外国人を雇用する方法とは?採用手続きと人事担当が注意したいポイント

(写真=stockfour/Shutterstock.com)

経済や社会のグローバル化に伴い、就労目的で日本に入国・在留する外国人の数が増加しています 。企業においても外国人採用について、理解と対策を考える必要があります。今回は外国人採用の手続きと人事担当者が注意したいポイントを紹介します。

日本の外国人雇用の状況とは

厚生労働省がまとめた2022年10月現在の「外国人雇用状況」によると、 外国人労働者数は1,822,725人(対前年増加率 5.5 %)で、届出が義務化された平成19年以降過去最高を更新しました。

産業別外国人労働者数を見ると、すべての業界で前年より増加しており、日本全体として外国人材の需要が高まっていることがわかります。その他増加理由としては、特定技能在留者の増加、コロナ禍などに伴う例外措置である特定活動の増加などが要因となっています。

実際に、企業における外国人労働者は増加傾向にあり、外国人を雇用している事業所は 298,790 所(前年 285,080 所)前年比で 13,710 所増加(対前年増加率4.8%)し、届出義務化以降、こちらも過去最高を記録しています。一部の企業のみならず多くの日本企業が外国人労働者を活用していることが分かります。

事業所規模別では、すべての事業規模(「30人未満」「30~99人」「100~499人」「500人以上」)で外国人の雇用は増加しています。中でも、「30人未満事業所」が最も多く、事業所全体の61.4%、外国人労働者全体の35.8%を占めています。

産業別では、外国人を雇用する事業所数は「卸売業、小売業」が最も多く、全体の18.6%
を占めます。外国人労働者数は「製造業」が最も多く、外国人労働者全体の 26.6%を占めています。

中小企業の外国人雇用が多く、産業別では製造業が多い理由には国が政策として実施している「技術実習制度」 も影響しているでしょう。

参考:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在) 」

外国人の雇用が必要とされる背景

日本は従来から高齢化や出生率の低下などによる人口構造の変化が影響し、慢性的な労働力不足を抱えてきました。コロナ禍により経済活動が制限されたことで一時的には緩和されたものの、アフターコロナ下では人流が戻ってきたことでコロナ前の水準に戻り、特に旅館・ホテル、飲食店、IT関連での人材不足が深刻化しています。

そんな中で、外国人の雇用を促進することで労働力不足の解消を図りたい企業が増加しているのです。また、引き続き、学者、技術者、医療従事者など特定の分野でのスキルや経験が必要な特定の職種への需要、グローバル化の進展により、国際的な分野での活躍が期待できる外国人材への需要も高いことが、外国人雇用が必要とされる背景にあります。

外国人雇用の企業におけるメリット・デメリット

外国人雇用の企業における主なメリット・デメリットは下記の通りです。

外国人雇用のメリット

  • 特定スキルを持つ人材の確保
  • 労働力供給の確保
  • 海外展開の戦力
  • ダイバシティ経営の実現

外国人雇用により、企業は異なる文化やバックグラウンドを持つ人材のスキルと専門知識を活用できます。また、労働力不足の際に外国人を雇用することで、プロジェクトの遅延や事業の停滞、サービス提供の質の低下を防ぎ生産性を維持できるでしょう。


企業が国際市場に進出する際には、現地の文化や言語に精通している現地出身の外国人を雇用することで、海外展開を円滑に推進できるメリットがあります。外国人労働者の受け入れは、企業内の多様性を促進し、異なる視点を持つ従業員間の協力やクリエイティビティを高めることが期待でき、ダイバシティ経営にも寄与するでしょう。

外国人雇用のデメリット

  • ミスコミュニケーションの課題
  • 異文化による衝突
  • ビザや法的手続きへの対応
  • 争議と労働条件の問題

外国人労働者とのコミュニケーションにおける言語や文化の違いは、誤解やミスコミュニケーションを引き起こす可能性があります。また、異文化を背景に持つ労働者が同じ職場で協力する場合、文化的な衝突や誤解が発生し労働環境に影響を与えることも考えられるでしょう。

その他にも、外国人労働者のビザ取得や法的手続きは複雑で時間がかかることがあり、法的コンプライアンスを遵守し対応することが必要な点もデメリットです。企業が法定規則を遵守せず低賃金や悪劣な労働条件で雇用した場合には、労働争議や評判の損害につながることがあるのでくれぐれも注意してください。

企業は外国人雇用のメリットとデメリットを考慮し、外国人材の受け入れに際して適切な戦略と対策を立てる必要があります。これにより、国際競争力の向上や労働力の多様性を最大限に活用しつつ、適切な外国人雇用を実現できるでしょう。

外国人を雇用するための4つの方法

外国人労働者を雇用するためには、以下の4つの主な方法があります。

外国人雇用に強い求人広告サイト

外国人材を採用したい企業は、外国人雇用に強みのある求人広告サイトを活用するのも一手です。外国人求職者向けに、多様な職種や業界の求人情報を提供しており、外国人求職者が多く閲覧します。例えば、YOLO JAPAN、Daijob.comなどのサービスがあります。

人材紹介会社

外国人材専門の紹介会社やリクルーターを利用することで、外国人の採用プロセスをスムーズに進めることができます。専門家による適切な人材の紹介、面接のセッティング、ビザ手続きの支援まで、全体の採用プロセスを効率的に支援してくれるのが特徴です。ゴーウェル、マイナビ、Bridgersなどのサービスがあります。

公的機関の活用

ハローワークの他、外国人雇用サービスセンターと呼ばれる高度外国人(日本での就労を希望する外国人留学生、専門的・技術的分野の外国人労働者)に対する職業相談・職業紹介を行う厚生労働省の機関を利用する方法もあります。
各エリアのサービスセンターが提供する募集概要を確認の上、参加要件を満たす場合に利用できます。

参考:厚生労働省「東京特定技能JOBマッチング」

大学・専門学校・コミュニティなどからの紹介

企業は、外国人材を求めている場合、留学生の就職をサポートしている大学・専門学校などを通じて候補者を探すことができます。また、現在の従業員や業界のネットワークを活用して、外国人材の推薦を受ける方法もあります。これにより、優秀な候補者を見つけるチャンスが広がるでしょう。

これらの方法は、企業が外国人労働者を効果的に採用し、組織に適した候補者を見つけるための選択肢となります。方法は、企業のニーズや予算、雇用条件に応じて選択するとよいでしょう。

外国人雇用でまず確認すべきこと

外国人の採用手続きでまず確認する必要があるのは、就労させる仕事の内容が、在留資格の範囲内かどうかと、在留期間を過ぎていないかという点です。

外国人の在留資格や在留期間は、在留カード、旅券(パスポート)などによって確認することができます。

外国人採用にあたって、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可の有無なども、在留カードまたは旅券で確認を行います。

外国人雇用で必要とされる在留資格の種類

外国人雇用において、外国人は日本で働くために対象の業種で就労が可能な在留資格が必要とされます。外国人の日本での活動は、出入国管理及び難民認定法(入管法)で定められており、在留資格の範囲内で認められます。日本での在留資格は27種類あり、就労の可否においては、制限なし、制限ありの他、就労不可であっても一部の就労が認められる資格外活動許可があります。

就労活動に制限がない在留資格(4種類)

永住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者が該当します。これらの在留資格を持つ外国人は就労活動に制限がありません。どのような業種であっても制限なく就労することが可能です。

在留資格に定められた範囲で就労が認められる制限ありの在留資格(18種類)

下記、定められた活動内容の範囲内であれば就労可能です。
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術、人文知識・国際業務、企業内転勤、興行、技能、技能実習、特定活動(ワーキングホリデー、EPAに基づく外国人看護師・介護福祉士、ポイント制等)

特に、一般の事務所での雇用が多いのは「技術」、「人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「技能」の4つの在留資格です。

原則として就労が認められない在留資格(5種類)

外国人には就労が原則認められない在留資格があり、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在の5つです。ただし、「留学」と「家族滞在」の在留資格を持つ外国人の場合、地方入国管理局で資格外活動の許可を受けることでアルバイトなど就労できます。

「留学」の在留資格の外国人は原則として週に28時間まで就労できます。また、長期休業期間中は1日に8時間まで就労が可能です。教育機関の長期休業期間など具体的な許可の範囲は「資格外活動許可書」で確認できます。

同様に、「家族滞在」の在留資格の外国人も原則として週に28時間まで就労が可能です。事業主は、必ず資格外活動許可書により就労の可否と時間数を確認することが必要となります。

引用・参考:厚生労働省「外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。」

外国人雇用に必要な手続き

在留資格の確認後、主に下記の手続きが必要とされます。

ビザ申請・取得

海外から日本に入国する外国人を雇用する場合、日本で働くために必要なビザの申請手続きをサポートする必要があります。ビザ申請フォームの提出、必要な書類の提供、ビザ料金の支払いなどが含まれます。

雇用契約の締結

企業と外国人社員の間で雇用契約を締結します。外国人労働者の給与や労働条件は、日本の労働法に従って適切に設定されなければなりません。最低賃金や労働時間の規制に気を付ける必要があります。契約には労働条件、給与、勤務期間などが含まれ、法定を遵守した内容で締結することが必要です。

税金・社会保険の手続き

労働の関連法令は外国人にも適用されるため、要件を満たす場合、企業は社会保険の加入手続きを行わなければなりません。日本人従業員と同様に、給与から源泉徴収税と社会保険料を差し引く手続きを行いましょう。

外国人を雇用する上での注意するポイント

外国人雇用はルールを守って適正に行うことが、事業主に責務として課せられています。厚生労働省都道府県労働局ハローワークは、外国人を雇用する上でのルールとして次の2つを挙げています。

外国人の雇用状況を適切に届け出る

1点目は、「外国人の雇用状況を適切に届け出ること」です。
雇用対策法第28条では下記の通り規定されています。

「雇用対策法に基づき、外国人労働者がその能力を適切に発揮できるよう、外国人を雇用する事業主には、外国人の雇入れ、離職の際に、その氏名、在留資格などについて確認し、ハローワークへ届け出ることが義務づけられています 」

ハローワークでは、提出された書類に基づいて、事業主への助言や指導、離職した外国人への再就職支援を行うなど、職場や雇用環境の改善に取り組んでいます。

また、届出を確認することで、不法就労の防止にも役立てます。なお、 届出の方法は、外国人が雇用保険の被保険者となるかならないかによって、届出の様式、届出先のハローワーク、届出の提出期限が異なります。

雇用管理を適切に行う

2点目は「雇用管理を適切に行うこと」です。政府は、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」を定めています。
その中では、外国人労働者の雇用管理の改善は事業主の努力義務とされています。

企業は、外国人が日本において安心して働きながら、能力を十分に発揮できる適切な人事管理と就労環境を整備する必要があります。

また事業主は、募集や採用時に公正な採用選考を行わなければなりません。
さらに、労働基準法などの適用や解雇の予防、再就職の援助などについても、適切な対処が求められています。

外国人雇用で人材不足を解消しよう

企業にとって、外国人採用は優秀な人材の確保につながります。

コロナ禍後、サービス業・IT業界などを中心に人手不足が深刻化しているのが現状です。外国人の入国制限が緩和される中、外国人雇用を促進することで、人手不足の解消や新しいアイデアの創出なども期待できます。

外国人を雇用する上でのルールを守って多様な人材を活用することは、企業が発展するための経営戦略の一つとなり得るでしょう。

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