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リカレント教育とは?効果、補助金・助成金、大学・企業事例を解説

労働人口の減少から、社内リソースの活用が課題となる昨今、社員のスキルアップや生産性向上に向けた取り組みとして、「リカレント教育」が注目を集めています。

欧米では一般的な制度ですが、人生100年時代を控えた日本でも、マンパワーを活用する手段として、取り組む企業が増えています。

本記事では、リカレント教育の概要やメリット、注目される背景、活用できる助成制度、実際に導入している大学や企業の事例を解説します。

リカレント教育とは

リカレント教育とは、義務教育を終了して社会人となった後でも、再び教育機関に出戻って職業に必要な知識を身に付ける、就労と就学を反復する教育システムのことです。

「リカレント(recurrent)」とは、「反復、循環、回帰」を意味する英単語であり、リカレント教育は「循環教育、回帰教育」と訳されます。他にも「社会人の学び直し」「学び直し学習」といわれることもあります。

元来のリカレント教育は、就職している社会人を対象として、高等教育機関で職業関連の知識や技能を身に付けることを目的に、フルタイムの就労と就学を繰り返すスタイルを指します。

しかし、日本では長期雇用の慣習が根付いていることから、そのスタイルはあまり浸透していません。

リカレント教育のメリット

社会人がリカレント教育を取り入れることで、どのようなメリットや効果があるのでしょうか。リカレント教育のメリットを解説していきます。

1.能力・専門スキルの向上

専門性の高い知識ほど定期的なアップデートが必要ですが、一度社会人になって就労してしまうと、なかなか新たに学び直す機会は得られません。

特に、昨今ではITの進歩にともなう技術革新が活発になり、より最新の市場動向を把握する姿勢が求められるようになっています。

企業にとっても、一から新人を教育するよりも、一度就業して経験を積んだ人が学び直すことで、よりコストパフォーマンスの高い学習を実現できます。

2.年収の増加が期待できる

リカレント教育によって専門的な知識や技能を継続的に身に付けることで、長期的に年収が向上することが期待できます。

平成30年度の経済産業省「年次経済財政報告」でも、年収の変化について以下の結果が報告されています。

年収に与える効果の推計結果をみると、自己啓発を実施した人と実施しなかった人の年収変化の差額は、1年後には有意な差はみられないが、2年後では約10万円、3年後では約16万円でそれぞれ有意な差がみられている。

自己啓発の効果はすぐには年収には現れないが、ある程度のラグを伴いつつ効果が現れると考えられる。

経済産業省「年次経済財政報告」

3.企業の生産性・業績アップ

従業員が従来の知識のままアップデートを行わないと、組織の成長も停滞してしまいます。

業務に関連する最新の知識や技能を身に付けることで、新しいアイディアや価値観を生み出し、企業の生産性を向上させます。

さらに、自ら身に付けた知識や技能を活かし、企業に還元することで、従業員の働きがいの向上にもつながります。

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リカレント教育が注目される理由

現在、リカレント教育は、企業や大学から注目を集めています。

最近になって、社会人の学び直しの必要性が叫ばれているのはどうしてなのか、その背景を解説します。

1.柔軟な働き方の実現

少子高齢化の影響で働き手が不足し、慢性的な採用難が続いていることから、企業は幅広い人材を雇用する必要に迫られています。

多様な人材に対応するために、働き方にも多様性が求められており、それぞれのキャリアパスに合わせた学習体制が必要とされています。

2.「人生100年時代」の到来

ある海外の研究では、2007年に生まれた子どもの半数が107歳以上生きると推定されています。

100年という長い期間を充実して生きるために、これまでよりも長く社会で活躍し続けられるよう、生涯学習を継続し、キャリアを切り開く必要があるといわれています。

参考: 「人生100年時代」に向けて

厚生労働省

3.ビジネス環境の急速な変化

インターネットやAIの進歩に伴うイノベーションやグローバル化によって、ビジネスの世界は予測不能な時代に突入したといわれています。

大手企業の倒産や安泰とされていたビジネスモデルの衰退など、予測できない急激な市場の変化が目立つようになりました。

時代の変化に対応するためにも、従来の価値観に固執せず、常にアップデートを続けることが重要視されています。

リカレント教育に関する補助金・助成金

生涯学習の重要性が増す中で、リカレント教育には様々な支援制度が設けられています。その中から、主要な補助金や助成金について紹介いたします。

1.教育訓練給付金

教育訓練給付金とは、労働者の主体的な能力開発に対する取り組みや、中長期的なキャリア形成を支援する厚生労働省の制度です。

雇用の安定や再就職の促進をはかることを目的として、教育訓練の受講に支払った費用の一部が助成されます。

また、初めて専門実践教育訓練を受講する人で、受講開始時に45歳未満などの一定条件を満たし、かつ訓練期間中に失業状態の場合は「教育訓練支援給付金」の支給を受けられます。

≪申請方法≫

  1. 受給資格を満たすか確認する。
    (特定一般教育訓練給付金および専門実践教育訓練給付金の場合)
  2. 厚生労働省の「指定講座」の中から受講を開始する。
  3. 居住地の管轄ハローワークで申請手続きをする。

2.人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、従業員の専門的な知識や技能習得のために計画的な職業訓練を実施した企業に対する助成制度です。

労働者の長期的な能力開発を促進するため、企業が負担した訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

企業のニーズや支援制度の内容に合わせて、訓練そのものの費用を助成する「訓練コース」と、労働者が訓練のために長期休暇を取った場合に利用できる「休暇付与コース」が用意されています。

ここでは休暇付与コースについて詳しく解説していきます。

①教育訓練休暇制度

事業主以外の実施する教育訓練や職業に関連する各種検定、コンサルティングを自発的に受けるために、有休とは異なる長期休暇が必要な場合が対象となります。

教育訓練が業務命令によるものだったり、通常業務の一環として行われたりする場合は対象となりませんので、注意が必要です。

助成額は通常の場合で30万円、3年度前に比べて6%以上伸びているなどの生産性要件を満たす場合で36万円となります。

②長期教育訓練休暇制度

教育訓練休暇制度の中から平成30年度に新設された制度で、休暇取得開始日より1年の間に120日以上の教育訓練休暇が取得できます。対象となる教育訓練の要件などは、上記の教育訓練休暇制度と同様です。

助成額は20万円、生産性要件を満たす場合で24万円となります。

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リカレント教育 大学の取り組み事例

リカレント教育は、大学機関でも積極的に導入されています。大学の取り組み事例をいくつか紹介いたします。

1.明治大学

明治大学では、生涯学習拠点として「明治大学リバティアカデミー」を開設しています。

受講生は大学が認定する「ポイント制」で評価され、教養、ビジネス、語学、資格など多岐にわたる講座から、自身の興味を選択して受講できます。

現在は、駿河台、和泉、生田、中野の4キャンパスで年間約400講座を開設しており、約18,000人の受講者が学んでいます。

2.日本女子大学 リカレント教育課程

日本女子大学では、女性のための再就職支援プログラムとして、「リカレント教育課程」が用意されています。

就職後に育児や進路変更などの理由から離職した女性を対象に、高い技能や知識、働く自信を養う1年間のキャリア教育を実施します。

英語やITリテラシー、金融、企業会計など、ビジネスに特化した科目が受講できるほかにも、合同企業説明会の実施や求人Webサイト開設、その他就職に関するイベントの開催など、再就職支援事業も行っています。

リカレント教育 企業の取り組み事例

一般企業でも、リカレント教育に取り組む事例が増えています。企業におけるリカレント教育の取り組み事例をご紹介します。

1.サイボウズ「育自分休暇制度」

ソフトウェアを提供するサイボウズでは、育児休暇ならぬ「育自分休暇」として、一度退職しても最大6年間は復職可能とする制度を設けています。

35歳以下の将来性の高い社員を対象に、幅広い視野を身に付けてもらうことを目的としています。

復職が保障されているため、社員が安心して自分磨きに打ち込めるだけでなく、進路変更を考えている社員にも長く働いてもらうことができる制度だといいます。

2.パーソルキャリア株式会社

転職サービス「doda」を運営するパーソナルキャリアでは、ライフステージやキャリアプランに合わせて、働く日数、時間、場所、休暇を選択できる「FLASH」という制度を導入しています。

時短や長期休暇制度を活用しながら、長期就労や持続的成長を支援する目的です。

育児や介護だけでなく、進学や趣味、余暇活動、社会活動を理由として、時短勤務や休業することを認めています。

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