目的と目標の違いとは?使い分け方法やビジネスでの定め方を詳しく解説

「目的」と「目標」、何となく使い分けているけれど、いざ説明しようとすると曖昧になってしまう。

このような経験はありませんか?目的はなりたい姿、目標はそこへ向かう道しるべになります。

この記事では、目的と目標の違いをわかりやすく解説するとともに、目的達成に役立つ4ステップや、目標設定で活用したい「SMARTの法則」も紹介しています

また、社員のモチベーション向上や業務効率アップにつながる実践的な方法も解説。目的・目標設定に悩んでいる方、組織の方向性を明確にしたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

目的と目標の違い

目的と目標の違いを示した画像

目的と目標は、以下のように異なります。

  • 目的:最終的に成し遂げたい事柄
  • 目標:目的を達成するための指標

『最終的に成し遂げたい事柄』を指す目的に対し、目標とは『目的を達成するための指標のこと』を指します。

例えば、ゆくゆくこんな人材になりたい”という目的がある場合、そのために「〇〇という資格を取る」「その資格を取るために毎日1時間勉強する」というのが目標です。

企業であれば、サービスの提供でお客様を喜ばせるという目的がある場合、そのために「他社にないサービス体制を整える」「お客様を大切にできる社員を育てる」といったものが目標の一例として挙げられるでしょう

また、このように目的は1つで、抽象的、長期的であることに対し、目標は複数あるケースもあり、具体的で短期的という違いもあります。

普段の何気ない会話では2つの違いを意識しすぎる必要はないかもしれませんが、ビジネスシーンでは思わぬ誤解や認識齟齬を防ぐためにも、違いを意識するのが好ましいでしょう

目的の類義語・対義語

目的にはどんな類義語、対義語があるのかを、ここでは紹介していきます。

類義語

目的の類義語には下記のようなものがあります。

目当て:行動のねらいとしているもの。
行動の先にあるものを指すという点で、目的と意味が似ています。使用例としては「目当ての品」「金目当て」などが挙げられます。

目処:目指すところ。物事の見通し。
目指すところを指すという点では目的と似ていますが、目処はおおよその目安を示す際にも使用されます。使用例としては「目処が立つ」「目処をつける」などです。

狙い:弓などを目標にあてようと狙うこと。目指す意図や、目当てのこと。
何かを目指したり、行動のねらいとしていたりする点で目的と似ています。「あの作戦には狙いがある」「昇格を狙う」といった使い方が、例として挙げられます。

対義語

目的の対義語には「手段」があります。

手段:目的を達成するために使う方法、てだてのこと。
対義語には「大きい・小さい」「明るい・暗い」などのように反対の意味のものもあれば、「売る・買う」「親・子」のように対になる言葉もあります。目的と手段は反対の意味をさすわけではありませんが、対になっていることから対義語として扱われています。

目的を定める重要性

目的を定めれば「最終的に何を成し遂げたいのか」が明確になります。それにより、目的を果たすためには「何をすればいいのか」という目標も立てやすくなります。

また、目的を明確にして共有することで、社員が同じ方向を向きやすくなる、各自が業務の必要性を理解しやすくなるといったメリットも得られます。結果的に社員のモチベーションアップにもつながるので、目的を定めておくことは非常に重要です。

逆に目的を定めておかなければ、目的と目標が入れかわってしまったり、漠然と試行錯誤を繰り返すことになったり、社員への指示に統一性がなくなったりする可能性が高まります。

目的の達成が遠退くだけでなく、時間や経費の無駄遣い、社員のモチベーション低下を招きかねないので、目的は予め定めるようにしましょう

目的達成に向けて意識したい4ステップ

目的の達成を効率的かつ着実に目指すのであれば、意識しておきたい4つのステップがあります。ここではその4つについて説明していきます。

STEP1:目的を明確化する

「フリーランスとして活躍できる人材になりたい」「こういうお客様を喜ばせる会社にしたい」など、まずは目的を明確にしましょう。企業であれば設立時に、その目的が定まっていることがほとんどだと思います。

ただ個人の場合、目標はいくつも掲げてきたものの、目的がイマイチ分からないという方もいるかもしれません。そんな人はこれまでの目標を全て書き出し、その目標は何のために立てた目標だったのか、改めて考えてみるものいいでしょう

それぞれの目標に共通する理由があるのであれば、その理由があなたにとっての目的に近い可能性があります。

STEP2:目標を決める

目的は抽象的で長期的なものであることが多いため、目的を明確化したらその指標となる目標を決めましょう。なお、目的を達成する方法や、それまでのプロセスは1つではありません

「目的を達成するために何をすればいいのか」を考え、思いつくものを全て書き出し、その中から1つ以上決めるようにしましょう。

STEP3:目標の数値・期限などを決める

目標を決めたら、その目標について数値や期限などを具体的に決めていきます

例えば目的が「フリーランスとして活躍できる人材になる」、目標が「そのために実績を作る」だった場合、”いつまでに何の実績を何件つくるのか”といった具体的な数値を盛り込みましょう。

「2年以内にサイト制作の実績を20件つくる」というように、数値や期限を決めておけば、目的や目標までの進捗確認や見直しがしやすくなります

STEP4:定期的に見直して改善する

1週間ごと、1ヶ月ごとなど、一定期間ごとに目標を見直し、改善するようにしましょう。例えば「目標に向かって順調に進めているか」「目標に至るまでにさらに小さな目標を立てる必要があるか」「目標そのものを変える必要があるか」などを確認します。

また、適宜本当に成し遂げたいことが目的になっているのかも確認し、必要に応じて軌道修正も行ないましょう

目的を達成するために目標を決める3つのメリット

目的達成に欠かせない目標を決めることには、さまざまなメリットがありますが、なかでも大きなものとして、次の3点が挙げられます。

モチベーションの持続

たとえば、マラソンでゴールすることを目的とした場合、適度な場所に給水所がある方が、次の給水所まで頑張ろうとモチベーションを持続できるでしょう。

ビジネスの目的も同様で、目的達成までに達成すべき目標を決めた方が高いモチベーションを持続させたまま進んでいけます

関連記事:モチベーションについてまとめた記事はこちら

目的達成までの進捗がわかる

目的を達成させるために、10の目標を設定すれば、今、どの段階まで進んでいるかが明確にわかります

目標を5つ達成すれば目的達成まで半分のところまで来たとわかりますが、目標がないと進捗の確認ができず、次に何をすればよいかも見えなくなってしまうでしょう。

目的達成に必要なスキルが効率的に身に付く

目的達成までの目標を段階的に設定すれば、効率的に必要なスキルを身に付けられるようになります。

たとえば、エンジニアとして海外で活躍すると目的を決めた場合、明確な目標がないとまず、英語力を付けるべきか、エンジニアとしてのスキルを上げるべきかがわかりません

段階的な目標を設定し、一つずつクリアしていけば、適切にスキルが身に付き、最短距離で目的を達成できる可能性も高まります。

目標を決めるための「SMARTの法則」とは?

SMARTの法則とは、目標を決める際に必要な5つの要素をまとめたものです。ここでは、それぞれの要素について解説します。

1.  Specific(具体性)

1つめは「具体性があるかどうか」です。目的は、将来的にどうなりたいかといった抽象的なものですが、目標はできるだけ具体的でなければなりません。

そのため、「誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように」の5W1Hを意識して具体的な目標を立てる必要があります

たとえば、新製品の開発を目的とした場合、「競合調査を実施する」「市場分析を行う」などの具体性を持った目標設定が必要です。

2.  Measurable(計測可能)

2つめは「計測が可能かどうか」です。部署やチームなどで一つの目的を立てた場合、誰が見てもすぐにわかる目標を立てることで進捗状況がわかりやすくなります。そのために必要なのは定量的な目標の設定です。

たとえば、企業の利益を高めるといった目的の場合、1年で「セミナー集客2倍」「商談化率1.5倍」など、定量的な目標にすることで、今、何をすべきかが明確になります。

3.  Achievable(達成可能)

3つめは「達成可能な目標かどうか」です。前出の企業の利益を高めるといった目的でも、1ヵ月でセミナー集客2倍、売上3倍など難易度が高すぎると定量化したとしても意味がありません。

逆に2年でセミナー集客2倍、売上1.5倍など難易度が低すぎると社員のモチベーションの維持が困難です

過去の実績や経験則を基に、達成できるかどうかギリギリレベルの目標を設定することで、モチベーション向上はもちろん、目的達成のスピードアップも期待できます。

4.  Relevant(関連性)

4つめは、「関連性があるかどうか」です。当然ながら目的に関連した目標であることが重要ですが、同時に個人の目標が部署、チームの目標や組織としての目標に関連していることも欠かせません。

たとえば、企業の利益向上を目的とした場合、営業部としての目標は、売上前年度比150%。そして個人の目標は、見込み顧客の数1.2倍といった形です

目的から部署・チーム、個人と段階的に目標を決めていくことで、より適切かつ具体的な目標設定が可能になります。

5.Time-bound(期限)

最後は「期限が決められているかどうか」です。期限の決まっていない目標はいつまでたっても達成させられない可能性が高く、目的達成も難しくなるでしょう。

「年度末までに売上120%を達成させる」「今月中に予算計画書を作成する」など期限を切って目標を決めることが、次の段階へ進むモチベーションのアップにもつながります

SMARTの法則について、より詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:SMARTの法則についてまとめた記事はこちら

目的を達成するために活用したい方法4つのフレームワーク

目的の実現を目指すためには、その手前にある目標を達成することが重要です。そこでここでは、目標達成に向けて活用したい方法を4つ紹介します。

マンダラチャート

マンダラチャートとは目標を達成するためのフレームワークで、野球の大谷翔平選手も実践したことがある方法です。

縦横3×3の計9マス(もしくは8×8の計64マス)を用意し、中心となる1マスに目標、その周囲にそれを達成するために必要な要素を書き込んでいきます。

目標を達成するために何が必要なのかが可視化できるため、具体的な行動が起こしやすくなるのが特徴です。

関連記事:マンダラチャートについてまとめた記事はこちら

目標管理制度(MBO)

MBOとも呼ばれ、企業と社員が目指す方向性をあわせた上で、具体的な目標設定を社員自身に行なってもらうマネジメント方法です。

社員自らが行なうことにより、「やらされている感」が軽減し、より大きな効果を得られるとされています

なお、目標管理制度は「課題抽出→目標設定→計画→実行→進捗確認→評価・フィードバック」といった流れで行ないます。社員数が多かったり、人事担当者が幅広い業務を抱えていたりする場合は、『あしたのクラウド』など、専用のツールを用いるのがおすすめです。

関連記事:目標管理制度(MBO)についてまとめた記事はこちら

5W1H

5W1Hは幅広いビジネスシーンで活用できるフレームワークです。

When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)を意識することで、コミュニケーションや業務遂行が円滑になります。この5W1Hを意識すれば、具体的かつ細かな目標を立てやすいため、適宜活用してみましょう

ベイビーステップ

ベイビーステップとは、まず大きな目標を立て、次にその目標を分割していく方法です。

具体的かつ計測可能な目標だとしても、たとえば1年後までに既存商品の売上30%アップを達成させるといったものでは、今何をすべきかが曖昧になります

そのため、1年後の売上30%アップを実現させるため、来月までにセミナーを2回開催する。その翌月までに見込み顧客を〇人獲得するなど細かく分類すれば、今やるべきことが明確になり、モチベーションを落とさずに継続していけます。

目的・目標設定の際の4つの注意点

目的や目標設定をする際にはいくつかの注意点があります。そのなかでも特に次の4点については注意して設定しなくてはなりません。

会社のビジョンや戦略との関連性が必要

会社は基本的にチームで仕事を進めていきます。そのため、自身の目的・目標が会社のビジョンや戦略とかけ離れたものでは意味がありません。

自身の目的・目標を達成させたその先に会社としての成功があれば、自身の成長がそのまま会社の利益となり、やがては自身へとかえってきます

設定する目的・目標は具体的にする

ベイビーステップでも説明したように、設定する目的・目標が曖昧だと何から手をつければよいかがわからず、いつまでたってもスタートラインに立つこともできません。

そのため、目的・目標は細かく数値化することが重要であり、なおかつ現実的なものである必要があります

適切な難易度に設定する

目的・目標はできるだけ高く設定したほうがやりがいもあり、モチベーションもアップすると思われるかもしれません。

しかし、難易度を高くし過ぎてしまうと最初からつまずいてしまい、すぐにモチベーションは下がってしまうでしょう

高いモチベーションを維持しつつ、目的・目標の達成を目指すのであれば、難易度は少し背伸びをすれば到達できる程度に抑えるのがおすすめです。いきなり高いハードルを設定するのではなく、達成に対する意欲が保てる難易度設定を意識することが成長につながります。

進捗確認や振り返りを行う

目的・目標達成には進捗確認や振り返りを行い、達成できたこと、できなかったことの確認をしましょう。できていないことをそのままにしておくと、いつまでたっても目標に辿りつくことはできないでしょう。

できていない部分については、その理由を探り改善点の洗い出しをしたうえで、目標設定の修正をすることが最終的な目的達成の近道になります

目的と目標の違いに関するよくある質問

目的と目標を理解する際に、以下5つの質問がよく聞かれます。

  • 目標と目的はどちらが上ですか?
  • 目的と目標とゴールの違いは何ですか?
  • 目標を決める際のコツとは?
  • 目標と目的を混同するとどうなる?
  • 企業が意識すべき目標や目的の例とは?

それぞれ解説していくので、理解を深めていきましょう。

目標と目的はどちらが上ですか?

目標と目的に上下関係はありません。

前述したように、目標と目的は以下のように異なります

  • 目的:最終的に成し遂げたい事柄
  • 目標:目的を達成するための指標

そのため、それぞれ異なることを指しているため、目的と目標のどちらが上なのかはありません。

目的と目標とゴールの違いは何ですか?

目的と目標とゴールは以下のように異なります。

  • 目的:ゴール
  • 目標:目的までの指標

目的はゴールになるので、最終的に成し遂げたい事柄です。目標は目的までの指標となるため、ゴールに到達するまでに必要な過程です。

そのため、目的は長期的、目標は短期的に設定される指標ということを理解しておきましょう。

目標を決める際のコツとは?

目標を設定する際は、いくつかの落とし穴を避けながら、実行可能で意味のあるものに仕上げていくことが重要です。まず気をつけたいのは、目標にすべきことを目的化しないことです。

たとえば「資格取得」や「売上アップ」といったものは、あくまで目的を達成するための手段であるべきで、それ自体が最終ゴールになってしまうと本質を見失ってしまいます。

また、達成が容易すぎる目標ばかりを並べても、成長や改善にはつながりにくい一方で、逆に現実離れした目標を立てると、途中で挫折する可能性が高まります

重要なのは、自分やチームの現状に見合った「やや背伸びが必要な水準」に設定することです。

目標と目的を混同するとどうなる?

目標と目的を混同したまま行動を続けると、努力の方向性を誤り、本来目指すべき成果にたどり着けないリスクがあります。

目的とは、最終的に成し遂げたい理想の状態を指し、目標はその目的を達成するための具体的なステップです。この関係を理解せずに目標だけを追いかけてしまうと、行動が場当たり的になり、途中で迷いやブレが生じます。

また、目的と一致しない目標を設定してしまうと、どれだけ目標を達成しても満足感や納得感が得られず、チーム全体のモチベーションも下がる原因になります。だからこそ、目標と目的を混同せず、常に「何のためにその目標を立てているのか」を意識することが重要です。

企業が意識すべき目標や目的の例とは?

企業が持つべき「目的」は、社会や顧客に対してどのような価値を提供するかという本質的な使命を示すものです。

たとえば「地域社会の生活を豊かにする」「環境に配慮した製品を通じて持続可能な社会を目指す」などが企業の目的の例です。

一方、目標はその目的を実現するための具体的な数値や行動指標です。たとえば「売上を前年比で15%向上させる」「新規顧客を年間1,000人獲得する」「社員満足度を80%以上にする」などが該当します。

目標は短期的・中期的に設定されることが多く、チームや部署ごとのアクションに落とし込まれていきます

目的を明確にして在りたい姿を目指そう

目的をはっきりさせ、目標を立てて行動すれば、それだけ成し遂げたいことを実現しやすくなります。目的と目標の違いを踏まえた上で、「こんなことを成し遂げたい」「こんな風になりたい」など、目的を明確化するところから始めてみましょう。

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