リーダーとは?役割や必要なスキル、部下が能力を発揮するリーダーについて解説

リーダーと部下の会議イメージ

企業にとってリーダーとは、部下を含めチームのパフォーマンスを上げるために重要な役割を果たします。

日頃よく耳にするリーダーという言葉ですが、その意味や、優秀なリーダーとはどのような役割を果たすリーダーなのでしょうか?

今回は、リーダーの定義、役割、必要なスキル、種類、部下が能力を発揮しやすいリーダー、育成方法について紹介します。

リーダーとは

リーダーとは、先導者、指導者や統率者を意味し、先頭に立って人々を引っ張る役割の人です。
具体的には、物事の計画を立て、皆を説得し、組織化した後、その活動を実施・維持します。その活動を通して、課題達成に向けて皆を方向付ける役割を果たします。
これまでにリーダーの区分については、さまざまに論じられてきましたが、代表的なものとしては、下記があります。

・権威主義的リーダー、民主的リーダー、自由放任的リーダー
・行政家タイプ、扇動家タイプ
・フォーマルリーダー、インフォーマルリーダー

また、リーダーとしての素養・闘争力など能力をリーダーシップと呼び、能力があるかないかをリーダーシップの有無で表現する場合が多いでしょう。

管理者としてのリーダーの役割

企業の管理者としてリーダーは、企業の資源であるヒト・モノ・カネ・情報を最大限に使って、できる限り機会損失を少なくしながら、組織が目指す目標を達成する役割を持ちます。

具体的には、計画化、組織化、指揮、統制の4区分を順にしたサイクルで目標を達成へと導きます。

1.計画化

まずは、組織の中でもそのリーダーが管理するチームについて、目標を明確化します。KPIの設定などがこれにあたるでしょう。
そして、KPIを実際に達成するために、具体的な計画を立てます。5W1Hなど誰がいつまでに、どのような方法でといった点を押さえてより具体的に示せるようにします。

2.組織化

計画が決まったら、チームの中で仕事を割り振ります。
場合によっては、他部署のメンバーに仕事を依頼する場合もあるでしょう。プロジェクトとなどの場合は、部署をまたいで一からチーム編成することもあります。

目標達成のため明確な指示・命令をメンバーに伝え、仕事の手順についてマニュアルが必要な場合は用意します。

3.指揮

的確に指示・命令を伝えたとしても、本人に仕事に対してのモチベーションや実行できる能力がなければ業務は円滑に遂行されません。

メンバーのモチベーションを引き出すよう目標管理制度を導入したり、OJTなど教育制度を充実させたりすることが重要です。
一人ひとりが能力を発揮できるよう、時にはメンバーを叱咤激励し指揮していくことが必要となります。

4.統制

ある一定の期間を設定しておき、目標までの評価を行い、見直しを実施する必要があります。
計画通りに進んでいるか目標達成度合いを確認し、滞っている業務がある場合、計画を軌道修正する必要があるでしょう。

評価の方法については、数値的な面にばかり焦点をあてずに質的な部分や、外部要因なども考慮して考える必要があります。この評価の部分は、メンバーのモチベーションにも影響があるため工夫が必要でしょう。

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基本的にはこの4区分を1サイクルとして、リーダーはチームの管理をします。リーダーは常に革新的なアイデアをメンバーと共に創出しながら、このサイクルを実施するのです。

リーダーに必要とされるスキル

リーダーに必要とされるスキルは、先天的なものであるといった意見や、訓練によって身に付くという意見まで様々です。
それでは具体的にリーダーに必要とされるスキルとは、どのようなものなのでしょうか。
ここでは、リーダーに必要とされる最も基本的なスキルを3つ紹介します。

1.状況を認識する能力

リーダーには、広い視野で物事を把握する能力が必要とされます。
管理者であるリーダーが、自分の仕事や内部の細かな仕事にばかり目が向いていては、チームの仕事を円滑に進めることはできないでしょう。

リーダーはチーム全体の人・仕事に目をむけつつ、外部の変化にも敏感でいられる状況認識力の高さが必要とされます。

2.人間関係を維持する能力

リーダーの役割は自分自身ひとりの業務遂行によって目標を達成するのではなく、チーム全体で能力を最大化し集団として遂行する必要があります。
人一人の力は限られており、集団で業務を遂行するからこそリーダーが必要と言って間違いありません。

そのためには、メンバーと適切な距離感を保ち、人間関係を維持する能力が求められます。また、対メンバーのみならず、メンバー同士が協調していける雰囲気づくりを働きかけることが必要です。

3.業務遂行に必要な専門知識・技術

リーダーには、自身もメンバーとして業務を遂行してきたことによって培われた専門的な知識や技術が必要とされます。
この能力が欠けていると、机上の空論のように論理上で可能かどうかでの仕事の割り振りとなってしまい、実態とずれる場合が多いからです。

リーダーは自身もメンバーが実施する業務についてある程度の実績があり、時には専門的な知識・技術で以てメンバーをフォローすることも必要でしょう。

リーダーの種類

リーダーの区分にはいろいろな解釈がありますが、ここでは代表的な3つの種類について見てみましょう。

1.権威主義的リーダー

いわゆる独裁的なタイプのリーダーで、自分の考えた通りのことをメンバーに実行させるタイプのリーダーです。意思決定や計画の細かな立案をリーダーがすべて主導で行うため、メンバーは自然と受け身になりやすく、自発的な行動を引き出すのが難しいと言われています。

戦後の成長期の中でよく見られたリーダーのタイプですが、価値観が多様化した現代ではリーダーに対して不満を持ちやすく上手くいかない例として取り上げられやすいでしょう。

2.民主的リーダー

民主的なリーダーは、メンバーとよく話し合い合意のもとで計画を進めるタイプのリーダーです。個々人の満足度が高く、メンバーが積極的に目標を遂行する傾向にあります。

リーダーは大枠の方向性についてはじっくりと話し合い、メンバーと共に決定していきますが、細かな実施方法などはメンバーに裁量を持って進めてもらいます。
メンバーは成長しながら自発的に仕事を進めるため、長期的に見たときに生産性の高いチームをつくりあげるリーダーのタイプであると言えます。

3.自由放任的リーダー

権威主義的リーダーとは反対のタイプのリーダーで、メンバーを野放しにするタイプです。
方針や意思決定など非常に広い範囲で、メンバーに裁量を任せて仕事を進めます。
スキルの高度な人材によるチームにおいては、高い成果を生み出す可能性があるでしょう。

ただ、個人の裁量が大きくなった分、組織としての仲間意識が希薄で、チームの士気が下がる場合も少なくありません。

部下が能力を発揮しやすいリーダーとは

三種類のタイプのリーダーについて見てきましたが、部下が能力を発揮し最適なチームとして成果を出せるリーダーとはどのようなタイプなのでしょうか?

従来は、リーダーとして最適なタイプは「民主的リーダー」だと言われていました。確かに、トップダウン方式でモチベーションの上がりにくい権威主義的リーダーや、メンバーをほったらかしにする自由放任的リーダーの下では、メンバーは能力を発揮できないように思えます。

しかし、実態に沿うと、メンバーは熟練したものから未熟なものまでさまざまです。また、状況もその時々にかわるため、一概に「民主的リーダー」タイプがよいとは限りません。
創造的で高いスキルを持ったメンバーについては、ある程度放任した方が能力を発揮しやすいかもしれませんし、スピード感を持った判断が必要な際にメンバーみんなで話し合っていてはその遅れが組織にとって致命的になりかねません。

リーダーは、どういったリーダーのタイプや能力が必要なのか全体像をしっかりと把握した上で、その時の状況・メンバーによってやり方を変えることが必要とされるでしょう。

参考: 「管理者のあり方とリーダーシップ」

経済法令研究会

リーダー人材を育成する仕組みとは

それでは、企業でリーダー人材を育成するにはどうすればよいのでしょうか。
ここでは、経済産業省が推奨するガイドラインを参考に、育成制度について説明します。

ガイドラインによると、リーダー人材の育成のためには、下記4つの基本的なプロセスをふむ必要があります。

1. ビジョンや経営戦略を実現する上で重要なポストおよび要件の明確化
2. 人材の把握・評価と経営リーダー人材育成候補者の選抜・確保
3. 人材育成計画の策定・実施と育成環境の整備・支援
4. 育成結果の評価と関連施策の再評価・見直し

1.ビジョンや経営戦略を実現する上で重要なポストおよび要件の明確化

まずは、組織の目標を実現するために必要なポストを明確にします。
各ポストに求められるスキル・能力を洗い出し、その人達を育成するための戦略を策定しましょう。

2.人材の把握・評価と経営リーダー人材育成候補者の選抜・確保

次に、現状の社内の人材について、スキル・能力を把握し、育成候補となる人材を選抜します。社内に適切な人材が足りていない場合は、外部からの確保を検討します。

人事評価が、口頭などのアナログな場合、社員全員のスキルや能力について把握するのは困難なので、人事クラウドシステムにより一人一人のプロフィールや評価など情報をまとめておくとよいでしょう。

3.人材育成計画の策定・実施と育成環境の整備・支援

選抜したリーダー候補者に対して、立案した戦略に沿って配置・研修などの人材育成を実施します。
候補者に対して、職務の経験積ませたり、研修などを実施したりするとともに、社内の育成環境を整備することも大切。
研修制度を充実させるほかに、管理職への啓蒙活動や、人事制度の構築はかかせません。

4.育成結果の評価と関連施策の再評価・見直し

計画の実施後は、ある一定期間を過ぎたら育成結果の評価を定期的に行います。
現状の取り組みによって、効果が出ているかリーダーや上司へのアンケートなど実施します。そして、戦略の見直しや、次期の育成制度に反映するようにしましょう。

参考:「企業価値向上に向けた経営リーダー人材の戦略的育成についてのガイドライ ン」

経済産業省

リーダーを育成できる制度を整備しよう

リーダーとは、チームの能力を最大化することで、組織の目標を達成へと導く重要な役割を果たします。

企業でいかに優秀なリーダー人材を育成するかは、経営上の重点課題のひとつかと思います。どういったリーダーが自社にとって有効なのか、ご参考にしてみてください。

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