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キャリアパスとは?人事担当が知っておくべき導入効果、事例を紹介

(画像=tortoon/iStock)

「キャリアパス」は人材育成の場面において、どのようにキャリアを積んでいくのかを示した道筋のことを指します。

自社に所属する人材をうまく活用していくためにも、適切なキャリアパス制度を構築することが欠かせません。

また、従業員のモチベーションをアップさせたり、人事評価の透明性を高めたりするうえでも、キャリアパスに対する正しい認識を持っておくことが重要だといえます。

そこで今回は、キャリアパス制度を導入する効果や事例などについて解説します。

キャリアパスとは?

キャリアパス(Career Path)は、経歴や役職を意味する「キャリア」を積んでいく過程のことを指しており、企業内においては昇進や異動の道筋を表しています。

どのような職務に従事し、目標とするキャリアに到達するために必要なスキルを身につけていくかが鍵となるものです。

キャリアアップの道筋を企業として示しておくことは、従業員のモチベーションを高めるうえでも重要だといえます。

対象者の能力や適性を把握し、人材育成をきちんと行っていくためにも、キャリアパスを重視する必要があるのです。

キャリアパス制度とは?

「キャリアパス制度」は社内での昇進や昇給において、どのようなキャリアをたどっていくべきかの基準や条件を明示した仕組みのことを指します。

従業員が抱える「将来への不安」や「待遇面での不満」を解消する目的があり、全従業員に対して適切に示していく必要があるのです。

このキャリアパス制度によって、従業員が自分のキャリアについて見つめ直し、何のスキルを身に付けるべきかを考えてもらう機会になります。

意欲的にスキルアップに励んでもらう環境を作ることで働くことへの満足度を高め、離職率を低下させる狙いもあるのです。

競合他社などの制度と比較しながら、自社に合った仕組み作りを行っていきましょう。

キャリアプランとの違い

キャリアパスが社内での昇進や昇格の道筋を示したものであるのに対して、「キャリアプラン」は従業員自身が将来どのような仕事に就くかといった計画のことです。

キャリアプランでは、自分が目標とする理想像に近づくために、必要となるステップを洗い出し、ゴールを明確にしていくといった作業が必要となります。

本人のスキルや年齢、経験などによってキャリアプランは変わっていくため、柔軟に捉えていくことが大切でしょう。

キャリアアップとの違い

「キャリアアップ」とは、特定の分野において専門的な知識を習得し、能力を高めていくことを指します。

経験を積み重ねていくことによって、仕事の幅を広げていくのがキャリアアップなのです。キャリアパスが全体図だとすれば、キャリアアップは1つずつのステップでもあります。

具体的にどの方向性で活躍していくのかといった点を明らかにすることで、キャリアを高めていく道筋を把握しておく必要があるのです。

キャリアパス制度の効果

キャリアパス制度を明示することは、企業側にとって「優秀な人材確保に繋がる」「従業員のモチベーションを高められる」「人事評価の透明性を担保できる」といったメリットがあります。

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

優秀な人材の確保

キャリアパス制度を作ることによって、従業員の定着率を高められるといった効果を期待できます。

キャリアパスが魅力的なものであれば、従業員は将来に対する不安を払拭することができ、前向きな気持ちで業務に取り組めるからです。

また、離職率を低下させると共に、新規採用の場面においても自社のアピールポイントとして打ち出していけます。

優秀な人材を確保し、定着させるためにもキャリアパス制度の整備は欠かせないのです。

社員のモチベーションアップ

キャリアパス制度が明確なものであれば、従業員は昇進や昇格の基準を理解しやすくなります。

従業員はどのようなスキルを身につけて、成果を出していけばよいのかが分かるため、自然とモチベーションが高まります。

キャリアパス制度では、企業側が一方的に制度を設けるのではなく、社内の意見を集めながら、自社に合った制度を整えていくことが重要です。

人事評価の透明化

人事評価の透明性を担保することにも、キャリアパス制度は役立ちます。
昇給や昇進の基準や条件を従業員が確認できるからです。

人事評価の仕組みが透明化されることで、各従業員の評価に対する正当性や妥当性の証明にもなります。

さらに、人事評価の見える化が実現すれば、対外的なアピールにも繋がります。

キャリアパスが求められる理由

キャリアパスが求められるようになった背景には、日本社会の動きに変化が生まれたからだといえます。

ここでは、キャリアパスが求められる3つのポイントについて見ていきましょう。

終身雇用や年功序列制度の崩壊

キャリアパス制度に注目が集まった背景としては、終身雇用制度や年功序列の仕組みが崩壊した点が挙げられます。

従来の仕組みでは、従業員個人が自分のキャリアを意識しなくても、年齢を重ねるごとに給与や待遇面は改善していきました。

企業側が個人のキャリアを明示していたといえるでしょう。しかし、その仕組みが崩れてしまったことで、企業側も個人のキャリアをカバーできなくなりました。

そして、企業にとっては、「優秀な人材かどうか」がキャリア形成において重視されるようになったのです。

働き方の多様化

従来の採用市場においては、新卒一括採用が主流であり、正社員として採用されると自社内でキャリアを形成していきました。

しかし、副業や在宅勤務など働き方が多様化した状況においては、1つの基準だけでキャリアを見ることはできなくなっています。

働く側が自らのキャリアパスを決めていく必要があり、ひとりひとりが考えていく時代となっているのです。

いったん採用されたら定年まで1社に勤めるといったキャリアプランだけでなく、転職も視野に入れた働き方を考えていく必要もあります。

少子高齢化

日本は少子高齢化の影響によって、今後も人口減少が予測されています。

これは、長期的に労働人口の減少を意味しており、業界や業種にかかわらず人材の確保が難しくなってきているのです。

そのため、企業は優秀な人材を確保するために、キャリアパス制度を設けて魅力をアピールしていく必要性があります。

単に人材を採用するだけではなく、入社後のサポートをきめ細かく行っていくことによって、人材の定着を図る取り組みが行われています。

キャリアパス制度の活用・事例紹介

自社に合ったキャリアパス制度を整備するためには、すでに取り組んでいる企業の事例を参考にするのも良い方法です。

ここでは、2社のキャリアパス制度について紹介します。

株式会社三菱UFJ銀行の事例

メガバンクの1つである三菱UFJ銀行では、「人を育てる風土作りと、自主的な学びの支援」というキャリア支援の方針を打ち出しています。

具体的には、「階層別研修」「人事考課制度」「公募制度」の導入があげられます。階層別研修においては、これまでの仕事の取り組みを振り返り、今後のキャリアを考える機会を設けています。

若手の行員に対しては3年目研修を実施しており、先輩行員のインタビューやグループワークを通じて、より広い視野でキャリアを見つめ直す場を提供しているのです。

人事考課制度では、「キャリア自己申告」といった仕組みを導入しており、希望する職務や部署などについて年1回自己申告する制度を設けています。

また、公募制度においては進むべきコース(職種)を転換できる制度や、本人が希望する業務に挑戦できる制度を整えているのです。

そして、経験豊富なキャリアアドバイザーによる「キャリア相談室」を人事部内に設けています。

行員ごとのキャリア形成に関する相談に、きめ細かく対応していく取り組みを実施しているといった特徴があります。

株式会社リコーの事例

電気機器メーカーのリコーでは、「ありたい姿の実現に向け、自ら取り組み、自ら学ぶ」といったキャリア支援の方針を打ち出しています。

具体的には、「目標統合プログラム」「ダイバーシティ&ワークライフマネジメント」の導入が挙げられます。

目標統合プログラムとは、中長期におけるキャリアプランと能力開発を上司と部下の間で共有するというものです。

上司の部下育成を強化することを目的としており、従業員自身が主体的にキャリア形成を行える仕組みを整えています。

そして、ダイバーシティ&ワークライフマネジメントでは、「意識・風土醸成」「両立支援と働き方の見直し」「女性活躍推進」を軸として、従業員が持っている能力を最大限に活用していく取り組みを行っているのです。

従来の価値観にとらわれず、新たな企業価値を生み出すために、全社的な取り組みを進めているといえるでしょう。

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