研修担当者に必要なスキルとは?役割や向いている人の特徴を解説

社内で行う研修は、新卒・中途採用の社員向け、中堅社員向けのリーダー研修、管理職へ向けたマネージャー研修などさまざまです。企業がこれからも継続的に成長していくには、社員のレベルアップは重要な要素であり、研修は欠かせない役割を果たすものといえるでしょう。

本記事では、新たに研修担当者になった方に向け、具体的な仕事内容、必要なスキル、研修担当者に向いている人の特徴、研修時の振る舞いなどをお伝えします。

研修担当の年間スケジュール

新たに研修担当者になる方は、どのような研修があり、どのようなスケジュールで進めて行くのだろうかと思われるのではないでしょうか?ここでは一般的な研修担当者の年間スケジュールを紹介します。

スケジュール主な内容
4月新入社員研修(4月・5月)新卒で入社した社員向けの研修
5月・6月昇格者研修(5月・6月)新たに役職者、管理職になった社員向けの研修
9月新入社員フォローアップ研修新入社員研修で学んだことがどの程度生かされているか、入社半年での課題点・改善点の確認を行う研修
10月~3月内定者研修(10月~翌1月)
次年度研修計画(10月~翌3月)
翌年度の入社が内定した学生向けに行う研修。また、同時に次年度の研修計画を開始します。
11月昇格者研修新たに役職者、管理職になった社員向けの研修
1月~3月新入社員研修準備(1~3月)新入社員研修のための具体的な準備を開始します。

研修担当は上記の通り、ほとんど通年で研修を行うことになります。これに加え中途採用向けの研修や、人事部としての多岐にわたる業務を並行して行う必要があることを心得ておきましょう。

新任研修担当の仕事の流れ

新たに研修担当になった際、どのような業務を行うのでしょうか?仕事の流れに沿って解説します。

実施されている研修を確認する

研修担当者になってまずやるべきは、現在実施されている研修の確認です。どのようなプログラムで、どのように進められているかを確認し、研修の流れを把握します。

前年度に行われた研修内容、参加者のアンケート、講師のレポートも併せて確認すると、前年度からの改善点や変更点がわかり、自信が研修内容を企画する際の参考になるでしょう。

参加者として研修を体験する

研修担当者は研修を実施する側の立場を知ると同時に、研修参加者の目線で研修を体験することが重要です。講師の話はわかりやすいか、研修を行う場所の環境は良いか、ほかの参加者は内容に飽きていないかなど、参加者目線で研修が有用なのかを体験してみましょう。

研修を実施する側しか経験していないと、「スケジュールが詰め込まれ過ぎていて追いつけない」「カリキュラムの順番が悪く理解しにくい」など参加者側の不満が見えません。これらを理解するには、参加者の立場になり、最初から最後まで研修を受講することが重要です。

研修の企画・カリキュラムを作成する

研修を実施する側、参加する側双方の体験を終えたら、実際に研修の企画・カリキュラムの作成を行います。基本的にはこれまでの研修カリキュラムを基に作成しますが、社会情勢や自社が属する業界の動向も見つつ、内容の変更・追加も検討しましょう。

参加対象ごとに研修を実施する目的を明確にし、会社の経営理念と照らし合わせながら、研修後に業務の役に立つカリキュラムを企画する必要があります。

研修実施後のフォロー・効果測定

研修の実施だけではなく、研修実施後のフォロー・効果測定も研修担当者の重要な業務の一つです。どんなにしっかりとした研修カリキュラムを作成したとしても、研修後に実践されていなければ意味がありません。

参加者にアンケートを取ったり、面談を行ったりしながら、研修で得たことがどれだけ現場で役に立っているかの効果測定を行います。また、研修内容が定着していない社員に対しては、モチベーションが低下しないようにフォローを徹底することが重要です。

研修担当に必要なスキル

研修担当者にはどのようなスキルが求められるのでしょうか。ここでは、研修担当者に必要とされる主なスキルについて解説します。

戦略的な企画力

戦略的な企画力とは、「会社の経営理念や方針に沿った人材育成」を実現するためのスキルです。研修は単純に業務内容を把握させるだけはなく、経営理念に基づいたゴールの共有が欠かせません。そのためには経営理念に基づいた明確なゴールを設定し、ぶれずに進んでいくための戦略的な企画力が必要となります。

ゴールから逆算した長期的な視点でカリキュラムを企画する力は、研修担当者にとって重要なスキルといえるでしょう。

運営調整スキル

研修担当者は研修をスムーズに進めるため、自ら各部門を周って参加要請をするのも重要な役割です。研修は人材を育成するうえで重要な役割を持っていますが、すべての社員が研修に協力的とは限りません。繁忙期や人手不足の時期に研修で社員を割かなくてはならないとなれば、難色を示す社員も少なくないでしょう。

参加する社員だけではなく、周囲の社員に対しても研修の重要性を説き、積極的に研修に送り出してもらえる環境をつくる調整力も研修担当者に必要なスキルです。

研修の講師としてのスキル

企業にもよりますが、研修担当者が講師を担当するケースも少なくありません。また、講師はしない場合であっても、参加者が理解しやすいカリキュラムを作成するには、講師としての視点が必要です。

仮に研修中に講師をしなかったとしても、フォローで参加者に対し講師の立場で課題解決に向かっていく必要があるため、講師としてのスキルは欠かせないといえるでしょう。

研修の司会進行としてのスキル

研修をスケジュールに沿って進めていくには、司会進行のスキルが必要です。特に研修中に参加者から質問があった際の仕切りが上手くできないと、時間がオーバーしてしまったり、参加者の疑問を解決できなかったりといった可能性も高まります。

常に状況を見ながら、時には場を盛り上げたり、時には集中を促したりといった舵取りのスキルがあれば、研修の効果もより向上するでしょう。

研修担当に向いている人の特徴

研修担当に求められるスキルをすべて兼ね備えるのは決して簡単ではありません。しかし、これから挙げる研修担当に向いている人の特徴で一つでも当てはまるものがあれば、それをスキルにつなげていくことも可能です。

観察力が高い

研修担当は人を相手にした業務が多いため、人の行動や心理に興味があり、観察力が高い人に向いている職種と言えます。

また、現状の研修における課題点や参加者の雰囲気を把握するには、観察力の高さが必要です。普段の生活においてさまざまなものに興味を持ち、ちょっとした変化にもすぐに気が付ける人は、研修担当にも向いているといえるでしょう。

論理的思考力が高い

研修のカリキュラムを作成するには、論理的思考力が高い人が求められます。研修によって社員が成長していくプロセスを論理立てて検討することによって、研修を受ける意義に納得感を与えることができます。

シンプルながらも、深く理解できるカリキュラムを作成するためには、常にものごとを論理的に考えられる人が向いています。

マルチタスクが得意

研修担当者は、新卒向けだけではなく、中途採用やリーダー職、管理職など常に複数の異なる研修を抱えています。また、研修はカリキュラム作成や参加要請など事前準備も重要なため、同時に進行しなくてはならない業務を多く抱えることになります。

そのため、一つのことに集中して成果を上げるタイプの人よりも、マルチタスクが得意な人が研修担当者に向いているといえるでしょう。

人前で話すことが得意

研修担当者は、自らが講師をする場合もあれば、司会進行として研修をスムーズに進める役目を担う場合もあります。そのため、人前で話すのが得意ということは、研修担当者になるうえで大きなメリットです。

企画立案や運営調整など裏方的な業務も多い研修担当ですが、物怖じせず人前に出る業務をこなせる人は、研修担当者向きといえます。

会社の社風・経営理念に共感している人

研修担当者は、会社の社風や経営理念に共感していて、帰属意識の高い人が向いています。なぜなら、社員研修を行う最大の目的は、自社の経営理念の下で活躍できる人材の育成だからです。

会社の理念に深く共感している人が、熱量高く研修に打ち込むことで、参加者にもその熱意が伝わりやすくなります。研修の参加者へ企業理念を浸透させるためには、帰属意識の高い研修担当の熱意が不可欠です。

まとめ

研修担当者が行う主な業務は、研修のカリキュラム作成や研修実施後の効果検証、フォローです。企業理念や方針をベースに研修カリキュラムを作成し、自社で活躍できる人材を一人でも多く育成する重要な任務です。

今回、研修担当者に必要なスキルや向いている人を解説しました。ただ、仮に当てはまらなかったとしても、意識して周囲を観察する、論理的思考を心掛けるなどで改善することは可能です。難しい仕事ですが、多くの社員の成長を身近で感じられるやりがいのある仕事といえるでしょう。

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