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労働組合とは?目的や規則、加入方法とメリット・デメリットを解説

(画像=Paperkites/iStock)

会社にとって円滑な人事・労務管理を行っていくためには、労働組合について理解を深めておく必要があります。

労働組合は会社で働く従業員によって組織されるものですが、法律で定められた一定のルールに従って組織されています。

今回は、労働組合の基本的な仕組みや加入方法、メリット・デメリットなどについて見ていきましょう。

労働組合とは?

「労働組合」とは、労働条件の維持・改善や経済的な地位の向上を目的として組織されるもので、労働者が主体となっています。

憲法第28条で認められている団体行動権を根拠としており、労働者は団結して会社側と交渉ができ、ストライキなどの争議行為を行えるのです。

労働組合法によって、労働組合は会社側と労働協約と呼ばれる労使間の約束事を交わすことができ、組合に参加していることを理由とした解雇などの不当労働行為を禁止しています。

日本では個別の企業ごとに組織される企業別組合が主流ですが、それらが産業ごとに集まった産業別組合(日本労働組合総連合会など)が組織されることもあるのです。

労働組合法と労働三権

労働組合にかかわる法律や権利としては、「労働組合法」や「労働三権」があげられます。

労働組合法は、労働組合を組織して会社側との話し合いができることを保障した法律です。

この法律は労働基準法や労働関係調整法と並んで労働三法と呼ばれています。

さらに、「団結権」「団体交渉権」「団体行動権」という労働三権が憲法第28条によって認められており、労働者の権利義務関係を定めているのです。

1.団結権

「団結権」とは、労働者が会社側と対等な立場で労働条件の改善などを話し合うため、労働組合を作ることができる権利のことを指します。

また、組織された労働組合に加入できる権利についても定められているのです。

個々の従業員がそれぞれ会社側と交渉しようとしても、立場の弱さから交渉に応じてもらえないケースがあります。

また、会社側としても個別に対応していては、本来の業務に支障が出てしまうものです。

そのため、労働組合と会社という立場で交渉を行うほうが、双方にとってメリットがあるといえます。

2.団体交渉権

「団体交渉権」とは、労働組合が会社側とさまざまな労働条件について交渉し、書面によって約束を交わせる権利のことを指します。

会社側が正当な理由を示さずに、組合側からの団体交渉を拒否することは不当労働行為となり、労働組合法によって禁じられている点に注意しておきましょう。

3.団体行動権

「団体行動権」とは、労働条件や労働環境の改善のために、業務を放棄して争議行為に参加できる権利のことです。

いわゆるストライキ権(争議権)と呼ばれるものであり、会社側に事前通告を行うことで争議行為を実施できます。

団体で行動するストライキだけでなく、職場集会やビラ配りなど、組合活動そのものを含む意味でも用いられることがあります。

ユニオン(合同労組)とは?

「ユニオン(合同労組)」とは、同業種や関連する業種の労働者が組織をする団体のことであり、企業の枠を超えて作られる労働組合のことを指します。

従業員が働いている会社に企業別組合がない場合などに、利用が検討されるものです。

また、自社に企業別組合があったとしても、団体交渉や団体行動などの活動が期待できない場合には、外部に組織されたユニオンを利用することになります。

ユニオンは労働者であれば、雇用形態にかかわらず誰でも加入できるものであり、パートやアルバイトといった非正規雇用者でも参加できます。

ユニオンの主な活動としては、解雇や残業代未払いといった不当行為に対して団体交渉を申し入れて、会社側に労働環境や待遇改善を求めることがあげられるのです。

労働組合法第7条1項では、「ユニオンシップ制」がとられています。

ユニオンシップ制とは、労働者が会社に雇用されたときに一定期間内に労働組合に入らなければならず、組合から除名もしくは脱退したときには解雇される旨を取り決めた労働協約上の条件を指します。

有効なユニオンシップ協定を労働組合が締結するためには、特定の事業場に雇用されている労働者の過半数の承認があることが前提であり、この要件を満たしていない場合には無効となるのです。

ただ、ユニオンシップ協定が結ばれる前にほかの労働組合に加入していたり、組合からの除名もしくは脱退時に新たな労働組合を結成したりした場合には、協定の効力は及ばないとされています。

労働組合に加入するには

労働組合に加入する方法としては、企業別組合とユニオンとでは異なる部分もあります。

それぞれの加入方法と探し方について見ていきましょう。

企業別組合への加入方法

企業別組合が組織内にある場合には、組合の窓口に相談をして加入することになります。

窓口が不明なときには、社内の組合員に尋ねて加入手続きを進めてみましょう。

また、組織内に企業別組合がない場合は、自分で新たに労働組合を結成することも可能です。

労働組合は2名から作れますが、監督的な地位にある人や役員は労働者ではないため加入できません。

「労働者が主体となる組織」「労働者による自主的な団体」「労働条件の維持・改善が主な目的」といった条件を守って、労働組合を組織する必要があります。

ユニオンへの加入方法

自社に企業別組合が存在しなかったり、組合があってもうまく機能していなかったりするときには、外部のユニオンに加入することも可能です。

インターネットを通じて探すことができ、地域や業種によってさまざまなユニオンがあるので、自分に合ったものを選んでいきましょう。

ユニオンは基本的に、業種や雇用形態を問わずに加入できるため、気軽に相談をしてみることが大切です。

労働組合の活用方法

労働組合は労働条件の維持・改善を目的として運営されるものであるため、組合をうまく活用するには、会社側から何らかの不利益を受けている状態にあることが前提となります。

たとえば、残業代の未払いや不当な解雇、パワハラやセクハラといった権利侵害などがあげられます。

個別で会社側と交渉をしようとしても、かえって不当な扱いを受ける恐れがある場合には、労働組合に相談するほうが良いといえます。

団体交渉に対して会社側も拒否することができず、何らかの改善や補償を受けられる可能性が高まるはずです。

また、労働組合に相談をするときには、会社側が行っている不当行為の事実を示す書類や記録などを準備しておくと、手続きがスムーズに進むといえます

労働組合に加入するメリット・デメリット

労働組合に加入することは多くのメリットがある一方で、気をつけるべきポイントもあるのです。

ここでは、労働組合に加入するメリットとデメリットを紹介します。

メリット

労働組合に入るメリットとしては、労働条件の維持や改善を団体として交渉できる点にあります。

不当な扱いやハラスメントなどの苦情を会社に伝えやすくなるため、問題を早期解決につなげやすいのです。

個人ではなかなか交渉ができない場面であっても、労働組合を通じて行動することで、対等な立場で話し合うことができます。

さらに、組合に参加することで普段の業務ではなかなか知り得ない賃金や労働環境に関する情報や、経営層の考え方を把握する機会が持てます。

また、労働組合に所属することは会社に対する一定の抑止力にもなり、不当行為が発生するのを未然に防げる面もあるのです。

自分一人で悩みを抱えてしまっては精神的・心理的な負担も大きくなり、普段の業務にも影響が出てしまう面があるでしょう。

同じ悩みを抱える人たちと行動を共にすることで、問題の早期解決につなげていくのも1つの方法なのです。

デメリット

労働組合に加入することのデメリットとしてあげられる点は、通常の業務とは別に組合活動にあてる時間が必要となる点です。

組合の役員になると、部署や事業所ごとの意見を取りまとめたり、何度も打合せに参加したりする必要も出てくるでしょう。

また、時間的な負担だけでなく、組合費を支払う必要があるため金銭的な負担も生じてきます。

組合費は毎月徴収されたり、ボーナス時に徴収されたりしますが、金銭面での負担に問題がないかをよく考えて加入を検討する必要があります。

企業別組合の中にはいわゆる御用組合と呼ばれる状態に陥っているところもあり、労働者にとって利益となる活動に積極的ではない組合もあります。

そうした点を踏まえたうえで、無理のない範囲で参加できる労働組合を選ぶことが大切だといえます。

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