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クリティカルシンキングとは?注目される理由やメリット、実践ポイントを解説

(画像=syahrir maulana/iStock)

ビジネスの世界で注目を集めるようになった「クリティカルシンキング」は、企業が事業を進めるうえで役立つものだといわれています。

しかし、クリティカルシンキングの意味を正確に理解している人は少なく、正しく実践できないケースも多いのが現状です。

この記事では、クリティカルシンキングの内容だけではなく、ビジネスにおける実践法も含めて紹介します。

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキング(critical thinking)は、批判的思考とも呼ばれるものであり、感情や主観に流されずに物事を判断しようする思考プロセスです。

自分の考えや意見に客観性を持たせるための手法であり、アメリカの教育界で広がったものです。

子どもの学習を知識の詰め込みにするのではなく、クリティカルシンキングを身につけさせることで、客観的な判断や決断ができるように教育しています。

これは教育の世界だけではなく、ビジネスの世界でも充分に役立つものです。

クリティカルシンキングでは、物事について考える際、「なぜなのか」「本当に正しいか」といった批判的な問いを行います。

自分の意見に対して、「間違っているかもしれない」という批判的な視点を持ち続けることで、より実践的な意見へと近づけていくことができます。

クリティカルシンキングにおける「批判」は、必ずしも否定を意味しません。

重要なのは、「なぜ」「どうして」「本当なのか」といった疑問を忘れないことです。

ロジカルシンキングとの違い

クリティカルシンキングと比較されるビジネス用語に、「ロジカルシンキング」があります。

クリティカルシンキングが「その考えが本当に正しいのかを検証して本質を見極める」ものであるのに対し、ロジカルシンキングは論理的思考とも呼ばれ、「物事を要素ごとに分解し、筋道立てて考える」ためにあります。

この2つは、相反するものではなく、ロジカルシンキングのためにクリティカルシンキングを用いるといったケースもあります。

「売上」「コスト」「利益」などのデータを基に、事業を効率的に継続する方法を考えるのはロジカルシンキングです。

一方で、ロジカルシンキングの基礎になっているデータについて、「どうして今の売上なのか」「コストは削減できないか」「どのくらいの利益を目標にすべきか」といった、より本質的な部分について考えるのがクリティカルシンキングだといえます。

論理的な考え方だけでは、前提となるデータが正しいかどうかはわかりません。
逆にクリティカルシンキングだけでは、具体的な行動までつながらないのです。

クリティカルシンキングとロジカルシンキングは、両方が揃ってこそ効果を発揮します。

クリティカルシンキング その考えが本当に正しいか検証して本質を見極める
ロジカルシンキング 物事を要素ごとに分解し、筋道立てて考える

クリティカルシンキングが注目される理由

ビジネスの世界でクリティカルシンキングが注目されるようになった理由の1つに、価値観の多様化があります。

かつての日本では、「より良いもの」を提供することが企業にとって重要でした。

高性能や低価格といった明確な基準があり、それを追い求めることが事業を成功させる方法だったのです。

しかし、人々が異なる考え方や価値観を持つようになり、1つの基準に合わせているだけでは、ビジネスを成功させることはできなくなっています。

そうした時代の変化のなかで、本質を見極める思考法であるクリティカルシンキングが重要性を増しているのです。

これまで正しいと考えられてきたものが、通用しなくなっているという事例は数えきれません。

だからこそ、従来どおりの考え方から脱却し、時代に合った意見や判断に必要なクリティカルシンキングが求められているのです。

それはビジネスの世界でも同じであり、以前と同じ手法がいつまでも通用するとは限りません。そうしたなかで事業を継続するためには、自ら新しい考えや意見を持てる人材・企業になる必要があります。

そのために役立つのが、クリティカルシンキングなのです。

クリティカルシンキングを実践するメリット

クリティカルシンキングが重要だといわれても、具体的にどのようなメリットがあるのかを知らなければ、なかなか実践できないでしょう。

ここからは、クリティカルシンキングによって得られるメリットを「問題解決の精度が高まる」「物事の本質を見極められる」「新たな視点や発想が生まれる」の3つに要約し、詳しく解説します。

問題解決の精度が高まる

一般論として、問題の解決方法として完璧なものはありません。
どれだけ素晴らしい方法に見えたとしても、何らかの欠陥や不足があるものです。

しかし、そうした「足りない部分」を補い、優れた方法に変えていくことはできます。
クリティカルシンキングは、そうした効率化に貢献する考え方です。

なぜなら、クリティカルシンキングを通じて物事や意見の矛盾や漏れを見つけ出すことができるからです。
無駄な議論や余計な情報を切り離すことで、議論が簡潔になる点もメリットです。

本当に重要な問題のみに集中できるようになり、解決に向けた取り組みも効率的になるからです。

物事の本質を見極められる

クリティカルシンキングは、物事の本質を見極める思考プロセスでもあります。

「なぜこうなっているのか」「これは本当に正しいのか」といった疑問を持つことで、主観的な意見ではなく、客観的な考えを持てるようになるからです。

また、実際には必要のない論拠やデータを取り除き、本当に重要な情報だけを取り出すことにも役立ちます。

不要な情報を減らすことができれば、議論や意見を本質的なものへと近づけることが可能です。

そうすれば無駄な時間や労力をかけずに済みますし、多くの人を納得させられる考えを持てるようになります。

新たな視点や発想が生まれる

クリティカルシンキングでは、ある意見や考え方について疑問を投げかけます。

たとえば、「残業なしで仕事を終わらせるためには、人員補充が不可欠だ」という意見に対して、「そもそも仕事量は適切か?」「効率化はできないのか?」など、批判的に考えていくものです。

そうすると、「人員補充が必要だと思っていたが、別の解決法があるかもしれない」と気づくことができます。

そのままでは1つの対応策しかないと思える問題に、新しい解決法を示す可能性があるのです。

新しい選択肢が必ずしも最良の答えとは限りませんが、それぞれを比較することでより望ましい結果を導くことができるでしょう。

クリティカルシンキングの実践ポイント

クリティカルシンキングは、ただ理解するだけでは意味がありません。

しっかりと実践していき、身につけることが必要です。クリティカルシンキングを実践するためのポイントは、大きく分けて3つあります。

「常に目的(ゴール)を意識する」「思考の癖・偏りを意識する」「問い続ける」という要点について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

常に目的(ゴール)を意識する

クリティカルシンキングにおいて、目標設定はとても重要です。

なぜなら「何のために思考するのか」を明確にしなければ、考えることにばかり時間と労力を費やしてしまうからです。

ビジネスにおけるクリティカルシンキングは、あくまで「目的」のために行い、それを達成するために役立ててこそ意味があります。

目的を正しく設定することで、細かいことばかりに意識を向けてしまったり、議論のための議論をしたりするミスを避けられるのです。

本質を捉えることは重要ですが、そこには必ず実践的な目的が不可欠になります。

ビジネスには必ず目標や理念がありますから、クリティカルシンキングを実践する際にも、それを意識することが必要なのです。

思考の癖・偏りを意識する

どれだけ中立公平に見える人でも、人間は必ず「偏見」を持っているものです。
自分の経験や記憶がある以上、完全に主観から抜け出すことはできません。

クリティカルシンキングでは、個人が持つ思考の癖や偏りについて、予め考慮しておくことが大切です。

偏見や主観から抜け出すことはできなくても、「偏見や主観だけで考えていないか」と問うことはできます。

他の視点や異なる考え方から自分の意見や思考を批判的に検証し、客観性を持たせるためには、「自分の考え方は偏っている」「間違っている可能性がある」という自覚が不可欠です。

最初は、自分の思考に疑念を持つことに違和感や嫌悪感を抱く人もいます。しかし、より良い答えにたどり着くためには、改善できる点を探す作業が必要です。

批判的に思考するというのは、「もっと良い考えがあるかもしれない」と考えることでもあります。

問い続ける

クリティカルシンキングを実践するうえで、もっとも重要なのは「問い続ける」という点です。

物事の本質を見抜く考え方は、短期間で身につくものではありません。
そのため、普段からクリティカルシンキングを実践するように心がけながら、何度も繰り返していく必要があります。

また、目の前の問題を解決するために思考し、そこから行動をしたなら、「本当にこの方法が最善だったか」「どこかに間違いはなかったか」を考えることも重要です。

絶え間なく変化するビジネスの世界では、1つの課題を解決しても、すぐに別の課題が見えてくるケースも珍しくありません。

批判的な考え方を身につけるためだけではなく、それをビジネスで活用するためにも、常にクリティカルシンキングを実践していくようにしましょう。

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