
出戻り社員とは、退職してから転職したり独立したりした後、元の会社に再雇用され復帰した社員です。
出戻り社員は業務知識があり外部の知見もある一方、公平な人事などの課題もあります。
出戻り社員の採用を検討している会社は、メリットや注意点を知っておくことが欠かせません。
本記事では、出戻り社員を採用するメリットやデメリット、トラブルを防ぐ対策や企業事例を紹介します。
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出戻り社員の定義や注目されている背景
出戻り社員は一度会社から離れた後に再雇用される社員を指し、会社側にとって再雇用を進めるかどうかは人事戦略に大きく影響します。
出戻り社員を受け入れるか検討する前に、出戻り社員の定義や、注目される理由を知っておくことが大切です。
出戻り社員とは?
出戻り社員とは、一度退職して他社で働いたり独立したりした後、元の会社に復帰して再雇用される社員を指します。
出戻り社員は、確かに一度職場から離れたものの、会社側はスキルを把握しており社員側も会社のことを深く知っているため、採用のミスマッチを減らしやすい点が特徴です。
出戻り社員が注目される理由
出戻り社員が注目される理由には、採用難や人手不足が挙げられます。
高度デジタル化の流れもあって、特に優秀な人材を巡っては業種業界を超えて争奪戦が行われており、必要な人材を確保するのはますます難しくなっている状況です。
そこで、出戻り社員は即戦略人材として注目されています。
かつての社員であれば、会社側がスキルや人柄を把握しており、社員側も会社の風土や働き方に慣れ親しんでいるため活躍を期待しやすいのです。
実際、大手人材系会社の調査では、7割ほどの会社が再雇用をしたことがあると回答しました。
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出戻り社員を採用する6つのメリット
出戻り社員を採用するとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは6つのメリットを紹介します。
即戦力人材を確保できる
まず、即戦力人材を確保できる点は大きなメリットです。
かつて会社で働いたことがある人材であれば、会社の業務に慣れており、業務上必要な知識やスキルを身につけています。
会社側も過去雇っていた人材ということであれば、専門性やスキルなどをある程度把握しており、さらに退職後の経歴を見れば正確に現在の能力を推測することも可能です。
出戻り社員の採用は、新たに人材を雇うのに比べて、すぐに活躍することを見込みやすいと言えます。
外部で得たスキル・経験を活用できる
社員が退職後に得たスキルや経験を活用できる点もメリットです。
社員によっては、自社だけでは得ることが難しいような知識を転職先で取得したり、自社では経験できないようなプロジェクトに参加してスキルを身につけたりといったケースもあるでしょう。
出戻り社員を採用すれば、こういった外部の知見を社内に還元することが期待できるのです。
さらに、スキルの高い出戻り社員が既存社員と刺激し合い、組織全体の力が底上げされる効果も期待できます。
採用プロセスを短縮できる
採用の手続きを短縮できる点も魅力です。
通常、中途人材を採用する場合は、採用のミスマッチを防ぐために、人材紹介会社や求人サービスをリストアップして募集内容に応じて最適なサービスを選定し、予算を決め、また採用時はさまざまな採用基準によって応募者を絞り込む必要があります。
しかし、出戻り社員であればスキルや人柄を把握しているため、先述のような煩雑かつ数多くのプロセスを短縮することが可能です。
採用時の負担が減る上にミスマッチが少ない方法と言えます。
教育コストを削減できる
教育コストの削減にも繋がります。
会社における教育のテーマは、スキルや知識といった業務遂行に必要な内容だけでなく、企業理念や会社規則に関することなどさまざまです。
そのため、優秀な人材を採用しても、その配属先の会社に慣れるまではトレーナーやマネージャーによる教育が多かれ少なかれ必要になり、コストがかかります。
しかし、出戻り社員は会社の仕事の方法に慣れ親しんでいるため、こういった教育に手間や時間がそれほどかかりません。
高いコミットメントを期待できる
高いコミットメントも期待できます。
出戻り社員は、一度は退職したものの、数ある会社の中から再度古巣を選んだ社員であり、会社に対して何らかの愛着や魅力を感じているのは間違いありません。
そのため、以前会社に在籍していた時よりも、意欲的に仕事をこなしてくれる可能性があります。
意欲の高い社員が増えることは組織活性化にも繋がり、業績への貢献も期待できるでしょう。
入社後のミスマッチを防ぎやすい
入社後のミスマッチを防ぎやすい点も大きなメリットです。
新しい人材を採用する場合、会社側からすれば慎重に選考を行っても「もっと意欲的で能力が高い人材だと思っていたが実際はそうではなかった」という不満を感じる可能性はゼロではありません。
応募者側にとっても、入社前のイメージとギャップを感じてしまい、活躍できないか、せっかく入社したのに退職してしまう可能性もあります。
しかし出戻り社員はその会社で実際に一定期間働いたことがあるため、こういったギャップが生まれづらいのです。
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出戻り社員を採用するデメリット
出戻り社員を採用するメリットは多いですが、一方で気をつけておくべきポイントがあるのも事実です。
ここでは出戻り社員を採用する3つのデメリットを紹介します。
会社の変化に対応できない
1つ目は、離職中に起こった会社の変化に対応できない可能性です。
会社側は即戦力と思っていたものの、出戻り社員のスキルがそれほど伸びていなかったり、ブランクによって当時よりも劣っていたりして、想定していた働きができないというケースが考えられます。
特に、出戻りまでの期間に会社が大きく変化しているような場合は、出戻り社員は他社や過去のやり方が染み付いていることが原因で、新しいやり方に対応できないこともあるでしょう。
待遇・役職で調整が必要
2つ目は、待遇や役職に関して調整が必要になる点です。
かつての社員が復帰する場合、待遇や役職については最低でも以前と同等の水準か、それ以上を求められる可能性があります。
しかし、会社側は報酬・人事方針に沿って決定しているため、必ず出戻り社員の希望に添える訳ではありません。
特に社員が出戻りするまでの間に会社の報酬・待遇制度や人事方針が変わっているような場合は、双方が妥協できるポイントの調整が必要になるでしょう。
人間関係が悪化する恐れ
3つ目は、人間関係の問題です。
出戻り社員はかつての職場に馴染みがあるため、以前と同じような態度で同僚に接することもあります。
しかし、現職の社員によってはその慣れた様子が「偉そう」と映るケースもあり、必ずしも良い印象を抱く社員ばかりではありません。
こういった点に注意しなければ、職場の人間関係が悪化してしまう可能性もあります。
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出戻り社員を採用する際の対策
出戻り社員を採用する場合、上記で解説したような注意点もあるため、何らかの対策を行う必要があります。ここでは2つのポイントを紹介します。
待遇・人事に公平感を持たせる
まず、待遇や人事については公平になるよう配慮する必要があります。
例えば、出戻り社員が高いスキルを持っており従来も高い役職に付いていたような場合、会社側がその人材に厚い待遇を用意して重要なポジションに就けるのは自然でしょう。
しかし、現職の社員からすれば、出戻りだからといって、いきなり外部から来た人材が優遇されるのは面白くないと感じることも考えられます。
待遇や人事に不公平感を感じる社員がいると職場の士気にも関わるため、経営者や管理者はなるべく公平さを保つことが大切です。
退職に対する誤解を防ぐ
また、退職への誤解を防ぐことも大切です。
出戻り社員を再雇用することで、現職社員の間に「一度退職した社員が簡単に復帰できる」という認識が広がってしまうと、退職に対して寛容な会社だという誤解を与えてしまう可能性があります。
あえて退職をオープンに許容している会社もありますが、そうでない場合は、このような誤解が広がるのを防ぐために、退職の経緯や再雇用の理由などを説明できるようにしておく必要があります。
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出戻り社員を積極的に受け入れている企業事例
出戻り社員の再雇用に積極的な会社もあります。ここでは2社の事例を紹介します。
日立製作所
日立製作所は、中途採用の対象に元社員も含めています。
鉄道部門の人事担当者は、元社員は業務プロセスへの理解や社内人脈があるため仕事がスピーディーなのに加えて、外部の知見やアイデアを生かしやすい点が、出戻り社員を雇用するメリットだと指摘。
特に日立製作所のようなグローバルカンパニーでは、さまざまな商習慣・ニーズの地域でビジネスをする際に、その分野への知見がある人材が貴重だとしています。
出戻り社員は外部の知見があるため、社内とは違う視点を生かせる点が大きな魅力のようです。
三井物産
三井物産も2012年からキャリア採用を強化する一環で、元社員も受け入れて来ました。
人材開発室長の責任者は出戻り社員に対して、新しい価値観や考え方を取り入れ、三井物産と世間とのずれを指摘することを期待しています。
現在は、若年退職した社員を集める元物産会という会合が開かれており、外に出た元社員のネットワークを生かすための取り組みも開いている状況です。
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まとめ
出戻り社員は、既存業務に慣れており業務に必要なスキル・知識があるのに加えて、外部の知見も持っているため、活躍が期待される人材です。
中途採用において、出戻り社員を採用するメリットは大きいと言えるでしょう。
ただし、出戻り社員をはじめ、中途社員の採用を成功させるには人事評価制度の見直しも重要です。
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