フリンジベネフィットとは?意味や非課税となる支給方法・種類や問題点を解説

節税と従業員への利益還元を同時に実現できる「フリンジベネフィット」をご存知でしょうか。企業の魅力をアップさせて良い人材を集めたい、従業員のモチベーションを上げたいという時、単純に給与を増やすという選択肢以外にもできることは多数あります。

今回は、フリンジベネフィットの概要、その種類、メリットや注意点について詳しく解説します。

フリンジベネフィットの意味

フリンジベネフィットとは、企業が役員や従業員に対して給与以外に提供する経済的利益のこと。

「房飾り」を意味する「フリンジ(fringe)」から「付加的給付」「付加給付」などと訳されています。

フリンジベネフィットには、主に経営者が経費を負担する福利厚生や現物給与などが該当するといわれていますが、明確な定義があるわけではありません。

通勤手当から出張手当、残業食事手当、社宅、慶弔金、社員旅行にいたるまで、実にさまざまなものがフリンジベネフィットに該当します。

アメリカをはじめとした欧米では捉え方が異なり、年次有給休暇、現物給付、その他各種サービスを指してフリンジベネフィットと呼んでいます。

たとえば、社宅、食事、カンパニーカー、福利厚生施設の提供、記念品などの贈呈、年金・保険料などの会社負担などがこれに該当します。

現金による賃金・給与・報酬は、役員や従業員にとって給与所得と見なされるため所得税の負担が発生します。

また、企業にも所得税の源泉徴収と納付義務が発生します。一方、フリンジベネフィットは課税所得に含まれず、多くの場合で損金算入が認められています。従業員の実質的な所得を高められ、また税金対策にもつながることから、フリンジベネフィットの導入を検討する企業が多いようです。

フリンジベネフィットの種類(支給方法)

フリンジベネフィットにはさまざまな種類があります。その一例をご紹介しましょう。

通勤手当

会社への通勤のため電車やバスを使った場合、月額15万円まで通勤手当を非課税で支給することができます。

また、公共交通機関だけでなくマイカーや自転車などで通勤する場合も、決められた限度内であれば距離に応じて非課税となります。ただし、2km以内の自動車通勤、2km以上であっても徒歩通勤の場合は給与として源泉所得税も徴収しなければいけませんので、注意が必要です。

出張手当

交通費、昼食代、宿泊代など、出張時にかかった費用は実費精算するのが原則。しかし、これらすべての経費をその都度計算するのは現実的ではありません。

そこで、出張旅費規程で定めた出張手当であれば実費精算なしで経費として認めることができます。

たとえば、出張手当5,000円に対し、交通費や昼食代で4,000円しか使わなかった場合、この差額について従業員に課税されることはありません。

さらに、出張手当は従業員だけでなく役員にも適用することが可能です。ただし、会社に出張旅費規程がなければ従業員の給与と認定されてしまいます。

残業食事手当

夜遅くまで働く社員に食事代を支給すれば、残業食事代として損金に計上することができます。

また、22〜5時までの深夜勤務者には、300円までの現金支給が非課税で認められています。ただし、経費として計上するためには下記4つの条件が必要となります。

  • 特定の従業員だけでなく全社員が対象であること
  • 食事代の実費を会社が全額負担すること
  • 常識的な金額の範囲内であること
  • 現金支給の場合は1回あたり300円以下であること

勤務時間内の食事代は残業と見なされなかったり、高級レストランや居酒屋での飲食は交際費扱いとなったりする可能性があります。あくまで残業という、業務上やむを得ない事情に対する手当であることを留意しておきましょう。

社宅

社宅の運営費用も福利厚生費として計上することができます。

企業が借りている賃貸住居を社員に貸し出す「借り上げ社宅」、土地・建物を会社が保有する「社有社宅」のどちらもこれに該当します。

一般の賃貸住宅を借りるより安い賃貸料で住まいを確保することができたり、人事異動で転勤となった場合の負担を軽減することができたりと、従業員にとってもメリットが大きい社宅制度。

給与の一部と見なされて所得税がかかる住宅手当とは異なり、給与から社宅の費用が引かれる形のため、課税の対象になりません。

ただし、非課税にするには家賃を通常の賃貸料の半額(賃貸料相当額)以上に設定する必要があります。賃貸料相当額は下記の合計で決まります。

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
  3. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

慶弔金

冠婚葬祭に対して支給する慶弔金もフリンジベネフィットのひとつ。結婚、出産、葬式、災害、傷病などが一般的ですが、最近では「失恋見舞金」「ペット弔慰金」といった独自の慶弔金制度を導入している企業も。

ただし、金銭の代わりに贈答品や花輪などの物品を購入して支給した場合は消費税が発生。

慶弔金が経費として認められるためには、慶弔見舞金規程などの社内規程をあらかじめ作成しておく必要があります。

また、あまりに高額の場合は課税対象となってしまいます。結婚・出産の祝い金なら1〜3万円程度、弔慰金であれば5〜10万円(従業員本人の場合)程度などが相場です。

社員旅行

社員旅行の場合、国内外を問わず下記の条件を満たしていれば福利厚生費として処理することができます。

  • 一人10万円まで
  • 旅行に要する期間(海外の場合は現地での滞在日数)が4泊5日以内であること
  • 全従業員の50%以上が旅行に参加すること

成績優秀者を対象とした社員旅行、取引先を招いた接待旅行などの場合は上記の要件から外れてしまいます。

また、社員旅行に参加しない従業員に現金支給をしたり、従業員の家族を同行させたりする場合も経費として見なされないため注意が必要です。

フリンジベネフィットは非課税所得

税法では、会社から支給される給与・賞与を含む有形無形の利益は原則的に課税されるべきと定められています。

しかし、実際は現金で支払われる給与・賞与などを除き、さまざまな法令・通達により「社会通念上認められるもの」は非課税として取り扱われています。

また、金銭で支払われるものであっても、通勤手当、社会保険料の半額、労働保険料の7割程度など、会社が負担しているものも基本的には課税対象から外れています。

利益を得る従業員個人には所得税がかからなず、利益を与える会社にとっても経費となり、その分、法人税の負担を軽減することができるというのがフリンジベネフィットの大きな特徴です。

フリンジベネフィットのメリットと問題点

フリンジベネフィットには企業側・従業員側双方にとってのメリットが多数あります。一方、その問題点も存在します。

メリット1:節税につながる

社会通念上、妥当であると認められたフリンジベネフィットは損金として扱うことができるため、企業にとっては大きな税金対策となります。さらに、その利益を得る従業員にも所得税がかからないことが特徴です。

メリット2:社員のモチベーションが上がる

給与と異なり、フリンジベネフィットには所得税がかからないため、社員の手元により多くの現金が残ります。

たとえば、通勤手当や社宅などがあれば実際的には毎月、給与の額面以上の生活を送ることができることになります。こうした手厚い福利厚生によって社員の満足度、帰属意識を高めることができます。

問題点:税源が失われてしまう

所得税法36条1項では、所得の収入金額は「その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他の経済的な利益をもって収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする」と規定されています。「経済的利益」であるフリンジベネフィットは法律上、本来ならば所得として課税されるべきものなのです。

しかし、実際はフリンジベネフィットの内容・範囲は国税庁長官が発する所得税基本通達等で定められており、それによって課税の適否が判断されることになるため問題視されているのが現状です。

つまり、本来課税されるべきフリンジベネフィットにより、国としては課税する機会を失ってしまってしまうことに。フリンジベネフィットをあまりに拡充しすぎると、本来収められるべき税が不足してしまい、回り回って増税で賄う自体になりかねないと危惧されています。

フリンジベネフィットで社員へ利益還元!同時に人事評価制度の整備もお忘れなく

非課税対象となるフリンジベネフィットをうまく活用することで、節税しながら従業員の待遇やモチベーションをアップさせることができます。

ただし、ご紹介した通り、あくまで本来は課税対象とされているという観点から、闇雲に各種手当を拡充するのはおすすめできません。

フリンジベネフィットを適度に取り入れるためには、まずは適切に人事評価を行うことが求められます。フリンジベネフィット検討の際はぜひ、あわせて人事評価制度を見直してみてはいかがでしょうか。

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