくなり、チームワークが弱くなる懸念もあります。チームで行う作業や長期的なプロジェクトが多い職場には、ジョブ型雇用マッチしない可能性がありますので、導入についてはじっくり検討しましょう。

スキルや能力不足は自己責任となる 

企業は、特定の業務を遂行できる能力を持った人を採用します。そのため、社内ではほとんどトレーニングや教育を行いません。従業員は、自分の持つスキルや能力だけを武器にして業務にあたらなくてはなりません。

もし、スキルアップを目指すのであれば、社外で学ぶなど、自主的な努力が必要です。また、与えられた業務において期待されている成果を残せない場合は、能力不足と見なされ、解雇される可能性もあります。

まとめ

ジョブ型雇用を導入する・しないにかかわらず、雇用システムを見直す場合は、これまでのシステム、そして導入を検討しているシステムの特徴やメリット・デメリットをよく理解することが必要です。

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