組織目標とは?立て方のポイントや効果、達成に必要な要素

大手・中小を問わず、企業のほとんどが掲げている「組織目標」。

言葉の通り、「組織として達成するべき目標」があるからこそ、企業は成長していけます。しかし、企業側が組織目標について理解しきれていないケースが多いのも事実です。

この記事では、組織目標に関する知識をより深めたい経営層の方に向けて、組織目標の事例や効果・メリットなどを解説しています。

記事を読むことで、組織目標を立てる際のポイントも理解できるでしょう。ぜひとも、今後の企業の発展に活かしてくださいね。

組織目標とは?

そもそも、人間社会における「組織(organization)」とは、共通の目標を持って協力しあう人々のグループを指します。

目標達成のために統制された人々の働きやコミュニケーションによって構成されるシステムです。組織発展の指針となる「組織目標」は、経営層が常に意識しなければならない要素だと言えます。

企業内のあらゆる部門において、組織目標の設定と管理方法はとても重要です。業種によっても異なりますが、組織目標として分かりやすいものは「売上」や「新規契約・ユーザー数」といった数値です。

組織目標は数値だけで設定するものではありません。例えば、人事部門における目標設定の事例としては「労働環境の改善」や「人材の育成」が挙げられます。安心して働ける環境を用意した上で、人材の獲得や成長を目指すのです。

多くの企業は前年よりも高い目標を掲げるため、目標を達成するにはどんな時でも全従業員が手を取り合う必要があります。

ただし、目標のスケールが大きすぎると、何から手をつけるべきかイメージしづらいという問題点があります。

組織目標の効果、メリット

企業が組織目標を見直した際、得られる効果やメリットは一体どのようなものでしょうか。モチベーションの向上・組織の団結力の強化・企業の成長といったポイントを解説していきます。

モチベーションの向上

企業が掲げる組織目標が明確でなかったり、上手く共有できていなかったりすると、従業員たちのモチベーションは低下してしまいます。

個人の目標の立て方もわからないため、業務へのアプローチ方法に迷うだけでなく、「自分の働きが正当に評価されるのか」といった疑念を抱くケースもあります。

非現実的な目標を設定された場合も、モチベーションの維持は難しいでしょう。具体的かつ実現できるレベルの組織目標を与えることで、従業員のモチベーションUPが期待できます。

組織の団結力の強化

「組織」は集まった人々が団結し、共通の目標を達成するために存在します。

目標達成のためには、メンバーが協力・連携して動くチームワークと、責任感やモチベーションを高める団結力が大切です。企業はチームごとに目標を設定することが多いので、「同じ目標に向かっている」という仲間意識・団結力の向上は必須だと言えるでしょう。

団結力を強化することでチームの士気や一体感が高まり、目標も達成しやすくなります。また、団結力のあるチームが目標を達成した場合、他のチームに対抗心が芽生え結束が強まるなど、組織内での相乗効果も得やすくなります。

企業の成長

目標が明確でないと、人間は向上心や団結の必要性を見失いがちです。つまり、個人やチームの目標達成による企業の成長は見込めません。

成長しない企業からは優れた人材が離れていくばかりか、社内の人間に利己的・堕落的な思考が蔓延します。将来的に組織が崩壊するといった事態もありえるでしょう。

組織として達成するべき目標が明らかであれば、従業員のモチベーションは上がり、社内の生産性も高まります。従業員の努力が企業の発展に直接作用するのです。

組織目標立て方のポイント

企業における組織目標の立て方を改めて見直しましょう。

組織目標は具体的であり、かつ達成可能な目標であることが大切です。その他、事業戦略や中長期計画との連動、市場動向の分析など、重要なポイントについて解説していきます。

具体的な目標であること

組織目標は、従業員がイメージを共有できるよう、具体的であることが望ましいと言えます。

「自社の商品・サービス」「クライアントへの対応方針」「企業の対外的な取り組み・社会への貢献度」といった企業が持つ要素を細分化し、組織目標のベースを作成しましょう。

企業理念や創業者の言葉も、組織目標のベースとなる要素です。

例えば、事業立ち上げのきっかけとなった出来事、創業当時の苦労や想いなど、企業経営のベースになっている何かがきっとあるはずです。組織目標にストーリー性を持たせることで、従業員の共感も得やすくなります。

事業戦略や中長期計画と連動させる

組織目標は、企業全体の理念やビジョン、事業戦略、そして中長期計画と連動している必要があります。

まずは、これまでの方針とそれらの達成度を確認しましょう。新たな事業戦略や中長期計画があれば綿密に情報を集めつつ、各部門における課題や問題を組織目標としてリスト化します。

リスト化する際のポイントは、「企業の事業戦略や中長期計画の中心となる部門において、達成度が芳しくない要素」「過去と比較して新たに追加・変更された要素」。2つのポイントをふまえた上で組織目標を作成すると効果的です。

市場動向の分析

組織目標を設定する段階で、競合企業や市場の動向を分析することも大切です。また、目標設定後のプロセスである目標管理においても、従業員の変化を俯瞰的に把握できる状態が理想です。

市場のニーズや業界の動向は日々変化しています。外的環境の変化と従業員の能力・スキルを結び付け、個々に対する目標設定を行いましょう。

達成可能な目標であること

組織目標は、あくまでも達成可能な目標であるべきです。チームから提示された目標や、個人で設定した目標のレベルがあまりにも高いと、従業員は成功体験を得ることができません。同時に、仕事へのモチベーションを維持することも難しくなるでしょう。

達成するビジョンが見える目標を設定することで、従業員の士気も高まります。これまでのプロセスを大幅に変更せずとも、業務内容の見直しや効率化といった工夫を積み重ねることで目標達成は現実的になります

組織目標の達成に必要な要素

組織目標を達成するために必要な要素も把握しておくべきです。チームマネジメントやリーダーシップ、適切な人事評価制度など、「経営層が注力するべき要素」という観点で解説していきます。

チームマネジメント

チームマネジメントとは、チームの状態を管理したり、状況に応じてメンバーの調整を行ったりするスキルのことです。個人やチームに与えられたタスクを消化するためにも、それぞれが抱えている問題や課題を明確化し、メンバー間の衝突を防ぐ必要があります。

また、チームマネジメントを行うチームマネージャーには、あらゆるシーンでリーダーシップが求められます。状況を俯瞰的に把握するためにも、プロジェクト管理・マネジメントツールなどを駆使して、チームの目標達成度を常に確認できるとよいでしょう。

リーダーシップ

リーダーシップとは、組織内に目標を設定した上で、目標達成のためにチームを動かすスキルのことです。リーダーシップは持って生まれた才能ではなく、ノウハウの習得や経験に基づいて磨ける資質です。

つまり、能力開発によって、誰でもリーダーシップを発揮する可能性があるのです。メンバーそれぞれのリーダーシップを高めることを意識し、個々の主体性を伸ばしてあげれば、チーム全体のレベルも上がるでしょう。

個人目標との連動

組織目標を達成するためには、従業員の成長が必須です。組織目標と個人目標を連動させることで、社内全体の生産性もアップします。

管理職が組織目標を理解した上で、個人目標と照らし合わせた部下へのフィードバックを実施しましょう。フィードバックの際は、管理職自らが数値的な目標や目標達成のための理念を、深く理解しておかなければなりません。

組織目標と個人目標をスムーズに連動させるには、目標設定・管理ツールの導入がおすすめです。

適切な人事評価制度

人事評価制度は、組織目標の達成に欠かせない「人材」の価値を明確化するための制度です。人事評価を通して、組織目標や個人目標、実際の業績を結びつけやすくなります。

個人に対する評価を適切に行うことで、組織全体のモチベーションが向上し、あらゆる戦略も実現可能となります。さらに、組織からの期待や要望を明示すれば従業員の意識・行動が変わり、秘めた能力を発揮することもあります。

組織目標の浸透、見える化

組織目標は、実体験を通して従業員に浸透させるようにしましょう。組織目標を見える化し、業務中にも体感できる工夫をすることで社内に浸透させやすくなります。

例えば、東京ディズニーリゾートでは、「ゲストにハピネス(幸福感)を提供する」というキャスト(従業員)の目標が共有されています。共通の目標が従業員の芯となり、自発的な行動を促すのです。ゲストのハピネスを実現するための行動は、組織目標の達成へと見事に繋がっています。

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