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ホラクラシーは組織に必要ない?誤ったホクラシーの導入はキケン

組織の在り方としてホラクラシーという形態が注目されています。

テレワークやサテライトオフィスといった例に代表されるように、現在は働き方が多様化していく時代です。このような環境の中、企業経営者や人事担当者は、実情に沿って柔軟な働き方を実現しやすい組織形態を検討する必要があり、その中でホラクラシー組織への移行を検討する企業が増えているのです。

ホラクラシー組織は従来のピラミッド型組織と比較すると、働き方の多様化に対応しやすいいくつかの長所を持つ仕組みです。今回は、ホラクラシー組織の概要やメリット・デメリット、その実態や導入方法を紹介します。

ホラクラシーとは

ホラクラシーとは組織の在り方の1つで、従来のピラミッド型の組織階層ではなく、ロール(役割)を中心とした組織体制です。組織をロールごとに細分化し、機能を持たせて個々の組織ごとに運用を行わせるという特徴があります。

多くの組織ではピラミッド型が主流であり、企業であれば経営陣をトップとして部長、課長、主任、一般従業員といったヒエラルキー階層が形成されていることが一般的です。

このような組織では、どのような部門の業務であっても、責任は事業部長、担当取締役であり、そして最終的な責任者は社長となります。言わば中央集権的であり、上意下達に優れた形です。

一方、ホラクラシー組織では、ピラミッド型構造に見られるような上下のヒエラルキー階層は存在しません。

ロールを中心とする細分組織を形成して、それぞれが独立的に意思決定を行います。その意思決定の根拠になるのは上位の決裁者ではなく、あくまでも明文化されたルールです。

それぞれのロールの領域は確定しているため、他の領域に干渉することはできないのです。つまり、自律分散的な組織と言えるでしょう。

そして、ホラクラシー組織を運営する上で発生する現実と理想のギャップやひずみは、ガバナンスミーティングで話し合い解消・改善を目指します。

ホラクラシーによくある勘違い

ホラクラシーと言えば、フラットな組織構造であり、個人の自由が尊重される組織として解釈されることがありますが、これらはいずれも正確ではありません。

まずホラクラシーの組織構造は、確かに一般的なピラミッド型のヒエラルキー構造とは異なりますが、最大のポイントはロールごとに権限が分散されている点にあります。

つまり、フラットであるのではなく、ひとりひとりのロールとそれを集めた大きなロールを果たす組織がマネージャーや別の上位組織などから干渉されず自律的に意思決定できる点が本質です。

また、必ずしも自由度が高いという訳ではありません。上位のポストから干渉されないという点で自由なのは確かですが、ロールごとにルールが明文化されており、それに従って意思決定をする必要があります。

ティール組織との違い

ティール組織とは、意思決定権や責任を経営者や管理者ではなく個々の従業員に委譲する組織です。ティール組織の特徴として、生命のように進化をすること、自律的な運用が可能であること、個人が組織全体に関与することなどが挙げられます。

ティール組織は、個々の従業員が権限を持つという大きな概念を基にした組織であるのに対して、ホラクラシーはロールごとに明文化されたルールを意思決定の根拠としており詳細に組織形態が明らかにされている点が違いです。

ホラクラシーのメリット・デメリット

ホラクラシー組織の導入を検討する際は、メリットとデメリットを知ることが大切です。ここでは、長所短所をそれぞれ紹介します。

メリット1:意思決定の合理化

ホラクラシー組織では、スピーディかつ無駄のない意思決定が可能です。ピラミッド型組織では、管理者やさらに上位ポストの決裁を取らなければならないケースもあり、これには時間がかかり過ぎてしまうことがあります。

ホラクラシー組織では、個別の組織のルールに従って決定できるため、時間がかからず決裁にかかる手間も削減できるのです。

メリット2:実態に沿った組織運営

現場の実態に即した運営ができる点もメリットです。ピラミッド型組織では部長や社長といった立場に対して意思決定を提案することがありますが、相手が現場を熟知していなければ的確な判断を取るのは簡単ではありません。

しかしホラクラシー組織では現場を知っている個別組織の担当者が自律的に決定をするので、実態に合う運営ができます。

デメリット1:組織連携の弱体化

ホラクラシー組織では、組織どうしの結びつきが弱くなってしまう可能性があります。これは個々の組織が自律分散的に意思決定を行い、他の組織からの干渉を受けない仕組みであることが理由です。

ガバナンスの運用に失敗すると、結果的に、情報共有やコミュニケーションが減り、組織間の相乗効果を活かせないという事態もありえます。

デメリット2:ガバナンスの収縮

ガバナンスについても問題があります。ヒエラルキー組織では指揮命令系統が明確で、上位の立場であれば下位組織に対して命令や監督が比較的容易です。ホラクラシー組織では個別の組織の権限が強くなり過ぎるあまり、監督が難しくなる可能性があります。

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ホラクラシーの導入手順

ピラミッド型の組織にホラクラシーの考え方を導入する際、両者には異なるポイントがあまりにも多いため、導入するのは簡単ではありません。ここではホラクラシーを導入する手順を紹介します。

ロールの定義

ロールは、ホラクラシー組織を構成する上で中核となる要素です。ロールに応じて人員の配置や業務領域が決定されます。まずは自社内の業務や役割を分解し、ロールを定義しましょう。

ロールは、小規模・中規模の企業であれば、マーケティング、営業、技術、経理といった分類の方法ができます。

役割や機能が明確で、業務領域に重複が出ないため組織の構築が容易です。大きい企業も基本的には同じような方法で問題ありません。

個別の組織があまりにも大きく、数多くの役割を持っておりロールの定義が難しい場合には、その組織の役割に応じてさらに細分化をしましょう。

ガバナンスの仕組み作り

ロールの定義が済んだら、ガバナンスの仕組みを作ります。ホラクラシー組織は、基本的にマネージャーや経営トップなどの干渉を受けず、個別の組織ごとに自律的に意思決定を行わなければなりません。

そこで、どのような方法で物事を決め、業務を実施していくのか、統治のプロセスを明らかにしておく必要があります。

ガバナンスの仕組みで中心的になるのがガバナンスミーティングです。これは組織のメンバーで構成された意思決定機関で、この場で目的や権限、ミッションなどを決定します。また、変化していく環境に合わせて、業務プロセスを見直し、改善を繰り返すのもこの会議の役割です。

ルールの明文化

ホラクラシー組織では、ルールの明文化も重要です。ピラミッド型の組織階層であれば、基本的に重要な意思決定をしたり責任を取ったりするのは上司や経営陣ということになります。この場合、意思決定の方法や組織運営の方法は属人的になりがちで、どうしても主観が入るものです。

一方、ホラクラシー組織は「人によらず法による」というのが基本的な考え方で、ルールを根拠として組織運営されることになります。そこで、組織の意思決定や運営の裏付けとなる法を明文化する必要があるのです。

評価基準の整備

ロールの定義やルール作りが終わったら、評価基準の整備に取り掛かりましょう。ホラクラシー組織では、上司が部下に指示をして業務を遂行させる訳ではないため、ヒエラルキー組織で見られるような上司が部下を評価するという方法とは異なる評価基準を設ける必要があります。

評価方法にはさまざまなパターンが考えられますが、ホラクラシー組織で一般的に用いられるのは明文化された評価ルールです。

組織の運営基準となり、個人の行動基準となるのも組織ごとのルールであるため、評価の際もルールを整備することが合理的と言えます。

ホラクラシーをすべての企業で導入すべきではない理由

ホラクラシーは、効果的な組織の在り方の1つではあるものの、全ての企業に適しているという訳ではありません。

ホラクラシー組織では、先述したデメリットの他にも、問題が発生しても責任の所在があいまいで責任の押し付け合いが起こったり、自律的に判断・行動する能力が欠けている人をアサインして組織が崩壊してしまったりといったリスクがあります。また、対外的には役職などの肩書きも必要で、役職を排除することが実情に合わない場合もあるでしょう。

そこで、あまりに人数の多い企業では管理が困難になるため避けたほうがよい可能性があります。また、柔軟性のない組織で、変更すると支障が大きいことが想定される場合も同様です。

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ホラクラシー導入企業の事例

ダイヤモンドメディア株式会社は2008年からホラクラシー経営を徹底的に実践してきた会社です。

同社では、マネジメント面に関して上司や部下という概念を無くし、リーダーは自然発生的に任せるようにしました。

経済面について、給料は相場をもとに話し合いで決定し、社の財務状況などは全てオープンにしたそうです。人事面は、社長や役員は毎年選挙するというユニークな決定方法で、採用は人柄やポテンシャルを重視したと言います。

何年にもわたる試行錯誤の中で施策は取捨選択されていきましたが、このような取り組みの結果、意思決定が早くなり組織のコミットが強くなったといった成果も出ました。また、組織が長期的視点を持つようになったり、社員の自主性が引き出せたりというプラス面もあったようです。

組織にホラクラシーが合うかどうかで導入を検討しよう

ホラクラシーは、これまで主流だったピラミッド型の組織体系とは違った形で、大きな可能性を持つ概念です。

特に、柔軟な組織文化がある企業や組織では、意思決定の合理化や組織へのコミットメントなど、大きな効果を発揮する可能性があります。組織運営で悩んでいる経営者や人事担当者で導入を考えている場合は、まずは自社の組織に合うかどうかから検討してみてください。

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