ナレッジマネジメントとは?注目される理由と導入効果、事例を解説

(画像=metamorworks/iStock)

ナレッジマネジメントとは、ノウハウや知識といったナレッジを蓄積し、社内で活用していくための取り組みです。

正しく運用すれば、知的情報が資産として役立ち、業務効率化などさまざまな効果を発揮する可能性があります。

今回は、ナレッジマネジメントの概要や注目される経緯、効果やツールを紹介します。

ナレッジマネジメントの意味は?

ナレッジマネジメント(Knowledge Management)とは、企業組織や個人が蓄積した知識や経験を企業組織内で共有し、効果的に活用することで企業の競争優位性を向上させる経営手法です。

ナレッジ(Knowledge)とは、知識や知見、ノウハウ、技術力、顧客情報といった、業務上役立つ幅広い情報を指します。

こういった知的情報を管理する行為がナレッジマネジメントという言葉の語源になったようです。

日本では、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏が、「知識経営」という言葉を用いて、こういった経営手法を体系化しました。

通常、業務によって得た知識や経験は特定の部署や個人の中に蓄積されることはあっても、それが他の組織や従業員には共有されずに埋もれたまま活用されないというケースも存在します。

そこで、業務上有用な知識・ノウハウといった知的情報を会社組織的に蓄積し、企業活動に活用するための取り組みがナレッジマネジメントです。

ナレッジマネジメントの簡易的な取り組みとしては朝礼などの集会で情報を周知する、社員宛のメールで知識を共有するといった方法もあります。

他にも、システムによって知的情報をデータベース化し、必要に応じて保存、編集、閲覧ができるようにする高度な取り組みもあります。

注目される理由と経緯

現在ナレッジマネジメントが注目されてきた背景には、時代の変化とともに知的リソースの活用が求められてきたという事情があります。

ここでは、高度生経済成長時代から現在の情報時代に至るまでの経緯を振り返り、ナレッジマネジメントが必要とされるようになった背景を解説しましょう。

高度経済成長時代

高度経済成長時代は、新卒一括採用の土台ができ、採用した人材を終身雇用するという雇用モデルが確立し始めました。

企業側は、新規採用した人材に対して、入社後研修からOJTによる教育、そして年功序列型の人事戦略を行うことによって、長期的に人材を育成していく体制を整えていったのです。

こういった終身雇用を前提とした人事戦略は、企業側にも労働者側にも影響を与えました。

企業側は、長期的なスパンで人材を育成できるため、従業員にはさまざまな経験を積ませ、将来の幹部候補として総合型人材を育てることを目指したのです。

そこで、従業員に異動や転勤などを数年おきに繰り返させて社内の幅広い知見を獲得させ、組織の硬直化も防ぐといった仕組みを取り入れました。

一方、人材側も長期的に雇用されることが前提という認識であるため、失業や転職などをそれほど意識する必要がありません。

そのため、その企業内で知見やノウハウを吸収することに集中できるというメリットがあったのです。

結果として、長く勤める人材が多くなり、社内において自然にナレッジの共有がしやすい環境でした。

働き方の変化

バブル崩壊や就職氷河期があった平成時代には、終身雇用を前提としていた雇用システムが変わり始め、それに伴って働き方も大きく変化しました。

大手メーカーや大手金融機関であっても事業存続の危機に直面し、事業の再建・整理や、人員の大量整理といった対応が必要になったのです。

そのような流れの中で、整理の対象になった人材は再雇用を目指し、対象でない人材も会社の将来性を心配して転職をするといった傾向が生まれます。

人材の入れ替わりが激しくなれば、人材が抱えていたノウハウや知識といったナレッジが欠けてしまう問題もあり、企業は知的リソースを積極的に蓄積する必要性が増してきたのです。

IT・情報化時代

20世紀までは大資本を武器にした産業が主力の事業でしたが、現在はデジタル革命の最中にあり、IT化が進んでいます。

そこで、意思決定や行動が迅速なスピード経営が重要になりました。
また、多様化する顧客ニーズに対しても適切に対応する必要があります。

この状況でナレッジを共有するには、従来のように組織内で自然に情報が浸透していく流れに任せるだけでなく、情報システムを構築するといった情報共有の仕組み作りが大切なのです。

ナレッジマネジメントの目的と効果

ナレッジマネジメントはさまざまな目的で活用できるほか、正しく運用すれば効果も得られます。

ここでは、人材教育、サステナビリティ、ナレッジ獲得、業務改善・効率化という4つのポイントについて、簡単な事例にも触れつつ解説しましょう。

人材教育・育成の効率化

ナレッジを蓄積して管理しておけば、人材教育・育成に役立ちます。

事業で培ってきたノウハウや経験といった情報資産は、将来同じようなことが発生した場合に活用できることも多いです。

結果的に人材開発の効率化につながります。例えば、新規エリアへの出店に成功した企業のケースを考えましょう。

新規出店のノウハウは水平展開が可能ですし、収益のシミュレーションも可能になります。

こういった経験によって得られたデータや成功のノウハウは、ナレッジマネジメントによってそれらを体系的に蓄積・管理しておくと、新しい人材を育成する際にも活用できるのです。

サステナビリティの実現

リスクやトラブルに対するナレッジも蓄積しておけば、サステナビリティの向上にも役立ちます。

事業においては、システム障害や製造機器故障といったさまざまなトラブルが発生するケースがあり、こういった事態への備えは欠かせません。

事業継続を困難にするようなリスクはあらかじめ想定して未然に防ぎ、なおかつ、万が一トラブルが発生してしまった場合には早期に復旧するような対策が必要です。

仮に災害やシステム障害などで事業復旧のナレッジがあるというケースの場合、ナレッジを保存・管理して活用すれば適切な運用につなげられるでしょう。

新たなナレッジの取得

ナレッジを適切に蓄積・管理していれば、既存の情報を参照することができます。

それをヒントにしたり、あるいはさらに改善したりして、新しいナレッジを生み出せるのです。

例えば、古くて使えないナレッジ、現在も依然として活用されているもの、やや古いが現在の形に直せば再利用できるものという3種類のナレッジを抱える企業について考えましょう。

特に3つ目の、「やや古いが現在の形に直せば再利用できるナレッジ」は、使い方次第で全く新しいものに生まれ変わり、効果を発揮するというケースもあるのです。

業務改善・効率化

ナレッジを活用すれば、全社的な業務改善や業務効率化につながる可能性もあります。

例えば、ある企業の部署で業務効率化に成功したものの、それが特定の部署内や個人に留まってしまうケースを考えましょう。

仮に他の部署にも展開すれば成果が出る可能性があるのに、これは会社にとってロスでもあります。

そこで、ナレッジマネジメントによって既存のナレッジが応用できそうな部署とマッチングを行えば、会社全体としても業務の改善や効率化につながるのです。

ナレッジマネジメントのツール

ナレッジマネジメントを実施する際には、ツールを使うと便利です。ここでは代表的なものを紹介します。

グループウェア

グループウェアとは、システム上にて、周知、メール・チャットなどのコミュニケーション、スケジュール管理といった情報連携ができるツールです。

マニュアルやスケジュール情報を共有することも可能ですし、新着情報があれば周知も容易になります。

PCなどの端末からアクセスしやすい点も特徴です。

CRM

CRMとは、「Customer Relationship Management」(顧客関係管理)の略語で、主に顧客情報を管理するためのツールです。顧客プロフィールや商談スケジュールといった情報を共有する場合には優れており、特に営業関連の部署で役立ちます。

エンタープライズサーチ

エンタープライズサーチとは、企業向けの検索エンジンで、主に社内情報を検索することに特化したツールです。

ナレッジを探す時、「誰に聞けば良いのか分からない」「どこのフォルダに何の情報があるのか分からない」といった悩みがありますが、こういった悩みを解決する際には最適と言えます。

ヘルプデスク(Q&A)

ヘルプデスクとは、従業員からの問い合わせに対応する担当部署や、そのためのツールを指します。

特に製品や製造、法律といったナレッジは担当者でなければ不明なことも多いですが、そういった知識が必要な場合に回答したり、該当部署につないだりできるメリットがあるのです。

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