1年後の営業利益率が3倍へ!これからの人事に必要な「エンゲージメント」とは?

(写真=Photon photo/Shutterstock.com)

経営者が企業を成長させるためには、従業員が持つ企業への自発的な貢献意欲(エンゲージメント)を高くキープすることが何よりも大切です。グローバルに展開するコンサルティング会社「タワーズワトソン社」は、「持続できるエンゲージメント」が企業の業績に大きく影響することを最新の調査「グローバル・ワークフォース・スタディー」で公表しました。

この「持続できるエンゲージメント」には、日本でも認知されてきた「自発的な貢献意欲」に加え、「生産的な職場環境」と「健全な就労状態」の2つが加味されます。タワーズワトソン社は、この3つが揃った企業ではエンゲージメントが低い企業より、営業利益率(業績)が3倍になったことを明らかにしています。

健全な職場環境の整備が企業業績に大きく影響

この調査は、2012年2月から1ヵ月間、日本を含む世界中の大・中規模企業29業種のフルタイム従業員3万2,000名以上を対象に、オンライン調査で実施されました。

従業員のエンゲージメントは、企業の成長に向けて従業員が持つ自発的な貢献意欲の度合いを示します。具体的には、1.会社の方向性への理解、2.帰属意識(愛着心)、3.行動意欲で構成されます。

このエンゲージメントを継続的に高くキープするためには、「生産的な職場環境」と「健全な就労状態」の2つの要件が欠かせません。

生産的な職場環境には、働くのに十分な情報や権限、仕事に影響がある意思決定への参加、社内プロセスに無駄がなく仕事に集中できる状態、などが含まれます。特に、安全で衛生的な職場環境より、内向きな業務の多さや権限移譲などはより大きく影響します。

健全な就労状態には、柔軟な働き方や仕事量などの物理的な側面と、プレッシャーや達成感などの精神的な側面が含まれています。

この3要件を満たす「持続できるエンゲージメント」が与える企業業績への効果は、エンゲージメントが低い、あるいは単に高いだけの企業群より、実に1年後の営業利益率が3倍もあるということが分かりました。

「持続できるエンゲージメント」に必要なポイントは?

今回のタワーズワトソン社による調査から、「持続できるエンゲージメント」に比例して影響するポイントは、日本でのトップ5は次の通りでした。

1. ストレスや仕事量のバランス
2. 企業の社会的認知や使命
3. 直属の上司
4. 会社の目的や達成目標
5. 福利厚生

世界の企業との大きな違いは、日本ではトップ5にも入らなかった「リーダーシップ(経営陣)」でした。日本では意外にも経営陣のリーダーシップは従業員のエンゲージメントに大きくは影響せず、トップダウンもボトムアップも効果が薄いという状況を浮き彫りにしています。今後の対策が不可欠です。ちなみに、世界的な1位は「リーダーシップ」でした。

日本企業ではまた、エンゲージメントが低い従業員を大量に抱えることは経営効率を大きく下げていることも分かりました。逆に、エンゲージメントが高い従業員を持つことは今後グローバル化に向かう意味でも、高い経営上の成果を上げるという認識が世界的な基準になりつつあることが明らかになっています。

「従業員満足度」は必ずしも企業の業績アップとは無関係

従業員と企業の関係を測る基準の一つが、「従業員満足度(Employee Satisfaction=ES)」。従業員が企業で働く上での居心地の良さで、企業の状況を測定するものです。具体的には、労働環境や福利厚生、社内での上下関係などが挙げられます。

この従業員満足度と企業の業績向上には必ずしも相関関係はなく、企業の業績アップに寄与するものではありません。一方、「従業員エンゲージメント」は、企業の業績アップに大きく影響するものだと分かってきています。

日本の現状を振り返ると、かつての世界的な技術革新(イノベーション)を起こすような新製品やサービスの開発能力が著しく低下しています。それだけに、「従業員エンゲージメント」を取り入れることで、新たなイノベーションを起こす戦略や社風を呼び覚ます重要な経営手法として注目されているのです。

米国企業で頻繁に使われる言葉が「エンゲージメント」

米国の企業で特徴的なことは、「エンゲージメント」という言葉が社内でのコミュニケーションで頻繁に使われることです。従業員が企業に帰属意識を感じて力を発揮し、企業も従業員の意見を積極的に取り入れて、「会社に認められている」と従業員が認識しているのが一般的なのです。

米大手家電量販店「ベストバイ」は、正社員だけでなく、パートタイムで働く従業員に対するエンゲージメントが顕著な例です。現場の意見を吸収するために社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を立ち上げ、実に900以上の経費削減へのアイデアが寄せられ従業員のモチベーション向上にも繋がっています。

1973年以来40年以上にわたって黒字経営を続ける「サウスウエスト航空」では、誰でも自由に書き込める一般公開されたブログに、企業が従業員の意見を取り上げる場を提供。あらゆる層の従業員に「企業から認められている」という帰属意識の向上に貢献しています。

日本の中小企業で実践する場合の参考は?

日本の中小企業で実践する場合、従業員数1,100人を超える優良企業ですが、熊本県上益城郡に本社がある漢方の医薬・化粧品で知られる「再春館製薬所」の取り組みは参考になるでしょう。

同社では、仕切りがないワンフロアのオフィスで、部署の垣根を越えて働くという独自の働き方が注目されています。中でも、さまざまな部署の人とコミュニケーションが取れることで、管理職も含めて相談しやすく、働きやすい環境となり社内が活性化しています。ここには多くの女性スタッフが活躍しているので、産休や時短勤務などでも細やかな配慮があります。多くのヒントがありそうです。

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