PDCAサイクルとは? メリット、デメリットやOODAとの違いを解説

(画像=designer491/iStock)

社内で生産性向上のために、さまざまな施策を計画・実施している人事担当者の方は多いのではないでしょうか。
各種施策を実施した後には、振り返りや次回以降に生かせることを考えることが大切です。

そんなときに思い出して欲しいのがPDCAサイクルです。 PDCAサイクルをスピーディーに回すことができると、生産性向上につながる可能性があります。

本記事では、PDCAサイクルの概要やメリット、運用時のポイント等について解説します。

PDCAとは?

PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字を取ったもので、継続的に品質を管理するための手法です。

PDCAの考え方のポイントは、計画から改善までをセットとして考え、汎用的な品質管理(Quality Control)の手法を示していることにあります。

もともとは1950年代に米国の統計学者であるデミング博士によって提唱された考え方で、製造業などをはじめとして生産技術や業務品質を管理するための効果的な手法として日本でも普及が始まりました。

現在はビジネスやスポーツなど分野を問わずさまざまな場面でも活用されています。

PDCAのメリット

PDCAの最大のメリットは、継続的に品質管理や業務改善ができる点にあります。

どのような仕事や業務でも、いきあたりばったりでは改善が簡単ではありません。

あらかじめ定めた目標や行動方針がなければ、何を実行すべきかがわかりませんし、後から評価する際も何を基準に評価すれば良いのかがわかりづらいのです。

一方、PDCAのプロセスでは、まず計画を立て、それに沿って実行、評価を行なっていきます。

それによって何を実行すべきかがあらかじめ明確になりますし、評価の際も注目すべきポイントが分かりやすいため分析しやすいのです。

結果として、品質の管理も改善も容易になるでしょう。

PDCAの具体的な手法

PDCAはどのように活用するのが効果的なのでしょうか。ここでは具体的に4つのステップを紹介します。

Plan(計画)

Plan(計画)では、目標を設定し、それを達成するための実行計画を策定します。

目標については、製造現場であれば「不良品率2%未満」、営業現場であれば「受注率10%以上」といった具体的な目標を定めましょう。

目標は、測定可能かつ到達可能なものを意識すると効果的です。

実行計画を決める際は、実行予定日や期日、部署や担当者、方法などを具体的に定めていきます。

実行プランを検討するにあたっては、5W2Hの7項目を意識すると効果的です。スムーズに実行に移せるように、具体的なアクションプランを立てましょう。

Do(実行)

Do(実行)では、計画通りに行い、実行記録を残すという点を意識しましょう。

計画通りに実行することで、その場の思いつきや惰性でなく、目標達成に向けて重要な仕事に集中することができます。

あらかじめ目標を実現するために定めた行動に集中すれば、実際に達成できる可能性も高まるでしょう。

また、計画通りに実行するだけでなく記録を残すことも大切です。

記録があれば、後から行動の振り返りをする際に思い違いや失念を防げるので、行動がどうだったのかを正確に分析することができます。

質の高い評価につなげるために記録は役立つのです。

Check(評価)

Check(評価)では、目標達成の度合いと、行動の分析を意識しましょう。

目標達成については、「目標が達成できたのか」という二択だけでなく、「どのくらい達成できたのか」という達成度合いを測ります。

例えば、先述の「不良品率2%未満」という目標であれば、それに対してどの程度達成できたのかを定量的に測定するのです。数字を用いることで客観的な分析ができます。

行動の分析とは、目標達成に向けてあらかじめ定めた行動についての評価です。「計画通りに実行できたか」「計画通りに行かなかった場合、その原因は何か」を考えます。これはその後の改善につながる重要な分析です。

Action(改善)

Action(改善) は、Do(実行)とそれに対する評価をもとに行います。ここでは成功や失敗の要因を分けることと、要因の取捨選択が大切です。

要因の分類については、現在行なっている業務活動のうち、成功の要因と思われるものや、あるいは失敗の要因と思われるものについて分けていきます。

こうすることで、どのような工程を優先的に改善すべきなのかが明らかになるのです。

分類した要因について、継続する、やめる、そして改善するという3つの対応のうちいずれかを選びます。

成功要因については継続という判断がしやすいですが、失敗要因については改善すべきか、取りやめるべきかの判断が簡単ではありません。

そこで、PDCAを繰り返して試行錯誤するのも1つの方法です。

PDCAで失敗しないための注意点

PDCAは継続的な品質管理や改善の定番ではありますが、いくつかデメリットもあります。ここでは問題点について解説しましょう。

改善に時間がかかる

PDCAのデメリットとして、改善に時間がかかるという点が挙げられます。

PDCAは、計画、実行、評価を経て改善を行うという手法です。

改善アイデアを思いついた時点ですぐに実践するというわけではなく、計画と実行に対して評価を行なってから改善に取り組むことになります。

そのため、どうしても改善を反映するまでに時間がかかってしまうのです。

また、改善の後にも同じ問題があります。

考案した改善案が本当に効果的なのかどうかを検証するには、計画、実行、評価というプロセスを繰り返さなければなりません。

仮に改善案が誤っていた場合には、新しい施策を試すためにさらに何周分もの時間がかかってしまいます。

前例主義になりがち

PDCAは、前例主義に陥ってしまう問題があります。

PDCAは過去に実施した施策や行動を評価することで改善案を生み出すという考え方です。

分析するための対象はあくまでも過去の実績であるため、全く新しいアイデアが生まれづらいという課題があります。

改善活動を行う時には、他の事例を参考にしたり、外部の意見を用いたりといった手段が効果的です。

しかし、PDCAはもともとそういった発想に至りづらい方法であるため、革新的な改善を目指すには、外部にも目を向ける必要があります。

PDCAが目的化する

PDCAが過度に目的化してしまう問題も挙げられます。

PDCAは、現状の業務プロセスの分析や問題の発見に優れているのは事実です。

一方で、計画の策定、実行や記録の実施、そして評価などを行うために、それなりの手間や時間、労力がかかるという課題もあります。

PDCAは、品質の管理や業務の改善などを実施するための手段の1つであり、それ自体が目的ではありません。過度にPDCAを重視することは問題です。

PDCAを実施するには、その効果とコストのバランスも意識しなければなりません。

効果的にPDCAを回すためのポイント

PDCAを社内で効果的に回すためには、ポイントをおさえておく必要があります。今回は、3つのポイントを紹介します。

Planの段階が重要

PDCAは最初のPlanの段階が重要です。Planが明確でないと、その後のDCAの過程がうまくまわっていきません。

Planが明確になったら、Planの論理が正しいかどうかも確認します。論理的に明確なPlanでないと、振り返りや改善がうまくできないからです。

PDCAは何度もサイクルを回してこそのものであるため、Planを論理的に明確なものにしておくことがポイントになるでしょう。

Plan(管理側)とDo(現場の従業員)のギャップを意識する

PDCAは一つのサイクルです。しかし、それぞれの段階で関わる担当者は変化することがあります。たとえば、人事主導でPlanを立てたあと、実際に実行するのは人事部以外の従業員であるという可能性もあるはずです。

その場合には、Planの段階でDoを担う従業員とのすり合わせを行うとよいでしょう。事前にすり合わせを行うことで、より効果的にPDCAサイクルをまわすことができます。必ず現場の声を聞き、Planを作成するのがおすすめです。

会社をとりまく環境を意識してサイクルを回す

PDCAサイクルには、環境要因が考慮されていないことが多いです。そのため、社内や社外の状況が変化した場合に対応しにくくなる可能性があります。

特に長期でPDCAを回していく場合には、経済状況の変化や社内組織の変化がDoが進行している最中に発生することもあるでしょう。

その場合には、Checkの段階で環境要因による結果の変化についても、十分に検討する必要があるといえます。

PDCAを回すことで想像以上の成果が出たと思っていたら、環境の変化が要因であったという可能性もあり、正しく検証することが難しくなるためです。

PDCAとOODAの違い

PDCAに代わって注目されているメソッドにOODAループがあります。

ここでは、その概要やPDCAとの違いを解説します。

OODAループの概要

OODAループとは、Observe(観察)、Orient(状況判断、方針決定)、Decide(意思決定)、Act(行動)の頭文字を取ったもので、問題解決のメソッドの1つです。

Observeでは、まず対象を観察します。

これは、既存の品質管理の方法やその他業務活動を観察し、問題の発見やデータ収集を行うためのプロセスです。

マネージャーや業務改善担当者などがオブザーバー(観察者)となって必要な情報を集めます。

Orientとは、観察をもとに状況を分析したうえで、今後の方針を策定するプロセスです。

そしてDecideでは、方針にもとづいて具体的な戦略や行動についての意思決定を行い、Actでは実行に移ります。

このような4つの段階を経て現状認識、そして改善につなげるのがOODAループなのです。

OODAがPDCAと異なるポイント

今OODAは、PDCAに代わるメソッドとして注目されています。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

1つ目は問題解決のステップです。

PDCAは、計画を立てて実行し、それを評価・分析したうえではじめて次のAct、つまり改善に移ることができます。

一方、OODAはまずありのままの現状を観察することから開始し、分析から実行までをスピーディに実施できるという特徴があるのです。

2つ目は問題解決の方法です。

PDCAは既存の業務プロセスや計画をもとに改善策を生み出すので、着実に改善点を見つけやすいですが、予定調和になりやすいという特徴があります。

一方、OODAの場合、Orientの段階では方向付けであるため幅があり、PDCAのような計画策定をしないため既存の発想に縛られづらいのです。

OODAのメリット

OODAは、スピードと柔軟な発想力という点がメリットです。

先述の通り、OODAは計画策定とそれにもとづく実行というプロセスがないため、方向性を確立するまでのスピードが早くなります。

OODAはスピードが求められる現場でも採用できるのが特徴です。

また、同じ理由で、OODAでは発想に柔軟性が生まれます。斬新なアイデアが出やすい点が魅力です。

PDCAやOODAをまわして生産性を向上させよう

本記事では、PDCAサイクルやOODAについて紹介しました。どちらも人事担当者であれば評価の段階で関わる機会が多いのではないでしょうか。

評価を行う際には、適切なフィードバックを行うことが大切です。フィードバックが適切に行われることにより、組織全体がより良い方向へと進んでいきます。

なお、フィードバックについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、本記事と合わせて参考にしてください。

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