「絶対評価と相対評価、どちらを導入すればいいかわからない」
「人事評価における、それぞれの違いや使い分け方が知りたい」
このように、自社の人事評価制度について悩んでいる方もいるでしょう。
絶対評価と相対評価は、どちらも人事評価の手法ですが、評価の基準が根本から異なります。どちらか一方が優れているわけではなく、それぞれの長所と短所を理解し、会社の目的や状況に合わせて使い分けることが大切です。
本記事では、絶対評価と相対評価の基本的な違いから、それぞれのメリット・デメリット、具体的な使い分け方、さらに企業での導入事例までを詳しく解説します。
本記事を読むことで、自社に合った評価制度の構築ができ、社員の成長や組織力の強化につながるでしょう。
また、人事評価の運用に関するお悩みは、人事評価制度の構築・運用を支援を実施している「あしたのチーム」にご相談ください。
目次
絶対評価と相対評価の違いとは?

人事における絶対評価とは、設定された目標をどの程度達成できたかによって処遇を決定する評価方法です。目標をクリアすれば高評価がつき、未達成だと低評価がつきます。他社員との比較ではなく、評価基準に従って一人一人を客観(絶対)的に評価するので、周囲の成績に左右されることはありません。
評価基準は一律ではなく、部門や職種あるいはポジションによってそれぞれ作成されます。スポーツに例えると、42.195kmを〇時間〇分以内に走ればオリンピック出場資格を与えるというものです。
それに対し相対評価とは、他者との比較により評価する方法です。「AさんよりBさんの方ができた」「CさんはDさんよりできなかった」と、集団の中で順位を決めることで優劣をつけます。オリンピック資格は上位5人に与えるのが、分かりやすい例です。
相対評価においては、たとえ自分の目標を達成しても、他にそれを超える結果を出した社員がいれば評価は下がります。逆に、未達成でも周りの結果がそれよりも悪ければ、相対的に評価が上がります。
相対評価は、評価する側からすると判断がしやすいのが長所ですが、される側からすると分かりにくい短所があります。頑張っても評価されない時もあれば、手を抜いても評価される時もあるためです。何をもって給料が上がるのか明確でない状態は、モチベーションを著しく低下させます。
| 絶対評価 | 相対評価 | |
| 方法 | 期首に立てた目標の達成度で評価する。 |
被評価者の順位付けにより優劣を決定し評
価する。
|
| メリット |
✔︎ 目標を達成すれば、他の被評価者に関係になく評価されるためフェアで納得感がある。
| ✔︎ 順位付けで評価するため、定められて給与原資の枠内での分配が容易である。 |
| デメリット | ✔︎ 昇給原資との調整が困難である。 | ✔︎ フェアな評価とはならない場合がある。 ✔︎ 部下の給与を上げるために甘めの評価になる。 ✔︎ 仮にすべての社員のパフォーマンスが期待外れであっても順位付けにより高評価者が発生する。 |
相対評価|他者との比較で評価する方法
相対評価は、他者との比較で成績を決める評価方法です。
具体的には「営業成績が部署内で上位10%に入る」「同期の中で最も優秀」などの形で評価されます。個人の業績が良くても、周りがそれ以上に優秀な場合は評価が低くなる可能性があり、逆に業績が悪くても周りがさらに悪ければ評価が高くなる場合もあります。
相対評価では、必ず上位の評価と下位の評価が一定数発生する点がポイントです。組織全体の人材の分布を把握しやすく、評価者による評価が偏りにくい一方で、社員同士の競争が過度になる懸念があります。
絶対評価|あらかじめ設定した基準で個人を評価する方法
絶対評価は、あらかじめ決められたノルマを達成できたかで評価する手法です。
絶対評価のメリットは、評価対象者一人ひとりを客観的に評価できる点です。個人のキャリアや実績に基づき評価できるため、組織内の適正評価につなげやすい側面があります。
ただし、評価者の個人的な主観で評価が変わってしまうのがデメリットです。
絶対評価は、個人の成長や達成度を正確に測定するのに適していますが、評価者が厳正に評価できない環境では、正しい評価を下せない可能性があります。
絶対評価が重視されるようになった理由
人事においては、絶対評価を取り入れるべき考え方が主流になってきています。その理由は、絶対評価の持つ透明性にあります。
どのような基準に基づいて、どのような結果になったのかが明らかであれば、人事評価に対する信用度が上がります。
社員がきちんと評価されている実感を持てなければ、どのような制度もうまく機能することはないので、透明性や客観性は不可欠な要素と言えるでしょう。
絶対評価を取り入れることによって、社員のパフォーマンスが上がることも期待できます。
具体的な方向性を示すことで必要な業務に集中でき、無駄な業務が減ります。自身の目標の達成が組織にどのような結果をもたらすかをイメージできれば、モチベーションの向上にも役立つでしょう。
その結果、組織全体の力が最大限に発揮できます。
学校現場においても、相対評価より絶対評価を採用する動きが見られます。
学校では、学年や学級などの集団においてどのような位置にあるかを見る「集団に準拠した評価」(=相対評価)が長く重視されてきました。
しかし、少子化にともない個性を重視したり、評価への信頼性を高めたりする必要が生じたことから学習指導要領が改正され、2002年以降は「目標に準拠した評価」(=絶対評価)による成績評価へと大きく流れが変わりました。
企業においても学校においても完全に相対評価がなくなったわけではありませんが、全体としては絶対評価を重視する傾向が強くなってきているのは確かです。
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人事評価制度における相対評価のメリット・デメリット
人事評価制度における相対評価のメリット・デメリットを紹介します。相対評価の人事評価制度への導入を検討されている企業の方は参考にしてください。
相対評価を活用する4つのメリット
相対評価を活用するメリットとして、以下の4点があります。
- 評価のプロセスを簡素化できる
- 評価の偏りが少なくなる
- 社員同士の競争が活発化する
- 組織全体のパフォーマンスを把握できる
各メリットを詳しく解説していきます。
評価のプロセスを簡素化できる
相対評価は評価者にとって理解しやすく、これにより評価のばらつきを抑制できます。
例えば、個々の社員の絶対的な能力や経験を詳細に検証する必要がなく、単純に他の社員と比較して評価できます。
評価がしやすくなることで、評価プロセスが簡素化され、評価にかかる時間と労力を大幅に削減できるでしょう。
評価の偏りが少なくなる
相対評価は、評価の偏りが出づらく、バランスの取れた評価が可能になります。
絶対評価だと、成績のよい者と悪い者で大きく評価が偏る可能性があります。しかし、相対評価では、S評価は何名、A評価は何名のように、高評価や低評価の偏りが少なくなるのが特徴です。
また絶対評価では、評価が中間に集中しやすい側面があります。相対評価は順位づけするため、無難な評価への偏りを防げます。
社員同士の競争が活発化する
相対評価は社員同士が切磋琢磨して競争し合える環境を作り出せるメリットがあります。
他者と比較し、目に見えて順位を付けられるため、被評価者の闘争心を高められ、活発な組織作りに寄与するでしょう。
また競争を通じて、社員1人ひとりの成長にもつながり、自己成長を促進できます。
組織全体のパフォーマンスを把握できる
相対評価は、組織全体のパフォーマンスを把握する上で役立ちます。社員同士を比較する評価方法であるため、組織全体で見たときの能力の分布が可視化されます。
具体的には、「優秀な成果を出している層」と「育成が必要な課題層」を明確に分類可能です。どの層にどのような人材が分布しているかがわかれば、組織単位での生産性を上げるための施策を立てやすくなります。
さらに、組織としての強みや弱みを客観的に把握する際にも役立つ評価方法です。戦略的な人員配置の変更や、特定の層に向けた教育計画の立案など、具体的な人事戦略につなげられます。
相対評価を活用する3つのデメリット
相対評価を活用するデメリットとして、以下の3点があげられます。
- 個人の成長が評価されにくい
- 評価が所属するグループや部署に左右されやすい
- 評価基準の具体的な説明が難しい
それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。
個人の成長が評価されにくい
相対評価は、他者との比較によって成績を決める評価方法です。そのため、個人がどれだけ努力し成長しても、周囲の成績が同様に上がっていれば、その成長は評価に反映されにくくなります。
例えば、ある社員がスキルアップや成績向上に努めても、同じチーム内の他のメンバーも同様に成績を上げていれば、その社員の相対的な評価は変わらない可能性があるでしょう。
個人の努力や成長が正当に評価されず、不満やモチベーション低下を招くリスクは考えておかなくてはいけません。
評価が所属するグループや部署に左右されやすい
相対評価では、同じ能力や実績を持つ社員でも、所属するグループによって評価が大きく変わる可能性があります。
例えば、ある部署で優秀とされていた社員が、別の部署に異動したら評価が下がるリスクも考えられます。
また、所属するグループのレベルが高いケースでは、個人がどれだけ努力しても評価されにくい状態になってしまうでしょう。
評価基準の具体的な説明が難しい
相対評価の大きな課題は、評価基準を具体的に説明しにくい点です。相対評価では、他者との比較が前提のため「売上〇〇円以上」のような明確な数値や指標で基準を示しづらい側面があります。
評価基準が具体的でない場合、社員は「なぜ自分がこの評価なのか」という理由に納得できないでしょう。結果として、評価制度そのものへの不満や、評価者に対する不信感を抱きやすくなります。
また、評価基準が明確でない状態が続くと、評価者の主観に判断が左右される懸念も高まります。公平な評価が難しくなり、社員のモチベーションが低下しかねない点に注意が必要です。
人事評価制度における絶対評価のメリット・デメリット
人事評価制度における絶対評価のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
- 絶対評価を活用する5つのメリット
- 絶対評価を活用する3つのデメリット
メリット・デメリットを知り、絶対評価を導入すべきか検討しましょう。
絶対評価を活用する5つのメリット
絶対評価を活用するメリットとして、以下の5点があげられます。
- 曖昧な評価を排除できる
- 社員のモチベーション向上につながる
- 社員が効率的にスキルアップを目指せる
- 多様な背景の社員を公平に評価できる
- 組織内での過剰な競争を避けられる
それぞれのメリットを詳しく解説していきます。
曖昧な評価を排除できる
目標への達成度で評価がきまるため、曖昧な評価を排除できるメリットがあります。
人事評価への不満でよく挙げられるのが、上司の裁量重視の判断基準が不明瞭な評価。日本ではこれまで年功序列、終身雇用が前提の雇用システムであったため、曖昧な評価が横行してきました。
絶対評価、成果主義の評価を取り入れることで、評価基準を周知させ明確な評価を実現できるでしょう。
社員のモチベーション向上につながる
絶対評価は、社員のモチベーション向上につながりやすい点が長所です。評価結果が個人の目標達成度に直結するため、成果に対する納得感や、自己成長への意識が高まります。
目標を達成しても、しなくても評価に直結しない場合と比べて、目標達成への求心力が上がると同時に、成果に対して相応の評価をもらえることが次の仕事へのやる気につながるでしょう。
また、公平で透明性のある評価制度を運用する姿勢は、上司と部下の信頼関係を強化します。社員の会社への貢献意欲、いわゆるエンゲージメントの向上も、絶対評価の導入で期待できるメリットです。
社員が効率的にスキルアップを目指せる
絶対評価は成果で見る厳しい評価とらえられるかもしれませんが、結果がはっきりとする分自分が不足している部分も明らかになりやすいです。
「達成できなかったのは何が足りなかったのか」の観点から、自身のスキルアップが必要な部分が明確になりやすい仕組みです。
そのため、それに関連したスキルアップを重点的に行え、効果的なスキル向上が期待できるでしょう。
多様な背景の社員を公平に評価できる
絶対評価は、多様な背景をもつ社員を公平に評価しやすい制度です。個々の業務内容やおかれている状況に合わせて評価基準を設定できるため、一人ひとりの実情に即した公平な評価が実現しやすくなります。
例えば、部署や職種が異なっていても、あらかじめ定められた統一の基準に沿って評価できる点が利点です。
さらに、社員の多様性を推進する観点からも役立ちます。絶対評価は「基準をクリアしたか」で判断するため、性別や、時短勤務・テレワークなどの勤務形態に関係なく、成果を正当に評価しやすい仕組みです。
組織内での過剰な競争を避けられる
絶対評価の導入は、組織内での過剰な競争を避ける助けになります。絶対評価では、他者との比較を前提としません。あくまでも個人の目標達成度で評価が決まるため、社内での不必要な競争を防げます。
評価が個人の努力や成果に基づいていると、社員は他人の足を引っ張るのではなく、自身の目標達成に集中します。結果として、チームワークを重視する組織風土の醸成にもつながるでしょう。
また、順位付けによる過度な競争がなくなれば、社員が感じるストレスや、社員同士の摩擦も抑えられます。社員が安心して発言・行動できる、心理的安全性の高い職場環境の維持にも役立ちます。
絶対評価を活用する3つのデメリット
絶対評価を活用するデメリットとして、以下の3点があげられます。
- 昇給原資の調整が難しい
- 成果までのプロセスが評価に加味されない
- 数値化できない業務だと曖昧さが残りやすい
各デメリットを詳しく解説していきます。
昇給原資の調整が難しい
絶対評価では、昇給の原資をどれくらい確保しておけば良いか予測を立てることが難しくなります。相対評価であれば、社員同士を比較して、あらかじめ決まっている昇給の予算を振り分ければよいので、調整がしやすくなります。
絶対評価では、全員が成果を出した場合、予想以上の昇給金額となり、調整が困難になるデメリットがあります。
成果までのプロセスが評価に加味されない
絶対評価は成果までのプロセスが評価されないという難点があります。
成果は本人の実力や努力だけでなく、社会情勢などの外的要因によっても左右されることがあります。
その時点では成果が出ていない事柄であっても、それまでのプロセスがどうであったかによって将来的に貢献しそうな人物であるかどうかの評価には違いが出るでしょう。
数値化できない業務だと曖昧さが残りやすい
絶対評価では成果を数値化しづらい業務において、評価者の主観が入りやすい点に注意が必要です。
例えば、デザイナーをはじめとするクリエイティブ職や、総務・経理などのサポート業務では、成果を測る評価基準が不明確になりやすい傾向にあります。
数値以外の定性的な評価を取り入れる工夫や、複数の評価者によるチェック体制を整えるなどの対策が、絶対評価では必要になるシーンがあります。
絶対評価と相対評価の人事評価での使い分け方

絶対評価と相対評価は、どちらか一方が正しいわけではなく、企業の目的や状況に応じて使い分けることが大切です。
ここでは、それぞれの評価方法がどのような場面に適しているか、また両者を組み合わせる方法について解説します。
- 評価者の負担を軽くするなら「相対評価」が適している
- 社員のモチベーションを高めたいなら「絶対評価」が適している
- 絶対評価と相対評価を組み合わせる方法もある
自社の課題に合わせて、最適な方法を選択しましょう。
評価者の負担を軽くするなら「相対評価」が適している
相対評価は、社員をグループ内で比較し、順位付けを行う評価方法です。評価者は、個々の社員の目標達成度や能力を細かく確認する必要がないため、評価者の負担を大幅に軽減できます。
大人数の社員を評価する場合や、短期間で評価を完了させる必要がある場合には、相対評価が有効です。
ただし、相対評価は個人の成長や能力を正確に評価することが難しく、社員のモチベーション低下につながる可能性もあるため、注意が必要です。
社員のモチベーションを高めたいなら「絶対評価」が適している
絶対評価は、個々の社員の目標達成度や、能力を基準に評価を行う方法です。絶対評価は個人のスキルや成果を重視するため、社員のスキルやキャリアアップに期待できます。
ただし、絶対評価は評価者の主観が入りやすく、評価基準が曖昧になる可能性があるため、評価者に対する研修や評価基準の明確化が重要です。
絶対評価と相対評価を組み合わせる方法もある
絶対評価と相対評価には、それぞれメリットとデメリットがあります。そのため、両方の評価方法を組み合わせることで、バランスの取れた人事評価をすることが可能です。
たとえば、一次評価で絶対評価を行い、個人の目標達成度や能力を評価します。次に、二次評価で相対評価を行い、グループ内での順位付けを行う方法が考えられます。
また、評価項目によって評価方法を変えることも有効です。目標達成度や業績は絶対評価で評価し、協調性やチームワークは相対評価で評価する方法です。
自社の状況にあわせ、評価方法を検討しましょう。
絶対評価と相対評価を活用する企業事例3選

実際に企業はどのように絶対評価や相対評価を活用しているのでしょうか。ここでは、人事評価制度の運用で参考になる3社の事例を紹介します。
- リコーリース株式会社|絶対評価で目標達成した社員の公平な評価を実現
- サイボウズ株式会社|絶対評価の導入で公平性の担保と社員の納得感の獲得に成功
- 株式会社サイバーエージェント|相対評価を含む制度導入で適正な人材配置を実施
各社の取り組みから、自社に導入する際のヒントを探してみましょう。
リコーリース株式会社|絶対評価で目標達成した社員の公平な評価を実現
これまでリコーリースは相対評価を採用していましたが、絶対評価へと移行しました。
従来の相対評価では、全員が目標を達成しても、あらかじめ定められた割合でランク分けされていました。絶対評価を導入後は、難易度の高い目標を達成した社員全員が高く評価されます。
ただし、絶対評価では評価者の主観が入りやすくなってしまうため、評価者研修の実施を行い、人事担当のサポートも受けながら、公平な評価ができるように務めています。
【参考】ニューススイッチ
サイボウズ株式会社|絶対評価の導入で公平性の担保と社員の納得感の獲得に成功
サイボウズ株式会社では、従来まで採用していた相対評価が、社内の無駄な競争やチームワークの悪化を招いたため、絶対評価に切り替えた背景があります。
評価の目的を「個人の成長」と「給与決定」の2つに絞り、社員ごとの目標設定とフィードバックを実施することで、社員のモチベーション向上と成長をサポートしています。
給与は社内的価値と社外的価値によって決定され、交渉も可能です。絶対評価への切り替えにより、公平性と社員の納得感が得られるようになりました。
【参考】Unipos HRコラム
株式会社サイバーエージェント|相対評価を含む制度導入で適正な人材配置を実施
株式会社サイバーエージェントでは、絶対評価を採用していますが、相対評価の要素を含む「ミスマッチ制度」も導入しています。
これは下位5%の社員に対してミスマッチ認定を行うもので、部署移動や転職の提案を通じて、社員全体のレベルアップを図ることを目的としています。
退職を促すのではなく、社員のミスマッチに早期に気づき、改善につなげるための制度です。
【参考】Unipos HRコラム
絶対評価運用のポイント
中小企業も例外ではありません。社員が1人でもいれば、絶対評価の導入を検討してみて良いかもしれません。
「個人に対して正当な評価を行い、報酬によって応える」という姿勢は、企業の規模とは無関係に必要だからです。少ない社員だから手厚く人事評価ができるという自信は、「人数が少ないから相対評価が簡単」と言っているにすぎません。
絶対評価の導入時に注意点すべきポイント
もちろん、絶対評価を導入すれば万事うまくいくわけではありません。運用においては、さまざまな課題が存在します。まず、目標や評価基準は単純な業務成績だけでなく、プロセスや行動レベルまで考慮することが求められます。
1990年代に多くの企業がアメリカ式成果主義を導入した際、社員が自身の業績を重視するあまり部下の育成に消極的になるなど、間違った個人主義が横行しました。
そのため、業績評価だけでなく、それを生み出すプロセスや適性などを踏まえた行動評価も、併せて行う必要性が明らかになりました。
また、目標設定は社員それぞれに対して行われなければなりません。所属する部門や職種、勤続年数やポジションによって求められる要素やレベルは異なります。技術部門1年目の社員と営業部門の10年目の社員では、越えるべきハードルが違うのは当然のことです。
適切な絶対評価を導入するためのポイント
人事における絶対評価は運用上の負担が大きいのが実情です。それだけに、人事評価は単なる給与査定ではなく、人材育成も兼ねていると考えるべきです。
絶対評価においては、経営者と社員の間で目標に対する合意が取れていることが非常に重要です。経営環境や個人の適性から評価基準を交渉・共有化し、評価のフィードバックを行うことは、社員の育成に大いに役立つと考えられます。
- 個人の能力やポジションに合った目標(客観的基準)を設定すること
- 結果だけではなくプロセスや行動レベルにも着目すること
- 目標をすり合わせることによって社員の人材育成につなげること
上記3点に注意しながら、適切な人事評価制度を取り入れることにより、企業全体の長期的なパフォーマンス向上につながります。
相対評価運用のポイント
相対評価を効果的に運用するためのポイントは以下のとおりです。
- 明確な評価基準の設定:具体的な基準を設けて評価の透明性を確保します。
- 評価者のトレーニング:評価基準や方法の研修を行い、主観やバイアスを抑えます。
- 定期的なフィードバック:評価結果を具体的に伝え、改善点や目標設定をサポートします。
- 公平な評価の実施:全社員に基準を周知し、透明性を持たせます。
- 評価結果の活用:人材育成や組織改善に評価結果を活用し、能力開発プランを策定します。
上記を実践することで、相対評価の効果を最大化し、組織の成長を促進できます。
絶対評価の導入が難しい場合は外部専門家の支援がおすすめな理由

絶対評価は公平性や納得感の高い制度ですが、その導入には多くの工程が必要です。評価基準の策定、評価者研修の実施、制度の運用ルールの設計など、自社だけですべてを構築するのは難しい場合があります。
特に、評価基準の設定が不明確だと、かえって社員が納得できず、モチベーションの低下につながる危険性もあります。
このような場合、人事制度の構築実績を持つ外部の専門家(コンサルタント)への相談がおすすめです。
専門家の客観的な視点で評価基準を整えることで、企業の規模や業種に合った現実的な評価制度を短期間で構築できます。
絶対評価と相対評価の運用のお悩みは「あしたのチーム」にご相談ください

絶対評価は社員の納得感や公平性に優れる一方、導入や運用には専門的な知識と設計力が求められます。相対評価は運用しやすい反面、個人の成長が反映されにくい側面があります。
絶対評価と相対評価には、どちらにも長所と短所があり、自社の目的に合わせて適切に運用することが重要です。
もし、実効性のある評価制度を短期間で構築し、社員の成長促進につなげたいとお考えなら「あしたのチーム」のような人事評価の専門家による支援がおすすめです。
「あしたのチーム」では、人事評価制度の構築から運用までをサポートしています。評価制度のお悩みは、ぜひ「あしたのチーム」にご相談ください。
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