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トライアル雇用とは?雇用の条件や仕組み、助成金の受給条件を解説

(画像=fizkes/iStock)

「トライアル雇用」の制度を活用することによって、企業の財務的な負担を軽減しながら、採用活動の幅を広げていくことが可能です。

制度をうまく活用するためには、基本的な仕組みを正しく理解し、各コースの対象者や条件などを理解しておきましょう。

今回は、トライアル雇用を活用するためのポイントについて詳しく解説していきます。

トライアル雇用とは?

トライアル雇用は厚生労働省が実施している助成金制度のことであり、ハローワーク(公共職業安定所)を通じて、特定の求職者を雇用する仕組みです。

求職者の試用期間中は助成金が支給されるため、制度の活用によって企業は多様な人材を積極的に採用できます。

まったく業界・業種経験がない人材であっても試用期間(支給対象期間)が設けられているため、その間に適性を判断することができます。

月額4万円(母子・父子家庭の場合は5万円)が最長3カ月間支給されるため、企業側としても採用コストを抑えながら、人材確保に結び付けていけるのです。

また、求職者にとっても応募したい業種の経験や職歴といった面でハードルが下がるため、就職活動を前向きに進められるメリットがあります。

トライアル雇用の目的

トライアル雇用の制度が設けられているのは、就労において経験や技術が不足している求職者に対して、雇用機会を提供することを目的としています。

制度の対象者となるのは、生活保護受給者・母子家庭の母等・父子家庭の父・日雇労働者・季節労働者などとなっているのです。

また、2019年4月1日からはニートやフリーター等で45歳未満の人、生活困窮者なども対象者として追加されています。

ハローワークを通じて紹介されるため、企業側にとっても多様な人材の確保に結び付けられます。

試用期間との違い

「試用期間」とは企業側が人材を採用する際に、勤務態度や能力などの適性を見極めるために設ける期間のことを指します。

試用期間を設けた人材の採用は長期雇用を前提としている面もあるので、あらかじめ適性を判断する期間を設けることによって、採用のミスマッチを防ぐことができます。

試用期間の目安は法律によって決められてはいないものの、一般的には1~6カ月程度です。

企業側は正当な理由がなければ、試用期間中に解雇することは原則として認められていません。

一方で、トライアル雇用の場合は期間中に解雇をしたとしても、不当なものでないかぎり企業側が何かペナルティを受けるものではありません。

期間の定めのない雇用(常用雇用契約)とは異なり、トライアル雇用は有期雇用契約となっている点を押さえておきましょう。

トライアル雇用助成金と雇用条件

トライアル雇用助成金にはいくつかのコースが設けられており、それぞれで対象となる人や雇用条件、支給額などが違っています。

各コースの特徴と基本的なポイントについて紹介します。

1.一般トライアルコース

トライアル雇用における「一般トライアルコース」では、対象となる求職者を雇用すると、月額4万円を上限とした助成金が最長3カ月支給されます。

対象者が「母子家庭の母」「父子家庭の父」「若者雇用促進法の認定を受けた事業者で35歳未満の求職者を雇用した場合」には、月額5万円が上限となります。

トライアル雇用助成金を受給するためには、雇用を行って実施計画書を作成し、2週間以内に所轄のハローワークに提出します。

提出書類には雇用契約書などの労働条件を確認できる書類の添付が必要です。

対象者となるのはハローワークを通じて紹介された求職者であり、雇用契約書にはトライアル雇用を適用する旨を記載しておかなければならないので注意しておきましょう。

そして、トライアル雇用期間が終了した翌日から数えて2カ月以内に、助成金の支給申請書を提出します。

助成金の受け取りは、トライアル雇用期間が終了してから一括で支給される点も押さえておきましょう。

また、過去に助成金を不正受給したり雇用保険料などを滞納していたりすると審査が通らないため、申請前によく確認しておく必要があります。

特に、雇用保険被保険者を会社都合で退職させた事業主は、トライアル雇用の助成金申請が行えないので気をつけておきましょう。

2. 障害者トライアルコース

「障害者トライアルコース」では、心身の機能に何らかの障害があり、職業に就くことが長期的に困難な障害者が対象者となります。

障害の原因や種類に関係はなく、「就労経験のない職業に就くことを希望している」「紹介日の前日から数えた過去2年間で、2回以上の転職や離職をしている」「紹介日の前日時点において離職期間が6カ月以上を超えている」などの要件を満たしている場合に、障害者トライアルコースの申請が行えます。

助成金の支給額は一般トライアルコースと同様に、月額4万円を上限として最長3カ月間支給を受けられるのです。

対象者が精神障害者の場合には、月額最大8万円を3カ月追加で受給できるため、最長で6カ月の受給が可能となります。

また、障害者短時間トライアルコースという制度も設けられており、求職者が週20時間以上の就業を困難とする場合、負担を軽減しながら働くことも可能です。

最長12カ月のトライアル雇用期間中の所定労働時間を週10~20時間とし、状況に合わせて最終的に週20時間以上の就業を目指していく仕組みです。

障害者トライアルコースにおいても、一般トライアルコースと同じ手続きをとるので、対象者を雇い入れた際にはすみやかに手続きを済ませましょう。

助成金受給までの流れ

トライアル雇用の制度を利用して対象者を雇用する場合には、助成金を受給するまでの一連の流れを押さえておく必要があります。

どのような段取りで手続きを進めていくのかを見ていきましょう。

1. ハローワークに求人の掲載

トライアル雇用の助成金を受給するまでの流れとしては、まずハローワークを通じて求人の申込みを行うところから始まります。

窓口の担当者にトライアル雇用を利用した求人であることを伝え、求人票を作成します。

トライアル雇用にかぎらず、一般募集もかける場合には併用する旨も伝えておくことが肝心です。

2. 求職者との面談

求人票の提出を済ませてからは、ハローワークから求人の申込みを待ちます。

求職者の紹介を受けたら面談の機会を設けて、採用の可否を判断しましょう。

なお、トライアル雇用においては直接面談を行う必要があるため、書類選考のみで判断できない点に注意しておきましょう。

3. ハローワークに必要書類の提出

求職者の採用が決定したら、トライアル雇用の開始から2週間以内に、ハローワークに対して実施計画書を提出します。

計画書の書式は厚生労働省のホームページからダウンロードでき、事業所名・対象者名・実施内容などを記載します。

求職者と交わした雇用契約書の提出も求められるので、賃金や各種手当、勤務時間などの項目に不備がないかをよく確認しておきましょう。

4. 助成金の受給

助成金の支給はトライアル雇用が終了してからとなり、ハローワークもしくは労働局に対して「結果報告書兼支給申請書」を提出します。

申請書にはトライアル雇用期間終了後の雇用がどうなったのかを記載する必要があります。

一般トライアルコースや障害者トライアルコースについては、期間終了後の翌日から起算して2カ月以内に、申請書を提出しなければなりません。

トライアル雇用のメリット

トライアル雇用制度の活用は雇用する会社側だけでなく、求職者にとっても多くのメリットがあります。

どのようなメリットがあるのかについて説明していきます。

雇用側のメリット

求職者を受け入れる企業側のメリットとしては、トライアル雇用期間中の助成金が支給されることで、採用コストを抑えながら採用活動を進められる点があげられます。

人材の確保を検討しつつも、採用コストの負担が気になっている場合に活用できる制度なのです。

また、本人が業務に向いているかどうかの適性を判断するための時間ができるので、自社が求める人材を見極めやすくなるのもメリットだといえます。

採用後のミスマッチを防ぐことに役立てられるので、離職率の低下にもつなげられるのです。

求職者のメリット

求職者側のメリットとしては、本採用となる前に業務を体験できる機会を得られるため、就労に対する不安を軽減できます。

職場の雰囲気をつかめるので、自分に合った仕事かどうかを判断しやすくなります。

特に未経験の業種にチャレンジをしたり、前回離職をしてから相当な期間が経過していたりする場合には、働くことそのものに不安を抱えているケースもめずらしくありません。

トライアル雇用期間があることで、求職者自身が自分の適性を見極めやすくなるでしょう。

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