ジェネレーションとは?Y世代・Z世代・α世代の特徴、マーケティングや人材育成方法を紹介

近年ジェネレーションY(ミレニアル世代)、ジェネレーションZ(Z世代)などジェネレーションごとの特徴を意識したマーケティングが主流になってきました。各ジェネレーションの特色に合わせた人材育成を取り入れている会社も少なくありません。

本記事ではジェネレーションの意味、ジェネレーションY、Z、αの特徴、マーケティング方法、マーケティング事例、人材育成方法など紹介します。

ジェネレーションとは

そもそもジェネレーションとは、英語のgenerationのことで世代、時代、代という意味です。世代とは同じ時期に生まれた人について、集合体でみなします。同世代の全体的な特徴を説明する際などに使用されます。また、家業など親から継いでから、自身の子に譲るまでの期間を指す場合もあるでしょう。

米国である世代のことをジェネレーションY・Z・αなどと呼んだことから、日本でも一般的に世代区分として使用されるようになりました。特にジェネレーションZ、日本ではZ世代が今後購買意欲の高まる層として注目されています。

ジェネレーションYとは

ジェネレーションYとは1980年から1994年頃に生まれた世代のことで、2023年における29歳から43歳のことです。Y世代、ミレニアル世代とも呼ばれます。他のジェネレーションも同様ですが、各メディアや論文によって明確な時期は異なるので注意が必要です。

ジェネレーションYは、インターネットが普及した環境で育ったデジタルネイティブと呼ばれています。そのため、インターネット上で多様な価値観や情報に触れて育っており、仲間と共感し関係を築きやすい傾向があると言われています。

ジェネレーションZとは

ジェネレーションZとは1995年から2009年頃に生まれた世代のことで、2023年における28歳から14歳のことです。Z世代、ポストミレニアル世代とも呼ばれます。

ジェネレーションYと似た特性を持つと見られがちですが、完全なスマホ・SNS世代であるジェネレーションZはYよりもスマホ・SNSに慣れ親しんでおり、他人とつながり複数のコミュニティを持つのが得意な世代と言えるでしょう。

ジェネレーションαとは

ジェネレーションαとは2010年から2024年に生まれた・生まれる世代のことで、2023年において13歳からの世代のことです。

ジェネレーションαは2008年にオーストラリアの人口統計学者マーク・マックリンドルによって考案されました。米国にて世代呼称がジェネレーションX・Y・Zと続いていたため、新たな時代の始まりをイメージしてラテン文字の最後に当たるZの次にギリシャ文字の最初に当たるαを採用したようです。

ジェネレーションαは幼い頃からタブレットで動画を見るなど、幼少期からインターネットに親しんでおり、膨大な情報量に触れてきていることも影響してさらに多様な価値観を形成すると考えられています。

ジェネレーションYの特徴

ここではジェネレーションYの特徴の主な特徴を説明します。

ITリテラシーが高い

ジェネレーションYは、デジタルネイティブと言われる通り、従来の世代よりもITリテラシーが高い特徴があります。1995年Windows95 の登場によってインターネットが一般的に使用できるようになり、ジェネレーションYは10代でインターネットに触れるようになりました。

学校教育で基本的なインターネットの知識に触れてきているため、SNSなどへの障壁も低く、写真やブログで自分を表現することが比較的好きな世代と言われています。

競争よりも協調性を重視

ジェネレーションYは、1987年頃ゆとり教育が導入されたこともあって競争よりも協調することを得意とする特徴があります。勉強などで競うよりも、自分の個性ややりたい経験を重要視するよう育った人が多いのです。また、ジェネレーションYは2004年に登場したmixi、続いてFacebookといったSNSに慣れ親しんでおり、リアルな友達や知り合いといつでもつながれ、仲間と協調して助けあう世代と言われています。

写真やブログで表現するのが好き

ジェネレーションYは前述した通り、mixiやFacebookなど写真や文字で日常のことを呟くSNSに親しんでおり、写真やブログで自分を表現するのが好きな世代です。それ以降に登場するTwitter、Instagram、Youtubeなども好んで使用しますが、Z世代と比較すると動画よりも文字で表現することを好む傾向があるでしょう。

ジェネレーションZの特徴

ここではジェネレーションZの特徴の主な特徴を説明します。

多様性との共生

ジェネレーションZは生まれてから東日本大震災、コロナ禍など様々な地球の危機に直面しており、多様性と共生・共存することに価値を感じる傾向があります。地球問題への関心が高く、環境に配慮した商品や取り組みに関心が高いです。また、LGBTなど多様な人がいかに社会で共生できるかに価値を置きやすいでしょう。

自分で決める協調性

ジェネレーションZはTwitterやInstagramなどのSNSに慣れ親しんでおり、友達や知り合いのみならず、会ったことのない他人とつながることが当たり前の世代です。そのため、さまざまなコミュニティに所属しており、友達など身近なコミュニティに所属しなければ孤立するという村社会的な価値観を持たない傾向があります。我慢をして他者に合わせるというよりも、自分軸で決めて協調するという特徴があるでしょう。

動画投稿に慣れている

ジェネレーションZは中学生の前には動画共有サービスが次々に登場しており、動画投稿を中心にSNSを利用して過ごしています。そのため、テキストよりも動画を好む傾向があり、動画やライブストリーミングで自己を表現する人が多いです。

SNSによる自己表現はY世代も行ってきましたが、文字よりも写真・動画のように自身や他者の生活などの情報が視覚化されている特徴があります。

ジェネレーションαの特徴

ここではジェネレーションαの特徴の主な特徴を説明します。

フリン効果により知能指数が高い

ジェネレーションαは他の世代と比較して、知能指数が高くなると予測されます。これはフリン効果というもので、ジェネレーションαのみならず他の世代にもあると言われており、人間の知能指数が年々上昇するという現象です。これは、ITテクノロジーの進化も相まって急激に社会や環境変化するようになり、多様な価値観を持つ人も増えたことなどが影響していると考えられています。

ジェンダーレス化

LGBTへの関心や人種的差別を排除する動きが高まる中で、性別へのあいまいさがますます顕著化してくると考えられています。「中学生の男子」といった一様なまとめ方では、表現できなくなってくると言われているのです。ともなって、求められる商品についてもますます多様化し、既存のセグメントではマーケティングにおいて機能しなくなっていくと予測されます。

複数のキャラクターの共存

ジェネレーションαでは、様々なデバイスやプラットフォームで、一人が複数のキャラクターを表現していくと考えられます。現在でもZ世代を中心に、SNS上で複数のアカウントを使い分けるなど、所属の多様性が見られていますが、キャラクターの使い分けがますます進むでしょう。キャラクターの数がさらに増え、メタバースのような仮想空間も現実性を増すことが予想されます。

ジェネレーションごとに有効なマーケティング方法・事例

ここでは各ジェネレーションに効果のある、今後あると見込まれるマーケティング方法・事例を紹介します。

ジェネレーションYに有効なマーケティング方法・事例

デジタルネイティブであるジェネレーションYは、インターネットのメディアで情報を収集するのが得意な世代です。ググる(Googleで検索する)ことで客観性の高い情報を得たり、SNSなどのレビューを参考にしたりする傾向があります。

そのため、蓄積された内部・外部のアクセス情報を基にして、属性ごとにセグメンテーションしてマーケティング戦略を立てたり、リスティング広告やSNS広告をうったりする手法が効果を発揮してきました。また、従来の世代と比較するとモノを所有したいという意識が低いため、サブスクリプションサービスが広く浸透してきています。

ジェネレーションZに有効なマーケティング方法・事例

ジェネレーションZは完全にスマホ・SNS世代で、商業的な広告よりもSNSでのリアルなレビューを重視する傾向があります。ググるよりもSNSでタグる(ハッシュタグを検索する)ことで情報を収集します。SNS上で、視覚的にリアルな疑似体験をしたあとに、より吟味して自分が本当に買いたい価値があるものを買う傾向あるでしょう。

そのため、SNSでのフォロワー数の多いインフルエンサーにブランドや商品を使用・紹介してもらい購買力を高めるインフルエンサーマーケティングの手法が有効と言われています。ただし、真実味を重視するため、本当に好きではないのに紹介した場合などは敏感に拒否反応を示すでしょう。

さらに、ジェネレーションZは一人ひとりが多様なコミュニティに所属しているため、セグメンテーションが複雑化する特徴があります。タグごとにセグメンテーションを行うなど、細かな分類・アプローチが必要とされます。

ジェネレーションαに有効なマーケティング方法・事例

ジェネレーションαのマーケティングで加味されるのは、後ろで糸をひくジェネレーションYの親の存在です。ジェネレーションα子どもとジェネレーションYの親をセットにした、消費・行動へのアプローチが有効なマーケティング手法と言えます。現在でもママインスタグラマーや子どものYoutuberがインフルエンサーとして強い影響力を持ちます。

ジェネレーションαはタブレット端末を幼児期から触って過ごしており、他世代よりもさらにインターネットが身近にある状態で育っています。また、音声コマンドや、画像情報による情報収集が主流になると考えられます。

セグメンテーションによるマーケティングはさら細分化されていき、マーケティングで決められた答えを提供されるよりも、個人的、感情、リアクティブな会話によって導き出されたものを購入する動きに変容していくでしょう。

各ジェネレーションが会社に求めるものとは

社会・環境の変化スピードが加速する中で、多様な価値観が生まれる時代を生きる各ジェネレーション達。各ジェネレーションが会社に求めるものとは何なのでしょうか。ここでは、社会人のジェネレーションYとZが会社に求めるものについて説明します。

ジェネレーションYが会社に求めるもの

2008年のリーマンショックの経済危機や停滞期を長く過ごしてきたジェネレーションYは、以前の世代と比較すると独立心を強く持つ傾向があります。一つの企業を信頼して長く所属するよりも、転職や起業などに関心がある人が多いです。

そのため、長く働くことを前提とし、能力・成果と報酬の結びつきがあいまいな年功序列な組織を嫌う傾向があります。なぜこの仕事を行うのか理由を明確にし、自ら目標を設定し、公正公平な評価と見合った報酬を求める人が多いです。

また、ワークライフバランスを重視する傾向があり、仕事・私生活のバランスをとって仕事をしやすい環境と制度の提供を求めるでしょう。また、ジェネレーションYは各ジェネレーションの間に挟まれ、各世代の価値観に翻弄され価値観に葛藤が起きやすい世代でもあるので、中間管理職として働きやすいように制度の整備やフォローアップが必要と考えられます。

ジェネレーションZが会社に求めるもの

ジェネレーションZは親世代がリーマンショックを経験しており、東日本大震災、コロナ禍と生まれてから常に社会・経済が不安定な状況が続いています。そのためジェネレーションZは現実的な価値観で、金銭感覚は保守的。貯蓄・投資への関心が高く、会社で安定的に収入が得られるか重視する傾向があるでしょう。

その一方で、自分のオリジナリティを表現することが好きな世代なので、仕事で自分のやりたいことが実現できるかをより重視します。社会貢献への関心が高いため、自分の仕事が社会に貢献するかという視点でも会社の魅力を見るでしょう。また、ワークとライフのバランスを超えた「ワークライフインテグレーション」と呼ばれる、仕事とプライベートを隔たりなく感じる生活をしたいと考える傾向があります。より柔軟な働き方を求めるでしょう。

ジェネレーションごとの人材育成方法

ジェネレーションごとで人材育成にポイントはあるのでしょうか。
まず、ジェネレーションY・Zに共通して言えることは、ジェネレーションが進むごとに、単一的な価値観・評価をベースにした体制は通用しなくなってきているでしょう。会社に与えられた場で与えられた仕事をこなすのではなく、一人ひとりひとりがやりたいことで能力を発揮していく傾向が強くなっています。

また、働き方も仕事のみならず生活も充足感を得たい人が増え、仕事・私生活を超えて仕事も生活の一部としてインテグレートしていく流れの中にいるでしょう。そんな中で、組織は個人からいかにやりたい事を引き出し、達成に必要な教育の実施、適切な時期に配置できる制度の工夫と、柔軟な働き方を実現できる独自性のあるテレワーク制度・フレックスタイム制度・休暇制度の導入をすすめることが効果的です。

個人が組織と足並みをそろえ、自分の目標を設定し能力を発揮できるよう人材育成を実施する上で、仕事の仕方・能力・成果に報酬が結びついた人事評価制度を構築することは必要不可欠となります。公正公平な評価制度が整えられていない状況下では、自分のやったことが正しく評価されないと感じモチベーションを下げる原因になってしまいます。下記は、各ジェネレーションの人材育成方法について見てみましょう。

ジェネレーションYの人材育成方法

ジェネレーションYの人材育成で押さえておきたいポイントは、前ジェネレーションとジェネレーションZとに挟まれた世代であり、規範的な上下関係など前世代の価値観の影響を受けつつ、ジェネレーションZの自分軸を持ったフラットな自由さの間で、ジレンマをかかえやすいという点です。

ジェネレーションYはSNSで多様な人間関係は築いてきているもののあくまでも友達・知人とのコミュニティが身近で、村社会的な意識を持った人が多いです。例えば、上司に対して「意見を言わない」についても、ジェネレーションZは「意見を言わないことを決めた」という意識に対して、ジェネレーションYは「我慢して意見を言わない」と考える傾向が強いです。

ジェネレーションYは自身の価値観にジレンマを抱えやすいことに加え、年代として会社で中間管理職の立場になる人も少なくありません。上司からのヒアリングのみならず、別部署などの若手が上司に助言を与えるリバースメンター制度、リフレーミング・リーダーシップやリフレクション研修の充実などが効果的でしょう。

ジェネレーションZの人材育成方法

ジェネレーションZの人材育成方法押さえておきたいポイントは、彼らのフラットな価値観とオリジナリティを組織にいかに活かせるかを考えることです。ジェネレーションZはジェネレーションYと比較して、自身でキャリアはデザインするという意識がさらに高い傾向があります。そのため、個々レベルでの対話を通して原動力を見つけてあげることが必要です。

また、上下関係ではなくフラットな目線での人を見ることが得意なジェネレーションZには従来からあるピラミッド型の組織はマッチしません。役割ごとのフラット組織形態であるホラクラシー型組織へと移行することも一手です。フラットな組織形態ではジェネレーションZは人と人をつなげるリーダーシップを発揮したり、イノベーションを起こす起爆剤として活躍してくれる可能性があります。

企業風土としてホラクラシー型がマッチしない会社は、ジェネレーションYの前世代であるジェネレーションXへの研修も欠かせません。過去の成功体験に依存したマネジメント手法や、自身があてはめた理想像を追求させる、精神論を強いる育成方法が機能しないことを研修で学んでもらうことも必要です。両者が違う価値観として認めあえるよう、お互いについて学ぶ機会を設けることが効果的でしょう。

ジェネレーションに合った人材・マーケティング戦

デジタルが躍進する現代で、各ジェネレーションは自分軸をもち多様性の中で共生する動きが加速しているでしょう。企業は各ジェネレーション、また個人の価値観に配慮して育成することが求められます。また、各ジェネレーションの特徴をマーケティングに活用するのも効果的です。

組織の変化に伴って、各企業の人事評価制度の再構築も急速に進められています。人事評価制度のコンサルティングに豊富な経験を持つあしたのチームまで、ぜひご相談ください。

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