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調査リリース

2024/04/04

【中小企業社員300人に聞いた“ウチの社長”調査】3人に1人が「社長への不満や不信感から転職を考えたことがある」と回答 「考えが古い」64.6%、「労働に関する価値観・考え方」を変えてほしいは26.3%

 人事評価制度の構築・運用・クラウド化で “人と組織の成長” を支援する株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:赤羽博行、以下「あしたのチーム」)は、国内中小企業の組織課題や実態の把握を目的に、“社長”にフォーカス。「中小企業社員300人に聞いた“ウチの社長”調査」を実施いたしましたので発表いたします。
その結果、社員の3人に1人以上となる37.3%が「社長への不満や不信感から転職を考えたことがある」と回答。「考えが古い」64.6%、社長に「労働に関する価値観・考え方」を変えてほしいも2割など、時代遅れな社長の実態も明らかに。これらについて、これまで多くの中小企業の組織づくりを見てきた当社CEO赤羽博行より解説させていただきましたので、ご参照ください。

■調査トピックス
●社長に対して評価していないこと…1位「後継者の育成」52.7%、2位「社会や技術革新」44.7%、3位「女性活躍への貢献」44.0%
●社員の3人に1人以上の37.3%が「社長への不満や不信感から転職を考えたことがある」と回答。それによる周囲の退職者も30.0%
●「社長の考えが古い」と思う社員は、64.6%と過半数。
●社長にアップデートしてほしいこと、「労働に関する価値観・考え方」26.3%、「社長自身の言動」25.8%、「自らを客観視する力」20.1%
●自社が「JTC(伝統的な日本企業)」と思うは41.7%。「古いと思うこと」のトップは「給与体系」21.7%、「人事に関する制度」17.0%、「就業規則」15.7%

■調査概要
1.調査方法:インターネット調査
2.調査対象:全国の中小企業で働く20代~40代の社員300人(性年代均等割付)
※社員数10名以上300名未満の会社に1年以上お勤めで社長と月1回以上直接話すことがある方
3.調査実施日:2024年3月8日(金)~9日(土)
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。

■引用・転載時のクレジット表記のお願
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「あしたのチームが実施した調査結果によると…」

■社長に対して評価していないこと…1位は「後継者の育成」52.7%以下、2位「社会や技術革新」44.7%、3位「女性活躍への貢献」44.0%
Q.あなたが自社の社長に対して評価していないことは?(単数回答、n=300)

 はじめに、中小企業の社員は自社の社長のことをどう評価しているのでしょうか?複数の項目でその評価を聞いたところ、「評価していない」ことは上のグラフの順番に。1位は「後継者の育成」52.7%と創業社長が多い中小企業ならではの評価となりましたが、以下、2位「社会や技術革新」44.7%、3位「女性管理職登用など女性活躍への貢献」44.0%と、時代の流れに追いつくことに対して社長への期待が高いことがわかりました。一方、「働きやすさの整備」「顧客の信頼獲得」「売上への貢献」「カリスマ性・リーダーシップ」などは「評価していない」は4割以下にとどまり、過半数の社員が評価していることがわかりました。

■社員の3人に1人以上の37.3%が「社長への不満や不信感から転職を考えたことがある」と回答社長への不満や不信感による周囲の退職者も30.0%。
 社長への評価が明らかになったところで、その影響として「社長への不満や不信感から転職を考えたことがあるか?」を聞いたところ、社員の3人に1人以上となる37.3%が「ある」と回答。「社長への不満や不信感による周囲の退職者」も30.0%と、“社長により社員が辞めている”という実態も浮かび上がりました。社員のエンゲージメントを聞いた設問では、50.3%が会社へのエンゲージメント、47.0%が社長へもエンゲージメントがあると回答していることからも、会社を好きになること嫌いになること、どちらにも社長の影響力は大きいことがわかりました。

Q.社長への不満や不信感から転職を考えたことはありますか?(単数回答、n=300)

Q.周囲で社長への不満や不信感から退職した人はいますか?(単数回答、n=300)

■「社長の考えが古い」と思う社員は、64.6%と過半数。アップデートされてほしいことのトップは「労働に関する価値観・考え方」26.3%
Q.社長について考えが古いと感じることはありますか?(単数回答、n=300)
 社長の考えが古いと感じることがあるか、を単刀直入に聞いてみました。その結果は「よくある」22.3%、「たまにある」42.3%と合わせると64.6%と過半数が「社長の考えが古いと感じる」と回答。古いと感じる方に社長にアップデートしてほしいことを聞くと、トップは「労働に関する価値観・考え方」26.3%となり、以下「社長自身の言動」25.8%、「自らを客観視する力」20.1%、「デジタル対応」18.6%、「時代の空気を読む力」13.9%とつづきます。どれも時代の流れに合わせて変化や革新を社長に求める社員からの期待の声でしょうか。

Q.社長にアップデートしてほしいことを教えてください(複数回答、n=194)

■自社が「JTC(伝統的な日本企業)」と思うは41.7%。「古いと思うこと」のトップは「給与体系」21.7%、以下「人事に関する制度」17.0%、「就業規則」15.7%と、人事や評価関連が上位に
Q.自社は「JTC(伝統的な日本企業)」だと思いますか?(単数回答、n=300)
 最後に会社について聞いてみました。トップダウンの企業文化や硬直的な組織運営などの古い体質を揶揄するJTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)という言葉を最近目にすることが多くなりましたが、自社は「JTC(伝統的な日本企業)」だと思うと回答したのは合計41.7%。自社について「ここが古い」と思うことは、「給与体系」21.7%、「人事に関する制度」17.0%、「就業規則」15.7%となり、人事や評価に関することが上位を占めました。

Q.自社について「ここが古い」と思うことを教えてください(複数回答、n=300)

■あしたのチームCEO赤羽博行 『従業員のニーズや現代の働き方の変化を掴めていない社長たち』
 3人に1人以上が社長に対する不満や不信感から転職を考えていることは注目ですが、これは全体の数字なので社長への不満や不信感が強い会社ではもっと多く2人に1人くらいは転職を考えているのではないかと感じます。そしてこの問題は、多くの経営者は時代の変化に目を向けておらず、従業員のニーズや現代の働き方の変化を掴めていないことが原因だと考えます。

 実際に、64.6%もの社員が「社長の考えが古い」と回答しています。自社に関して”古い”と思うことの1位が「給与体系」ですが、中小企業4000社以上の人事制度改革に携わった経験では、「成果を適切に評価し適正な報酬を与える」という考えがなく、 依然として年功序列のような古い給与体系というケースが多く見られるため、その結果と大きな相関があると言えそうです。

 また、”社長に対して評価していないこと”のトップは「後継者の育成」52.6%と半数以上が回答しています。今は世襲ですら事業承継できないこともあります。しかし、事業の社会的な存在意義(パーパス)やミッション・ビジョン・バリューがしっかり浸透している企業では、役員・管理職を含む全体のモチベーションが高く、事業承継し存続している事例を多く見てきました。

 ”昭和”な考えと現代の価値観のギャップをコミカルに描くドラマが話題になりましたが、働く人々の価値観や”適切”の感覚もどんどん変わっています。中小企業が成長を続け未来を切り開くためには、人事をはじめとした様々な制度・仕組みや組織文化の変革を世の中の変化に合わせて積極的かつ柔軟に設計し、見直し続けることが必要不可欠ではないでしょうか。

■株式会社あしたのチーム 代表取締役社長CEO 赤羽 博行
大学卒業後、オービックビジネスコンサルタントを経て創業から間もないベンチャーコンサルティングファームでディレクターに就任。完全年功序列の大手企業・完全実力主義のベンチャー企業、双方での経験を活かし、2009年に設立直後のあしたのチームへ社外取締役として参画。
2020年11月より代表取締役社長CEOに就任。数多くのコンサルティング現場で感じた「大半のビジネスマンが頑張りを正当に評価されず、本来の力を発揮できていない」という現実を変えるため、『人事評価制度を通じた日本の働き方改革と生産性向上』に全てを捧げ奮闘中。

■会社概要 
会社名 :株式会社あしたのチーム(https://www.ashita-team.com) 
代表者 :代表取締役社長CEO 赤羽博行 
所在地 :東京都中央区銀座6-10-1 
事業内容:・人事評価制度の構築・運用「あしたのチーム®」 
     ・人事評価クラウド「あしたのクラウド® HR」 
設立  :2008年9月25日 

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