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メルカリ人事 石黒さんが教えてくれた「超成長企業の人事評価制度」 -インタビュー前編―

フリマアプリ「メルカリ」を手掛ける株式会社メルカリは、いま最も勢いのある企業といっても過言ではないでしょう。2013年の設立ながら若者を中心に多くのファンを獲得し、いまやCtoCビジネスを代表する存在。グローバル展開も加速を続けています。

このような快進撃の鍵になっていたひとつが、人事評価制度。創業間もない時期から評価制度を導入し、「社員の成長を後押しする」「フェアに評価する」仕組みを実現していたそうです。そこで今回は、同社人事の石黒卓弥さんにメルカリにおける評価制度の仕組みや狙いについてお話を伺いました。

【Profile】
石黒 卓弥(いしぐろ たかや)
株式会社メルカリ HRグループ マネージャー
新卒で入社したNTTドコモでは、営業、採用育成、人事制度を担当し、事業会社の立ち上げや新規事業プロデュース等も手掛ける。2015年1月よりメルカリに参加。採用と人事企画を担当している。プライベートでは3人の男の子を育てる父親であり、三男誕生時(前職在籍時)には育休を取得した経験もある。

「OKR」と「バリュー」の2軸で評価し、短いスパンで
面談を繰り返す。

―はじめに、メルカリの人事評価制度についてご紹介いただけますか。

石黒さん:私たちは「OKR(Objective and Key Results)」と「バリュー」という2つを用いた人事評価を行っています。
「OKR」は、シリコンバレーのIT企業などで用いられている手法で、全社の目標(Objective)に従って、それを実現するために達成すべき結果(Key Results)を各組織・各個人で設定するというもの。「バリュー」は、メルカリが大切にする3つの行動指針「Go Bold」「All for One」「Be Professional」が実践できたかを評価するものです。
一般的な言い方をすると、定量評価と定性評価の2軸だと捉えていただければわかりやすいかと思います。メルカリでは、この2つをもとに、3ヶ月に1度のタイミングで振り返り、見直していくことを繰り返していますね。

―四半期に1度のペースで面談を行うのは、社員一人ひとりはもちろん、評価者の負荷も高いと思います。なぜこのような短いサイクルを重視しているのでしょうか。

石黒さん:大前提として、私たちはインターネットの世界でビジネスをしていますので、変化のスピードがものすごく早いんです。競合サービスの動きやユーザーニーズの変化によっては、半年前に設定した目標が時代遅れになってしまうこともありえます。
こうした環境においては、今最も注力すべきことに速やかにシフトしていく体制が必要不可欠。変化に柔軟に対応できるメンバーを育てていくためにも、短いサイクルでPDCAをまわし続けることを重視しています。
また、事業成長にともなって新しいメンバーも続々と入社していますので、新入社員が早期に活躍するためにも、定期的な面談やフォローを重視。上司と部下が定期的に仕事の進捗を確認し、アドバイスする面談「1on1」など、目標達成に向けた丁寧なフォローを心掛けています。

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社内のすべての仕事は、ミッションを達成するためにある。

―「OKR」と「バリュー」の2つの評価基準を導入している狙いは何なのでしょうか。

石黒さん:メルカリは、「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」というミッションを掲げており、社内のあらゆる仕事はこのミッションを達成するためにあるという考えです。
そのため、「OKR」はミッションと個々人の仕事がきちんと連動するように設定しなければ成立しません。日本企業で一般的な「MBO」よりも目標設定自体の難易度は高いのですが、一人ひとりの仕事を会社の成長に紐づけて考えることで、今やるべきことがシャープになりますし、自分の仕事の価値や意義に自覚的になれるという側面があります。
また、私たちは個人がどんなに高い業績を実現したとしても「バリュー」に沿った行動でなければ評価しません。失敗を恐れず大胆にやる(Go Bold)、チームに貢献し大きな成果を目指す(All for One)、専門性を高め続け、オーナーシップを持って仕事をする(Be Professional)という3つのバリューは、メルカリのミッション実現のためはもちろん、メンバー一人ひとりの成長にとっても重要な指針。これらを常に意識した集団であり続けられるよう、評価基準に組み込んでいるんです。

―複雑な制度のようで、実はとてもシンプルだと言えるかもしれませんね。組織と個人の行動原理をシンクロさせるための制度と言える気がします

石黒さん:そういう意味では、メルカリのメンバーは指示待ちではなく自発的に行動する人たちが多いと感じますね。私の役割である採用についても、各部署は人事にオーダーを出して終わりではなく、「こういう人を採用したいけど、どうしたらいい?」と、率先して採用活動に関わってくれる人が多いです。
オープンマインドで部署の壁を感じないのも、ミッションやバリューが評価制度をはじめとした日常の隅々に浸透しているからだと思います。
また、メルカリは人事制度すら絶対的なものではなく、柔軟に変化するものという考え。社員のみんなには、「人事制度とは適宜見直すものである」という伝え方をしています。今は有効でも時代と共に最適でなくなるかもしれませんよね。どんなことにも言えますが、盲目的に従い疑わないことが最も危険。人事である私たちも「Go Bold」を大切にしながら、今を完璧とは思わず常に最善を求めて、思い切った施策に挑戦することを大切にしています。

――インタビュー後編では、日本全体ではまだまだ浸透が遅れている育休や副業などについて、メルカリの状況を伺いました。次回もお楽しみに。

 

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