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職務分掌による内部統制対策!職務分掌規定の作成ポイントを解説

職務分掌とは組織内の部署や役職の業務や役割を明確化し、責任や権限を配分することを指します。

職務分掌は、マネジメントにおいて重要な要素で、内部統制を実施する上でも大切な役割を果たすものです。

本記事では職務分掌の意味について説明した上で、内部統制との関係や、職務分掌規定を作成する際のポイントを紹介します。

職務分掌とは?

職務分掌とは、組織内の部署や役職、担当者などが果たす仕事や役割を明確にするために、それぞれに責任や権限を整理して配分することを意味します。

組織はさまざまな社員が協力し合うことで機能しますが、そのためには社員が各々の役割を認識した上で各自の仕事を果たさなければなりません。

職務分掌は、社員それぞれの役割を明確化することで、分業体制の確立やリソースの最適配分に役立つのです。

一般的に、企業・団体などは職務分掌の規程を文書で記しています。こういった職務の役割や責任の範囲を示した文書は「職務分掌規定」や「職務分掌表」などと呼ばれるのが普通です。

ただし、事業環境が流動化していることを背景に、社員に規定とは異なるイレギュラーな業務を行わせるケースもあります。

内部統制における職務分掌

内部統制を実施するにあたって職務分掌は効果的です。ここでは内部統制の意味について解説した上で、内部統制を実施する場合に職務分掌がどのように役立つのか解説します。

内部統制とは?

内部統制とは、組織トップが組織を機能させたりリスクを管理したりする行為です。

企業経営者や団体トップが、組織内部が事業目的を達成するために効果的・効率的に業務を遂行しているか、事業活動に関わる法令やモラルを遵守しているか、事業の安定性は保たれているかといった点などについてチェックして正常に機能するように管理します。

特に企業において重視される項目は、業務のパフォーマンスや組織の信頼性、コンプライアンス、事業の健全性といったポイントです。

金融庁は内部統制についての枠組みを公開しており、内部統制の基本的な要素として以下の6つを挙げています。

  • 統制環境
  • リスクの評価と対応
  • 統制活動
  • 情報と伝達
  • モニタリング
  • IT(情報技術)への対応

これらの項目は主に上場企業がステークスホルダー(利害関係者)に対して必要な情報を公開することを念頭に定められた枠組みではあります。

しかし、これらは上場企業かどうかにかかわらず、内部統制を実施する上で重視すべき重要なポイントです。

内部統制における職務分掌

職務分掌は、内部統制において重要な要素です。金融庁の内部統制の枠組みのうち、特に3つ目の要素「統制活動」において職務分掌は不可欠なものとして挙げられています。

金融庁によると、統制活動の定義は「経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定められる方針及び手続」です。

この統制活動の中には、権限や職責を付与することの他、職務分掌の方針や手続も含まれるとしています。

ここで定義されている職務分掌とは、担当者の権限や職責を明確にし、各担当者が与えられた責任のもとで適切に業務を遂行する体制を整備することです。

このことは、不正やミスといったトラブルが発生するリスクを引き下げると指摘しています。

内部統制以外にも!職務分掌のメリット

職務分掌は、内部統制の他にもさまざまな場面で役立つ行為です。ここでは職務分掌を実施することのメリットを紹介します。

1.人材育成に繋がる

1つ目は人材育成です。

社員ごとの職務を明確にすれば、その職務のプロフェッショナル人材を育成しやすくなります。これまで多くの日本の大企業では総合型人材の育成が主流で、一部の専門職を除いて職務を限定しない雇用方法が採られてきました。

これは社内事情に広く精通した幹部人材を育てるためには優れている一方、特定業務のプロを育成しづらいというデメリットもあったのです。しかし職務分掌は「ジョブ型」雇用とも相性が良く、プロ人材の育成にも優れています。

また、職務と責任が明確になることで、責任感が生まれやすく主体性やモチベーションの向上といった効果が期待できるでしょう。その結果、能力や業績のアップにも繋がります。

2.業務の効率化

2つ目は業務の効率化です。

職務が明確になると業務の重複を防ぐことが可能になります。職務分掌が徹底されていなければ、誰がどの業務を行うべきなのかが曖昧で、別々の社員が同じ業務をしている非効率な状況が生じる可能性もあるでしょう。

しかし、職務分掌によって業務や責任の範囲がはっきり定められていれば、こういったリソースの浪費を避けて、業務量を適切に配分することもできるようになるのです。

また、責任の所在の曖昧さを防ぐこともできます。内部統制やリスク対応の観点からは、誰が何の責任を負っているのかわからなければ適切なマネジメントが行えません。

職務分掌は、各担当者の責任を明確化することで業務の適切化にも繋がるのです。

3.組織運営の効率化

3つ目は、組織運営の効率化です。

役職や担当の職務を定めておき、職務分掌規定として明文化しておくことは、経営者や管理者が組織をマネジメントする際に役立ちます。

職務が分けられていなかったり、責任や権限が文書化されていなかったりすれば、管理者が組織内部を正確に把握することは困難です。

組織運営の健全化をチェックすることも難しいでしょう。一方、職務分掌が徹底されていれば、組織をスムーズに運営できるようになり、チェックや監督も容易になります。組織の持続可能性という点でも役立つでしょう。

内部統制対策!職務分掌規定の作成ポイント

内部統制の対策としては、有用な職務分掌規定を策定することが大切です。ここでは職務分掌規定を作成する際の5つのポイントを紹介します。

1.目的を明確にする

まずは目的を明確にすることが重要です。

内部統制は、各担当者の責任や権限を定めた上で、組織が正常に機能させたりチェックしたりすることが基本的な目的として挙げられます。

ただし、どのような組織でも全く同じ事情というケースはなく、それぞれの組織が抱える固有の状況に合わせて最適な内部統制を行わなければなりません。

職務分掌規定を作成する際も、ただ作成するのではなくその組織の抱える問題や目指すべき内部統制の方向性を土台とする必要があります。

こうすることで、全社員の協力も得やすくなり、内部統制の質が高まるのです。

2.社員インタビューの実施

社員へのインタビューを実施することも大切です。

内部統制を実施したり、その一環として職務分掌規定を作成したりする場合、それらは現状を正確に把握したものでなければなりません。

組織の機能や抱えている問題などを把握せずに規定を作成しようとしても、現状を反映したものができる可能性は低く、有用なものにはならないでしょう。

的確な職務分掌規定を作成するには、経営層や一般社員まで広くインタビューを行って、現状の業務状況を知ることが必要なのです。

3.会社全体の組織図を作成

会社の組織図を作成することも役立ちます。

内部統制を行う際は、会社がどのような構造になっているのか知っておかなければ効果的な統制ができず、実態に沿った職務分掌規定を作成することもできません。

一方、会社全体の部署・チームや役職を示す組織図があれば、会社の構造や部署ごとの機能が正確に把握しやすくなるため、会社の実態にもとづいた職務分掌規定を作成することができます。

4.職務単位の組織図を作成

組織図は、上記の会社全体の図に加えて、職務単位にまで細分化したものを作成することも効果的です。

会社全体の組織図があれば、会社の構造や部署の関係性が把握できるようになりますが、職務ごとの細かい役割までは把握できるとは限りません。

内部統制においては、会社の組織構造や部署の機能を理解しておくことは重要ですが、一方で職務単位の視点もなければ効果的な統制を行うことは難しいでしょう。

組織図を職務単位にまでブレイクダウンして作成したものがあれば、職務ごとの責任・業務範囲なども明確になります。

その結果、会社全体のマクロの視点と、職務単位のミクロの視点を組み合わせながら効果的な統制が行えるのです。

5.定期的な見直しと修正

組織図の見直しと修正も大切です。

組織は時間の経過とともに徐々に変化していきます。そのため、その時点において正確な組織図を作成したとしても、組織が変化することによって組織図と実態が乖離してしまうこともあるのです。

組織図は、統制や組織運営の土台となるもので、不正確な情報をもとにマネジメントや経営判断をしてしまうと、ミスに繋がってしまう可能性もあります。

中長期目標や市場動向などとも比較しながら組織図を定期的に見直してアップデートを行うと、こういった不具合を防ぐことができるのです。

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