タイムマネジメントとは?正しい手順とコツ、研修導入のポイント

(画像=ChristianChan/iStock)

タイムマネジメントといえば、企業に導入するかを検討中で、より詳しくその内容を知りたいと考えている人事担当者もいるのではないでしょうか。

今回は、タイムマネジメントの意味や、導入する効果、実施する手順を紹介します。

導入の研修方法や成功させるコツもあわせて解説していきます。

タイムマネジメントの意味は?

タイムマネジメント(Time Management)は、直訳すると「時間の管理」となり、時間配分や時間の使い方をコントロールし、時間やリソースを有意義に活用することによって、生産性や効率を高める取り組みです。

ビジネスにおいてはスピードやタイミングが重要ですが、そのためには「ただ一所懸命に取り組む」「息をつく暇もなく仕事で時間を埋める」といった精神論や根性論よりも、むしろ時間を有効活用する戦略が必要です。

そこで、タイムマネジメントでは、仕事の優先順位をつけて処理するべきことと後回しにするタスクを仕分けたり、関係者とコミュニケーションを取りながら仕事の連携を活発にしたり、研修や情報収集によって業務の質を高めたり…といった取り組みを行いながら、仕事のパフォーマンスを向上させることを目指すのです。

スケジュール管理との違いは?

スケジュール管理とは、予定の時刻を定めて、それに合わせて動けるように時間配分を考えたり準備を整えたりすることです。

スケジュール管理は、あくまでも予定時刻や納期といった時間通りに行動することが主眼になります。

一方、タイムマネジメントはスケジュール通りに行動することだけでなく、むしろ「限られた時間をどのように有効活用するか」というパフォーマンスや質の点にも注目する点が違いです。

タイムマネジメントの効果と目的

タイムマネジメントは、どのような目的で実施されるもので、どのような効果があるのでしょうか。

タイムマネジメントの導入を検討している人事担当者であれば、組織や従業員への影響も気になるところです。ここでは主な3つについて紹介します。

個人と組織の生産性向上

タイムマネジメントを導入すれば、個人と組織の生産性が向上する効果が期待できます。

企業の中には、業務効率を高めるために日々さまざまな施策を行なっており、個人レベルでも日常的に試行錯誤をしているケースもあるでしょう。

しかし、業務のスピードを高めようと試みても人間の能力には限界がありますし、単に作業時間を減らすことばかり考えても質が落ちてしまうリスクも無視できません。

一方、タイムマネジメントは、従業員は仕事に優先順位をつけさせたり、重要でない業務はシステム化やアウトソーシングしたりといった施策を行い、従業員が重要な業務にフォーカスできる環境作りも行います。

その結果、生産性の向上につながるのです。

長時間労働の是正

タイムマネジメントは、長時間労働の是正にも貢献します。

例えば、人事部が事業部の業務を客観的に洗い出してそれぞれ点検してみると、それほど重要ではない業務や、時間・労力がかかる割に成果を発揮していない業務などさまざまな問題に気づくケースがあるものです。

そこで、そういった業務を見直し、より成果を発揮する仕事に時間を配分できるよう助けることもタイムマネジメントの目的であり、労働時間の削減効果も期待できるのです。

ワークライフバランスの実現

タイムマネジメントは、ワークライフバランスの実現にも役立ちます。

例えば、成果を出すために時間をかけることが当たり前になっており、長時間労働が常態化している企業もあるでしょう。

しかし、優先順位を決めることで限られた時間内で生産性を高めることは可能です。

また、日々の業務で慣れてしまっていたり忙しかったりするために、長期間放置されている非効率な業務プロセスを解消することで、労働時間を短縮することもできます。

タイムマネジメントの手順

タイムマネジメントを導入するにはどのような手順で行えば良いのでしょうか。

ここでは、人事部門の業務を事例として挙げながら、手順を紹介します。

タスクの洗い出し

まずはタスクの洗い出しを行います。

人事部門にもさまざまな分野がありますが、例えば採用については「採用計画の立案」や「応募者からの問い合わせ対応」「面接スケジュールの調整」といったタスクがあるでしょう。

こういったタスクを順番に列挙していき、今抱えている仕事を把握します。

優先順位付け

次に、洗い出したタスクに優先順位を設定します。

優先度を決める際は、「高い」「通常」「低い」といった基準を使うのが定番です。より深く優先度を決める場合、「重要度」と「緊急度」によってマトリクスを作成する方法もあります。

つまり、「緊急かつ重要」「緊急でないが重要」「緊急だが重要でない」「緊急でなく重要でない」という4つの区分を作り、タスクを振り分けるのです。

実践

タスクを緊急度や優先度によって振り分けたら、それにもとづいて業務を行います。

それまで別の考え方によってタスクに取り組む順番を決めていた場合、普段とは違う取り組み方になるため、やや戸惑うこともあるでしょう。

それでも新しい方法が明らかに効率的という可能性もあるため、なるべく決めた方法にしたがって業務を行います。

振り返り

最後に振り返りを行います。新しい方法で業務をすることによって、仕事に支障は生じなかったか、仕事のスピードは向上したか、クオリティは下がらなかったかなど、さまざまな観点から点検していきましょう。

タイムマネジメント成功のコツ

タイムマネジメントを成功させるためにはいくつかのコツがあります。

人事部門のタスクを例に具体例を紹介しましょう。

目標を明確にする

まずは目標を明確にすることが大切です。

人事業務では、手続きや給与計算といった業務量が明確なタスクもありますが、人材開発や採用といった業務は、突き詰めれば終わりがありません。

かといっていくらでも時間をかけられるわけではありませんし、時間をかけたからといって必ずクオリティが上がるわけではありません。

タイムマネジメントにおいては、思い切ってゴールを明確にすることもパフォーマンスに影響します。

集中できる時間の有効活用

限られた時間を有効活用するためには、パフォーマンスが高くなりやすい時間帯に仕事をすることが効果的です。

例えば、午前中は1日の中でも頭が冴えているため、頭脳労働に適しています。

その他、電話や会議が少ない時間などを狙って集中力が求められる仕事を行うといった工夫も効果的です。

余裕を持たせるスケジュール

また、スケジュールに余裕を持たせることも効果的です。

時間的に余裕があれば、精神的にゆとりが生まれるだけでなく、見落としなどのミスをチェックすることもしやすく、成果物のクオリティが上がります。

また、突発的に対応しなければならないタスクが発生しても対応可能です。

やらないタスクを決める

あえてやらないタスクを決めることも大切です。

仕事の中では、それほど重要度の低いタスクが発生することもあります。

しかし、それに気を取られて重要なタスクの妨げになれば仕事全体のパフォーマンスにも悪影響をもたらしてしまうでしょう。

そこで、タスクをやらないことで、仕事量を削減し、重要な仕事にあてる時間を増やすことが重要なのです。

報連相を徹底する

報連相を徹底すれば、意見の食い違いや誤解を防ぎ、やり直しなどの労力・時間を減らすことができます。

仕事は進めていくうちに疑問点や改善点が見えてくるものですが、なるべくその都度情報を連携して方向性を共有することが大切です。

タイムマネジメント研修導入のポイント

人事部門の担当者としてタイムマネジメントを導入する際は、従業員に概要や目的を伝える研修作りにも取り組む必要があります。

ここでは、その際に意識すべきポイントを紹介しましょう。

現状を把握させる

まずは対象の従業員に現状のタスクの種類やそれにかかっている時間を棚卸しさせ、現状の時間の使い方を把握させます。

今のままで問題ないと考えている従業員が多ければ、行動を変えさせることは簡単ではありません。

そこで、現在の業務にかかっている時間やタスク量などを洗い出し、改善する必要があると理解させなければならないのです。

一度このような説得に成功すれば、その後は従業員の意欲も引き出せるでしょう。

効率の良い時間の使い方を理解させる

従業員に対して時間を効率的に使うことの重要性を伝えた上で、その方法も教育する取り組みが必要です。

タイムマネジメントの浸透を成功させるには、従業員への意識づけだけでは不十分で、効果的な時間の使い方を具体的に示さなければなりません。

例えば、先述したような目標の明確化や、優先順位を決定する方法、コミュニケーションの円滑化といったコツを詳しく解説することも効果的です。

グループワークによる情報共有

グループワークによって情報を共有することも効果的です。

事業部でタイムマネジメントを導入する際は、人事担当者や管理者が一方的に指示をするだけでなく、従業員に主体性を持たせることが欠かせません。

グループワークは、議論や発表を通して気づきを共有させることで、従業員に新たな改善点や気付きを認識させる効果があります。

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