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調査リリース

2020/08/24

「ジョブ型雇用」は新卒若手にとって活躍の可能性を大きく広げる
「企業」よりも「ジョブ」へのパッションが鍵に
〜あしたのチーム、「ジョブ型雇用と新卒採用」に関する最新レポートを発表〜

 人事評価サービスを提供する株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区、代表取締役社長:髙橋恭介、以下あしたのチーム)は、「ジョブ型雇用と新卒採用」に関する最新レポートを発表いたしましたので、お知らせいたします。

■あしたのチーム「ジョブ型雇用と新卒採用」に関する最新レポート
 新型コロナウイルス感染症の流行は、世の中の働き方を変えるとともに、学生の就職活動にも影響を及ぼしています。テレワークやジョブ型雇用が浸透している今、企業は新しい人材に何を求めているのか、新卒採用状況はどう変わっていくのかを代表髙橋が解説いたしました。

■「どこの大学で何をしてきたか」から「何の仕事をしたいのか」へ
 企業はこれまで出身大学名重視の傾向がありました。しかし、これからの時代はその人のポテンシャルも含めた個性、パーソナリティをより重視するようになるでしょう。この個性の中には情熱や想いといったハートも含まれます。新卒学生は職務経験がないので、ジョブ型雇用の人材としては職務遂行の即戦力とはなりません。そこで、新卒には「なぜそれがやりたいのか」といった、ジョブや専門性に対する熱い想いなどが求められるようになります。

 今までの学生は業界分析をしたうえで業界ナンバーワンにいきたいと考え、企業を見ていたことが一般的でした。この行動は従来のメンバーシップ型雇用の特徴として現れています。つまり、新卒で入社してもどんな仕事をするかはわからない、異動もある。そのため、どんな仕事をするかではなくどんな会社で働くか、という視点で会社と業界全体を見るのです。同様に企業は大学名で判断をします。ある意味「具体的なこの仕事をしたい」という考え方はご法度で、意思を持った人間は要りませんでした。

 これがジョブ型雇用の場合180度変わり、「この仕事をしたい」という想いの強さを重視します。さらに言えば、その学生が何をしてきたかという過去ではなく、未来を見るようになるでしょう。従来の面接では、大学名をはじめとした過去に何をやっていたのかと履歴書を見て、最後に将来の夢などを聞く形式でしたが、これから過去は関係ありません。何をしたいのか、なぜこの会社やジョブに憧れているか。そこに学生の想いを形成してきた物語があります。「将来起業したい」や「その分野のプロになりたい」といったパッションが加点評価となっていくのです。

 以前であれば、「御社でウェブマ―ケティングをやりたいです」という希望はアウト。「その部署に就けるかわからないので、それならマーケティングを専門でやっている会社に行ってください」となっていました。これがジョブ型になると視点が全く変わり、従来のやり方ではマッチングができません。これから、自分がどうありたいのか。個人のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)をみせ、その先にジョブディスクリプションがあるという風にポイントが全く変わってきます。


■インターンや面接もリモートが当たり前になる
 テレワークでコミュニケーションが少なくなっていると言われます。コミュニケーションはもちろん重要ですが、新卒社員にとって何よりも大切なのは目標設定であり、その手前にある理念やビジョンの共有が極めて大切です。テレワークを重視する企業の場合、今後はインターンや採用面接もリモートで行うことでしょう。当社でも、リモートでの研修や面接を積極的に行っています。入社以降もテレコミュニケーションが重要となりますから、双方でしっかりビジョンを共有することが重要です。

 一方で、テレワークでコミュニケーションが少なくなったのは本当なのか、とも思います。例えばオフィスに同僚が近くにいても、ずっと話をしている訳ではありません。オフィスとテレコミュニケーションの違いはそこまで差はないと考えています。会話がない分、テキストレベルのコミュニケーションが増える形へと置換される訳です。

 オフィスコミュニケーションの場合でも、会議の議事録をテキストにすることはありましたし、物理的にそこにいるという安心感以外は、業務上のコミュニケーションレベルに違いはないとも言えます。つまり、慣れの問題です。

 現在、電話するよりもLINEとなっているように、オフィスコミュニケーションよりもテレコミュニケーションのほうがフラットでやりやすいという時代になっています。そのためには、インターンシップからフルリモートで行うというやり方を、企業は今年度から進めるべきだと思います。

 私自身もオンラインで新卒の面接を行いましたが、そこで対面型とのギャップはほぼ感じませんでした。違いがあるとすれば、感じ方のウェイトです。オンラインの場合、第一印象をはじめとする外見上のウェイトが下がり、その分話している内容や聞き取りやすさなど、ボイスバリューのウェイトが重視されます。従来は表情や容姿で加点されていた部分が、話し方や声質が優れた人のほうが加点評価になるかもしれません。

■ビジネスもデジタルネイティブ層が勝つ時代になる
 昨今の学生や新入社員を見ていると、情報感度が高いと感じます。良い意味で、デジタル社会で生きていて、どちらかというと体育会系や縦社会といった旧来型のマネジメントが好きではないという印象です。それはあるべき姿だと思います。世界的に見て日本の生産性は低いと言われ、その根底には旧来型のマネジメントや働き方が存在します。そういった事実や現状があることも、彼らは学んできています。

 そのうえで、本来あるべき仕事や働き方は何なのか、何をしたら成果や給料が上がるかというロジックに対する感度を高く持っています。そのため、しっかりと目標管理を設定できれば、ジョブディスクリプションでのマネジメントがしやすい層であるといえます。

 また、テレコミュニケーションやテキストコミュニケーションが重視されるようになればなるほど、対面における人心掌握力や、礼節をわきまえることの重要性は相対的に下がります。一方、内に秘めた自己表現力が強かったり、感性が磨かれている若者は多く、ある意味彼らが活躍できる働き方がジョブ型雇用の世界です。

 今後ますますメンバーシップ型雇用や年功序列型賃金制度がなくなっていくと思われますが、この状況は若い人のほうが2つの意味で有利だと思います。1つは、デジタルコミュニケーションに慣れているということ。もう1つは、目標設定をしやすい層であることです。

 40代前後の世代からみればドライで冷たいと感じるかもしれませんが、若手は「以心伝心」「あうんの呼吸」「背中で語る」などはっきりしていないことを察知して理解することを良しとしません。逆に言うと、明文化されているほうが働きやすい世代と言えるでしょう。

 つまり、テキストコミュニケーションやテレワークは学生や新入社員にとってポジティブな働き方なのです。これからの時代に合った働き方であり、マネジメントともいえるでしょう。そしてこの流れは今後さらに、若年層のリテラシーがより生かされる方向に向かい、若い人材が活躍できる時代になっていきます。逆に壮年層は取り残されないように変わっていかないといけなくなるでしょう。

■株式会社あしたのチーム会社概要
代表者  :代表取締役社長 髙橋 恭介( https://www.ashita-team.com/ )
本社所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX11F
事業内容 :・報酬連動型人財育成プログラム「ゼッタイ!評価®」
      ・人事評価クラウド「あしたのクラウド™HR」
      ・目標設定プログラム「あしたの履歴書™」
資本金  :5億9,010万円(資本準備金含む)
設立   :2008年9月25日