ロジカルシンキングとは?定義や関連本、トレーニング・研修方法を解説

(画像=SinArtCreative/iStock)

ロジカルシンキングはビジネスシーンでも効果を発揮する思考法です。

本記事では、ロジカルシンキングの意味やおすすめ書籍、類語であるクリティカルシンキングやラテラルシンキングとの違いも解説。また、トレーニング方法も紹介します。

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングはビジネスシーンで広く用いられており、コミュニケーションで役立つ考え方です。ロジカルシンキングの定義や、おすすめの書籍を紹介します。

ロジカルシンキングの定義

ロジカルシンキングとは、論理的思考や論理的な考え方を意味します。
直感や感覚で物事を捉えるのではなく、道筋を立てて論理を積み重ねて結論を組み立てる考え方です。

ロジカルシンキングという概念には、論理学が由来のものと、コンサルティング会社由来のものがありますが、ビジネスでは主に後者の意味で用いられています。

ロジカルシンキングは、情報の整理方法や思考の構築方法が特徴的です。

情報の整理については、一見複雑に見える事象について、要素を細かく分解することで状況を把握しようとします。

思考の構築については、整理した情報をもとに筋道に沿って思考を組み立て、矛盾が無いように物事の仮説を導くのです。

ロジカルシンキングの本

ロジカルシンキングについては、考え方や方法がまとめられた本が数多く出版されており、内容を理解する際にはこういった書籍を参考にすることも役立ちます。ここではおすすめの3冊を紹介します。

「入門 考える技術・書く技術―日本人のロジカルシンキング実践法」(山崎 康司)

ロジカルシンキングについてバーバラ・ミント氏が著したベストセラー本の日本語翻訳者が書いた実践的な著作です。

特に、伝えたい事柄を、ロジカルシンキングによって相手が理解しやすいように文章に落とし込むテクニックについてわかりやすく解説しています。

「ロジカルシンキング」(照屋 華子、岡田 恵子)

大手コンサルティング会社マッキンゼーアンドカンパニーで活躍した人物による解説書です。

ロジカルシンキングには「MECE」、「So What?/Why So?」、「ピラミッドストラクチャー」といった有名なフレームワークがありますが、これらの説明や活用方法についても解説されています。

「頭がいい人の『論理思考」の磨き方」(渡辺 パコ)

MBAで有名なグロービスの講師が書いたロジカルシンキングのトレーニング本です。「帰納法」「演繹法」や「ロジックツリー」といった基本的なフレームワークについて、初心者にありがちな失敗を解説しているという特徴があります。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキング・ラテラルシンキングの違い

ロジカルシンキングと比較される思考方法として、クリティカルシンキングやラテラルシンキングがあります。

ここでは、それぞれの特徴やロジカルシンキングとの違いを紹介します。

クリティカルシンキング

クリティカルシンキングとは、「批判的思考」という意味です。

物事を考える際に、よく観察したり吟味したりしながら、「その結論に間違いはないか」「思考プロセスに抜けはないか」といった問いかけを繰り返すという特徴があります。

ロジカルシンキングは情報を整理し論理を組み立てるプロセスが特徴的ですが、クリティカルシンキングはその際の批判的あるいは客観的な態度を重視する点が違いです。

ただし、両者は相反するものではなく、むしろ相互補完的な関係にあります。

ラテラルシンキング

ラテラルシンキングとは「水平思考」という意味です。

一般的な常識や前例に囚われず、既存の方法に疑問を抱き、新しい発想を模索しようとする考え方で、物事の本質を抽象化したり、セレンディピティ(偶然の産物)を利用したりすることを目指します。

ロジカルシンキングはあくまで論理を積み重ねる思考プロセスを重視しますが、ラテラルシンキングはむしろ飛躍的で柔軟な発想を求める点が違いです。

ロジカルシンキングのメリットとデメリット

ビジネスにロジカルシンキングを取り入れれば、さまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。ここでは具体例を挙げて紹介します。

ロジカルシンキングのメリット

ロジカルシンキングを取り入れることによる主なメリットは3つです。

分析力の向上

物事の分析力が向上します。通常、物事を分析する際は多かれ少なかれ主観が入り込み、バイアスがかかってしまうこともあるでしょう。

しかし、論理的に考えれば感情や思い込みを排除しながら、より客観的に物事の姿を把握しやすくなります。

問題解決能力の向上

問題解決の能力のアップも期待できます。
物事の分析力が上がれば、問題の原因や、対策方法を特定しやすくなります。

勘や直感によって無闇に対応することなく、リソースを効果的に活用できるのです。

コミュニケーション能力の向上

コミュニケーション能力の向上も期待できます。

相手の考えを理解したり、自分の意見を相手にわかりやすく伝えたりするためには、ある程度の論理が必要です。

論理的に考える癖があれば、意思疎通がスムーズになるでしょう。

ロジカルシンキングのデメリット

ロジカルシンキングは万能ではなくデメリットもあります。

例えば、論理の前提を見つけたり、前提条件の間違いを見つけ出したりするには適していません。

論理を積み重ねるには前提となる事実や仮説が必要ですが、この前提には無数のパターンが存在します。その前提条件を選ぶにはある程度の裁量が必要になるでしょう。

また、そもそもこの前提が間違っている場合は、ロジカルシンキングでも正解にたどり着けないこともあります。

そして、そのまま思考を進めると、修正できないまま結論までも連鎖的に間違ってしまう可能性もあるのです。

ロジカルシンキングのトレーニング方法

ロジカルシンキングを習得するには、いくつか効果的なトレーニング方法があります。

ここでは、数ある中でも特に重要なポイントを紹介。これらを意識しながら訓練すると、効率的にロジカルシンキングを身につけられるでしょう。

論理に筋道を立てる

論理には筋道を立て、妥当な組み立て方をしましょう。

筋道とは、論理の骨組みになるもので、骨組みが定まっていなければ論理的な思考であるとは言えません。

筋道は「実力不足だから成績が悪い」といった例のように原因と結果のような因果関係になることもあります。

また、「キリンは動物である。動物はいつか死ぬ。だからキリンはいつか死ぬ」といったような演繹法(えんえきほう)や「これまで死ななかった人間はいない。だから人間は必ず死ぬ」といった帰納法のような形で繋がっていくこともあるものです。

そのケースに合わせてふさわしいパターンで組み立てましょう。また、筋道を整えるだけでなく、論理が飛躍しないように、妥当な組み立て方になっているかチェックすることも大切です。

ロジックをシンプルにする

ロジックはなるべく短く端的に構成する癖をつけることが大切です。

論理としては間違っていなくても、それが長く複雑な構造であれば、あまり他の人には伝わりづらくなってしまいます。

また、考えるのにも手間がかかりますし、プロセスが複雑すぎると途中で間違ってしまうリスクも増えるでしょう。

ロジカルシンキングのトレーニングをする際は、因果関係や三段論法といった定番の形を参考にしながら、なるべくシンプルにまとめるのがポイントです。

ファクトをベースにする

論理を組み立てる際は、事実をベースにしましょう。

先述した通り、ロジカルシンキングは前提の上に論理を重ねていく方法を取るため、前提が間違ってしまうと、その後に積み重ねる論理や結論も全て間違ってしまいます。

こういった間違いを防ぐためには、事実や数字などを用いながら前提条件を確認することが大切なのです。

目的意識を忘れない

目的を常に意識するようにしましょう。

ロジカルシンキングに慣れないうちは、論理的に考えたりフレームワークに当てはめたりすることに意識しすぎるあまり、当初の目的を忘れてしまうこともあります。

ロジカルシンキングは、あくまでも事実を検証したり仮説を立てたりするための手段であるということを忘れてはなりません。

相手の立場で考える

ロジカルシンキングでは、相手目線で論理を組み立てることも大切です。

ロジカルシンキングは、自分だけで考える場合だけでなくチームで仕事をする際にも役立ちますし、誰かに意見を伝える際にも活用できます。

相手がある時には、自分の中では完璧なロジックだと思っていたとしても、相手が納得できるように説明しなければ伝わりません。

そのため、相手の立場で考える癖をつけることが重要なのです。

ロジカルシンキングのセミナーや研修を受けるという方法も

ロジカルシンキングは、各団体・企業がセミナーや研修を開催しており、それに参加して学ぶことができます。

セミナーや研修で学べる内容は、ロジカルシンキングの意味や必要性といった基本的な事柄や、帰納法・演繹法、MECE、ロジックツリーといった基本的なフレームワークなどさまざまです。

また、3分スピーチなどの演習を用意しているセミナーもあり、実践的なトレーニングもできます。

ロジカルシンキングの習得とともに人事評価制度の見直しを

ロジカルシンキングをビジネスで導入するメリットはたくさんあります。

経営者や人事担当者であれば、社内研修などで社員にロジカルシンキングを習得させたいと考えることもあるでしょう。

もし社内で新しい取り組みを進める場合は、社員の習得度合いが評価につながるよう、人事評価制度の見直しをすることをおすすめします。

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