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気が付かないうちにパワハラ経営者になっていませんか?

(画像=Just dance/Shutterstock.com)

「パワーハラスメント(パワハラ)」という言葉を最近よく耳にします。

厚生労働省の「平成28年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によれば、労働問題の相談内容では「いじめ・嫌がらせ」によるパワハラが5年連続でトップでした。

従業員によるパワハラもさることながら、経営者からの従業員へのパワハラともなれば、経営責任はもちろんのこと、多額の賠償をも含んだ法的責任にすら発展するおそれもあります。

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「いじめ・嫌がらせ」が5年連続のトップ

個別労働紛争解決制度は、経営者と労働者の間に生じた労働条件や職場環境などを巡るトラブルを未然に防ぎ、早期解決を図るシステムです。

厚生労働省によると、あらゆる労働問題に関する相談に、全国380ヵ所に設けたワンストップで対応する総合労働相談コーナーに寄せられた件数は、平成28年度、113万741件でした。

民事上の個別労働紛争に関する相談件数は25万5,460件で、対前年比4.2%のアップとなっています。

この民事上の個別労働紛争に関する相談内容の内訳は、「いじめ・嫌がらせ」が5年連続のトップで7万917件(全体の22.8%)。

そのほか、自己都合が4万364件(同13.0%)、解雇が3万6,760件(同11.8%)で上位を占めました。

また、この個別労働紛争解決制度で、都道府県労働局長による助言・指導申出件数は8,976件で対前年比0.6%アップ、紛争調整委員会によるあっせん申請件数は5,123件で対前年比7.3%増えています。

経営者のためのパワハラ類型

パワーハラスメントの定義は、社長や経営者のように職務上の立場や地位など、職場での優位性を背景に、同じ職場で働く者に適正な範囲を超えて精神的、肉体的な苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為とされます。

この判断によれば、正社員や非正規社員の区別に関係なく、職場内の優位性を背景にした「いじめ・嫌がらせ」はすべてパワハラとされます。

職務上の地位や立場を背景に行われるだけではなく、逆に部下が示し合わせて上司にいじめや嫌がらせをする行為もパワハラと判断されます。

パワハラのパターンについては、大きく次の6類型に分けられます。

  1. 身体的な攻撃(暴行・傷害)
  2. 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
  3. 人間関係からの切り離し(隔離、仲間外し、無視)
  4. 過大な要求(業務上の過大な要求)
  5. 過小な要求(能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じたり、仕事を与えなかったりする)
  6. 個の侵害(過度に私的なことに立ち入る)

①から③は直接的であるため、判断しやすいと言えますが、④から⑥は業務上の適正な指導との線引きが難しいケースもあります。企業の風土や文化、業種で異なる場合や継続的な行為などでも判断が分かれるので、企業や職場で指導の範囲を明確にしておくことが大切です。

業務上の適正な指導とパワハラとの境目は?

外形上、業務上の適正な指導とパワハラとの境目は難しい場合があります。指導は、社員の成長を促す目的で行われるものです。

ただし、自己目的を達成するための言動は指導とは言えず、パワハラとなるおそれがあります。

業務上の必要性も、パワハラの重要な判断要素となります。社員個人の人格や生活を否定する言動には業務上の必要性はありません。

仮に、業務上の必要性は満たしても、内容や量的に問題があったり、不適切であったりすればパワハラと判断されます。

意外に大きな判断要素は、態度です。パワハラとは言い難い内容であっても、大声を出して人前で怒鳴りつけるなどのケースはパワハラとなり得ます。

パワハラが経営者に与える影響

経営者のパワハラには、経営責任法的責任という2つの影響が考えられます。

経営面では、企業価値の低下が懸念されます。たとえば経営者の中には、会社を支えているという自負心から、従業員を大声で怒鳴りつける人は少なくありません。

このような経営者の態度は、インターネットやSNSなどのコミュニケーション・ツール、口コミなどで市井の人々に共有され、大問題に発展しかねません。

その結果、株価の下落や取引先の減少など、事業運営に支障をきたすおそれもあります。

過度なパワハラによって社員がうつ病などの精神疾患を引き起こしてしまい、ましてや自殺などに至ってしまうと取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。

資金面においても遺族が起こした裁判で労災として認定されれば、多額の損害賠償を請求されるおそれも十二分にあり得るでしょう。

経営者に必要なパワハラ対策

経営者のパワハラ対策として求められることは、まずは経営者自身が高いモラルと自制心を備えることと言えます。

併せて中間管理職や一般社員に対しても、経営者自らがパワハラは許さないと強く訴え、そして経営者が企業のコンプライアンスを率先して遵守することにより、社内風紀の引き締めを図ることでしょう。

高度成長期が終わり、労働に対して情緒的だった時代は終わりました。社員の気質や労働への意識、価値観も、より効率的、より個人的、より倫理的なものへと変貌を遂げつつあります。

それを理解した上で、経営者によるパワハラを未然に防ぐには、経営者自らが意識改革を徹底することが何よりも大切なのです。

2020年6月にパワハラ防止法が施行

パワハラ防止法が、大企業については 2020年6月から、中小企業については 2022年4月から施行されることになります。

人によって捉え方の違う “パワハラ” ですが、何をしたらパワハラに該当するのか、自社の管理職一人ひとりが定義及び概念を知っておく必要があります。

また、社内からパワハラを一掃するための、管理職の評価の仕組みも捉えておけば、万全の対策を取ることができます。

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