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目標管理システムの効果、導入ポイントと人事評価の流れ

会社と従業員が目標を共有し、生産性向上を目指していくには目標管理システムの導入が効果的です。

同一労働同一賃金制度の法制化や、テレワークやフレックスタイムなどの多様な働き方の普及に伴い、従業員の業績を正当に評価しようと目標管理制度のシステム化を検討する企業が増えています。

目標管理システムを導入することで期待できる効果や、人事評価の流れについて解説します。

目標管理システムとは?

目標管理システムは、目標設定から査定評価結果の集計、従業員に対する人事評価結果のフィードバックまで一気通貫で支援するシステムです。

組織が目指す方向性と個人が定めた目標をマッチングさせることで、組織の成長と個人のモチベーションアップを両立できる効果が期待できます。

従来は、紙面や表計算ソフト(Excel)によって目標管理シートを運用・管理していましたが、評価項目が増えるほど集計作業の工数が増加する課題が浮上しています。評価者の性格や主観に起因する評価エラーへの対策も、評価の公平性を確保する上では課題の一つです。

目標管理システムの活用により、目標の達成度がデータによって可視化され、従業員間の目標到達度も簡単に比較できるようになります。評価者エラーの補正に対応するシステムもあり、目標管理・人事評価の客観性が高まるのも特徴です。

目標管理制度(MBO)とは?

目標管理制度とは、個々の従業員が主体的に目標を設定・管理し、経営層や管理職が達成状況を確認しながら組織目標とすり合わせて、個人・組織双方の目標達成を目指すマネジメント手法の一つです。

MBOと呼ばれることもあり、英語では「Management by Objectives and Self control」と表記されます。MBOは、1954年に経営学者ピーター・F・ドラッガーが著書「現代の経営」の中で提唱した考え方で、日本では1990年代から成果主義とともにMBOを導入する企業が増えています。

成果そのものを重視する余り、目標達成のプロセスを管理が行き届かないケースがみられることもあり、優秀な従業員の行動特性(コンピテンシー)の共有を通じた人材育成に発展させることが、今後の運用課題の一つです。

目標管理システム導入の効果、メリット

目標管理制度をシステム化することで、目標管理に関するデータの一元管理が実現します。クラウド型システムでは、機器やプログラムのメンテナンスが省け、テレワークでも目標管理・人事評価を行えるのも特徴です。

目標管理システムの導入後に生まれる、5つのメリットを紹介します。複数の提供会社(ベンダー)の特徴を調べ、自社に合ったシステムを導入することが、長期にわたって効果的にシステムを活用するためには重要なステップです。

1.評価業務の簡素化

紙やExcelで目標管理シートを管理する場合、シートの提出状況や評価の進捗状況を相手に確認する場面があり、管理が非効率になりがちです。

評価結果を集計する際も、Excelの関数(VLOOKUPや3-D集計など)に関する知識が必要となる他、集計の漏れやミスが発生するリスクが伴います。目標管理システムを導入することで、評価のステータスが一目で分かるようになり、データ集計の自動化も実現するなど評価業務の負担軽減につながります。

2.現状の評価制度を再現可能

目標管理システムは、企業の考え方に応じた柔軟なカスタマイズに対応しているため、既存の目標管理シートの項目や評価基準を新システム上でそのまま再現できます。

MBOやOKRなどの目標管理手法とリンクすることで多面的な評価が実現し、評価に対する従業員の納得感も高まるでしょう。目標管理システムの導入にあたっては、人事評価制度の見直しを含めて徹底した導入サポートを受けられるので、人事評価制度を改革するチャンスといえます。

3.場所を選ばず評価・管理が可能

クラウド型の目標管理システムはWebベースで利用できるため、場所を選ばずに評価・管理が行えるのが特徴です。

紙ベースの目標管理シートでは、社外に持ち出すと紛失や情報漏えいのリスクが生じますが、クラウド型システムではデータセンターに評価データが保管されるため、紛失の心配はありません。

ZoomやLINEのビデオ通話機能を併用することで、テレワークで勤務する従業員に対してもオフィスと同等の評価を実現できる点もメリットです。

4.人事評価データの活用・分析が可能

目標管理システムでは過去の評価データや他の従業員の情報を簡単に参照できるため、評価データの集計・分析がスムーズに行えます。

行動特性(コンピテンシー)にあてはめて組織や従業員の弱点を洗い出し、客観的な指標をもとに行動変革につなげられるのも特徴です。給与・賞与の査定に関する説得力も増すでしょう。

評価プロセスのAI分析によって評価者へフィードバックを行う機能を持つ目標管理システムもあり、評価者のレベルアップを期待できる点も見逃せません。

5.システム運用負荷を軽減

クラウド型の目標管理システムではオンプレミス型(自社にサーバーを設置する運用)と異なり、サーバー管理やソフトのアップデートといったシステム運用に関する負荷が少なくて済みます。

既に保有しているパソコンやスマホで目標管理システムを使用でき、機器導入費用が発生せずコスト面でも優位です。バックアップもクラウド側で実施される他、不具合発生時も運用元のサポートを受けられるので安心です。

目標管理システムによる人事評価の流れ

目標管理システムを活用した人事評価の流れを確認しておきましょう。目標達成状況の適切なフィードバックを経て、次期の新たな目標と人材育成計画を検討していくことが、企業の成長にとっては必要不可欠です。

STEP1.目標設定

会社の経営理念やミッションステートメントをもとに、部門ごとの目標や評価基準を設定します。評価者や従業員の考え方による解釈のズレが生じないよう、定量目標(数値目標)を用いるなど目標を具体化しておくことが大切です。

従業員に対して目標設定面談を行い、達成したい課題を設定するためのサポートを行います。目標の達成度によって降給が見込まれる場合は、労働条件の不利益変更に該当するため、評価制度の意義を説明した上で従業員の同意を得ておくようにしましょう。

STEP2.中間レビュー

半期あるいは四半期に1度の面談で、目標の達成状況や直面している問題などのチェックを行います。仕事への取り組み方も振り返り、目標達成に向けたアドバイスやコーチングを行うことが、従業員のモチベーションを保ちながら業績アップを目指す上での重要なプロセスです。

上司と定期的にコミュニケーションを取る機会があれば、評価結果にも納得しやすくなるでしょう。他の評価者と情報を共有し、期末面談に活用できるように面談内容を必ず残すようにします。

STEP3.評価

会社が定めた指標や点数分布をもとに、「能力」「業績」「情意」の3つの観点から評価を実施します。自分が持つ能力を業務に反映させていたかを能力評価で判断した上で、目標の達成度や業務の成果を業績評価で確認します。

情意評価は、従業員の意欲や勤務態度(マインド)を通じて、必要な行動をとれるかを判断するものです。適切な評価を行うためには、過去の実績を参照したり他のメンバーの評価と比較したりすることが必要となってきます。

STEP4.査定評価調整

目標管理システムを活用するとはいえ、評価面談と採点は人間が行うため、寛大化傾向や厳格化傾向といった評価エラーは避けられません。そのため、評価者の採点傾向を確認した上で評価結果を補正する「甘辛調整」を行います。

平均点を調整する方法や標準偏差を用いて評価点を補正する方法が一般的です。評価者研修を実施して評価の考え方や技術を共有することも、評価エラーを最小限に抑えるためには効果的といえます。

STEP5.報酬連動

給与改定や賞与支給を行う場合は、評価結果に基づいて金額を決定します。目標管理システムを導入している場合は、業務の達成度や難易度に基づいて報酬配分をシミュレーションできるので、人件費総額のコントロールには便利です。

評価結果がどのように給与・賞与に反映されるかを明確にしておくと、賃金制度の透明性が高まるでしょう。

STEP6.フィードバック

評価結果や給与改定・賞与支給額を書面で各従業員に通知します。書面での通知と同時にフィードバック面談を実施すると、課題意識と業績向上の計画を共有できて効果的です。

降給となった従業員に対してはモチベーション低下を防ぐため、改善が必要な項目を丁寧に説明した上で、リベンジのチャンスがあることを伝えるようにします。従業員の人間性を尊重した上で、前向きな姿勢でフィードバック面談に取り組みましょう。

STEP7.組織分析

評価が完了した後は、次期の業績向上と従業員のモチベーションアップに向けて組織の分析を行います。行動目標別の平均点を分析することで、組織の強み・弱みや克服すべき課題が明確となります。

目標に対する難易度についても精査を行い、評価スコアの配分を見直すことが従業員のチャレンジ精神を引き出すには有効です。

目標管理システムに蓄積されたデータをもとに的確な目標設定を行い、人事評価とフィードバックを経て組織を改善するPDCAサイクルを確立することで、企業と従業員双方の成長につながります。

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