人事評価シートとは?目的や作成時の4つのコツ、書き方まで解説【テンプレートつき】

「自社に合う人事評価シートの作り方が分からない」

「社員のやる気を引き出す評価シートの書き方を知りたい」

このような悩みを持つ人事・評価制度の担当者も多いのではないでしょうか。

人事評価シートは、社員の能力や成果を公平に判断し、成長を促すための重要な仕組みです。

しかし、評価基準が曖昧なまま運用すると、評価への不満が生まれ、モチベーション低下や組織全体の停滞を招く可能性があります。社員の納得感を高めるためには、目的に沿った評価設計が欠かせません。

本記事では、人事評価シートを導入する目的や基本的な考え方、作成時に押さえるべきポイント、具体的な項目例について分かりやすく解説します。

人事評価制度の見直しや再構築を検討している方は、ぜひ「あしたのチーム」の資料もご覧ください。

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人事評価シートとは?

人事評価シートとは?

人事評価シートとは、従業員の業務成果や行動態度、スキルの習熟度などを多角的に評価するための記録・確認用ツールです。上司や人事担当者が評価する際の指標が明確になると、評価の属人化や不透明さを防ぎ、組織として一貫性のある判断が可能となります

企業によっては、自己評価欄や今後の目標設定欄を設けているケースもあり、評価の一方通行を防ぐ仕組みも整えられています。

評価シートは給与査定や昇進・異動の判断材料となるだけでなく、本人にとっても自分の強みや課題を整理する機会となります。単なる提出書類として扱うのではなく、自身のキャリアを振り返り、次のステップを考えるきっかけとして活用することが重要です。

人事評価シートを導入する5つの目的

人事評価シートを導入する5つの目的

人事評価シートを導入する背景には、組織の生産性を最大化するための重要な狙いがあります。主な目的は以下の5つです。

  • 評価基準を明確にして公平な人事評価を行うため
  • 社員が会社からどのような評価を受けているか確認するため
  • 社員のモチベーションアップのため
  • 会社と社員の成長のため
  • 組織の方針や価値観を浸透させるため

各目的を詳しく見ていきましょう。

評価基準を明確にして公平な人事評価を行うため

人事評価シートを活用する目的のひとつは、評価の公平性を保つことです。個人の主観だけで判断を行うと、評価される側に不満が残りやすく、モチベーションの低下や職場の信頼関係に影響を及ぼしかねません。

人事評価シートを用いると、評価対象の項目や基準が明文化され、誰が評価しても一定の判断軸に基づく評価が可能になります

公正な評価は従業員の納得感や信頼感を生み、組織全体のエンゲージメント向上にもつながります。

社員が会社からどのような評価を受けているか確認するため

人事評価シートは、従業員自身が会社からどのように見られているかを知る、重要な手段でもあります

どれだけ頑張っても正当に評価されていないと感じれば、従業員のモチベーションは下がり、離職リスクの増加にもつながりかねません。

評価の根拠が明確に示されていれば、納得感が生まれやすく、信頼関係の構築につながるでしょう。

評価シートには、達成した業績やスキルの伸長、組織貢献度などが具体的に記載されるため、自分の成長や弱点の客観的な把握が可能です。評価者のコメントやフィードバックが記録として残る点も、次に何を意識して取り組めばよいかを考えるうえで役立ちます

社員のモチベーションアップのため

人事評価シートは、社員のやる気や自己成長意欲を引き出すためのツールとしても有効です。人は自分の努力や成果が正しく認められたときに、大きな充実感が得られます。

評価シートを通じて何が評価され、どこが期待されているのかを明確にすることは、日々の業務への意欲を高めるうえで欠かせません。

また、評価結果が単に給与や昇進に反映されるだけでなく、具体的なフィードバックや次の目標設定につながっていれば、「成長できている」という実感を持てるでしょう

これは若手社員に限らず、中堅層や管理職にとっても同様で、継続的な成長意欲の土台となります。一方で、適切な運用がされなければ「不透明な評価」として逆効果になる可能性もあります。

会社と社員の成長のため

人事評価シートは、社員一人ひとりの成果を評価するためのツールであると同時に、会社全体の成長戦略を支える基盤でもあります。

評価を通じて見えてくる個々の強みや課題は、育成計画や適材適所の配置に役立ち、組織力の底上げにつながります

一方、社員にとっても評価シートは、自分の現在地を客観的に知り、次に進むべき方向を考える手がかりとなるでしょう。

自身の努力がどう評価されているかを知ることで、納得感をもって成長意欲を持ち続けられるようになります。さらに、組織が一貫した方針で評価を行うことで、個人の成長と会社の方向性のすり合わせが可能です。

組織の方針や価値観を浸透させるため

人事評価シートは、会社が重視する行動や価値観を全社員へ共有する手段としても有効です。会社が求める人物像を評価項目として明示することで、社員はどのような振る舞いが推奨されるのかを理解できます。

例えば「挑戦」を掲げる会社なら、失敗を恐れず行動したことを評価項目に入れることで、組織文化が浸透しやすくなります。言葉で伝えるだけでなく、評価という形で見せることで、社員の意識は自然と変化するものです。

人事評価シートを継続的に用いることで、組織として大切にしたい考え方が日常業務の中に定着していきます。共通の価値観をもつ強い組織を作るために、評価項目を戦略的に活用してください。

人事評価シートの主な3つの評価項目

人事評価シートの主な3つの評価項目

人事評価シートで使われる評価項目は、企業によってさまざまですが、基本となるのは以下の3つの項目です。

  • 業績評価(成果・実績を評価)
  • 能力評価(スキルや知識を評価)
  • 情意評価(態度・姿勢を評価)

これら3つの項目をバランス良く組み合わせることで、従業員の多面的な評価が可能になります。それぞれの評価項目が何を見ているのか、具体的に解説します。

評価制度の作り方について、さらに詳しくしりたい場合は、こちらの記事も参考にしてください。

関連記事:人事評価制度の項目と評価基準を考えると絶対評価がいい?

業績評価(成果・実績を評価)

成果基準とは、社員が一定期間内にどのような業績や成果を上げたかを評価する指標です。売上・契約数・プロジェクトの達成度・コスト削減の効果など、比較的数値で示しやすいアウトプットが対象となります。

評価が明確で納得感が得られやすいことから、多くの企業で評価軸の中心に据えられています。

この基準のメリットは、実績に基づく客観的な判断が可能になる点です。努力の過程ではなく結果を重視するため、目標に対してどれだけ成果を出せたかが明確に示され、社員にとっても「どこを目指せばよいか」が分かりやすくなります。

ただし、成果だけを評価の基準とする場合、短期的な結果ばかりを追い求めるようになり、プロセス軽視や無理な働き方を招くリスクもあります。他の評価基準とバランスを取りながら活用することが求められるでしょう。

成果基準は「ゴールの指標」として非常に重要ですが、社員の行動や取り組み姿勢と合わせて多面的に評価する姿勢が不可欠です。

能力評価(スキルや知識を評価)

能力基準とは、業務を遂行するうえで必要なスキルや知識、思考力などを評価する項目です。

成果に直結する能力だけでなく、問題解決力や情報整理力、専門知識の深さ、ITリテラシーなどが評価対象となります。役職や職種ごとに求められる能力が異なるため、企業ごとに独自の評価項目が設計されることもあるでしょう。

この基準を取り入れると、成果にはまだ結びついていない成長段階の努力や、周囲からは見えにくい専門性への習熟度なども評価可能となります。特に中長期的な人材育成の観点では、能力の可視化と継続的な伸長を促すうえで非常に重要な指標です。

一方で、評価者による判断のばらつきが生じやすい点には注意が必要です。主観的な印象で評価してしまうと、不公平感や納得度の低下を招く恐れがあります。

評価項目ごとに行動例やレベル分けを明示し、できる限り具体的な根拠に基づいて判断する仕組みが求められます。

情意評価(態度・姿勢を評価)

情意基準とは、業務に対する姿勢・責任感・協調性・積極性など、主に内面的な態度や意識を評価する指標です。「どのような心構えで仕事に取り組んでいるか」「周囲と良好な関係を築いているか」など、数値では測れない要素を定性的に評価します。

情意基準では、業績やスキルだけでは見えにくい、組織文化への適応度や職場での信頼関係といった重要な側面に目を向けられるでしょう。

たとえば、チームへの貢献意欲・改善提案への積極性・誠実な対応などが評価対象となる場合があります。

ただし、評価が抽象的になりやすく、評価者の主観に左右されやすい点には注意が必要です。「感じが良い」「頑張っていそう」といった印象評価に留まらないよう、事実に基づいた行動記録や、具体的な言動に基づいたフィードバックが求められます。

本人評価と評価者評価の違い

人事評価シートでは、自己評価(本人評価)と上司などによる評価(評価者評価)の両方を記載する形式が一般的です。これにより、社員自身の視点と第三者の視点の両面から評価内容を把握できるため、より立体的で納得感のある評価が可能になります。

本人評価の目的は、自分の業務に対する振り返りと成長実感の整理です。

自身で目標達成度や課題への取り組みを言語化すると、自己認識が深まり、次の行動につなげやすくなります。また、自己評価は、上司との面談の土台にもなるでしょう。

一方、評価者評価は、上司や管理職が業務遂行状況や組織への貢献を客観的に評価するパートです。

ただし、両者の評価に大きな乖離があると、評価結果への不信感や不満が生まれやすくなるため、面談などを通じたすり合わせが重要です。

本人評価と評価者評価をセットで行うと、単なる「通知」の場ではなく、成長に向けた建設的な対話の機会へとつなげられます。

人事評価シートを作成する際の4つのコツ

人事評価シートを作成する際の4つのコツ

実人事評価シートを形骸化させず、組織の力に変えるためには作成段階での工夫が欠かせません。

人事評価シート作成のコツを以下にまとめました。

  • 社内の職種・階層に合わせた設計を行う
  • 評価基準と指標を明確にする
  • プロセス評価も取り入れる
  • 評価結果をフィードバックに活用する

各コツの詳細を見ていきましょう。

社内の職種・階層に合わせた設計を行う

人事評価シートを作成する上で最も重要なのは、社内の実態に合わせることです。特に、職種や職位(役職や等級)によって、会社が求める能力や成果は大きく異なります。

例えば、営業職に求められる「交渉力」と、事務職に求められる「正確性」では、評価の重点が違います。全社員共通の一律の評価シートを使用することも、実態に合わない評価項目が生まれ、従業員の納得感が低下する原因です。

まずは社内の職種や役職の構造を整理し、それぞれのポジションにどのような役割や成果を期待するのかを定義しましょう。その上で、役割に応じた評価基準や項目を設定することが、公平な評価に重要です。

評価基準と指標を明確にする

評価基準が曖昧だと、評価者の主観によって評価がブレてしまい、従業員の不満につながりやすくなります。従業員が「何をすれば評価されるのか」を理解できなければ、行動の改善も期待できません。

評価項目は、前述した「成果」「能力」「情意」の3つの軸を基本に設定します。その際、できるだけ数値化できる項目を優先的に設定することがおすすめです。

例えば、「協調性」という曖昧な項目ではなく、「チームのミーティングで月1回以上、業務改善の提案を行ったか」のように、具体的な行動レベルまで落とし込みましょう。また、各項目が評価全体に占める割合(ウェイト)を明記することも、評価の透明性を高める上で役立ちます。

プロセス評価も取り入れる

人事評価では、売上や契約件数といった「結果(成果)」だけに着目しがちです。しかし、結果が出るまでの「過程(プロセス)」も評価対象に含めることが重要です。なぜなら、すべての職種が明確な数値目標を設定できるわけではないからです。

例えば、総務や人事といった管理部門の仕事は、すぐに数字に表れない貢献も多くあります。また、結果は外的要因(市場の変動など)に左右されることもありますが、プロセスは本人の努力が反映されやすい領域です。

具体的な取り組みの過程や姿勢、例えば「業務改善のための提案」や「チームへの積極的な協力」「新しい知識の学習姿勢」などを評価項目に加えましょう。

プロセス評価を明示することで、たとえ失敗したとしても、その挑戦から学ぶ文化を育て、社員の主体的な行動を促せます。

評価結果をフィードバックに活用する

作成したシートの評価内容は、必ず社員へのフィードバック面談に活用し、成長の糧にさせることが重要です。

評価を単なる「点数付け」で終わらせてはいけません。良かった点や課題を言葉にして伝えることで、社員は自分の現状を正しく理解できます。面談を通じて「次はこう動こう」と具体的な改善策を話し合うことが、行動の変化や成果の向上に直結します。

一方通行の通知ではなく、対話を通じて次期の目標や育成方針を共有してください。評価結果を未来の行動へつなげる仕組みこそが、人事評価シートを導入する真の価値といえます。

人事評価シートの項目と書き方【職種別の記入例付き】

人事評価シートに記載する評価項目や書き方は、職種によって求められる役割が異なるため、それに合わせて変える必要があります。ここでは、主な4つの職種について、評価項目と書き方の例を紹介します。

  • 営業職の評価項目と書き方
  • 事務職の評価項目と書き方
  • 技術職・専門職の評価項目と書き方
  • 管理職の評価項目と書き方

職種ごとの特徴を理解し、適切な評価シートを作成する参考にしてください。

また、具体的な例文について、さらに詳しく知りたい場合は、こちらの記事も役立ちます。

【例文あり】人事評価コメントの書き方を職種ごとに紹介!目的や評価軸もあわせて解説 | あしたの人事オンライン

営業職の評価項目と書き方

営業職は、会社の売上に直結する職種のため、成果評価が中心となります。評価項目の主軸は、「売上高」「契約件数」「新規顧客獲得数」といった数値目標です。

自己評価では、「売上目標1億円に対し、1.2億円(達成率120%)を達成した」「前年比で新規顧客数を15%増加させた」のように、定量的な事実を明確に記載します。

ただし、数字だけがすべてではありません。成果に至るまでの過程(プロセス)も評価対象です。「顧客への訪問回数」「提案資料の作成数」「顧客満足度アンケートの結果」などもプロセス評価の項目として設定されます。

上司がコメントを書く際は、たとえ売上が未達成だったとしても、「紹介案件の獲得数」や「既存顧客への丁寧なフォローによる関係構築」といった、数字に表れにくい貢献を評価することが、部下のモチベーション維持につながります。

評価の軸主な評価項目(例)
成果評価売上高、契約件数、新規顧客獲得数、利益率
能力評価交渉力、企画提案力、実行力、スケジュール管理能力
情意評価責任感、積極性、顧客対応の姿勢
プロセス評価訪問件数、商談数、顧客フォローの質

事務職の評価項目と書き方

事務職は、営業職のように明確な数値目標を設定しにくい職種であるため、成果を数字で測る「定量評価」と、行動や姿勢を評価する「定性評価」の両方の指標を設けることが重要です。

主な評価項目は、「業務の正確性(ミス件数)」「業務の迅速性(処理スピード)」「業務改善提案数」「コスト削減への貢献」などです。

自己評価のコメント例としては、「受発注システムの入力ミスを月平均5件から2件に削減した」「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼ばれる自動化ツールを導入し、定型業務の時間を月20時間削減した」など、具体的な改善結果を記載します。

上司は、個人の業務効率だけでなく、「チーム内での連携」や「他部署との円滑なコミュニケーション」といった、組織全体の業務をスムーズにするための貢献度も高く評価する傾向にあります。

評価の軸主な評価項目(例)
成果評価業務改善によるコスト削減額、残業時間の削減率、ミス件数の削減
能力評価業務知識、PCスキル、問題解決力、スケジュール管理能力
情意評価協調性、責任感、正確性、規律性
プロセス評価業務改善の提案数、他部署との連携姿勢

技術職・専門職の評価項目と書き方

技術職や開発職、製造職といった専門職は、成果に至るまでの技術力や専門知識、そして業務プロセスが評価項目です。

主な評価項目には、「業務の正確性」「スケジュール管理能力」「企画力」「専門技術のレベル」などがあります。成果面では、「納期遵守率」「開発プロジェクトの進捗度」「コスト削減率」「品質向上率(不具合率の低減)」が指標です。

自己評価の例文としては、「担当プロジェクトにおいて、工程の見直しを行い、開発コストを計画比で10%削減した」「作業手順を改善し、1人あたりの作業時間を5%短縮した」「担当製品の不具合率0件を1年間維持した」といった、具体的な成果をアピールします。

上司は、個人の技術力だけでなく、「後輩への技術指導」や「他部署と連携して新製品開発に貢献した点」なども評価の対象とします。

評価の軸主な評価項目(例)
成果評価納期遵守率、コスト削減率、品質向上率(不具合率)、開発進捗度
能力評価専門知識、技術力、問題解決力、企画力、正確性
情意評価責任感、探求心、協調性
プロセス評価工程改善の提案、後輩指導、他部署との連携

管理職の評価項目と書き方

管理職(マネージャー)は、個人の実務能力よりも、チームや部署全体の成果を最大化する能力が重視されます。

評価項目は、「リーダーシップ」「部下の指導・育成能力」「企画力」「実行力」「経営方針の理解度」などが中心です。

業績評価では、個人の売上といった数値ではなく、「チーム全体の目標達成率」「部署の生産性向上率」「部下の育成成果(昇進者数やスキルアップ度合い)」が判断材料となります。

上司(経営層など)がコメントを書く際は、単にチームの業績が良いか悪いかだけでなく、「部下のモチベーションを高め、チーム全体の士気を向上させた姿勢」や、「経営方針を正しく理解し、チームを統率した点」を評価します。管理職には、組織の目標と現場の行動をつなぐ重要な役割が必要です。

評価の軸主な評価項目(例)
成果評価チーム目標達成率、部署の生産性、部下の育成成果
能力評価マネジメント能力、意思決定力、課題解決力、指導育成力
情意評価責任感、リーダーシップ、方針理解度
プロセス評価部下との面談実施、チーム連携の推進、士気の向上

人事評価シートの記載時に被評価者の意識が必要な4つのポイント

人事評価シートを効果的に運用するためには、被評価者に以下のポイントを意識してもらうことが重要です。

  • 過大・過小評価を避けた等身大の評価を記載する
  • 客観的な事実に基づいて記載する
  • 簡潔で分かりやすい文章を意識する
  • 課題や改善点を前向きに記載する

各ポイントを詳しく説明していきましょう。

過大・過小評価を避けた等身大の評価を記載する

人事評価シートを有効に運用するためには、自己評価は自己主張や謙遜の場ではないことを、人事担当者が事前に明確に伝える必要があります。成果や行動の事実を基準に振り返る姿勢が重要であり、印象や感情で書かないよう指導することが欠かせません。

過大評価は客観性を欠く印象を与えやすく、過小評価は強みや成長課題を見えにくくします。人事担当者は「高く書くこと」「低く書くこと」が目的ではない点を説明しましょう。

業務内容、行動、結果を整理して記載する例を示し、等身大の表現を促すことで、評価の納得感と制度への信頼性が高まります。

客観的な事実に基づいて記載する

人事評価シートを適切に運用するためには、被評価者に主観的な感想ではなく、客観的な事実を記載する重要性を人事担当者が明確に指導する必要があります。「頑張った」「意識した」といった表現だけでは、評価者が成果や貢献度を正確に判断できません。

そのため、数値や件数、具体的な行動内容など、第三者が見ても同じ解釈ができる情報を書くよう伝えましょう。

あらかじめ記載例を示すことで、被評価者の理解が深まり、評価基準のブレを防げます。事実に基づく記載が徹底されることで、公平で納得感の高い評価運用につながります。

簡潔で分かりやすい文章を意識する

人事評価シートを円滑に運用するには、被評価者に対して「分かりやすさ」を重視した記載を人事担当者が指導することが重要です。冗長な表現や抽象的な言い回しは、評価者の理解を妨げ、判断のばらつきを生む原因になります。

結論から書き、一文を短くまとめること、誰が読んでも理解できる平易な表現を使うことを具体的に伝えましょう。不要な接続詞や重複表現を削るよう促すことで、評価者の確認負担も軽減されます。簡潔な文章は、評価の公平性と効率を高めるうえで欠かせません。

課題や改善点を前向きに記載する

人事評価シートを育成に活かすためには、課題や改善点は減点要素ではなく成長機会であると人事担当者が明確に伝えることが重要です。被評価者には、弱みや失敗を隠さず記載する姿勢が評価や支援につながる点を事前に説明しましょう。

結果のみを書かせるのではなく、原因、改善に向けた工夫、次に取る具体的な行動まで記載するよう指導することが大切です。前向きな表現を促すことで評価面談が建設的になり、育成施策や会社からのサポートにつなげやすくなります。

人事側が記載意図を共有しておくことが制度定着にも有効です。育成視点での運用を徹底しましょう。

人事評価シートを導入・運用する際の2つの注意点

人事評価シートを導入・運用する際の2つの注意点

人事評価シートを導入・運用する際には、陥りやすい2つの落とし穴に気をつける必要があります。

  • 評価者によるばらつきを防ぐ
  • 定期的に評価内容を見直す

各注意点を詳しく見ていきましょう。

評価者によるばらつきを防ぐ

評価シートを運用する中で最も多い課題が、評価者による「甘い・厳しい」の差が出ることです。

同じ成果を出していても、上司によって評価が異なると、社員の不信感につながります。評価のばらつきを防ぐためには、評価者向けのガイドラインを作成し、定期的な評価者研修を実施するのが有効です。

また、一人の判断に頼らず、複数人で評価をすり合わせる「評価調整会議」を行うことで、客観性を担保できます。

評価者全員が共通の基準でジャッジできるよう、教育体制を整えることが大切です。公平な評価が保証されて初めて、社員は安心して仕事に打ち込むことができます。

定期的に評価内容を見直す

時代や組織の状況に合わせて、人事評価シートの内容は柔軟に更新する必要があります。

会社の目標や業務内容が変化しているのに、古い評価項目のまま運用を続けると制度が実態と合わなくなるためです。導入後も定期的に運用状況を振り返り、現場の意見を取り入れながら改善を重ねる姿勢が求められます。

具体的には、半期や年度の節目に評価項目の有効性を確認しましょう。組織の方針が現場の行動に反映されているかを確認し、乖離があれば修正を加える作業が重要となります。

常に最新の状態に最適化し続ける工夫により、形骸化を防ぎながら制度の価値を維持可能です。

公平な人事評価の実施方法はこちらのページで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:公平な人事評価を実施するには?注意すべきエラーや公平性を高める3種類の方法を解説

人事評価シートの無料テンプレート2選

人事評価シートの無料テンプレート2選

自社に合う人事評価シートをゼロから作るのは、時間や労力がかかる作業です。まずは既存の型を参考に、自社の運用に合わせて調整することをおすすめします。

おすすめの無料の人事評価シートのテンプレートは以下の通りです。

  • あしたのチーム
  • 厚生労働省

各テンプレートを詳しく見ていきましょう。

あしたのチーム

あしたのチームは、株式会社あしたのチームが提供する人事評価制度支援サービスです。無料でダウンロードできる人事評価シートのテンプレートを公開しており、自社に評価制度を導入したい企業にとって有用な資料となっています。

このテンプレートは、目標管理(MBO)やコンピテンシー評価、定量・定性のバランスを重視した設計になっています

実際の評価項目や記入例も含まれているため、初めて評価シートを作成する企業でもスムーズに運用を始めやすい構成です。

管理職用・一般社員用など、役職に応じた使い分けができます。

また、あしたのチームのテンプレートは単なるフォーマット提供にとどまらず、評価制度の設計や運用方法に関するノウハウもセットで得られる点が大きな強みです。評価制度の形骸化を防ぎ、社員の納得感を高めたいと考える企業には、導入検討の第一歩として非常におすすめできるリソースです。

以下のリンクより、必要事項を入力すると、人事評価シートのダウンロード用URLを記載したメールを配信します。ぜひご活用ください。

あしたの人事|導入企業4000社の実績とノウハウから導き出した[人事評価シート]を無料公開!

厚生労働省

厚生労働省は、中小企業向けの人事労務支援施策の一環として、「職業能力評価シート」という人事評価シートのテンプレートを公開しています。無料でダウンロード可能で、実際の業務に応用しやすいシートです。

これらのテンプレートは、職種別・階層別に構成されており、現場の実態に即した記述項目や評価軸が盛り込まれています。民間のテンプレートに比べて形式がやや堅めではありますが、法令や制度に則った内容がベースになっているため、制度設計の基礎として活用しやすい点が特徴です

以下のリンクに「職業能力評価シート」の利用方法やダウンロードリンクが記載されています。

厚生労働省|職業能力評価シートについて

自社に最適な人事評価シートを用意したいなら「あしたのチーム」へご相談ください

人事評価シートは、単なる業務報告や自己PRではなく、会社と社員をつなぐ「対話のツール」です。正確な自己評価や成果の整理、失敗からの学びまでを言語化し、数字や根拠を交えて伝えることで、評価者にとっても読み取れる内容になります。

評価されるためには、伝えたい内容を客観的に整理し、構造的かつ具体的に記述しましょう。曖昧な言葉を避け、行動や成果を数字で示す工夫も重要です。

また、「あしたの人事」や「厚生労働省のサイト」などで公開されているテンプレートを活用すれば、構成や表現に迷う時間を減らし、内容に集中できるでしょう

評価シートの質は、自身のキャリアにも直結します。きちんと書かれた評価シートは、昇進や配置転換など、将来のチャンスを引き寄せる力を持っています。今回ご紹介したポイントを参考に伝える力を高め、納得のいく評価を目指しましょう。

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この記事の監修者   あしたのチーム編集部さん

あしたのチーム編集部は、企業の経営者やビジネスパーソンに向けて、働き方改革や組織活性化に役立つ知識をさまざまなコンテンツを通じて発信しています。
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