人事評価システムとは?活用するメリットと機能性・導入のポイント

人事評価システムとは、自社の人事評価制度にもとづいて、人事評価や関連業務を効率的に実施するためのシステムを指します。人事評価業務は複雑で労力がかかる作業も多く、スムーズな運用のためにシステム化は重要です。

本記事では人事評価システムを活用するメリットと機能性、導入のポイントについて解説します。

人事評価の課題

人事評価システムについて解説する前に、人事評価システムの課題を振り返りましょう。ここでは5つのポイントを紹介します。

MBO(業績成果目標)の活用

人事評価制度でMBOを導入している場合、制度を機能させるには課題があります。

MBOとは、経営目標や部門目標と連動させて社員の個別目標を設定し、本人と上司が連携しながら目標達成に向けて着手する取り組みです。

これは当期目標に対する達成度合いを評価軸にするため、目標が達成できなかった場合は評価は厳しいものにならざるを得ず、社員のモチベーションが低下しやすいという側面があります。

特に、近年は購買活動が低迷していたところに新型コロナウイルスの影響が重なり、営業目標などについては未達が発生しやすい状況です。

業績アップを目指すためには、成果を評価する成果主義的な側面は必要ですが、社員のモチベーションを保つような人事評価制度の構築も欠かせません。

社員のモチベーション向上

人事評価制度によって、社員のモチベーションの向上を促すことも課題です。人事評価は、待遇や人事異動にも関わるため、社員への影響は少なくなりません。

よい人事制度であれば、社員のやる気を引き出す可能性もある一方で、人事制度が良くなければ悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。

例えば、あまりに成果主義的な側面が強い制度の場合、意欲や勤務態度が優れていても成果を出さなければ評価されず、やる気を無くしてしまう結果にもなりかねません。

会社の風土や業務内容に応じて、モチベーションのアップに繋がる人事制度を構築することは重要な課題なのです。

社員の業績アップ

モチベーション向上と関連して、社員の業績アップを促すことも課題です。

社員のパフォーマンスを向上させるにはモチベーションを保つことが不可欠ですが、先述の通り人事制度によってモチベーションを向上させることは簡単ではありません。

また、社員のやる気を出させることに成功したとしても、社員の意識を業績に集中させて実際に成果を出させ続けることも容易ではないのです。

例えば、人事評価で個人の成果ばかりを評価すると、個人主義的になって協調性が損なわれてしまい、むしろチームワークが発揮できずに成果も出せないという状況に陥る可能性もあります。

やる気や業績を高める人事評価制度作りは常に模索していく必要があるのです。

人事評価業務の効率化

人事評価業務を効率化することも課題です。

もともと人事評価業務は多くの手間を必要とします。社員一人ひとりの目標や達成度、取り組み方や勤務態度などさまざまな項目について、上司や人事担当者が協議した上で1つの評価を下さなければなりません。

数多くの項目を評価することだけでも労力を要するのに加えて、場合によっては何人もの評価者が評価をすり合わせる必要があります。特に、評価業務がシステム化されておらず、ファイルや手書き書類でやりとりしている場合には手間は膨大なものになってしまうのです。

人事評価は、評価方法の規格化や情報管理のスムーズ化など、業務効率化の工夫が求められます。

企業理念の浸透

企業理念を浸透させることも課題です。

企業理念は、社員一人ひとりの考え方や仕事への取り組み方に影響し、組織風土を形成する土台となります。

しかし、実際には企業理念がただのシンボルになってしまい、社員の意識にまで企業理念が浸透していないというケースも珍しくありません。これでは企業理念の徹底はおろか、社員の意識統一も難しいでしょう。

人事評価制度を適切に用いれば、企業理念に合致する社員の行動を評価し、そぐわない行動には改善のフィードバックを与えることで、企業理念の浸透を図ることが可能です。経営者や人事担当者としては、人事評価をどのように機能させるかが課題となります。

人事評価システムとは?導入メリット

人事評価システムとは、組織の人事評価制度にもとづいて、人事評価や付随する業務を正確かつ効率的に実施するシステムです。ここでは人事評価システムを導入するメリットを紹介します。

評価業務が効率化する

人事評価システムの最大のメリットの1つは、人事評価業務の効率化です。

人事評価では、社員のスキルや勤務態度などさまざまな評価項目に対して、複数の評価者がそれぞれ評価する必要があり、手続きが煩雑になることがあります。

しかし、人事評価システムでは評価項目を事前に設定することが可能で、評価者が個別に要点を整理する手間がありません。また、クラウド型のシステムであれば、評価データを紙やファイルでやりとりするといったコミュニケーションの手間も削減できるのです。

評価方法を統一できる

評価方法を統一できる点もメリットです。

人事評価は、評価者によって評価項目や評価基準がバラバラで、評価方法にブレが出てしまうということもあります。

しかし人事評価システムでは、システム上で評価項目、基準、時期、属性、根拠データなどを定めることで評価方法を規格化することが可能です。評価者によるブレを極力抑えて、組織として一貫性のある人事評価を実現できます。

社員の働く動機付けができる

社員の働く動機付けができるメリットもあります。

人事評価は、評価される側の処遇に大きく影響するものですが、どのような業績や行動が評価されるのかが不明であったり評価基準が曖昧であったりすると社員がモチベーションを保つのは簡単ではありません。

人事評価システムによって、評価項目や評価基準が定められていれば、社員がどのように項目を意識すればよいのかが分かり、評価にも納得感が生まれるでしょう。透明性の高い人事評価によってモチベーションの向上に繋がるのです。

人材採用・人材開発へも応用可能

人事評価システムに蓄積されたデータは、人材採用や人材開発にも役立たせることができます。

人事評価システムには過去の評価履歴が蓄積され集計もできるため、個別社員の成長の実績や成績優秀者に共通して見られる特徴などを洗い出すことも可能です。こういったデータを活用すれば、人材採用において求人者のどのような資質に注目すればよいのか、人材開発においてどのようなスキルを伸ばすべきなのか参考になります。

人事評価システムの導入の流れ

人事評価システムを導入する4つのステップを紹介します。

現在の人事評価の課題を整理する

まずは現状の人事評価の課題を整理します。人事評価システムを導入すれば業務効率化や評価方法の統一などさまざまな効果が見込めるのは確かですが、自社の課題が定まっていなければ最適なシステムを選ぶことは困難です。

必要な機能を特定する

人事評価システムに盛り込みたい機能を絞り込みます。人事評価システムはいくつか種類があり、実装できる機能も豊富です。

つまり、必要な機能を盛り込んだシステムを導入すれば大きな武器になる反面、求めるものが不明確であれば余分な機能も盛り込んで予算も膨らんでしまいます。

導入形態を選択する

人事評価システムにはクラウド型とオンプレミス型の二種類があるため、どちらかを選択します。オンプレミスは自社内にシステムを構築する方法で、自由度が高い点が特徴です。クラウド型は導入が低コストかつ短納期という特徴があります。

複数製品を比較する

必要条件が定まった後は、複数の製品を比較します。料金形態や納期、機能性などのポイントから、自社に最適な製品を選びましょう。

人事評価システム導入の課題

人事評価システムを導入する際には課題もあります。

人事評価システムはただ導入すればよいというものではなく、システム化にあたって評価制度そのものの見直しも必要です。

また、システム化することを社内に周知したり、導入後に使用する社員がシステムを使いこなせるように教育を施したりなど、さまざまな課題もあります。

人事評価システムを用いた人事評価の方法を社内に浸透させなければならないため、システムを選ぶ際は、機能面だけでなくサポート面にも注目する必要があるのです。

導入から運用定着まで徹底サポートするクラウド型人事評価システム

人事評価業務は複雑で数多くの労力がかかるのが普通です。そこで人事評価システムを活用すれば、業務効率化や評価方法の統一が実現できます。評価制度の透明性が増すことで社員のモチベーション向上にも繋がり、人事評価データの蓄積を人材採用や人材開発に応用することも可能になるでしょう。

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