KJ法とは?やり方やメリット・デメリット、活用したい発想法、アプリ、活用例を紹介

新規企画や新規事業のアイデアなど、提案からビジネスにつなげる仕事をしている方にとってどのような手法のフレームワークを活用するかは重要ではないでしょうか。

ブレインストーミングを活かす効果的な発想手法として知られているKJ法。
今回はKJ法の意味ややり方、メリット・デメリット、活用したい発想方法やアプリを紹介します。

KJ法とは

KJ法とは思いついたキーワードや情報をカードなどに挙げていき、関連性のあるものをグルーピングすることで、解決方法やアイデアを発想する手法です。文化人類学者の川喜田二郎氏が考案したメソッドで、同氏の名字のKと名前のJからとってKJ法と名付けました。

自身の研究対象であるネパール・チベットの山村での調査研究の経験を基に生まれたのが、KJ法という独自の情報整理方法です。KJ法は特にブレインストーミングを実施する際に、併せて活用されることが多いでしょう。

KJ法のやり方

KJ法は調査などで蓄積された情報やブレインストーミングで出たキーワードなどがある状態で活用されるメソッドです。
ここでは、ブレインストーミングも含めKJ法のやり方を紹介します。

STEP1.ブレストーミング(ブレスト)

ある課題やテーマに対して、頭に浮かんだことを何でも書き出していきます。
大きめの付箋一枚一枚に書いていき、ホワイトボードなど利用するとSTEP2.以降の手順がやりやすいです。

多様なアイデアを生むブレストにするためには、下記4つのポイントを意識して取り組むことが大切と言われています。

  • 他の参加者の意見を批判しない
  • 思いついたことを自由に発言する
  • 質を意識するよりも、できるだけ多くのアイデアを出す
  • 他の参加者の意見からアイデアを連想し発展させ、新たなアイデアを出す

ブレストーミングは質のよいアイデアを少量出すよりも、とにかくさまざまな意見や思い付きを多く出すようにしましょう。

STEP2.小さくグルーピング

次に、情報のグルーピングを行います。
ブレストで出たすべてのアイデアを見渡せるようホワイトボードにまんべんなく貼ります。その中から、まずはペアなど2・3枚程度でよいので、関連した内容のものを小さくグルーピングしていきましょう。

「間違えないように」などここでは厳密に分類しようとせずに、直感的に分けていきます。
グルーピングが完了したら、小グループごとに別の付箋でタイトルをつけましょう。タイトルであることをわかりやすくするために、ペンや付箋の色を変えるなどします。

グルーピングできないものが1枚で残ったとしても、どうにかグループに入れようとしないでください。グルーピングのできないものを「一匹オオカミ」と呼びます。一見一匹オオカミは全く役に立たない、はぐれたアイデアに見えますが、奇抜で尖ったアイデアとしてエースとなる場合もあり一発逆転の可能性が期待できるのです。

STEP3.大きくグルーピング

小さなグループを、さらに大きなくくりへとグルーピングしていきます。
10グループ未満になるまでグルーピングを続けましょう。そして、大きく分けたものにもタイトルをつけます。
ここでも一匹オオカミとして残ってしまっても問題ありません。

STEP4.空間配置・因果関係の整理

次に、各グループの関連性がわかるように、関連あるものを近づけて配置します。大グループのカードでつながりをことばにして説明できるか確認しながら配置していきます。

空間配置が完了したら、まとめていた大グループタイトル下に、小グループのタイトルまで分解しましょう。次に、各大・小グループ同士の因果関係を明確にします。大グループ内の小グループ同士および大グループ同士の関係性を→などの記号で明示します。

例えば、下記のような記号で表します。

― :関係あり
→ :原因と結果の関係
↔ :反する・対立する関係
←→:互いに原因と結果同士である関係

← :往復
⇒ :原因と結果の影響の強さが強い
≒ :類似

STEP5.評価

評価方法はさまざまです。各グループに点数をつけ点数の高いグループを複数ピックアップして、最終的な結論やアイデアとして採用するのも一手でしょう。

また、各グループで気になる箇所を文章化してみることで、内容が明確になったり新たなアイデアが創出されたりします。

体形化された情報を上手く評価し、目的に合わせて活用してみてください。

KJ法の3つのメリット

ここではKJ法のメリットを3つ紹介します。

情報を整理整頓できる

KJ法のメリットとして、既存の情報を整理整頓できるという点が挙げられます。

収集する情報・アイデアは、あらかじめグルーピングなど整理整頓を前提として収集した場合、制限がかかってしまい豊富な情報が残りにくいです。

ただ、制限なく情報を集めてしまうと、今度は分類に手間がかかってしまう難点があります。

KJ法はより豊富な情報を整理整頓でき、その後に活かせる、結論へとたどり着けるというメリットがあるでしょう。

新たな課題やアイデアが出やすい

KJ法はアイデア・情報にあらかじめ制限を持たないという点で新たなアイデアが出やすいメソッドと言えます。

また、情報を整理整頓していく中で、新たな課題への発見につながりやすい特徴もあるでしょう。

ビジネスで新規企画を考える際に、今までにないアイデアを出したい、既存ビジネスの課題を抽出したいという際に役立てられフレームワークです。

ブレストを効果的に活用できる

ブレストには、ブレスト後そのままにしてしまい情報を活かさないで終わってしまいやすいデメリットがあります。

ブレストは制限をもたせずに情報を洗い出せ、よりよい結論やアイデアを導きやすい分、情報を収集したあとに情報が分類されていないため活かしにくいです。

KJ法はブレストを効果的に活かすための補完的な役割を果たします。

KJ法の3つのデメリット

ここではKJ法のデメリットを3つ紹介します。

情報量が必要

KJ法は情報が豊富にある状態を条件として分類するための方法です。
逆に、情報が全くない状況下では役に立たないメソッドとも言えます。

情報量がある一定ない場合は、KJ法の良さが活かされないという点がデメリットと言えるでしょう。

時間がかかる

KJ法には、最終的なアイデアを導き出すまでに時間がかかるというデメリットがあります。
まず、ブレストで情報収集をする際には、数人のメンバーで集まる必要があります。さらにそこから分類、タイトル決めと続けていくと半日から一日程度は時間を要することになるでしょう。

KJ法は情報を細かく分類・相関性を整理するのに向いたメソッドですが、その分時間はかかるので気軽に短時間でアイデアを出したい場合には向きません。

既存のアイデア以上のものが出にくい

KJ法は今ある情報を整理することでアイデアを創出することには向いていますが、逆転の発想など発想法を変えた突飛なアイデアはでにくいと言えるでしょう。

KJ法は整理整頓していくことで、既存の情報がどうなっているのかを体系的に示すものです。今ある情報を最大限理解することには寄与しますが、逆に体系化することで情報を集約しアイデアの幅を狭める行為とも言えます。

KJ法と活用したい発想方法

KJ法はまとまりのない情報を集約することで結論を導きやすい一方で、そこから発想を転換し、全く新しいアイデアを創出するのには不向きなメソッドと言えます。
ここではKJ法とともに、活用して頂きたい発想方法をいくつか見てみましょう。

構造シフト発想法(二軸図)

構造シフト発想法とは、一旦分類した後に「分類した情報を、もし他の分類に入れるとしたらどう情報を変化させる?」と考える発想法です。

まず、縦軸と横軸をつくり2軸の分類を決めます(例えば、楽しい・楽しくない、高い・安いなど)。既存の情報を2軸の組み合わせのどこにあたるか配置しましょう。

そして、情報の配置場所を移動させた場合、情報にどういった工夫ができるのか、情報を変化させ移動してみます。
構造シフト発想法により、今までのアイデアから全く新しいアイデアが生まれたり、既存のアイデアをもっと面白いものへと変化させることができるでしょう。

マインドマップ

マインドマップは、あるテーマに対して発想したアイデアを樹木のようにつなげていき、アイデアの全体像を図にする方法です。

まず、マインドマップの幹となる主要な要素をテーマのまわりに並べていき、そこから細かいアイデアにつなげていきます。
考えていることを可視化することで、アイデアをはっきりさせたり、考えを体系化しながら表せられる発想法です。

リフレーミング

リフレーミングとは、ネガティブな出来事などに対して別の視点からとらえる考え方のことを言います。
例えば、コップに半分の水が入っており「もう半分」と思った場合に、「まだ半分」ととらえ直す発想法です。

既存のビジネスでのデメリットや弱点などを洗い出し、発想し直すことでメリットの面を今後の展開に活かせるなど、逆転の発想に役立つメソッドでしょう。

KJ法に利用できるアプリ

KJ法は付箋とホワイトボードなど最低限の道具を用意すれば実行できますが、アプリを利用できれば道具の必要がなく便利ですよね。
また、実施後の情報の記録面でも、アプリを使用した方が時間短縮できるでしょう。

Microsoft Whiteboard

Microsoft Whiteboardはオンライン上で使用できるデジタル版のホワイトボードです。
付箋や図形が使え、他のデバイスから同時にペンで描きこむことができます。

同じ場に集まらなくとも、遠隔でKJ法を実践できるため、リモートワーク時にも便利なアプリです。また、KJ法で使用した情報を他のテンプレート・フレームワークでも利用し、さまざまな手法で検討できる点も便利でしょう。

参考:Microsoft Whiteboard│Microsoft

Lucidchart

Lucidchartはオンライン上で、マインドマップ、ブレスト、KJ法など幅広い発想法に利用できるアプリです。オンライン上で、違うデバイスを使用して共同で作業ができます。

さまざまな外部アプリとも連携しており、会議でのプレゼンづくりなどの活用にも便利です。KJ法に利用した後に、そのままプレゼン資料として活用できるなどビジネスツールとして有用性の高いアプリでしょう。

参考:Lucidchart│ Lucid Software Inc.

KJ法の活用例

ここでは、実際にKJ法を活用した簡易的な例を見てみましょう。

テーマ :梅酒の梅の実を活用した新商品の開発
問題提起:当社の売れ筋商品である梅酒について、梅の実が大量にあまるという課題がある。廃棄している梅の実を活用した新商品が作れないか。

小グループ

SNSインスタ映えしそう、若者がターゲット?
見た目見た目が地味、かさばる
お酒の味が濃い、すっぱくないというメリット
イメージ健康に良さそう、梅の実を食べるというイメージが浸透していない?、梅は朝食べるイメージ、太らなそう、食べるお酒
嫌われる理由タネが邪魔、どうやって食べたらいいかわからない
弱点大人しか食べられない、取り出すのが面倒
包装どのような容器がよいか
アピール方法味の表現が難しい
商品内容加工する?そのまま?
戦略低コストで販売できる

大グループ

ターゲットSNS:インスタ映えしそう、若者がターゲット?
梅の実の弱み見た目:地味、かさばる
嫌われる理由:タネが邪魔、どうやって食べたらいいかわからない
弱点:大人しか食べられない、取り出すのがめんどうくさい
お酒の味が濃い、すっぱくないというメリット
イメージ健康に良さそう、梅の実を食べるというイメージが浸透していない?、梅は朝食べるイメージ、太らなそう、食べるお酒
包装どのような容器がよいか
アピール方法味の表現が難しい
商品内容加工する?そのまま?
戦略低コストで販売できる

因果関係の整理

イメージ:健康に良さそう、梅の実を食べるというイメージが浸透していない?、梅は朝食べるイメージ、太らなそう、食べるお酒ターゲット: (SNS)インスタ映えしそう、若者がターゲット?梅の実の弱み: (見た目)見た目が地味、かさばる(嫌われる理由)タネが邪魔、どうやって食べたらいいかわからない(弱点)大人しか食べられない、取り出すのがめんどうくさい → 包装:どのような容器がよいか商品内容:加工する?そのまま?戦略:低コストで販売できる

アピール方法:味の表現が難しい味:お酒の味が濃い、すっぱくないというメリット

評価
特に、「梅の実の弱み」「イメージ」を主軸にして商品開発のアイデアを発展させる。 梅の実を食べるイメージがない、見た目が地味という点を逆手にとって「食べる梅酒」といったキャッチーなネーミングで売り出す。梅の実でほとんど埋め尽くされたボトル+隙間は梅酒を入れた通常の梅酒とは割合が逆転した商品を提案する。

透明なボトルにぎっしりと梅を敷き詰めることで、梅の実の地味さを克服して目をひくような見た目にする。

また、①食べられるお酒 ②梅の実のアレンジレシピ の2パターンの食べ方をSNS上で発信していくことで、梅の実をおいしく食べられることを周知する。

KJ法を活用してビジネスのアイデアを出そう

KJ法はブレストの後などに情報整理を目的として活用するのに有意義なメソッドです。 「ブレストには効果がない」と言われる所以である、「やったままでアイデアを生かせない」という問題の解決に役立ちます。

蓄積した情報を整理したい時、ブレストの際にはぜひKJ法をご活用ください。

また、KJ法と併せて他の発想法も利用することで、より幅広いかつ深みのあるアイデアを創出することが可能でしょう。

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