ジョブ型雇用とは?テレワークで広がる新しい人事制度。メンバーシップ型との違いは?

働き方改革の一環として注目されたテレワークは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、急速に社会に広まりました。

テレワークの浸透によりビジネスの場に新たに広まりつつあるのが、「ジョブ型雇用」という人事制度です。この記事では、ジョブ型雇用のメリットや注目される背景、ジョブ型雇用を導入するときのポイントについて詳しく解説します。

ジョブ型雇用とは?

そもそもジョブ型雇用とはどのようなものなのか、その概要やメリットやメンバーシップ型雇用との違いを解説します。

ジョブ型雇用の概要・メリット

ジョブ型雇用は、必要な職務に合わせて人を雇うという考え方がベースで、欧米では一般的な雇用形態です。特定のジョブに対して、必要とされるスキルや人物像を詳しく記したジョブディスクリプションを作成し、それにマッチする人材を雇います。

ジョブ型雇用のメリットの1つは、特定の分野に強いプロフェッショナルな人材を確保できることです。

ジョブ型では、時間をかけて新入社員を自社に合うように育て上げるのではなく、すでに特定の知識やスキルを持ち合わせた人材を雇用します。そのため、新入社員もすぐに職務を遂行する即戦力となれます。

2つ目のメリットは、成果により評価することで社員のモチベーションアップにつながるという点です。

ジョブ型はジョブディスクリプションに記載された業務内容や目標をどれだけ達成できたかという基準で評価するため、査定基準があいまいになることはありません。

それぞれが成し遂げた結果が適正に評価されることで、個々の社員のモチベーションアップにもつながります。

3つ目のメリットは、人件費の削減や生産性の向上などにより、経費削減効果を期待できるという点です。

特定の職務に合わせて人材を確保するジョブ型は、年功序列型の従来の雇用システムよりも人件費の削減効果が高いと言われています。

さらに、各社員が自分のやるべき仕事を明確に把握しているため作業に集中しやすくなり、生産性は向上します。長時間労働よりも成果が評価されるため、できるだけ効率良く作業しようという現場の意識も高まるでしょう。

メンバーシップ型との違い

ジョブ型雇用と並べてよく比較されるのが、日本でこれまで主流だった「メンバーシップ型雇用」です。メンバーシップ型雇用では新卒一括採用が基本で、人材を採用してから各自の潜在能力や適性などに合わせて職務に割り当てていきます。

「まずジョブがありそれに人材を当てはめる」のがジョブ型なのに対して、メンバーシップ型は「まず人を雇い、それに職務を割り当てる」という考え方がベースです。

メンバーシップ型はジョブ型と比べて各自の職務内容があいまいで、基本的には会社の命令によりどのような仕事もこなします。勤務時間や勤務地も限定されておらず、転勤や長時間労働が求められることも珍しくありません。

社員は会社に忠誠を尽くすことが求められる一方で、終身雇用制や年功序列システムにより長く働くほど多くの報酬を受け取れます。

ジョブ型には、メンバーシップ型のような終身雇用制や年功序列システムという考え方はありません。契約内容を超える職務をこなす必要はなく、本来決められた業務に集中できます。

プロセスや労働時間よりも結果が重視され、成し遂げた成果に基づいて報酬が与えられます。

ジョブ型雇用が注目される理由

ジョブ型雇用が注目されるようになったことには、ビジネス市場や社会情勢のさまざまな変化が関係しています。では、その理由をテレワーク化・企業経営のグローバル化・DX化・経団連による提言の4つに分けて考察してみましょう。

テレワーク化

1つ目の理由は、多くの企業でテレワークが導入されるようになったためです。働き方改革の推進により提唱されたテレワークは、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて急速に広まりました。

ジョブ型雇用なら、テレワークで生じがちな「誰が何をするかはっきりしていないので、同じ空間にいないと作業しにくい」という問題を解決できます。

社員の姿をじかに観察したり直接会って話したりしなくても、あらかじめ各自の業務範囲が明確になっていれば各社員が自律的に働けるので、業務の停滞を回避できるでしょう。

また、ジョブ型雇用では結果を重視するため、社員の勤務態度や労働時間が把握しづらいテレワークでも適正な評価ができます。

企業経営のグローバル化

2つ目の理由は、企業経営がグローバル化しているためです。近年、国境を越えて優秀な人材の獲得競争が熾烈に行われています。グローバル競争で生き残るためには、海外と同じジョブ型雇用への転換が必要です。

国外に事業所を持つグローバル企業の多くは、海外拠点と同じ人事制度による採用を検討または導入しています。

ビジネスをグローバルな視点から見るときに参考になるのが、スイスのビジネススクールIMDの世界競争力センターが発表している世界競争力ランキングです。

2020年のランキングでは、日本の世界競争力は34位で、1997年以降最低の順位となりました。これは、シンガポールや香港、台湾などのほか、韓国やマレーシア、タイなどの近隣アジア諸国よりも低い評価です。

日本のメンバーシップ型雇用の限界は今や明らかになっており、雇用方法の転換は急務と言えるでしょう。

DX化

3つ目の理由は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にともない、ITに強い人材の育成や獲得がこれまでになく必要とされているためです。

DXとは、デジタルテクノロジーを活用して組織やビジネスモデル、業務、製品・サービスなどを変革し、市場競争において優位性を確立することです。

DXを推進するには、AIやIoTなどに強いITエンジニアやプログラマー、データサイエンティストなどの専門スキルを持つプロの人材が求められます。

しかし、こうした人材は国内外を問わず需要が高く、人手不足が深刻な問題となっています。日本式のメンバーシップ雇用では海外の優秀な人材を確保するのが難しいため、優秀な人材確保のためには雇用方法を刷新する必要があります。

経団連による提言

4つ目の理由は、経団連(日本経済団体連合会)によりジョブ型への移行が推奨されているためです。2020年1月には、経団連はSociety5.0時代にマッチする雇用形態として、ジョブ型雇用を提示しました。

終身雇用や年功序列制などに代表される伝統的な雇用システムでは転職やキャリアアップがしにくいなどのデメリットがあるとして、経団連は雇用方法を見直してジョブ型に移行するように呼びかけています。

実際に、これまでジョブ型雇用を導入した企業は経団連参画企業が多く、提言が与える影響の大きさを物語っています。

ジョブ型雇用を導入するときのポイント

では、実際にジョブ型雇用へ移行するときには、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。これまでのメンバーシップ型雇用と同じ環境や制度、ルールのままでは、ジョブ型の導入が難しく、社内にうまく浸透しないおそれがあります。

そこで、この段落では企業がジョブ型雇用を導入するにあたって押さえておきたいポイントを3つ取り上げ、一つずつ解説します。

インフラの整備

結果が重視されるジョブ型雇用では、労働時間や勤務場所は社員のニーズや業務の進捗状況などに合わせて柔軟に変更できます。テレワークとも組み合わせやすい雇用形態なので、働き方の選択肢を増やせるようにインフラを整備しましょう。

具体的には、オフィス外からも業務システムや社内データにアクセスできるように、業務プロセスをデジタル化したり文書をクラウド化したりします。

情報漏えいを起こさないように端末管理ツールを導入するなどして、セキュリティ対策は万全にしておきましょう。

給与体系の整備

年功序列が基本のメンバーシップ型と、成果が重視されるジョブ型では、給与の判断基準が大きく異なります。

ジョブ型を導入するのであれば、難易度の高い仕事をこなした社員や、素晴らしい成果を出した社員がそれに見合う報酬を受け取れるように、新しい給与体系の構築が必要です。

評価制度の整備

給与体系と同じく、評価制度も再構築が求められます。メンバーシップ型においては、労働時間や勤務態度、残業の有無などが評価に大きな影響を与えてきました。

しかし、ジョブ型において最も評価されるのは、どのような成果を出したかという点です。

ジョブ型に合わせて評価制度を見直せば、在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務などを導入しても評価にブレが生じることはありません。

各社員をじかに観察していなくても、成し遂げた成果に応じて適正に評価できるため、社員のモチベーションアップにもつながるでしょう。

まとめ

テレワークと相性の良いジョブ型雇用は、今の社会情勢やビジネスを取り巻く環境に合った雇用形態です。ジョブ型雇用への移行を検討しているなら、現行の人事評価制度の見直しや再構築が欠かせません。

「あしたのチーム」は、人事評価制度の構築やクラウド化をサポートするサービスを提供しています。運用のスペシャリストが徹底的にサポートするため、短期間で新しい人事評価制度を構築することが可能です。

便利なサポートを活用して、ジョブ型雇用への移行をスムーズに実現させましょう。

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