プロジェクトアリストテレスとは?Googleが導いたチーム生産性向上の5つの柱

2012年にGoogleが調査を行った「プロジェクトアリストテレス」。生産性が高いチームの共通点を発見するプロジェクトということで、あらゆる業界の企業から注目を浴びました。しかし、このプロジェクトを理解・意識している企業はまだまだ少ないのが現状です。

この記事では、プロジェクトアリストテレスに関心がある人事担当の方に向けて、用語解説やプロジェクトの内容を解説しています。記事を読めばGoogleが導いた結論も把握できるので、自社の生産性向上にぜひお役立てください。

プロジェクトアリストテレスとは?

プロジェクトアリストテレスは、2012年にGoogleが発表した企業向けリサーチです。

プロジェクトの目的は、生産性の高い「効果的なチームの条件」を調査して、定義づけること。古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの言葉、「全体は部分の総和に勝る」にちなんで、「Project Aristotle」と名付けられました。

このプロジェクトの研究者もアリストテレスと同じく、「従業員は単独ではなくチームで働いた方が大きな成果を上げられる」と考えています。Googleはこれまでに、「優れた上司の条件」など労働環境における様々な問いを突き止めてきました。

あらゆる業務に携わるチームは数百に及び、やはりその中でも「生産性の高いチーム」と「生産性の低いチーム」に分かれたようです。生産性アップの成功ポイントを見つけ出すことで、Googleはもちろん、世界中の企業がより良い働き方を提唱できるようになるでしょう。

Googleが定めた「効果的なチーム」とは

「効果的なチーム」について、Googleのリサーチチームは以下の4つの観点を重視しています。

  1. マネージャーによるチームの評価
  2. チームリーダーによるチームの評価
  3. チームメンバーによるチームの評価
  4. 四半期ごとの売上ノルマに対する成績

Google社内のチームについて定義づけたリサーチチームは、続いて「チームの効果性を定量的に測る方法」を調査しました。

書いたコード数やバグの修正数、顧客満足度といった指標を検討する中で、チームリーダーは当初、「チームの生産性を客観的に測る指標」を重視していました。しかし、その過程で「指標が本質的に不完全であるかもしれない」という可能性に気づいたのです。

書いたコード数が多くてもハイクオリティとは限らず、そもそも修正数が多いということはバグが多発していたと言えるからです。その後、リサーチチームは「定性的な評価」と「定量的な指標」を組み合わせる方へとシフトしました。

定性的な評価では、「マネージャー」「チームリーダー」「チームメンバー」という3つのポジションからの意見や尺度を収集し、チームを評価するように依頼。評価について解説をしてもらう中で、ポジションによって評価の指標が異なることが判明しました。

マネージャーが、チームの生産性を測るために最も重要だと考えた指標は、売上高やサービス立ち上げなどの「結果」でした。チームリーダーは、当事者意識やビジョン、目標など「大局的な問題と個人的な問題」の両方、チームメンバーは「チーム内の文化と風土」が重要であると考えました。

このように、定性的な評価にはどうしても主観が入り込んでしまいます。定量的な指標は、ポジションごとの事情を考慮できないかわりに、チームの生産性を具体的に図る物差しとなります。

効果的なチームの条件を的確に判断するには、4つの指標を組み合わせることが大切なのです。

プロジェクトアリストテレスの進め方

多種多様なチームをリサーチするにあたり、Googleは世界各国のマネージャーから情報収集を行いました。最終的にリサーチ対象となったのは、大きく分けてエンジニアリング系の「プロジェクトチーム」と「営業チーム」です。

合計180のリサーチ対象には、業績の高いチームと低いチームが混在しています。リサーチしたのは、メンバーの性格やスキル、年齢、性別といった人口統計学的な属性から見る「チームの構成」と、チームメンバーの関係性が作用する「チームの力学」です。

この2点がチームの効果性にどのように影響するのか調べる過程で、Google自身の経験や既存のリサーチ研究結果も活用されました。始めに行われたのは、チームリーダーを対象とした二重盲検式のリサーチです。「チームの効果性を向上させる要素」として設けられた質問に、被験者であるチームリーダーらは以下のように回答しました。

チームの力学: チーム内で異論を唱えることに不安を感じない。
スキル: 自分は課題や障壁をクリアするのが得意である。
性格的な特性: 自分は信頼の置ける社員である(性格診断のビッグファイブ理論より)。
感情的知性: 他人が抱える問題には関心がない(トロント大学の共感性に関する質問票より)。

あわせて、在職期間や職務レベル、勤務地などのメンバー属性に関する変数も収集しました。

これらの回答と既存のリサーチデータを照らし合わせると、チームの効果性に最も重要なのは「チームメンバーの構成」よりも「チームがどのように協力しているか」であることが分かりました。

つまり、優秀な人材を集めただけでは生産性の高いチームは生まれず、チームがどのように協力して仕事に取り組んでいるかが重要なのです。

Googleが導いたチーム生産性向上の5つの柱

あらゆるリサーチを実施した上で、Googleが導いた「チーム生産性向上の5つの柱」について解説していきます。

生産性が高まる理由が具体的に分かれば、自社の生産性向上のカギも見つかるのではないでしょうか。

心理的安全性(Psychological safety)

心理的安全性とは、対人関係において自身への信頼度が低下するような行動を取った時の「結果」に対する安心感や認知の仕方を指します。

つまり、相手に「無知」「無能」「邪魔」といったネガティブな印象を与えるような行動をしてしまっても、「このチームなら大丈夫だ」と信じられるメンタル状況を意味します。

心理的安全性の高いチームに所属している場合、他のメンバーと接する中で生じるリスクに不安を感じません。それは無責任になるということではなく、自分の過ちを素直に認めたり、気軽に質問をしたり、積極的にアイデアを提案したりできるということです。

「誰も自分を馬鹿にしない」と信じあえるチームは、生産性も高いと考えられます。

信頼性(Dependability)

お互いに信頼しあっているチームのメンバーは、各自の仕事をハイクオリティかつ時間内に仕上げる傾向があります。

それに対して、相互信頼の低いチームに所属するメンバーは、自分の責任や業務を他のメンバーに押し付けるケースがあります。

つまり、プロジェクトアリストテレスにおける信頼性とは、互いを信じあえるチームで働くことで人材は自らの仕事に責任感や自信を持てるようになるということ。チームの生産性も自然と向上することでしょう。

構造と明瞭さ(Structure & clarity)

チームに高い生産性を求めるにあたり、「職務や業務において要求されていること」「要求を満たすためのプロセス」「メンバーの働きによる成果」を明瞭にし、さらに各メンバーがその構造を理解している必要があります。

個人やチーム全体で目標を設定する際は、モチベーションを維持できて、なおかつ具体的で達成可能なレベルでなければなりません。

Googleでは、短期的・長期的な目標をそれぞれ設定して、メンバーに周知する「目標と成果指標(OKR)」という手法が広まっています。

仕事の意味(Meaning of work)

チームの生産性をアップさせるためには、「仕事」と「仕事の成果」に対して目的意識を持たせる必要があります。

仕事の意味とは、「経済的な安定を得るため」「家族を支えるため」「チームの成功を助けるため」「自己表現をするため」など、人それぞれです。

仕事の意味を強く感じられるチームで働くことで、業務中のやりがいだけでなく、働きに応じて得られる成果も大きなものとなります。

メンバー全員が自分の仕事に意味を見出すことができれば、仕事に対するモチベーションも継続して保たれることでしょう。

インパクト(Impact of work)

生産性の高いチームを作るにあたって、「自分の仕事には意義がある」とメンバーが主観的に思えるかどうかも重要です。

「個人の働きがチームや社内全体の目標達成に貢献している」ということをツールなどで可視化して、メンバーが仕事のインパクトを把握できるようにしましょう。自分の仕事には意義があり、社会に対して良い変化をもたらすものだと思えることが大切です。

(参照先)Google

「効果的なチームとは何か」を知る |Google

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