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リファラル採用とは?メリットや課題、事例について解説

採用活動といえば、求人サイトや転職エージェントなどの活用が一般的です。しかし今、リファラル採用という方法が広がってきています。

この記事では経営者や人事部担当者の方に向けて、リファラル採用のメリットや注意点、事例などを解説します。

リファラル採用とは

リファラル採用とは採用方法のひとつです。アメリカでは以前からメジャーとされている採用方法で、日本でも多くの企業が取り入れつつあります。ここでは、そのリファラル採用の意味や目的について解説します。

リファラル採用の意味

リファラル採用の「リファラル(referral)」とは「紹介する、推薦する」といった意味を持っています。その単語の通り、在籍している従業員からの紹介や推薦により、採用候補者を募る採用方法です。

アメリカでは7割以上の企業で導入されており、採用経路のおおよそ3割がリファラル採用となっています。

自社にマッチした人材を発掘できる可能性が高いという利点があり、日本でも採用方法の1つとして導入する企業が増えてきています。

リファラル採用の目的

リファラル採用を行なう大きな目的は「自社に最適な人材の発掘」です。

大多数の企業では、採用活動時に求人サイトや転職エージェントなどを活用しています。ただ、このような採用活動では、応募数を集めることはできても有効応募数を簡単に集められないという課題が残りがちです。そして、採用に至った場合でも、入社後の就業態度や、自社へ定着するかどうかなど、不安が残ってしまうこともあります。

しかし、リファラル採用であれば、既に仕事内容や社風を知っている従業員から友人を紹介してもらえるため、こういった課題や不安を最小限に抑えることができます。自社に最適な人材を見つけるには非常に心強い採用方法と言えるのです。

リファラル採用のメリット

どんな採用方法にもメリットがあります。ここではリファラル採用のメリットを4つに分けてお伝えします。

採用コストを抑制できる

求人サイトや求人誌、そして転職エージェントなどを利用する必要がないため、採用におけるコストを抑えることができます。

また、従業員の紹介や推薦であることから、企業が求めている人材とマッチしやすい傾向にあります。そのため、大勢の応募者の対応が必要となる通常の採用活動に比べ、面接対応や連絡などの工数も必要最低限に抑えることができます。

潜在層へのアプローチが可能

「転職サイトに登録していないが転職を考え始めた」「自分に合う会社があれば転職を考えている」など、潜在層と言われる人材は多く存在します。

そういった人材に対し、従業員が仕事内容や待遇などの魅力を伝えることで、面接に繋がるケースがあります。他社がまだ声を掛けていない人材へアプローチできるのも、リファラル採用のメリットなのです。

入社後の定着率向上

リファラル採用は入社後の定着にも繋がります。入社時から社内に友人がいることにより、「社内の仲間と打ち解けやすい、困った際の不安が小さい」といった安心感があるためです。

また、紹介される友人は、従業員と人柄、価値観、得意とする分野などが近しいことが多いため、企業理念や仕事内容に共感を示しやすい傾向にあります。そういった友人に実際に社内の様子を知っている従業員から声を掛けるため、入社前後のギャップを抑えることができ、長く働いてもらえやすいという特徴があります。

従業員のエンゲージメントが高まる

従業員自身が友人に声を掛けるリファラル採用は、仕事内容、企業の社会貢献度など、様々な魅力を改めて認識するきっかけになります。その結果、エンゲージメントも高まりやすくなります。

また、「信頼できる友人を企業に紹介しよう」「人材を紹介してくれる従業員を大切にしたい」「従業員が紹介してくれた人材だからしっかり育てたい」といった意識と共に、信頼関係も強まりやすいと言えるでしょう。

リファラル採用の注意点

リファラル採用にはメリットもありますが、注意したい点もあります。ここでは、注意や留意しておくべき点についてお伝えします。

従業員に制度を理解してもらう必要がある

リファラル採用を導入するのであれば、求めている人材や制度内容を従業員に正しく知ってもらわなくてはなりません。

正確な理解がなければ、ミスマッチや、友人を紹介して貰えないという事態を招いてしまいます。そのため、「採用基準、募集するポジションや仕事内容、採用フロー、報奨金について」などを明確にして、従業員に周知することが必要です。

また、それと同時に、採用向けの自社説明資料を用意しておくなど、従業員が友人へ声を掛けやすいような工夫をすることも重要です。

不採用時に配慮が必要である

不採用になった際に、従業員と友人の関係性が気まずいものになってしまわないよう、配慮が必要です。

リファラル採用では従業員から友人を紹介してもらうという特性上、企業とマッチする人材が集まりやすい傾向にあります。

しかし、不採用となるケースも0ではありません。そのため、不採用時の対応方法や、従業員にはどのように伝えるのかなど、予め決めておくことが必要です。

なお、リファラル採用で不採用者を最低限に抑えるには、事前に社内イベントへ友人を誘ってもらったり、カジュアルな面談を実施したり、正式な面接前に接点を持つことが好ましいでしょう。

採用時の配置には注意する

採用に至った際にも配置に気を付ける必要があります。例えば、紹介してくれた従業員と友人同士がグループを形成してしまった場合、その後に入社した従業員が馴染みづらいと感じてしまうことがあります。

また、紹介してくれた従業員と友人の得意とする業務が全く同じとは限りません。友人が一番能力を発揮できる配置を考えましょう。

なお、業務内容やポジションによっては、待遇面が従業員と友人とで異なることがあります。入社後に思わぬトラブルやモチベーション低下に繋がってしまわぬよう、予め従業員、友人、共に適切な説明をするように心掛けましょう。

報奨金を設ける場合には法律を意識する

従業員から友人を紹介してもらうために、リファラル採用には一般的に報奨金やインセンティブが設定されています。しかし、これらを設定する際には注意が必要です。

なぜなら「人を紹介して費用をもらう」という行為は、人材紹介や人材派遣とみなされてしまう可能性があるからです。

人材紹介や人材派遣には、それぞれ有料職業紹介免許、人材派遣免許が必要とされており、無免許でその行為を行なった場合、違法となってしまうのです。

ただし「職業安定法第四十条」にて、報奨金を賃金の一部として支払うことは例外として認められています。

そのため、もし報奨金を設定する場合には、まず就業規則にその旨を記載するようにしましょう。そうすることで、リファラル採用の報奨金を、賃金の一部として支払っていることが示しやすくなります。

また、就業規則に詳細を記すことで、従業員との認識齟齬やトラブルも防ぐことができます。

リファラル採用の事例

企業によってリファラル採用で意識していることや結果は異なってきます。ここでは具体的な例として、5つの企業のリファラル採用についてお伝えします。

富士通株式会社

トータルソリューションビジネスを行なっている富士通株式会社では、年間150人ほどの即戦力となるICT人材を採用しています。

そんな同社では、リファラル採用を導入する際に、「活動対象者」「応募対象者」「インセンティブ」などを細かく決め、まずは数百人を対象としたトライアルを実施しました。そのトライアル対象者の声を元に、リファラル採用専用サイトや選考プロセスを用意し、正式な導入を行なったのです。

その結果、導入から1年ほどにも関わらず、約20人を採用することができました。また、転職を意識していなかった優秀な人材だけでなく、グローバルな人材の採用にも成功しました。今後は全従業員にこの制度を浸透させ、リファラル採用比率50%を目指しています。

freee株式会社

クラウド会計などで有名なfreee株式会社でもリファラル採用を導入しています。同社ではリファラル採用には「友人を紹介したくなる組織作り」が重要だと考えられています。そして、それに伴い意識されているのが「友人を呼ぶハードルを下げる」「採用の重要性、必要性をしっかり伝える」「協力者への感謝の気持ちと称賛」の3つです。

例えば、同社には夕食を無料で食べられる「お弁当制度」というものがありますが、その夕食の場に友人を呼ぶことができます。また、リファラル採用についての社内配信や、リクルーティングアワードという表彰なども行なっています。

結果として、今では全体の2割がリファラル採用による採用となっています。なお、同社では、採用数の7割がダイレクトリクルーティング経由となっているため、リファラル採用を取り入れたことで自社内採用が9割を占めることとなりました。

株式会社セールスフォース・ドットコム

IT業界で有名な株式会社セールスフォース・ドットコムでは、2012年頃から既にリファラル採用を導入していました。

まだ当時はエージェントを介した採用を主としていましたが、リファラル採用の人材の方が定着率やパフォーマンスが高いことから、この採用方法に注力するようになりました。

リファラル採用を浸透させるためにまず行なったのが、「募集中のポジションの告知」「力を貸して欲しいといった旨の社内配信」「経営層からの社内周知」です。また、紹介してくれた従業員へ旅行券をプレゼントするなど、率先して友人を紹介したくなるキャンペーンを実施しました。

今では年間採用人数の50%がリファラル採用となっています。そして同社では、紹介での採用人数が増えるだけではなく、従業員の定着率やプロダクティビティが向上するという結果も得ることができています。

株式会社すかいらーくホールディングス

大手フードサービス業の株式会社すかいらーくホールディングスでもリファラル採用を取り入れています。同社では年間5万人の従業員が離職するため、それと同等の人数を採用する必要があり、「採用のあり方を変えなくてはならない」という想いからリファラル採用を導入しました。

導入後は「マネジャー3000名の前で社長がリファラル採用の推進を発進」「マネジャーの評価項目に友人紹介率を追加」「表彰、優待券などの景品の用意」など、段階を追って様々な工夫を重ねてきました。

結果として、リファラル採用で現在は7000人の従業員を採用することができています。採用総数の90%が潜在層ということから、リファラル採用ならではのアプローチに成功していると言えます。また、採用人数の他にも、各店舗に合う人材が採用できることや、定着率の向上など、嬉しい効果も得られています。

株式会社クレディセゾン

セゾンカードで有名な株式会社クレディセゾンでは新卒のリファラル採用を導入しています。導入にあたり、10月の内定式で案内できるよう、エントリーページやコンテンツを準備しました。

なお、同社ではリファラル採用を取り入れた背景や意義を伝えることに力を入れ、理解や共感を得ることを重視しています。

その結果、20年卒の新卒採用時からの取り組みにも関わらず、早くも想定以上の紹介がありました。

また、「後輩の役に立てて嬉しい」「新しいクレディセゾンの魅力に気付いた」といった声があがると共に、内定者自身が主体となって新卒のリファラル採用に取り組んでくれるようになりました。

リファラル採用の導入の際は人事評価制度の見直しを

リファラル採用の導入時には、求める人物像や採用フローの明確化など、事前準備が必要となります。そして、それと同様に必要となるのが、人事評価制度の見直しです。

適正な評価制度が運用できていないと、「管理職の紹介で入ってきたから評価が甘いのでは?」と既存の従業員が感じたり、逆に入社してくれた側の人材が評価に不満を感じてしまうと紹介者との関係性が悪くなってしまったりと悪影響が出てしまいます。

紹介する側もされる側も安心でき、確実にパフォーマンスを発揮するためにも、リファラル採用を導入する際には、人事評価制度も見直してみましょう。

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