株式会社東測様
- 事業内容
- スリップリング及び電気応用各種機器の輸出入、製造販売
- 従業員数
- 10名
- 設立
- 1977年
- 所在地
- 神奈川県
- 課題
- テレワークで見えにくくなった、数字に表れない努力や貢献を評価したい。
課題
- 1 テレワーク下で社員の働きぶりが見えなくなり、数字に表れない頑張りを評価できなくなった。
- 2 離れて働くことで会社が大切にしている価値観の共有も難しくなった。
- 3 社員は“評価”と聞いただけで身構えてしまう、“評価ぎらい”の社風。
- 4 賞与は社長が一人で決めており、負担が大きかった。
解決
- 1 数字だけでなく行動も評価する仕組みで、“見えにくい努力や貢献”を評価できるようになった。
- 2 目標項目に会社が大切にしてほしい価値観を盛り込み、全社で同じ目標を共有して目指せるようになった。
- 3 “評価”と呼ばないプロジェクト名・点数化しないオリジナルの「ロゴマーク評価」で社員も楽しみながら取り組める仕組みに。
- 4 賞与算定のロジックを明確化し、社長の負担を軽減。
社員の皆さんと。前列左から2番目が髙井理奈社長
「評価制度」という言葉にアレルギーを持つ――そんな会社が、社員とともに新しい“納得の形”を模索しました。
スリップリングなど電気応用機器の製造・販売を手がける株式会社東測は、コロナ禍を機にテレワークを導入。見えにくくなった努力をどう認め、チームの一体感をどう保つかという課題に直面しました。
そこで選んだのが「あしたのチーム」の人事評価制度構築・運用支援。
導入から4年、同社の組織にはどんな変化が生まれたのでしょうか。
代表取締役社長の髙井理奈さんに、導入の背景と手ごたえを伺いました。
あしたのチームの人事評価制度を導入したきっかけと当時の状況を教えてください。
「数字では測れない努力を認めたい」──テレワークで見えなくなった“貢献”を可視化へ
きっかけはコロナ禍でテレワークを導入したことです。離れて働くことで社員の業務状況が見えづらくなり、業務の方向性がズレてしまうことや、個々の貢献が埋もれてしまうことがありました。
何より、会社として大切にしている価値観を共有するのが難しくなったんです。
そこで2022年4月、新たな評価制度「東測プロジェクト22」をスタートしました。名称に“評価”と銘打っていないのがポイントです。
数値目標(KPI)だけでなく、行動や姿勢といった“見えにくい努力”を評価できる仕組みを整えました。
新たな評価制度を一緒につくるパートナーにあしたのチームさんを選んだのは“数字に偏らず、行動を大切にする”スタンスが当社に合っていると思ったからです。
実は、うちは“評価”って言葉が大嫌いな会社なんです(笑)。社員も“評価”と聞くだけで身構えるようなところがあって。でも、“行動やプロセスを見ていく仕組み”なら、うちに合うかもしれないと思ったんです。
独自の評価制度「東測プロジェクト22」について詳しく教えてください。
「評価」という言葉を封印──“ロゴマーク”で楽しむ独自の仕組み
オリジナルの「ロゴマーク評価」
導入にあたって、まずこだわったのが言葉の選び方でした。
「評価制度」という名称ではうまく浸透しないと思って、あしたのチームの担当の方に「評価や評点って言葉を使わずに説明できませんか?」と相談したんです。
こうして誕生したのが、当社オリジナルの「ロゴマーク評価」です。評点を会社のロゴマークの完成度で示します。
ロゴが“欠けているとレベル1~3(未達)”、“完全なロゴだとレベル4(会社が求める基準を満たしている)”、期待以上の成果をあげた“レベル5~6は完全なロゴが2個、3個に”という仕組みです。
数字が苦手な文化の中でも、ロゴの完成度で、今どの段階かを直感的に共有できるようになりました。ゲーム感覚で楽しく取り組める点もうちの社風に合っていたと思います。
評価シートのことを当社では「プロジェクトシート」と呼んでいます。会社から付与する全社/職種共通の行動目標(コンピテンシー)には会社が社員に体現してほしいと思う項目を設定し、テレワーク下でも価値観を共有し方向性を合わせられるようにしました。
制度導入後、社員の方の反応はどうでしたか?
「面談で社長と話せるのがうれしい」──制度が生んだ“対話の時間”
共通のプロジェクトシートを用いた1on1は、立場に関係なく「今、何を目指しているか」を共有する場になっています。
みんな同じシートを使っているので、評価の基準が明確になったのもよかったと思います。「何をどう頑張ればいいのか」がわかることで、社員の表情が前向きになったと感じています。
制度導入後に最も大きく変わったなと思うのはコミュニケーションの量と質です。
以前は社員と仕事の話をする時間がなかなか取れなかったんです。
でもプロジェクトシートをベースに面談するようになってから、社員から「社長とちゃんと話せるのがうれしい」と言われるようになりました。
以前は「各社員と何を話しているのかわからない」と不安視されていた面談が、いまでは会社全体に透明性と納得感をもたらしています。
他にも変化はありましたか?
“賞与のロジック化”で社長の胃痛が解消?──負担軽減と納得感の両立
これは私自身のよかったことですが、評価制度を整備したら、経営側の負担軽減にもつながったんです。
以前は賞与のたびに悩んでしまって、正直、胃が痛くなるほどでした。でも、いまは評価項目をもとにロジックで算定できるようになり、納得感をもって支給できるようになりました。
また、プロジェクトシートで経営目標と個々の目標がつながって、社員が評価を単なる「点数つけ」ではなく「自分の貢献の証」と捉えられるようになったことで、これまでは経営層だけが見ていた売上や利益に社員も関心を持ってくれるようになったと感じています。成長する社員が増えそうで今後が楽しみです。
評価制度導入から4年が経ちましたが、最近の状況はいかがですか?また今後どうしていきたいとお考えですか?
“やらされる評価”ではなく、“一緒に作る仕組み”へ──社員の主体性を育む次の一歩を踏み出したい
プロジェクト(評価制度)は定着していて、最近は社員から制度改善の提案が上がるようになりました。
「業務改善テーマをフリーにしたい」「プロジェクトシートを自社の現状に合わせて変更したい」など、積極的に声が上がるんです。
最初は“評価なんて嫌だ”と言っていた人たちが、いまは“こうしたらもっと良くなる”と意見を出してくれるようになるなんて、本当に驚きだし、うれしいです。
今後は、売上と報酬の連動をより明確にし、成果を公平に還元できる仕組みづくりに取り組む予定です。
また、長年勤める社員をリーダーに任命し、チーム運営を任せていく構想も進行中です。
評価制度を“やらされるもの”から、“自分たちで育てる仕組み”へと変えていけたらと思っています。
最後に、今後あしたのチームに期待することをお聞かせください。
制度づくりの過程からいままでずっと、あしたのチームのコンサルタントの方が伴走してくださり、きめ細かいサポートをしていただいています。みなさんとても熱意があって、相談などをしたときも、いつも寄り添ってくれるのでありがたいです。
特に担当コンサルタントの方には本当におんぶに抱っこで(笑)。
スケジュール管理やSlackでのリマインドも丁寧にしてくださって、無理なく、でもきちんと運用を続けられています。
単に制度を“入れる”のではなく、“会社と一緒に育てる”というスタンスがありがたいですね。
今後はプロジェクトシートを中期事業計画の共有に近いものにレベルアップして、さらに組織の一体感を高めたいと考えているので、その過程もぜひ一緒にお願いしたいと思っています。
