マインドフルネスとは?効果と実践方法、ポイントを押さえてストレスを軽減!

Googleなどの大手欧米企業が次々に導入し、効果を発揮しているとして周知された「マインドフルネス」。マインドフルネスとは今の自分自身に意識を向けることを言います。

実際に企業はマインドフルネスをどのように取り入れ、どのような効果が期待されているのでしょうか?

今回はマインドフルネスの意味、効果とメリット・デメリット、実践方法、実践のポイント、導入企業の事例などを紹介します。

1.マインドフルネスとは

マインドフルネスとは、今この瞬間の自分自身の状態に意識を集中させることを言います。また、その状態をつくるための瞑想のことです。

2007年頃にGoogleが社内でのプログラムを導入したのをはじまりに、2010年代半ば頃までにストレス軽減や集中力が上がるなどとして広く大手欧米企業で取り入れられるようになりました。

そもそも、マインドフルネスとは、仏教の禅の教えが起源となっています。

1960年代アジアからの移民の僧侶達が、「マインドフルネスは仏教の中心」との教えを基に、米国で活発に活動したことから、マインドフルネスはアメリカで広く知られるようになりました。

そして、1979年にマサチューセッツ大学医学部の分子生物学者、ジョン・カバットジンが医療行為としてはじめてマインドフルネスを活用。

「マインドフルネスに基づくストレス低減法(mindfulness-based stress reduction, MBSR)」「マインドフルネス認知療法(mindfulness-based cognitive therapy, MBCT)」の2つの手法がベースとなって、現在マインドフルネスは商業やビジネスなど生活に根付いた形でも取り入れられるようになりました。

参考文献:藤井修平「マインドフルネスの由来と展開」

中央学術研究所紀要 第46号

2.マインドフルネスの3つの効果とメリット

それでは、マインドフルネスを実際に行うことでどのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここでは主な3つのメリットを紹介します。

ストレスが緩和される

日々多忙な生活をおくる中で、私生活・仕事の両方においてストレスはたまりやすいものです。マインドフルネスを実践し、過去・未来についての外界からのストレスに焦点を当てないことで、ストレスを緩和できる効果が期待できます。

また、外界からのストレスがあった際に、反射的に感情を出して対応してしまうといつまでもストレスから解放されることはありません。

マインドフルネスを実践することで、自分の心の状態を俯瞰的にみることができ、ストレスに対してどのような対応をとるか自分で選ぶことによって、ストレスから解放される効果が得られるでしょう。

集中力がアップする

マインドフルネスには、仕事などへの集中力をアップさせる効果が期待できます。
人は常に外界にさらされ、外界からもたらされる「起こってしまったこと」「これから起こるかもしれないこと」などに意識や思考を飛ばすことが普通です。

マインドフルネスで、今の身体感覚や呼吸に集中することで、雑念にとらわれずに物事へ集中する力を養うことができます。
集中力を増し、注意力を高めながら、より効率よく仕事をすることができるでしょう。

免疫機能を高める

マインドフルネスを実施することで、免疫機能を高めることにもつながると言われています。

免疫力を下げる一番の原因は「ストレス」。ストレスは自律神経を乱し免疫力を下げる他、うつ病やDLPFC(背外側前頭前野)の機能を低下させ身体の痛みを引き起こす原因のひとつです。

実際の研究調査でも、マインドフルネスを実践することで、血中のインフルエンザウィルスの抗体が上昇し免疫促進作用があることが報告されています。

参考文献:奥野元子「禅的呼吸法によるストレス低減効果」

3.マインドフルネスの2つのデメリット

一方で、マインドフルネスを行うことで、いくつかのデメリットも想定されます。ここでは主な2つのデメリットを紹介します。

継続できないと落ち込んでしまう

マインドフルネスは日常生活の中に継続的に取り入れることで効果を発揮します。
ただ、ダイエットなどの運動と同じで、日常生活に追われる中で継続できず効果が実感できない状態で中断してしまう方も少なくありません。

せっかくストレス緩和などの目的ではじめても、継続できないとできなかったこと自体に落ち込んで逆にストレスになってしまう場合もあります。

やらなければという気持ちでリラックスできない

後ほどマインドフルネスのやり方について詳しく紹介しますが、マインドフルネスは考え方や意識の向け方を工夫するだけで日常生活の中に簡単に取り入れることが可能です。

気軽に取り入れられるという点でメリットでもありますが、常にマインドフルネスを実施することに気を取られてしまいリラックスできないケースもあります。
生真面目で熱心に取り組もうとする方陥りやすいので、まずは気軽に少しずつ実践するのがポイントです。

4.マインドフルネスのやり方

それでは、マインドフルネスの実践方法をいくつか紹介します。

基本的なマインドフルネスの方法

①マインドフルネスを行う前に、行う目的を改めて意識してから実施します。
②イスに座って呼吸を行います。骨盤が立っていることを意識して姿勢を正し、足は両足地面についた状態で実施します。
③肩を何回かまわして、肩から胸にかけてのこりをほぐしておきます。
④目を軽く閉じる、もしくは薄目で前を見て、リラックスします。
⑤呼吸は鼻から吸って、鼻から吐き出します。吸う時にお腹がふくらみ、吐く時にお腹がへこむことを意識します。ただ、苦しくなったり無理したりしないことが一番大切なので、リラックスできる呼吸を心掛けます。
⑥5~10分程度呼吸を繰り返し、雑念を感じた場合は、「雑念を感じている」と認識してからまた、呼吸に意識を戻します。

日常生活の中に取り入れるマインドフルネスの方法

マインドフルネスは一日の動作の中に、取り入れることも可能です。例えば、下記のような方法があります。

・お風呂につかっている間、呼吸に集中する
・通勤時間や散歩の時に、歩く足の動きに意識を向ける
・利き手と反対の手を使用してみて不自由さに気付く
・朝顔を洗う時に、洗う動作に集中する
・夜寝る前に横になって、呼吸に集中する

気分が落ち込んでいる時のマインドフルネスの方法

もやもやとして気になることや、落ち込むことがあったときに有効なマインドフルネスの方法を紹介します。

人間関係に悩んだ時

リラックスして座った状態で、自分の他に家族や大切な友人、苦手な人に対して思いやりの心を向け、自然と自分の中のイヤな感情がなくなっていくことを感じます。ゆっくりと呼吸に意識を戻します。

なぜもやもやしているのかわからない時

もやもやとネガティブな感情を引き起こす原因を感情的になるのではなく、客観的にあらゆる側面から振り返り、ゆっくりと呼吸をします。
ポジティブな側面も忘れずに考えます。

思考をはっきりとさせたい時

思考が複雑にこんがらがっている時には、書く瞑想がおすすめです。とにかく今浮かんでくるものを書き留めます。書くことがない時には書くことがないと、その状態を書くようにしましょう。書き方にはこだわらずに、無意識にどんどん書くことがポイントです。

5.マインドフルネスを実践するポイント

マインドフルネスは継続して続けることが大切ですが、やり方によってはデメリットでみてきたような事が起こりかねません。そこでここでは、マインドフルネスを実践する際のポイントを紹介します。

毎日厳密に実践しない

マインドフルネスは毎日10分程度時間を設けることが理想的ですが、なかなか時間が確保できない方も多いです。

厳密に毎日実践しようとすると頓挫してしまうので、時間がない日は1分間呼吸に集中したり、通勤時間の歩いている時のみマインドフルネスを意識したりするなど、無理のない形で継続しましょう。

瞑想できていないと決めつけない

マインドフルネスを実践中にどうしても雑念が出てきてしまい、「マインドフルネスができない。」と思われる方も少なくありません。
しかし、「自分は雑念がでている状態」と把握することもマインドフルネスな状態と言え、失敗ではないのでそのまま気にせず進めましょう。
できる、できないとジャッジしないことがポイントとなります。

すぐに効果を期待しない

マインドフルネスの効果を実感するまでには、3週間程度かかると言われています。
また、効果を感じられるまでには個人差によるところが大きく、1日で効果を感じる方もいれば、数週間続けても効果を感じられないという方もいるようです。

すぐに効果を得られると期待せずに、生活習慣の一部として取り入れることで負担にならずに実践できるでしょう。

6.マインドフルネスを本格的にマスターするための資格

これまで紹介してきた内容でマインドフルネスを実践することは可能ですが、もっとしっかりと学びたいという方のために、マインドフルネスの資格もいくつかあります。
下記のような機関で、本格的にマインドフルネスを習練するのもよいでしょう。

・資格のキャリカレ「マインドフルネス実践講座」
・一般財団法人日本能力開発推進協会「マインドフルネススペシャリスト」

7.マインドフルネスの導入企業Googleの事例

マインドフルネスの取組に、特に力を入れていることで有名なのがGoogleです。
ITにおいて革新的な技術を生み出し続けているGoogleは、マインドフルネスを導入することで社員ひとりひとりの「ウェルビーイング」に着目しました。

ウェルビーイングとは、真の健康という意味で「からだが病気ではない」ということではなく肉体的・精神的・社会的にすべてが満たされた状態であることを指します。

Googleは、社員がウェルビーイングな状態であることが企業の発展につながり、また、マインドフルネスが社員のウェルビーイングに寄与すると考えました。

そこで、2007年から「 Search Inside Yourself( サーチ・インサイド・ユアセルフ)」と呼ばれるマインドフルネスをベースにした能力開発プログラムをスタート。

自己意識・自己制御・モチベーション・共感・コミュニケーションの5つの項目に着目し、「心と思考力」を強化するプログラムを実施しています。

内容は、7週間の期間中に1日数分間瞑想を実践するというもの。理想の時間は30分から1時間を推奨されており、瞑想の方法は座禅でもどのようなスタイルでもOKで、個人にまかせられているようです。

導入後の効果は、ストレスの軽減、仕事の生産性の向上、感情・自己制御力の向上、チームワーク力の向上が報告されています。

8.マインドフルネスを活用して仕事のストレスを軽減しよう

マインドフルネスは、ストレスの軽減や集中力のアップなど仕事の効率を上げるのに効果的なメソッドです。

社員がワーク・ライフ両方ともを充実して過ごすためにも、企業は社員研修として導入を検討してみてはいかがでしょうか。

また、メルマガなどで情報として共有することで、自発的に取り組んでもらうのも手でしょう。

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