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「目的なき働き方改革」になっていませんか? ~株式会社ベアーズ副社長 高橋ゆきさん インタビュー前編~

家事代行サービスのパイオニア企業である株式会社ベアーズ。同社の取締役副社長を務め、家事研究家としても昨年大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」の家事監修を担当するなど、精力的に活動を続けているのが高橋ゆきさんです。

今回は、高橋さんにいま社会で起きている「働き方改革」についてのご意見や、ベアーズ流人材マネジメントのポイントなどをインタビューしました。

【Profile】
高橋 ゆき(たかはし ゆき)
株式会社ベアーズ取締役副社長/家事研究家/日本の暮らし方研究家
(株)ベアーズ専務取締役を経て、2016年、取締役副社長に就任(現任)。 主にブランディング、マーケティング、新サービス開発、人財育成を担当するほか、 家事代行サービス業界の成長と発展を目指し、 2013年、一般社団法人全国家事代行サービス協会設立以来、副会長を務める(現任)。経営者としても、各種ビジネスコンテストの審査員、コメンテーター等を務める。
2003年、家事研究家としての活動開始(現任)。2015年、世界初の家事大学設立、学長として新たな挑戦を開始(現任)。 2016年のTBSドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でも家事監修を担当するなど、家事研究家、日本の暮らし方研究家としてテレビ・雑誌などで幅広く活躍中。

何のための働き方改革なのか

―高橋さんは、いま世の中で進んでいる働き方改革をどのようにお感じですか?

高橋さん:率直に申し上げると、「なぜやるのか」という目的を見失っているような危うさを感じています。確かに長時間労働は良くないし、働き方改革は必要だと思います。でもそれは、個々の企業で経営者や人事のみなさんが「なぜ自社で取り組むのか」という議論をし、社員一人ひとりが納得や共感できる目的になってはじめて意味を成すもの。目的を置き去りにして走っても上手くいかないと思うんです。

これは極端な例えですが、単に早く帰れるようなルールを設けたとしても、毎晩のように終電まで飲み歩いていては、翌日の仕事にも響きますし個人の健康も害します。これでは意味がないですよね。

だからこそ、目的のない働き方改革は危険。どうやったら本業のパフォーマンスを最大化できるかという視点で取り組み、社員のみなさんにもメッセージすることが大切なのではないでしょうか。

―ベアーズの場合はどんな目的を置いているのでしょうか。

高橋さん:私は常日頃、会社で働くみんなのことを「ベアーズびと」に育てるつもりで接しています。ベアーズびととは、お客様に対して感動度120%を届けられる人のこと。この感動度120%を実現するには、仕事ばかりではなく、自分の人生で様々な経験をすることや、感情の踊り場(余韻)を楽しむといったことも必要だというのが私たちの考えです。人間味あふれるサービスこそがベアーズらしさなのだから、「働き方改革」もベアーズらしいサービスに繋がるものだよねという理解や風土の醸成を大切にしていますね。

もちろんこれはあくまでもベアーズの場合なので、答えは個々の「企業流」で良いと思います。でも、目的は「社会の流れだから」とか「ブラック企業と言われないために」ではなく、「会社を通じて自分たちのお客様にコミットするためになぜ必要なのか」に照準をあわせないと、本質的な取り組みにはならないのではないでしょうか。

目標や評価は“あなたをちゃんと見ています”という愛情を示すもの

―働き方を変える上では、人材マネジメントの方法や考え方も重要になります。高橋さんは、目標や評価をどのように捉えているのでしょうか。

高橋さん:目標を設定して管理・評価することって、私自身は社員への“愛情”だと思っています。決して、「さぼっていないか」「手を抜いていないか」と監視するためのものではなくて、仕事を通して心を豊かにし、さらなるチャレンジをしてもらうためにあるんだと思うんです。その観点で目標を立て、部下と対話を続けることが大切だと思いますね。

あまり良くないなと思う上司像や仕事の任せ方は、「キミに任せるよ。やりたいようにやってごらん」と何も言わないこと。この状態は一見すると部下を信頼し理解のある上司のように思えるけれど、手綱を握っているようで持ってもいないのであれば職務放棄だと思います。任せているつもりで、「無関心」になっているんですね。

そんな状態は、部下のやりがいにも生きがいにも繋がりません。人は、チャレンジする場やチャレンジさせてくれる他者を求める生き物。なんの評価もされない状態はもちろん、「キミ、やるねえ」と無条件に褒められるばかりでも自己成長を感じることはできません。「ちゃんと見ているよ」と厳しくも愛情を持って指導したり評価したりすることで、「この人と一緒に頑張りたい」「今度こそ認められたい」という信頼関係が築けるのではないでしょうか。

―それが高橋さんの思う上司のあるべき姿なんですね。

高橋さん:そうですね。「きびしい」「うるさい」「暑苦しい」も上司の仕事ではないでしょうか。大きな取引を決めたり、ここぞというときに気張ったりするのは、やって当たり前なんです。それ以前に厳しい愛情をサステナブルに注ぎ続けられることが大事。私はこれが人事評価だと思うんです。

だからこそ任せた事業やプロジェクトの状態だけをみた評価は、私はナンセンスだと思っていて、ベアーズでは、今から10年ほど前より「ライフプラン」を基にした評価を行っています。これは、個人それぞれが自分自身の「ライフプラン」を提出し、仕事の業績や生産性と並行しながら、人事評価・面談・査定を行うというもの。「人生という名のものさし」で人を育てていくという考え方ですね。

――インタビュー後編では、女性の活躍を企業が推進するポイントや、多様な人材活用が必要になる社会変化といった観点でお話いただきました。次回もお楽しみに。

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