ゆでガエルの意味とは?仕事や恋愛でゆでガエル理論に陥る原因や回避策を解説

日本人が陥りがちな「ゆでガエル」という現象をご存知ですか?

「カエルを熱湯の中に入れるとすぐに飛び跳ねて逃げ出すが、水から徐々に温度を上げていくと水温の上昇を気づかず茹でられ死んでしまう」という寓話(ぐうわ)が元となっており比喩表現としてビジネスシーンなどで用いられ、会社組織の一つの教訓として語られています。

この記事では、ゆでガエルの意味や原因、自分がゆでガエルにならないための方法などを解説します。

ゆでガエル(茹で蛙)の意味

具体的にゆでガエルとはどのようなことを表しているのでしょうか。具体的な意味などをご紹介します。

ゆでガエル理論

寓話にあるカエルの状態を指すように、人間は環境適応能力が高いため、ゆっくりと進む環境の変化には気づきにくく、気が付いた時には手遅れになるということを表しているのです。

企業経営やビジネスシーンで用いられており、環境の変化に対応する大切さや、重要性、また環境の変化に気づくことの困難性指摘する警句として用いられています。「ゆでガエル症候群」、「ゆでガエル現象」などとも呼びます。

日本では、日本では1998年「組織論」において「ベイトソンのゆでガエル寓話」として紹介され、さらに、2013年には米国の大手経営コンサルタント会社マッキンゼー・アンド・カンパニーが、経営悪化した韓国経済を「ゆでガエル」と例えたことで注目を集めました。

近年では、地球環境問題にも比喩されることがあります。温暖化などのオゾン層破壊などの環境破壊が、いずれ取り返しのつかない状況になると専門家が提唱しています。

ゆでガエルの英語訳

欧米では20世紀後半から、このゆでガエル理論が語られてきました。タイトルは、「Boiling frog」。

「The premise is that if a frog is put suddenly into boiling water, it will jump out, but if the frog is put in tepid water which is then brought to a boil slowly, it will not perceive the danger and will be cooked to death.」

英文表記でも、茹で上がる=料理されて死んでしまうと明確にどうすることもできない事態を表現しています。

日本における「ゆでガエル世代」とは?

「ゆとり世代」「さとり世代」など、特定の年代における表現方法が用いられることが多いと思います。実は、「ゆでガエル世代」も存在するのです。

「日経ビジネス」誌では、1957年〜1966年生まれの50代男性を「ゆでガエル世代」としています。会社の中でもベテランの彼らがなぜ「ゆでガエル世代」と呼ばれてしまうのでしょうか。

今の50代が社会人になる時代が丁度日本は高度成長期。1986年のバブル経済到来し、その恩恵を一身に受けますが、その後、一変してバブル経済崩壊やリーマンショック、ITバブルなどの経済危機が襲います。

そんな危機を経験したにも関わらず、「失われた20年」で経済低迷の中、挑戦の場を与えられず、実績や成功体験を身につけるチャンスを失い、専門性も身につけることなく、現状に甘んじ、そのまま定年を迎えようとしている世代が、今の50代に当たり、ゆでガエル化していると言われているのです。

昨今では、グローバル化やテクノロジーの参入で、企業の置かれる環境はめまぐるしい変化を遂げています。

例えば、「役職定年制度」によってポストから降ろされることを余儀無くされ、さらに「職務等級制度(ジョブグレード制度)」によって定年間近で給与が低くなるという厳しい現実が、50代のビジネスパーソンに降りかかっています。気づけば崖っぷち。まさに、「ゆでガエル」状態というわけです。

仕事や恋愛でゆでガエル理論に陥る原因

50代の「ゆでガエル」世代だけでなく、日本人なら誰でもゆでガエルになってしまう可能性は誰もが秘めています。ゆでガエルに陥る原因とは何でしょうか。

変化を恐れる姿勢

人は変わることを恐れる生き物です。そもそも人は安定を求める性質にあります。

行動心理学の研究でも提唱されているように、ビジネスにおいては利益を取りに行くよりもリスクを回避する方を選ぶ傾向にあるとされています。恋愛に関しても同様のことが言えるのではないでしょうか。

何かを変化させると言うことは、少なからず時間と労力がかかり、リスクが発生してしまいます。また、変化を提唱して反対意見や抵抗勢力ができてしまい、チャレンジを苦痛に捉えてしまいます。

変化から目を背け無意識に時間と労力の消費というリスクを避け、現状維持を貫いてしまうことが、「ゆでガエル」状態になることへ繋がってしまうのです。

周囲の空気を読む姿勢

波風を立てず安定的に過ごすためには自分は我慢しなければならないと思う人も少なくないのではないでしょうか。

恋愛やビジネスにおいて、周りの人やパートナーの要求や意見に適応しなければならないと思い、自分の感情を押し殺し、自分は我慢できる、適応するしか方法がないと思い込み実行してしまうのです。

空気を読むことが得意な日本人は、他の国に比べてこうした感情に陥りやすい人が多いのではないでしょうか。

このように長期にわたって我慢をしてしまうことは、問題点から目を背けてしまうことに繋がります。

徐々に変化してきている危機に対して気づきにくくなってしまうだけでなく、問題がどんどん大きくなってきて、ある日取り返しのつかなくなってしまうということに繋がってしまいます。

この時に目を向けて得た「安心感」が実は「ぬるま湯」であることに気づかないのです。

未来に対するマイナスなイメージ

世の中にはネガティブなニュースが溢れています。不穏な情報や不安を煽るような事件が、ポジティブなニュースよりも印象深く、心に強く記憶されてしまいます。

先行きの見えない状況下におかれると不安が増大するものです。見通しのつかない未来の不安こそ、最大の恐怖となってしまい、マイナスの方向に考えて行きがちになります。

そうした中では、冷静な判断ができず感情に飲み込まれ、自分がおかれている状況を把握できずに事実を受け入れられずに、冷静な判断に欠けてしまう結果となってしまうのです。

ゆでガエルにならないために注意すべきこと

「ゆでガエル」にならないためにはどのようにすれば良いのでしょうか?今からでもできる注意すべきことをご紹介します。

危機感の自覚・共有

危機感を自覚すること、危機感を共有して行くことが「ゆでガエル」にならない1つの手段と言えます。

危機感を持ち共有することが、リスクや苦痛を感じることなく変革をもたらす結果に繋がります。

「変えなければ生き残れない」と危機感を持ち、自分から変わる姿勢を持つことで、周りにもいい刺激を与えることで、周りにも危機感を認識してくれるようになります。

一人で変革をもたらすより、同じ危機感を持ったメンバーを作ることで、自分一人だけでリスクに立ち向かうデメリットを回避することができます。

また、「心理的安全性」を高めるためにも、メンバーで本音が話し合える様々なコミュニケーションツールを駆使して、変革の必要性、有用性、実現性を浸透させていくことが大事です。

客観的な視点で状況を把握すること

客観的に自分の立場、状況を細かく把握し見つめ直すことが重要です。

そもそも「ゆでガエル」状態とは、「ぬるま湯」に浸かっている状況で身動きが取れなくなる状況を指しています。現状を理解することが改善の鍵となるのです。

例えば、今までの栄光や功績をもとに判断を下してしまうと、社会環境の変化と読み違ってしまう可能性があります。そのため、第三者の意見を聞くことで、自分の状況を客観的に理解することができるのです。

外部からの客観的に物事の良し悪しを見てもらうことが、冷静にリスクを分析することにつながり、「ゆでガエル」から目を覚まさせることができるのです。

目標をもって挑戦を続ける姿勢

変革とは新しいことに挑戦することになります。明確な目標を持ちその一歩を踏み出す勇気を持つことが重要です。

50代が「ゆでガエル世代」と言われているように、組織の中でも長く続けているベテランが「ゆでガエル」に陥りやすい傾向にあります。

その大きな理由として、自分たちが今まで培ってきた知識や経験などを重視し、挑戦する姿勢を遠ざけてしまうからです。

変化の激しい現代においては、常に「これでいいのか」という疑問をもち、常に目標を持って未来に向けて動いていく姿勢と勇気が大事なのです。

社員がゆでガエルにならないために成長目標を明確に設定

ゆでガエルの社員が増えることは、会社の成長を妨げる大きな要因となってしまいます。

ゆでガエルは早期対処してくことが大事であり、ガエル状態回避することが、会社の発展・改革の大きな鍵となってきます。

社員がゆでガエルにならないためには、企業は成長目標を設定して共有していくことが何より重要です。

人事評価制度を見直すことで、社員が客観的に自分の現状を見つめ直すことにつながっていきます。

会社内のゆでガエル化している社員に心当たりがあるなら、早急に現状を改善していきましょう。自らが、ゆでガエルにならず現状を見つめ改善していくことが大きな成長の一歩となります。

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