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ピーターの法則とは?出世した人が無能になる原因と回避する対策

「どうしてこの人がリーダーを務めているの?」と感じてしまうような上司は、もしかするとあなたの会社にもいるかもしれません。

このような、無能なリーダーが生まれる組織構造上の原因を指摘したのが「ピーターの法則」です。

ピーターの法則の中では、適正な評価をせずに社員を昇進させ、その社員が自己成長を止めてしまうと、組織全体が無能化していくと考えられています。

管理職や人事担当者であれば押さえておきたいピーターの法則の詳しい内容や、無能化のメカニズム、回避するための対策について解説していきます。

林修先生も紹介した「ピーターの法則」とは?

無能な上司が生まれるメカニズムを解説した「ピーターの法則」は、予備校講師の林修先生が自身のテレビ番組で紹介したことでも注目を集めました。

組織を悪循環に陥れてしまう可能性もある「ピーターの法則」について解説します。

教育学博士 ローレンス・J.ピーターが提唱

ピーターの法則は、1969年に南カリフォルニア大学の教育学者・ローレンス・J・ピーターが、レイモンド・ハルと共同で発表した著作『ピーターの法則―〈創造的〉無能のすすめ―』の中で提唱したものです。

ピーター博士の発見の元となったのが、ウィリアム・R・コルコラン博士が原子力発電所で行った是正処置プログラムの中の言説とされています。

この説は「掃除機が吸引機として使われてしまうように、たとえその物の有効範囲を超えていたとしても、人は以前有効だったものを他の場所でも使いたくなってしまう」という現象を指摘したものです。

この提唱は物を対象としていますが、ピーター博士はこの現象を人間の組織にも適用できると考えました。

そこで提唱されたのが「ある仕事で成果をあげた人物が、その仕事を評価されて昇進しても、その地位において有能とは限らないため、やがて無能な上司になる」というピーターの法則です。

3つの要素

ピーターの法則の内容をまとめると、以下の3つの特徴があります。

①優秀な人でも、昇進し続けるうちに能力の限界に達し、いつしか無能になる

何かの仕事で成果を上げた人でも、昇進先の地位でその能力が有効とは限りません。どんなに優秀な人でも、昇進を続けるといつしかその人の能力の限界点に達してしまい、自己成長が止まって無能な管理職になってしまうというのです。

②無能な人は今の地位にとどまり、組織が無能な人ばかりになる

優秀な人が昇進していく一方で、すでに限界を迎えている無能な人は現在の地位に留まり続けます。前述の通り、優秀な人でもどこかの地位で限界点を迎えて無能になるとすると、最終的にはどの階層も無能な人で埋め尽くされてしまうことになります。

③「まだ限界に達していない人」によって組織は機能する

ピーターの法則では、限界点に達した無能な人は、そのポストに落ち着いてしまい、自己成長を止めてしまうとされています。まだ昇進の余地がある人がステップアップに向けて成長しようとすることで、組織が前進するとしています。

出世した人が無能化するプロセス

ピーターの法則の中では、「前の地位で能力を発揮していたから」ということが理由で社員を昇進させてしまいます。

そうすると、その人物がどのような特徴を持っているのか、どうして成果をあげることができたのかという検証がなされず、組織内の上位ポストに押し上げられてしまうのです。

現職のポストがその人に最も適していたとしても、「その仕事で成果をあげているから、上位ポストに昇進」とすることで、無能化していきます。

これには、人事評価制度の問題も大きく関わってきます。社員を適正なポストで起用するためには、管理職として必要な能力を数値化し、評価者の主観に頼らない、明確な評価基準が必要です。

また、昇進の制度はあっても降格の制度ははっきりしていない会社も多いのではないでしょうか。

降格の条件がはっきりしていないと、一度昇格して無能な上司となっても、その地位にとどまり続けることになります。

そうすると、ピーターの指摘の通り、組織にますます無能な人が増えてしまうのです。

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ピーターの法則に陥る原因

無能な上司の誕生は、どの会社でも回避したいものです。組織がピーターの法則に陥ってしまう原因を考えてみましょう。

ピーターの法則が成立する条件

組織でピーターの法則が生じてしまう原因は様々ですが、主に以下の2つの条件がそろったときに起こりやすいとされています。

1つ目の条件は、人事評価制度が適切に機能していないことです。

定量的・定数的な評価制度が確立していない企業では、どうしても評価が属人化してしまいがちです。

その結果、目立ちやすいポジションにいる社員や、普段から上司と仲のいい社員などが評価されやすく、能力によらずに昇進してしまいます。

2つ目の条件は、一度昇進した社員は、無能に陥ってもそのポストに落ち着いてしまうことです。

日本の企業では降格の要件が曖昧なことが多く、一度昇進すればめったに降格することはありません。

本人がその地位の環境に満足を感じてしまうと、新たなスキルを身に付けたり、業務の改革をはかるといった努力をしなくなり、無能化してしまいます。

日本では無能な上司が誕生しやすい?

日本の人事評価では、現場から地道に経験を積んで出世してきた、いわゆる「叩き上げ」タイプが評価される傾向にあります。

もちろん現場を知っていることは上司としても重要な要素のひとつですが、現場で成果を上げた人が管理者として優秀とは限りません。

また、若い頃から厳しい労働環境で苦労をしてきた人が上司になると、部下にも辛い経験をさせたり、根性論で乗り切ろうとする場合も多く見受けられます。

このような理由から、叩き上げタイプの社員を評価する旧来型の日本的な人事評価制度のもとでは、ピーターの法則に陥りやすいといわれています。

一方、欧米諸国では、MBAの資格を有しているマネジメントの専門知識や技能を身に付けた人物を管理者や経営者に起用するのが主流です。

現場とマネジメントで人材を完全に切り分けているため、ピーターの法則が生じにくいとされています。

ピーターの法則から回避するための対策

ピーターの法則を回避するためには様々な対策が考えられますが、無能な管理者が多いと感じている企業が真っ先に取り組むべき方法として、以下の3つがあげられます。

人事評価の基準を明確にする

最も急務となるのが、定数的・定量的な人事評価基準を確立することです。

ピーターの法則が生じる一番の原因は、その人の特性を見極めず、その地位に値する能力のない人を昇格させてしまうことです。

年功序列的な昇進制度を見直し、社員一人一人の特性を見極められる評価基準を整備していくことで、無能化の回避につながります。

ただ単に努力する姿勢を評価して上位ポストに昇進させることが、社員にとって幸せとは限りません。

社員の特性を見極め、それを活かすためのポストに配置できるよう、制度を設計するべきでしょう。

「降格」の基準を作る

社員が適性のないポストで仕事を続けることは、会社にとっての不利益になるだけでなく、社員本人にとってもストレスがたまるものです。

本人の能力を活かしきれないポストで無理に仕事を続けさせるよりも、思い切って降格させたり、別のポストに移してしまったほうが、本人もやりがいを持って仕事にあたることができます。

長く勤続すれば順番で昇進していくのが当然だった従来型の人事制度では、このような降格や異動の基準が明確でないことが多々あります。

降格や異動の制度を見直すことも、適正な配置を行う上で大切です。

成長の機会を与える

現場から叩き上げで昇格してきた社員は、現場のことはわかっていても、管理能力が身に付いていないことも多いものです。

昇格させた後のことは本人任せにするのではなく、管理者として必要なスキルを身に付ける機会を企業が用意することも効果的です。

社内で研修会を開いたり、資格取得を会社で支援するなどの仕組みを構築するといいでしょう。

あわせて、成長意欲があり、進んで自己研鑽に励む社員を会社が評価する体制作りも必要です

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正しい人事評価制度が有能な上司を育む

ピーターの法則を回避し、無能な管理職を生み出さないために最も効果的と言えるのが、人事評価制度を見直して、適正な評価基準を策定することです。

従来の年功序列的な制度に頼るのではなく、定量的・定数的な評価基準を設けることが、管理者にふさわしい有能な人材の育成・発掘につながります。

とはいえ、人事制度を一から構築・改革することは、十分な人的リソースと経験がないと、なかなか難しいものです。

そのような場合、定量的・定数的な評価や AIによる分析が自動で行えるクラウドシステムの導入や、外部の人事コンサルタントに評価制度の構築を依頼することも効果的です。

上層部の無能化を感じている、人事評価制度の見直しが必要と感じている経営者や人事担当者は、まずはこういったサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

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