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ワーキングプアとは?今の実態や原因・対策を解説。プアとは言えない層も紹介

働いても働いても貧困状態から抜け出せないワーキングプア。 

求人有効倍率の上昇を背景に、やりたい仕事に就ける可能性が上がっている一方で、ワーキングプアの問題も根強く残っています。

ワーキングプアには、現状どれくらいの人が陥っており、どのようなことが原因となっているのでしょうか?

今回はワーキングプアの意味、現状や原因、対策、ワーキングプアになりやすい職業などを紹介します。

ワーキングプアとは?

ワーキングプアとは、「働く貧困者」という意味で、フルタイムとして働いているものの十分な所得を得られず、貧困状態にある就業者を指します。

貧困とは失業している状況下で陥るものという認識が一般的ですが、実際にはフルタイムで働いていても所得水準が低いため貧困層から抜け出せないという労働者も多いのが実情です。

こういった働く貧困層を指す用語として、ワーキングプアという言葉が世界各国で認知されるようになりました。

ワーキングプアに分類される所得水準は、その地域や国によって状況が異なるため一概には言えません。

日本国内では、年収200万円程度が1つの目安として考えられています。一般的には、生活保護で得られる生活と同じようなレベルとされていることが多いようです。

ワーキングプアの現状

日本国内におけるワーキングプアの現状を知るには、いくつか参考になる数字があります。

2019年の「労働力調査」(詳細集計)によると、役員を除く雇用者5,596万人のうち、非正規従業員は2,120万人で、全体に占める割合は約37%でした。

年間収入別で見ると、2018年に200万円未満だった人数は、正規・非正規合わせて1,873万人で、総数5,660万人中約33%もの人が、数字上で見るとワーキングプア層と考えられます。

また、非正規従業員のうち年間収入が200万円未満の割合は、男性が24.1%、女性は75.9%となっていました。そのことから、ワーキングプア層は、圧倒的に女性が多いのが現状でしょう。

ワーキングプアは圧倒的に女性が多い

非正規従業員のうち年間収入が200万円未満の割合について、男性よりも女性の方が多かったことからも分かるように、ワーキングプアは女性の割合の方が圧倒的に高いのが現状です。

また、2017年の総務省「就業構造基本調査」によると、年200日以上働いている労働者のデータについて、男性と女性を比較すると、同じ時間を働いている場合であっても女性の方が顕著に低所得の割合が多くなっています。

具体的には、週40時間以上という比較的長い時間働く女性のうち4人に1人が年収200万円未満です。

働く女性の推進が進む中でも、やはりまだまだ女性は男性に扶養されるものといった考え方が浸透しているのが実情で、これが、女性のワーキングプアを深刻にしている要因のひとつだと考えられます。

ワーキングプアが増えた3つの原因

ワーキングプアが増えた背景にはさまざまな原因が考えられます。ここでは、社会的な問題と、キャリアの問題、本人たちの価値観の変化といった角度から解説します。

社会的な問題

現在、国内の経済状況を見ると、経済の実質成長率は毎年2%程度で推移しており、国民1人当たりの名目所得も停滞傾向です。

こういった中、会社で正社員として働いていても給料が上がらず、まして非正規雇用の場合は生活するのもままならないといった状況の労働者が増えつつあります。

また、博士課程を修了した専門人材が活躍する場がなかったり、母子家庭で貧困を抜け出せなかったり、就職氷河期で就職先がなかったりといった受け皿の問題もワーキングプアを生む一因となっているでしょう。

キャリア形成の困難さ

非正規雇用者は、正社員と比べて安定したキャリアを歩むことが難しく、収入を高めるためのキャリア形成が難しいという課題があります。

一般的に、正社員であれば新卒で入社した時から研修やOJTによって教育を受け、能力や専門知識を獲得しやすいものです。そういった人材は経験を重ねるにつれて高度な力を身につけ、市場価値の高い人材になるチャンスがあります。

一方、パート・アルバイトや派遣社員といった不安定な立場ではキャリア形成が難しく、年齢を重ねるごとに、ワーキングプアから抜け出せなくなる悪循環がついてまわります。

1990年代後半から急増した、非正規の雇用者が一向に減らないことも、ワーキングプアが増えた・減らないことの原因となっています。

価値観の変化

労働者の価値観が変化していったという側面もあります。

従来であれば、正社員として新卒入社した会社で定年まで働くといった共通認識がありました。また、理想的な暮らしをするにはある程度の収入が必要だという考え方もあったものです。

しかし、現在は「仕事だけが人生ではない」「自分の好きな生活を実現するために都合の良い時に働きたい」といった理由で、あえて正社員ではなく収入の低い仕事を選ぶケースも登場してきました。

つまり、価値観の多様化によって、自発的にワーキングプアを選択する人も増えているのです。

ワーキングプアを減らす3つの対策

ワーキングプアを減らすには、経済力を確立するまでの援助や、働く意思がある人が活躍する方法を増やす取り組みが欠かせません。ここでは、3つの対策例を紹介します。

経済的援助

経済的な援助をすることで、自立できるようになるための足がかりにする対策は重要です。そもそも、働けるような健康状態であり、フルタイムで長時間働いている労働者が貧困状態になってしまう状況では、社会の福祉機能が正常に働いているとは言えません。

そこで、そういった労働者を守るためのセーフティネットとして存在するものが最低賃金です。しかし、現行の最低賃金制度は、都道府県ごとに下限が定められているものの、ワーキングプア層を生み出しています。

また、生活保護制度は生活困窮者の最後のセーフティネットですが、財政難といった背景があるため支給に積極的でないケースもあり、十分に機能していません。こういった経済的援助を行い、いずれ自立するための土台とする対策はワーキングプアを減らす上で大切なのです。

就労支援

働く意思がある人の就労を促進し、能力を発揮できて収入も得られるようなサポートを行うことも大切です。

公共職業案内所(ハローワーク)では年齢や職種を問わずさまざまな労働者の就労を支援しており、セミナーや相談窓口の設置、書類作成や面接指導なども実施しています。また、フリーター向け窓口や、若年者向けの窓口「ヤングワークプラザ」もあり、こういった窓口の有効活用がより一層求められるでしょう。

また、就労支援においては職業訓練の拡充も必要です。

非正規雇用として働いてきたことが多いワーキングプア層は、社会人としてのビジネススキルや専門性を身につけるチャンスがなかったという人も少なくありません。

そこで、教育の場を設けることは活躍の場を広げ、収入を高める可能性もあります。

介護・子育て支援

介護・子育ての支援も大切です。

介護や子育てが必要な場合、働く意思があっても働ける時間が限られていたり、子どもを預ける場所がなかったりするために働けないというケースもありえます。

こういった人材でも活躍できる場を増やすためには、介護施設や保育園などを拡充したり、介護・保育の人員を増やしたりといった取り組みも効果的な対策になります。

ワーキングプアになりやすい職業5選

ワーキングプアになりやすい職業は、一概には言えないものの、非正規従業員の割合が高かったり、業界全体の平均年収が低かったり、専門性がそれほど必要とされなかったりする傾向があります。ここでは5つの具体例を紹介しましょう。

飲食従事者

飲食業は、接客・調理スタッフどちらもアルバイト・パートといった非正規従業員が多く、時給も低い傾向があります。

また、長時間労働が当たり前の職場も多くありますが、時給が低いため労働時間が長いのにそれほど収入が高くないというケースもあるでしょう。

販売従事者

販売関連もアルバイト・パートや派遣といった非正規従業員が多い職業です。また、接客やサービススタッフは一部を除いて高い専門知識は必要とされません。

警備従事者

警備スタッフの中でも、交通誘導などは非正規従業員が多く、時給がそれほど高くないことが一般的です。

清掃従事者

清掃従事者は、特別な資格や専門技術がなくてもできる仕事が多く、収入が上がりづらい仕事です。

事務従事者

電話オペレーターやデータ入力、書類整理といった単純作業の場合は、非正規かつ時給が固定されているケースが多くあります。

本当にワーキングプア?ワーキングプアとは言い切れない人も増加

ワーキングプアの基準は、日本国内の場合年収200万円が目安とされています。

しかし、実際には年収が低い人であっても貧困層にはあてはまらないケースもあります。例えば、地方であれば都会と比べて物価が安く、生活費は月10万円程度でも十分という地域もあります。

また、自給自足を行えばさらに節約できるでしょう。こういった事情を背景に、地方に移住する人も少なくありません。

ワーキングプアの年収の目安は200万円とされていますが、このような世帯であれば経済的に困らない生活が実現できているため、ワーキングプアと一括りにはできないでしょう。

ワーキングプア問題を考える時には、目安の数字を絶対視するのではなく、状況によって例外があることも知ると実像が正確に理解できます。

働き方は自由に。しかしワーキングプアは減らす取り組みが必要

ワーキングプアをめぐる環境は多様化してきており、積極的に働く意思があるものの生活に困窮しているケースや、自由な働き方を求めてあえて収入の少ない仕事を選んでいるケースもあります。

望まずにワーキングプアに陥っている労働者を減らすためには、セーフティネットの整備など、行政や政府などによる対策が必要不可欠でしょう。

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