生産性の高さは、その仕事が好きかで決まる ~シンガーソングライター松本隆博さん インタビュー後編~

「社会貢献的エンターテイナー」として、家族の温かさや絆をテーマに作曲を続けるシンガーソングライターの松本隆博さん。近年は、学校や被災地を訪問し、「笑顔、素直、感謝」をキャッチフレーズに講演を開き、身近な人へ感謝することの大切さを伝えています。

インタビュー前編では、フリーランスのアーティストとして活動をすることの葛藤や、好きなことで生きていくことに社会が不寛容であることをお話しいただきました。後編では、自身の会社員時代の失敗を振り返りながら、生産性・効率性を追求する際に生じやすい誤解や、夢に向かって邁進する卵たちへのアドバイスを語ります。

【Profile】
松本 隆博(まつもと たかひろ)
1961年生まれ、兵庫県出身。新卒で信用金庫に就職し、その後数回の転職を経て、2003年松下電器産業(現:パナソニック)とヒューマンアカデミーの合弁会社ヒューマックスを設立し、取締役に就任。仕事の傍ら、趣味だったフォークギターを再開し、教則DVDも発売している。2008年4月にはソニーミュージックレコーズより待望のメジャーデビューも果たす。講演会開催と音楽活動、企業経営者の立場でもっと世の中を元気に明るくしていきたいと願い、ギターとマイクを持って全国展開中である。 全国の高校や中学を中心に、「なぜ勉強するのか?」「家族の絆」などをテーマに、若者を元気にする講演会を、積極的に開催。また、安心して子どもを産み育てる環境を世の中に推進する「出産・子育て支援NPO法人赤ちゃんファミリー応援隊」理事として、平成の子守唄「親友」を製作、公開している。小中学生の不登校対策のフリースクールこころ校長や、若者の正社員化を推進する活動で厚生労働省わかものハローワーク広報大使そして、あしたのチーム総研 主席研究員もつとめる。

日当スタッフとボランティア、生産性が高いのはどっち?

―ボランティアの方が生産性が高い。なぜでしょう?

松本さん:なぜ彼らが無償で手伝ってくれるかというと、楽しいからなんですよね。何かを進めるとき、楽しいことをやっている方が絶対に効率がいいんですよ。一般的には、日当を上げれば上げるだけ高スキル人材が集まり、生産性が上がると思われがちですが、自然に楽しめている状態に勝るものはないんですよね。

―なるほど。ビジネスの世界ではどうでしょうか?

松本さん:楽しんでいる人の方が生産性が高いということに気付いたのは独立後で、会社員の頃はこれで失敗したことがあります。デザインを発注するときに、4社で相見積もりをとったんですよ。アイミツで一番安いところを選ぶというのが当時の僕のやり方だったので、その時も内容より価格で選んだんです。それがあまり良い結果じゃなかった。単に見積もりの価格ではなく、いかに同じ方向を向けるかで選んだ方が、結果的に費用対効果が良いんですよ。(“アイミツ“とは合い見積もりの略称、複数社に同じ案件の見積もり出させて一番安い会社に発注する)

それから、取引先への感謝の気持ちやフォローアップも忘れてはいけません。「いつもありがとう」はもちろん、「あなたが作ったものが、こんな形で役に立ちました」をきちんと伝えると、次回に向かってまたモチベーションが上がるはず。お互いがいかに気持ち良く働ける状態をつくるか、ということが生産性アップの近道です。

―個人の成長速度を上げていくためには、どうしたらよいでしょうか?

松本さん:肩肘はっている若者に、「一刻も早く謙虚になれ」と言いたいです。これも僕の失敗談ですが、なにくそ精神でプログラミングを覚えたので、若いときは人に頭を下げて教えてもらうことが嫌いだったんです。でも今思えば、自分で0から学ぶより経験者に教えてもらうのが一番早いんですよ。信頼関係も生まれますし。若いうちは「マナぶより、マネろ」は必要なスタンスだと思いますね。

番組出演は通過点。アーティストの卵たちにメッセージ

―最後に、松本さんの周りには、アーティストや芸人の卵が多くいらっしゃるかと思いますが、彼らが活躍の場を広げるために、何が必要だと思いますか?

松本さん:お笑い芸人の卵にすごく多かったのが「爆笑レッドカーペットにさえ出られたら、エンタの神様にさえ出られたら」と、番組に出ることを最終目標にしている人たち。でもそれしか見えてないのって、人生という長い尺でみたときに、すごく短絡的だと思うんです。お笑い番組に出るという通過点としての成果目標であればいい。でも、そのための行動目標もなければ、番組出演した先も見えてないんですよね。

今は昔に比べて、芸人でも音楽でも活動・活躍の場が減っています。寄席芝居小屋等も減っている。でも、今は昔と比べてSNSやYouTubeで個人が発信できる時代。しかし残念ながら、ネットを上手く活用できている若手は少ないように思います。確かにネット上にアップしただけでは、それ自体でアクセス数が跳ねることはありません。しかしそれがテレビで紹介されたり、SNSで話題になったりすると、一気に燃え広がる。着火したときのために、きちんと素材を用意して、種をまいておくことは今の時代大切なのだと思います。

――発信しやすい時代だからこそ、仕掛ける発想も必要ということですね。松本さん、本日はありがとうございました!

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