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エンプロイーエクスペリエンスとは?注目される背景や企業事例について解説

従業員のパフォーマンスを最大限に高める取り組みとして、「エンプロイーエクスペリエンス」という言葉が、人事業界のトレンドワードとして注目を集めています。

アメリカを中心に、エンプロイーエクスペリエンスを中心に据えた人事を展開した企業は、社内だけでなく社外からの評価も向上させています。

この記事では、エンプロイーエクスペリエンスの意味や注目されている背景、取り入れるための方法、実際の取り組み事例について解説します。

エンプロイーエクスペリエンスとは?

HRカンファレンスでトレンドワードとなったこともある、エンプロイーエクスペリエンス。その概要や歴史について解説していきます。

エンプロイーエクスペリエンスの意味

エンプロイーエクスペリエンスとは、直訳すると「従業員の経験」を指す言葉です。従業員の経験とは、職場での勤務や会社内で過ごす時間の中で得られる経験価値を指します。

マーケティング業界では以前より、製品の物質的な価値以外の、快適さや雰囲気の良さといった体験的な価値を提供することでロイヤリティを向上させる「カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)」「ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)」といった概念が一般的でした。

エンプロイーエクスペリエンスは、この概念を人事業界に適用して生まれた言葉です。

つまり、顧客を従業員に置き換えて、職場環境や働きがいといった金銭的価値以外の要素で従業員のエンゲージメントを高める施策のことをいいます。

エンプロイーエクスペリエンスが注目される背景

現在の日本では、急速な少子高齢化の影響から、労働人口の減少が問題となっています。

また、1980年代以降に生まれたミレニアル世代が組織の中心となってきていることから、労働に対する価値観を変化しています。

この世代は、従来の終身雇用を前提とした働き方に囚われず、転職することへの抵抗が薄いため、新たなキャリアを求めて離職しやすいといわれています。

このような背景から、従業員の組織に対する愛着や帰属意識を高め、離職を防止する施策に力を入れる企業が増えています。

その一つの選択肢として、労働環境を整備して働きがいを向上させ、従業員の組織に対する意識を醸成するエンプロイーエクスペリエンスも注目されるようになりました。

エンプロイーエクスペリエンスの歴史

エンプロイーエクスペリエンスは、2015年から2016年頃にかけて人事業界で認知度を高めるようになりました。

理由としては、HR系の議会や経営雑誌などで、エンプロイーエクスペリエンスが「トレンドキーワード」として取り上げられたことが挙げられます。

さらに、宿泊予約サイトを運営しているAirbnbが、人事部門の名称を「エンプロイーエクスペリエンスチーム」と変更し、「社員が選ぶ企業ランキング」で一位を獲得したことも話題となり、世界的に注目されるワードとなりました。

エンプロイーエクスペリエンスを向上する方法

従業員の働きがいや生産性を高めるためにエンプロイーエクスペリエンスの概念を取り入れるには、どのような手段をとればいいのでしょうか。企業が取り組むべき方法を紹介します。

従業員サーベイの実施

従業員サーベイは、従業員満足度調査のように従業員との関係性改善や組織の活性化などを目的として行われる、従業員の満足度や愛着を調査するアンケートのことです。

これらは同一視されることもありますが、満足度調査が主に福利厚生に関する調査である一方で、従業員サーベイは組織と従業員との信頼関係に重点を置いています。

具体的には、従業員が企業に対して抱いている不満や要望などを聞き出します。アンケートを実施する際は、従業員の満足度に影響を与える要素を事前にピックアップしておくと、より効果を高めることができます。

従業員サーベイを行うと、労働環境に潜んでいる問題や改善点を把握することが出来ます。問題を早期に把握して、的確な対策を施すことで、従業員の信頼を深めることができます。

エンプロイージャーニーマップの作成

エンプロイージャーニーマップとは、従業員が求人に応募してから採用面接を経て入社し、働いて退職するまでに企業が提供できる経験価値を図にまとめたものです。

売り手市場の現代では、働き手は求人応募時から一貫して「その企業で得られる経験」に注目して企業を選びます。

そこで、募集から退職まで、従業員が辿るフローを一連の図で整理することで、パフォーマンスを最大化させることが狙いです。

得られる経験は職種や職場によって異なりますので、経験を種類別に分類し、ターゲットとペルソナに合わせてマップを作成します。

作成したマップは、各ペルソナがいる部署に共有してフィードバックを受けると、より精度を高めることができます。

労働環境の整備

長時間労働の防止や従業員の健康管理、パワハラの是正といった労働環境を健康的に整えることも重要です。

どんなに業務内容が魅力的で、高い賃金を得られる環境だったとしても、従業員の健康を損なうような働き方を強いていては、企業への愛着が深まることはありません。

また、従業員の健康状態が悪化すると退職リスクも高まり、結果として経営に悪影響を及ぼす可能性もあります。

就業時間の管理やパワハラに関する啓もう活動、ストレスチェックなども取り入れ、健康的な労働環境を整備する必要があります。

エンプロイーエクスペリエンスに取り組む企業事例

最後に、エンプロイーエクスペリエンスを重視している企業の取り組み事例を紹介します。

Airbnb

前述でも登場した世界最大ともいわれる民泊仲介サイトのAirbnbは、早期からエンプロイーエクスペリエンスの概念を取り入れた企業のひとつです。

人事部の名称を「エンプロイーエクスペリエンスチーム」、HRリーダーを「チーフエンプロイーエクスペリエンスオフィサー」と呼称して、全社的にその価値観を浸透させています。

チームのミッションを「社員の面倒をいろいろと見る部署として、会社の健康と幸せの向上のために日夜働くこと」として、従業員の働きやすさや生産性を最大化させることにコミットしています。

freee

クラウド会計システムでおなじみfreeeには、「メンバーサクセスチーム」と呼ばれる総務人事部門が存在します。

このチームでは、付加価値業務や自己成長により多くのリソースを割くことが本質的な価値のある業務であると定義し、全社的にその価値観を周知しています。

実際の取り組みとしては、「weekly 1on1」という独自の面談制度を用意しています。

これは、上司と週1回30分の面談の機会を設けて、キャリアやモデルケースなどの働き方について話し合うものです。自社の価値観の共有しつつ、従業員の抱える課題と早期に向き合うことでエンゲージメントを向上させている事例です。

おかん

法人向けの「ぷち社食」サービスや、個人向けのお惣菜定期仕送りサービスを提供している株式会社おかんは、エンプロイーエクスペリエンスの概念を日本でも広めるため、2018年に経営者や総務・人事担当が集うカンファレンスイベント「Employee Experience Summit」を主催しています。

イベントでは、エンプロイーエクスペリエンスに関して先進的な取り組みをしている企業の経営者や担当者から、取り組みや価値観について共有されました。

社内でも、このイベントを通して快適で働きがいのある職場環境について考えるきっかけになったといいます。

Adobe

Photoshopなどのソフトウェアを提供しているAdobeでも、Airbnb同様に人事部をエンプロイーエクスペリエンスと称しています。

アメリカは、意外にも日本ほど育休や産休等の有給休暇制度が整備されている企業が多くありません。

その中で、Adobeではエンゲージメント向上のため、10日間の出産有給休暇や産後26週間の有休制度を先進的に設立しました。

他にも、従来の年次評価を見直して、マネージャーが従業員と面談を行って、定期的に部下の成長度合いをチェックしたり、キャリアの相談に乗ったりする「チェックイン制度」を設けています。

これらの独自の価値観を従業員だけでなく採用候補者にも伝え、カルチャーの浸透に努めています。

エンプロイーエクスペリエンスの実現に向けて人事評価制度の見直しを

エンプロイーエクスペリエンスの考えを取り入れ、従業員のエンゲージメントを高めることで、離職率を低下させたり、生産性を高めたりする効果が期待できます。

取り組みの第一歩としては、従業員サーベイによる意識調査や、自社が提供できる経験価値の棚下ろしが効果的です。まずは、自社の置かれている状況を正確に把握して、必要な取り組みを計画していきましょう。

同時に、企業への愛着や働きがいを向上させるためには、頑張りが適正に評価される人事評価制度の存在が不可欠です。人事評価制度の見直しも並行して取り組むようにしてください。

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